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2007年4月29日 (日)

立教女学院という環境で育つ感性

立教女学院というキリスト教系の私立女子校に初めて足を踏み入れたとき、自身の中高生時代を東京都内のふつうの学校(公立学校)で過ごしてきた筆者は、校内の雰囲気の素晴らしさと、どっしりと重厚でありながら、あたたかなぬくもりを感じさせる校舎に驚かされ、かつ魅了された。「これが私学か!」と思ったものだ。もう22年も前のことである。

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その日は学校説明会だったこともあり、講堂でのお話のあとに校内見学をさせてもらえたが、天井の高い校舎、各所にある机や椅子の木のぬくもり、校舎を囲む緑と四季の花々、そして圧巻だったのが、同学院の歴史を刻む聖マーガレット礼拝堂である。ここで祈り、式典を迎える生徒はみな、この環境のなかでこそ培われる感性を育て、卒業してからも懐かしく思い出される風景を、在学中に心に刻んでいるのだろうと感じたものである。

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その後も数年に一度は、取材や学校訪問で訪れる機会があったが、最初に感じた印象は、いつ訪れても変わることはなかった。

その後、立教女学院は、築70年以上の伝統ある高校校舎や聖マーガレット礼拝堂とは対象的な、新しいマーガレットホール、中学校舎、聖マリア礼拝堂などの新築施設を加えたことで、新旧バランスのとれた学園環境を整えた。変わっていく校内の風景を眺めながら、「それでもこのキャンパス内には、変わらない素敵な雰囲気があるなあ」と思ってきた。

先に学校を訪れた際、同校教頭の山岸悦子先生は、この立教女学院の環境について、卒業生の松任谷由実(ユーミン)のことに触れ、「きっとユーミンの感性も、この立教女学院で培われた部分があるのではないでしょうか」と話してくれた。現にユーミンの曲にはパイプオルガンの音色が使われているものがある。代表作のひとつともいえる「翳りゆく部屋」で流れる荘厳なパイプオルガンは、目白の東京カテドラル教会大聖堂で録音されたものであることは、ファンの間に語り継がれている。

筆者は個人的にも興味があり、後日ネットで調べてみると、あまたあるユーミンのファンサイト(個人ホームページやブログ)では、同じことを指摘している同校卒業生やファンが大勢いることを知った。Rikkyojyogakuin106

この立教女学院のキャンパスや校舎には、そんなことも想像できるような、魅力的な雰囲気が受け継がれているということだろう。

ところで、この立教女学院は、学校の体制も少しずつ変わってきた。従来は1学年約160名の卒業生のうち、約60名が推薦で立教大学に進学してきたが、2005年に立教大への推薦枠が撤廃され、一定の成績を修めれば希望者全員が進学できることになった。その後は立教大に約100名が進学、約60名が他大学を受験~進学するという状況になっている。立教大学への推薦進学の道が実質全員に開けたことにより、中学校を受験するなかにも、いわゆる「大学付属校志向」の強い受験生や保護者が以前より目立ってきた面もある。

しかし、もともと同校は、系列の立教大学や立教女学院短大だけではなく、国公立大学や難関大私立大学に多くの進学者を送り出してきた実力校。「知的で品格のある、凛とした女性」を育ててきた、その伝統はなくすわけにはいかない。

そこで2006年から高2で理系(立教大理学部志望者含む)、文Ⅰ(立教大以外の文系希望者)、文Ⅱ(立教大学推薦希望者・理・文Ⅰ以外の進学希望者)の3コースに分かれる、コース制を導入した。進学校としての方向性をあらためて打ち出している。

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校舎・施設の面でも、旧き良き伝統に新たなものを加え、時代のなかで変遷を遂げつつある立教女学院は、教育の方向性や中身の面でも、理念の見つめ直しと、具体的な教育展開の再構築を図っている。そうした両面の良さを理解し、ファンとなる受験生と家庭がいるかぎり、立教女学院の魅力は決して色あせることがないだろう。

5月12日(土)に聖学院で行われる「Netty Land」講演会「クリエイティブ・スクールを探せ!~私学の教育環境を考える~」には、ゲスト校として、この立教女学院の山岸教頭先生も参加してくれる。きっとこのときにも、「旧き良き立教女学院の教育」と「新しい立教女学院の教育」の両面を伝えてくれるに違いない。そして、この日同じくゲスト校として参加してくれる市川にも、会場校である聖学院にも、やはり同様のことが期待できるはずだ。(北 一成)

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