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2007年4月20日 (金)

白梅学園清修のサポーティブ・バンド

★4月はそれぞれの学校でユニークな教育活動が実施されている。新入生を迎えるにあたり、先輩が後輩のめんどうをみながら、それぞれの学校が独自に創ってきた文化を伝える活動である。

★先輩が後輩に伝えていくコミュニケーションをカトリック系の学校の場合「エンジェル」体制と呼んでるようだ。香蘭ではそのような先輩を“BIG SISTER”と呼んでいるらしい。昭和女子大学附属昭和の『朋友班活動』も生徒たちの“たてわりのコミュニケーションの場”として有名だということだ。

白梅学園清修もおもしろい体制を組立てている。今年二期生を迎えたばかりなので、その体制の仕掛けが良く見える。これが中高一貫生全員がそろって動き出すと、複雑で目に見えない部分がたくさんできるのだろう。そしてそれが文化資本の再生産の構造(ハビトゥス)となる。要するに伝統とかアイデンティティが確立する。

★組織の草創期は、フレキシブルかつ情熱的。構造というガッチリしたものはまだ創らない。そのため白梅学園清修も現状では校則とかを創っていない。イギリス的な慣習法というかコモンセンスを優先して動いている。これが中高一貫生が全員そろうと、その段階で、はじめてルールが成文化されるのだろう。しかし、今はまだまだルール・オブ・ローというコモンセンスをベースにやっている。外から見ているとハラハラすることもたくさんある。しかしやはり欧米のパブリック・スクールやプレップスクールの旧き良き伝統を国を超えて継承する名門校白梅学園としては、ルールが顕在化したときに魂が空洞化することを避けるために、さきに形ではなく質を育成する「がまんの時期」が必要だというわけだろう。

★しかしこの「がまん」体制。すさまじいエネルギーを必要とする。だから柔軟かつ情熱が必要だというわけだ。柔軟と情熱は、人と人の絆がなければ生まれない。型だけで済めば、合理的で効率がよい。しかしそこでは絆を大事にする心が育たない。まずは絆。one for all, all for oneという質料を創出すること、そのあとに形相はできあがる。現状はまだ可能態だが、質料と形相が結びつくといよいよ白梅学園清修は現実態となる。

★なんて欧米的な発想の学校なのだろう。もちろんそれでいて日本文化も大事にしている。「梅」の香の一瞬に美を見いだす文化はジャポノロジーそのものではないか。

★少し横道にそれた。本題に戻ろう。この可能態を現実態にする、つまり質料と形相をつなぐのはいったい何かということがポイント。白梅学園清修はそれを教師と生徒、生徒と生徒、教師と保護者、保護者と保護者、保護者と生徒という親密体制を、リアルにバーチャルに構築している。そしてこの親密なリレーションシップに、エリアコラボレーションやHonda「発見・体験学習」など外部の学習サポーターを取り込んでいく。

★これは複雑なジョハリの窓の4次元的な関係態。まだ構造としては安定していないから、変幻自在に関係は組み変わるが、それだけに全体を包み込む絆の価値を絶えず生み出さねばならない。先生方の温かい心と情熱とクールな知性のトータルな力がポイント。

★二期生は、非常にオープンで、活発。しかし秋田校長や柴田教頭の優しく見守っている眼差しは、今を喜んでいるだけではない。厳しさを乗り越える楽しさを抱えられる本物のオープンな精神を育てることはいかにして可能なのか、一人ひとりを見守りながら、心の中で考え巡らしていることだろう。毎日柴田教頭が更新している白梅学園清修のサイトからそれが伝わってくる。(本間 勇人)

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