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2006年11月23日 (木)

私立中高一貫校のキャリア教育

政府は少子高齢化、産業・経済構造の激変の中で働く意欲と学習意欲の高揚政策を次々と実施。しかし依然200万人以上のフリーターが存在。意欲だけではなく、自己実現するサバイバル能力の育成が重要。そこが政府と私学の違いだ。

夢を見るのは楽しいが、夢を実現するのはもっと楽しいとは、本田技研工業の創設者本田宗一郎さんの至言。働きがいのある職業を見つけたり、仕事を自ら創造したりする能力があれば、自ずと働く意欲が湧き楽しい。

Hot0610_09_1 政府は、平成13年「児童生徒の職業観・勤労観を育む教育の推進について」議論を開始。それ以来「若者自立・挑戦プラン」について矢継ぎ早に協議会を開いては報告書をまとめた。そして平成16年「新キャリア教育プラン推進事業」が実施され、平成17年には「キャリア教育実践プロジェクト」が実施された。

  1. キャリア教育を実施する教員の資質や能力を高めること
  2. 職業体験やインターンシップの実施
  3. ハローワーク、大学、専門学校、企業などの連携促進

が基本的条件として整備され、自立意識や働く意欲の高揚が実現目標とされてきた。

一方、私立中高一貫校では、キャリア・ファシリテーターの育成、体験学習、ステイクホルダーとの連携は大前提で、調べる能力、コミュニケーション能力、リーダーシップ、プレゼンテーション能力などのサバイバル能力を育成するプログラムを独自に開発。

中村中では、進路指導部長の永井哲明先生が、キャリア・デザイナー制度の確立において、中心的な役割を果たした。学園の教師が一丸となって、キャリア・デザイナーの研修を開催し、一定水準のキャリア・カウンセリングの技術を修得。キャリア・デザインの本質は、カウンセリングマインドで生徒と対話していくということである。

高1まで医学部志望だった生徒が、高2の段階で進路を迷い始め、相談に何度もやってきたケースがあるそうだ。成績は十分良かったので、その面で悩んでいたのではなく、医学に進むべきか心理学に進むべきか迷っていたという。医者は身体的な治療が中心だが、自分の社会に対する役割は精神的なものではないか、と悩んでいたそうである。そのとき永井先生は、結論を急がずに、医学部とはいかなるものか、精神科と心理学の違いは何かなど調べては質問してくる生徒と対話し続けたそうである。

そして「心のケア」に対する自分の社会的役割に気付き、心理学系の学部がある国立大学進学を果たした。このケースは中村中のキャリア・デザイナーのプロットタイプであるが、夢を実現するサバイバル能力こそが意欲を生むという典型例でもある

(本間勇人)
[初出:NettyLandかわら版10月号]

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