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2006年10月12日 (木)

漢字で読解リテラシー

◆2006年10月8日実施の「センター模試」で「過ち」という漢字の書き取り問題が出題された。受験した生徒の全体正答率は20.7%で、今回の書き取り問題では難しかったようだ。

◆大人にとっては格別難しくはないのかもしれないが、小学6年生の段階では、この漢字はスーッと入ってくる言葉ではないようだ。

◆子どもたちにとって間違える感覚と結びつく漢字はむしろ「誤り」のほうかもしれない。「過ち」と「誤り」。似た言葉だが、違う。この差異を考えることから始めないと「過ち」という漢字をうまく使いこなせない。そんなことが今回の正答率から推測できるわけだが、とにかくどうやったら、うまく覚えることができるのだろうか。

◆おそらく「通り過ぎる」という意味の熟語「通過」を書いてごらんと言われると、全体正答率はあがるだろうから、「過」という漢字が書きにくいということではあるまい。「過失」という熟語が意味する「しくじり」という意味も「過」という漢字にはあるということに気づいていないだけだと思う。

◆したがって、漢字を覚えるときには、形を覚えるだけではなく、言葉の多義性について学んでおく必要があるということだろう。そして多義性ということだが、それは全く違う意味ではなく、どこか似た感覚が共通しているという点を読み取ることが大切。この差異と共通の理解があって関係が広がる。そしてやっと関係の中から情報選択ができる段取りとなる。

◆さて「通過」の「過」と「過失」の「過」の意味の違いはわかったとして、多義性として似ている部分は何なのだろう。そんなとき「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」という言葉を思い出してみるのもよいだろう。このフレーズは、「過」という言葉が、「通過」→「行き過ぎ」→「過ち」という複数の意味が1つになっているのではないかということに気づかせる言葉である。

◆このように漢字を憶える作業は、差異と共通、比喩(転じる)、情報選択などの視点を総動員して考える作業であり、これはすでに読解リテラシーそのものなのである。

※関連→テストで学びを考える    (本間 勇人)

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