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引き続き、6月2日(土)に中村中学校(江東区・女子校)で行われる「私学の国際化教育」講演会に関する話題として、参加校のひとつである、かえつ有明(江東区・共学校)について触れたい。
かえつ有明は、長年「怒るな働け」というユニークな校訓を掲げて、自立した女性の育成に努めてきた千代田区の女子校、嘉悦女子中高が、2006年春に有明の地に移転して、同時に共学化を果たしたフレッシュな進学校。
近年、臨海副都心に近接するエリアの開発が進み、学童生徒数も増加に向かっている江東区に生まれたニュータイプの私立中高一貫校として、中学入試でも大いに注目を集めている学校だ。
とくに東京の都心部には、大学付属校タイプを除いた共学の進学校は意外に数が少なく、たとえば渋谷学園幕張や青稜といった共学の進学校に、かなり広いエリアからの人気が集中する傾向が目立ってきた。そのなかに、東京湾岸エリアからも、隣接する千葉エリアからも通学可能な共学進学校として、このかえつ有明が誕生したことで、受験生にとっては嬉しい選択肢が加わった。
もうひとつ、6月2日の「国際化教育」講演会の会場校である中村が1991年に中学を再開し、中高一貫校として再スタートするまでは、江東区内には「私立中高一貫校が存在しない」状況が一時期続いてきた。その意味でも、中村に続いて区内の私立中高一貫校として生まれた、このかえつ有明は、首都圏の中学入試の構造に、新しい風を吹き込んでくれた存在といえるだろう。
東京や横浜と同じように、私立中高一貫校が数多く存在し、「中学受験のメッカ」ともいわれる神戸にあって、いまでは日本一の進学校と評され、「中高一貫教育のパイオニア」ともいわれる灘中高の第4代校長で、灘の“中興の祖”ともいわれる勝山正躬先生(故人)は、かつて「私学駅前パチンコ屋論」という持論を唱え、「同じエリアに競合する私学が多いほど、それぞれの私学(パチンコ屋)は発展する(流行る)」という意味のことを主張していた。
学校をパチンコ屋にたとえた表現には、私たち塾関係者も驚かされたものだが、それにしても明快な論旨と表現だったのではないかと思う。現にその後も、私立中高一貫校が増えたエリアほど中高一貫教育への注目度と中学受験率が高まり、そのエリアの私学も発展に向かっている。
そうしたことも振り返りつつ、かえつ有明の将来に向けての進化・発展に注目している受験関係者は多いことと思う。そうした点で、最近の首都圏中学入試で人気ブレークしている中村と同じように、このかえつ有明も、江東エリアだけではなく、首都圏中学入試における注目校・話題校のひとつであることは間違いない。 
あえてお伝えすれば、このかえつ有明と中村は、共学校と女子校という違いはあっても、近接エリアで互いに人気競合する、いわば「ライバル校」。同じ場で机を並べて説明会をする場は珍しい(ほとんどない?)。しかし、そのエリアで伸びている私立中高一貫校に関心のある家庭からすれば、どちらも選択肢のひとつになるわけだから、両校の話が聞ける機会というのは貴重だろう。
今回の6月2日(土)の講演会では、その両校が「国際化教育」という切り口で話をしてくれる。ほかにもテーマにふさわしい、聖学院(北区・男子校)、世田谷学園(世田谷区・男子校)、頌栄女子学院(港区・女子校)の計5校がこの会に参加校してくれる。
このなかで共学校は、かえつ有明だけとなる。また、校地移転と共学化から2年目を迎えて間もない同校だけに「国際化教育」のプログラムにも、まだ確立されたものは正直ないと先生方はいう。しかし、新しい体制で“第2幕”をスタートさせた同校は、6年後の大学合格目標も明示し、理数の授業時間は首都圏でもナンバーワンという「難関大学進学コース」を設置し、すでに多くの受験生の期待を集めている。
IT、環境、男女共同参画社会を担う日本人の育成をめざして、優れた学力と豊かな人間性を身につけ、高い志をもって国際社会でも活躍できる人間を育成することが同校の目標。「高い英語力を身につけ、世界に誇れる日本の礼法、武道も習得することで、国際的に活躍する真のエリートを」と謳う、かえつ有明。その将来に向かうベクトルと学校全体の意欲を、この機会に感じてもらえることと思う。
そして、このかえつ有明中高や中村中高が、そして聖学院や世田谷学園や頌栄女子学院が、この先、かつて灘中高が「日本一の進学校へ」と着実に歩んでいったように、それぞれのスタイルで「中高一貫教育のパイオニア」になっていくことを楽しみにしたい。 (北 一成)
