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2007年4月21日 (土)

衆院教育再生特別委員会の行方

★20日、衆院教育再生特別委員会で、教育関連3法案の実質審議が始まった。安倍首相は、「愛国心」表記を新設した改正教育基本法に基づく教育再生の方向付けを再度明らかにした。

【関連記事】教育3法案 衆院再生特別委で実質審議入り(毎日新聞)

★そして「『ゆとり教育』に関しては、『(子どもの)自主性を尊重するあまり学力が身につかず、学ぶ意欲の低下につながった』との認識を示し、学習指導要領の見直しを急ぐ考えを示した」ようだ。しかし、ここに危うさが埋め込まれている。なるほど教育関連3法案の改正には、拭いきれない個人への国家による介入に関する鈍感力が横たわっている。

★自主性を尊重するあまり・・・。大いに結構ではないか。それが学力をかりに低下させるのなら、そんな学力観は必要ないのではないか。だいたい自主性と学力の負の因果関係などだれが証明したというのか。

★審議の答弁の中で、小坂憲次さんが、ビルゲイツさんに会って話し合ったことを引用。日本の教育におけるICTの普及は、アジアでかなり遅れているのではないかと指摘された。プロジェクターなどを導入した授業は、より効果的ではないか。だから予算をきちんと立てて欲しいと。それに対し、安倍首相は、わかったと。

★しかし、一方で、米National Center for Education Evaluation and Regional Assistanceは、教育ソフトウェアが成績に与える影響はほとんどないよという研究報告書を提出している。

【関連記事】教育ソフトの効果は限定的――米報告(ITmedia)

★この報告のおもしろい点は、1回目のリサーチだから、実はまだ仮説で、2回目を楽しみにと報告している点。ボランティアで教師にはやってもらっていて、まだIT研修で技術を身につけたばかりで、熟練していない。2回目のリサーチまでには、時間があり、教師のITスキルもアップするから、そうなったら結果はわからないということだろう。因果関係のあるなしは、やはり教師の質の問題?生徒の自主性を尊重することが学力低下につながるなどという発想はアメリカにはなさそうだ。

★それにこの米報告には、安倍首相のアイディアには分が悪い結果がでている。ITの導入により、教師の授業形態をリーダーからファシリテーターにシフトし、生徒も自主的に学ぶようになると。安倍首相が、ICT導入をOKした。すると生徒は自主的になってしまう。自主性を尊重するあまりと言っていたアイディアは矛盾に陥る。

★小坂さんは、中曽根元首相の秘書で、ご自身も元文部大臣。安倍政権が槍玉に挙げている「ゆとり教育」側だ。衆院教育再生特別委員会で、わざわざICTの話題を持ち出すなんてと思っていたら、こんな言語戦略が背景にあったとは、さすがは政治家の答弁である。(本間 勇人)

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