第54回全国私学教育研究集会の意味(2)
◆「私学経営部会」は、私学らしいプログラムで、結論から先に言うと、未来を担う人材育成は私学からであるし、私学をモデルにしなければならないということが伝わるものだったのではないか。
◆1日目はまず国立大学財務・経営センター名誉教授市川昭午先生と東京私立中学高等学校協会会長近藤彰郎先生による2つの講演が行われた。
◆市川先生は、「私学への公費負担は国家財政を救うことができる」との見解を示されている教育政策、教育行財政の権威(全私学新聞2006年9月13日)。「私学の公共性と公費負担のあり方」という演題で話された。
◆近藤先生は、自らも八雲学園の経営に成功され、東京の私学教育のモデルを広く日本の教育に役立てようというスケールの大きいビジョンの持ち主であり実行者。「私学経営について東京からの報告」という演題で話された。
◆そして2日目、お2人の講演を受けて、参加者全員がグループディスカッションを行った。各グループが1つのテーマについて議論する。A「私学の公費負担について」B「これからの生徒募集と学校経営」C「教職員の育成(採用・研修・リーダー育成)」D「私学教育の未来像(提言・実践)」の4つから各グループがテーマを選択して議論し、プレゼンをする。
◆最後は再び講演だが、演題は「寺子屋に学ぶ現代の教育」。講師は江戸東京博物館館長竹内誠氏。部会の最後は教育の原点に思いを馳せるという趣向で、なるほど粋である。
◆それにしても、この部会の参加者数は240名を超え、かつその顔ぶれのほとんどが理事長、校長、教頭。私学経営の質の向上に対する意欲と日本の未来の教育の形づくりへの気概と熱気が伝わってくるのではないだろうか。そして私学の経営陣自らが、講義(トリガー)→ディスカッション→プレゼン→講義(レビュー)というプログラムを創意工夫して作り、体験したということは、通常の授業の中にもこのサイクルが根付いていることを示唆するのではないだろうか。かつて女子聖学院の小倉校長先生が私学教育の「グローバル・ベーシス」という言葉を語られたことがあったが、まさにこの対話のサイクルがそれなのであろう。(本間 勇人)
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