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引き続き、6月2日(土)に中村中学校(江東区・女子校)で行われる「私学の国際化教育」講演会に関する話題。この日の参加校のひとつである聖学院中学校(北区・男子校)に本日、下打ち合わせにうかがった際にお聞きした話である。
聖学院は、プロテスタント系の男子校として、いまでは都内に2校のみという希少な存在(もう1校は立教池袋)になった学校。それゆえに「男子教育」、「英語教育」、「キリスト教教育」については、ある種のこだわりをもって、私学としての一貫性を守っている真摯な学校である。
もともと「英語とキリスト教」とは、明治期に一体となって日本にやってきたものだけに、その成果はもとより、指導姿勢やノウハウにも自負をもっているミッション校は多い。ただし、その多くが女子校であるため、ミッション系男子校の「英語教育の充実」にスポットがあたることは意外に少ないという印象がある。
この聖学院は、近年、英語教育で目覚しい成果をあげてきた私学として、進学塾関係者の間では、いっそう評価が高まっている。そうした指導の手ごたえをステップに、いまでは帰国生の受け入れと併行して、国内で過ごしてきた「英語経験者」の受け入れも行うようになった。
この6月2日の「私学の国際化教育」講演会に、男子校としてもう1校参加してくれる世田谷学園の先生も同じ意味のことを話していたのだが、全般的に英語を重視している私立中高一貫校にあってさえ、男子には女子と比べて「英語を得意とする」生徒は一般的にはあまり多くないといわれている。英語を積極的に話して、外国の人々とコミュニケーションをはかることに対して、照れや精神年齢の男女差などもあり、男子は少し尻込みしてしまう傾向があるようだ。
そうした一般的な傾向があるなかで、この聖学院は、ていねいな指導と積み重ねてきた独自のノウハウで、こと男子に向けての英語教育に関しては傑出した成果を出している私学といえるだろう。講演会当日の資料として配布される予定のリーフレットには、同校が本格的に教育改革に踏み出した現高2以降の在校生の「英検」取得状況に加え、「TOEIC」、「GTEC」のスコアと人数分布が紹介されている。
かつて筆者は「Nettyかわら版」2006年10月号のリポート記事のなかで、聖学院の英語教育力とその成果は、「日能研R4偏差値が55~60の男子校をも上回る」と紹介したことがある。そして、この理解は決して間違っていなかったといまでも思っている。
そして聖学院は、この春から、これまでの手ごたえをバネにさらなる高い目標をめざして、英語教育の体制をもう一段充実させている。それが系列大学から専任として英語指導に定評のあるネイティブの先生を招き、英語力の高い生徒への指導と同時に、中学1年生への指導を担当してもらっているという。こうしたことの成果も現れてくると、TOEICなどのスコアも、これまで以上に伸びてくるに違いない。
こうしてまず「英語で力をつけた」在校生は、それが自信を生み、他の教科の力も伸びてくるという。そういう良い意味での励みや、生徒のやる気を生むサイクルができあがりつつある。
もともと「Only One for Others(他者のために生きる個人)」という言葉を掲げ、かけがいのない個性を輝かせる「オンリーワン教育」を教育理念としてきた同校。自分自身への手ごたえを生徒一人ひとりが持てたときに、それが各人の個性をより輝かせることに、聖学院の教師陣と関係者は大きな価値と教育の喜びを見出しているのだろう。日常は「生徒と先生との距離感が近い」のびやかな男子校でもある。
もうひとつエピソードとして、実際にご子息を聖学院に入学させた何人もの私学の先生方が、聖学院の英語教育力に高い評価をしているということもお伝えしておきたい。帰国生や英語経験者クラスの生徒でなくても、同じ学年の仲間に「英語の上手な」友達がいることで、「自分もああなりたい」とがんばって英語力を伸ばすケースも増えているという。
その聖学院の先生をはじめ、都内で人気の高い5校の先生方が集まり、「国際化教育」という切り口で話をしてくれる、6月2日の講演会。参加校は、会場校の中村(江東区・女子校)のほか、かえつ有明(江東区・男子校)、世田谷学園(世田谷区・男子校)、頌栄女子学院(港区・女子校)と、この聖学院を加えた5校である。
ちなみに、聖学院のリーフレットの表紙には、「Bridge over the Pacific」と書いてある。これは新渡戸稲造の言葉ということだが、同時にこれこそ、100年前に海を渡り日本にやってきた宣教師の理念と「国際化の理想」を、いまに伝える言葉ではないかと思う。
男子校における「英語教育」と「国際化教育」について関心がある方は、ぜひこの機会に中村中学校に足を運んでみてほしい。 (北 一成)
