東洋経済は私学に期待?
◆「週刊東洋経済(2007年1月27日)」は特大号。「ニッポンの教師と学校」を全解明するという特集記事を掲載。
◆45ページにもわたる膨大な『量』の特集。それにしても特集のトーンは『量』的リサーチ以外の何ものでもない。世界は『質』的研究に力を注いでいるというのに、相変わらず『量』的評価視点しかない。これでは、どんなに解明しようとしても本当のところは見えてこない。
◆その象徴的記事が、美術に関してである。「私語厳禁の美術の授業 達成感が子どもの自信に」というトボケタとしか言いようのない記事が真面目に扱われている。「美術に上手下手は関係」ないというトーンである。
◆質的評価を放棄してしまっている。たしかに、美術とはもともとセンスを評価するのではないだろう。だからそこは評価できない。しかし、センスを表現する技術は美術といえども論理的なのだ。そこは評価できるはずだ。ただ、その論理が再びセンスを豊かにする臨界点で、美学的方法論に転換するだけだ。そこから先は学校教育でどうしようもない。いわゆるセンスなのだから。その芽は摘まないほうがよい。どこの部分は評価できるかという話なのに、全面的に放棄する必要はあるまい。
◆『質的』評価は、主観だどうのこうのといわれるかもしれないが、この評価方法は実は20世紀に本格的に生まれてまだ確立されていない。その途上であまり文句を言わないことが肝心だ。
◆それにしても、「週刊東洋経済」の編集長は、慧眼の士としか言いようがない。さんざんそういう諦めにも近い特集の中で、たった3ページではあるが、私学の記事に紙片を割いている。割合にして6.7%。これは全国の中学に対する私学の割合にほぼ等しい。なんという緻密な計算。
★そしてさりげなく「理想の授業は私立でなのか」と小見出しを挿入。公立学校は量の競争というラットレースで、私立学校は質の競争という超越領域における公平性の貫徹。意外と真実を見抜いている編集者は多いかもしれない。(本間 勇人)
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