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2007年1月28日 (日)

「ダーウィンの悪夢」を乗り超える横須賀学院

「ダーウィンの悪夢」というドキュメンタリー映画が話題になっている。日本のレストランで名前が明示されていない白身の魚を食すことも多いだろうが、たいていはアフリカ・ビクトリア湖で大量に繁殖しているナイルパーチというスズキの仲間の魚らしい。2メートルにも成長するという。

◆ビクトリア湖はもともと「ダーウィンの箱庭」と呼ばれていたが、食用のためにナイルパーチが放流されてからというものすっかり生態系が変わってしまったという。どこかブラックバスに似ているが、ことは自然の生態系破壊だけではなかった。ビクトリア湖周辺の貧困問題やエイズ、ドラッグ問題など社会や精神の生態系まで破壊してしまったという重大な問題が発生している。

◆このことについて、横須賀学院秋元先生は、日本の食に世界の貧困問題を見抜く学習プログラムを創っているそうである。詳しくは朝日新聞(2006年12月29日)やこのことについて触れている「人間学を学ぶブログ~こころは超臨界」「ほぼ日刊イトイ新聞」を参照していただきたい。

◆もともと明治以降の日本の近代化路線は、官僚型近代化路線ともう1つの私学の理念型近代化路線があるというコンセプトをベースにしていたところ、最近麻布学園の氷上校長先生の江原素六に学ぶ話を聞いて、さらに確信を抱いていただけに、「ダーウィンの悪夢」に代表される官僚型近代化の系譜に対峙する横須賀学院というプロテスタント校の教育活動に代表される私学の理念型近代化の系譜という考え方がぴたりと当てはまってしまったのである。

◆横須賀学院は、もともと青山学院の分校の跡地に、キリスト教主義の精神をこの地から忘却させてはならないという意志のもと創立された。それは青山学院の精神という以上に「官僚型近代化=富国強兵の系譜」に対峙する(あるいは乗り超える)「理念型近代化=私学の系譜」を横須賀の地に継承しようということだったのではないだろうか。

※参考→横須賀学院の挑戦について

◆「富国強兵の系譜」は、東大初総理加藤弘之のダーヴィニズムを基礎とする「優勝劣敗」につながる。その時代、福沢諭吉、新島襄、江原素六、高橋是清、新渡戸稲造、内村鑑三は、私学の精神を創造した。多くの私立学校が今もこの系譜に続いている。

◆自分の子供たちの未来が平和で明るく自由な雰囲気の社会に開かれていることを祈らない親がいるだろうか。私立学校の入試が始まっている今、改めて子供たちの心と身体と知の豊かさを保守する環境を選択することの重要性を感じないではいられない。(本間 勇人)

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