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頌栄女子学院(東京都港区・女子校)といえば、1学年約220~230名ほどの生徒たちのなかに、毎学年50~60名の海外帰国生がいることで知られる、積極的な「帰国子女受け入れ校」だ。また、都営浅草線「高輪台駅」から徒歩1分という交通至便の都心に、「ここがホントに港区なの?」と驚かされるような豊かな自然に囲まれた、素敵な雰囲気のキャンパスも大きな魅力のプロテスタント校である。
中1から高1まで、毎学年5クラスのうち3クラスに海外帰国生が分散し、それでも1クラスの半分が帰国生という形になる同校の雰囲気には、インターナショナルスクール的な部分さえ感じられる。明るさ、屈託のなさ、活気が日常生活にあふれ、それでいて一方では、トラディッショナルな落ち着きも併せ持っている。
毎年12月中旬に実施される海外帰国生の入試は、英語(筆記・英会話)と面接で行われるため、合格者・入学者のほとんどは英語圏の小学校、もしくはインターナショナル・スクールで過ごして、英語を身につけてきた生徒である。そうした英語力の高い生徒が同じクラスに約20名もいるわけだから、日本で育ってきた一般の生徒が、彼女たち帰国生から受ける刺激や影響は大きいだろう。
5クラスのうち2クラスには、帰国生が混ざらない形だが、毎年クラス分けがあるため、誰でも一度は必ず帰国生のいるクラスに入り、彼女たちと一緒に過ごすことになるという。英語に関して良い刺激を受けるだけではなく、それぞれが過ごしてきた国や環境の違いによる文化的な刺激も受けることもできる。また、互いに得意・不得意なことを助け合う姿勢を自然に生まれてくるという。
そういう日常が、この頌栄女子学院にとっては「当たり前」のことになっているため、在校生はそうした環境を特別なものとは感じていないという。そのなかで、海外や世界に自然に目を向け、そこで国際的な感覚を育てることができることが、頌栄女子学院という私学の際立った特徴のひとつだろう。
6月2日(土)に中村中学校で行われる「私学の国際化教育」をテーマにした講演会には、この頌栄女子学院からも帰国生ご担当の先生が参加してくれる。この先生ご自身が帰国生として頌栄女子学院に入学し、卒業して、母校の英語教員として勤める形になり、現在は帰国生の担当もされているという。きっと講演会の当日には、ふだんの説明会とはちょっと違った、楽しいお話が聞けるに違いない。
はじめにこの講演会へのご参加の依頼をした際に、同校の広報ご担当の先生は「うちの学校は何も特別な“国際化教育”はしていないですよ」とおっしゃっていたが、そういう自然なスタンスこそが「頌栄の国際化教育に違いない」と筆者は勝手に理解した。きっとそう間違ってはいないと思う。
この講演会の下打ち合わせにうかがった昨日、頌栄女子学院の生徒たちの「英語力を生かしたキャリアデザイン」についてお聞きしてみた。実は同校は、イギリスに「ウィンチェスター頌栄カレッジ」という姉妹校を持つため、高校卒業後に留学を望む生徒は、ほとんどがそちらに進学するという。
おそらくは、小学生時代までに英語圏の国々で長らく過ごしてきた生徒が多いため、どちらかというと帰国後は日本に生活の軸足をおき、大学も国内の難関大学への進学を希望する生徒と保護者が多いようだ。
ただし大学在学中に留学を考えている生徒の場合には、早稲田や上智といった、しっかりとした留学制度をもっている大学を希望するケースが多いという。
そして何より驚かされるのは、帰国生の大学受験における実績の良さである。東大や一橋大をはじめとした国公立大、早・慶・上智大などの難関私立大学に、かなり多くの帰国生が毎年コンスタントに合格している。
そして大学卒業後には、各自の進んだ分野や入社した企業・団体で「英語力を生かした国際的な仕事」についているケースが非常に多いという。ここで頌栄女子学院の卒業生が本領(パワー)を発揮しているというわけだ。
そんなパワフルで、なおかつインターナショナルな活躍を見せる頌栄女子学院について「国際化教育」という側面からもっと知りたい方は、6月2日(土)の中村中学校での講演会(9:00~11:00)に足を運んでみてほしい。参加校は、頌栄女子学院のほか、会場校の中村、かえつ有明(江東区・男子校)、聖学院(北区・男子校)、世田谷学園(世田谷区・男子校)の5校。いずれもこの「国際化教育」というテーマにふさわしい私学の先生方のお話を聞くことができる。きっと価値ある内容になることと思う。
なお、頌栄女子学院の帰国生受け入れの様子については、日能研が開設している「海外子女のための中学進学情報」サイトでも以前に紹介されている。関心のある方は、そちらもご覧いただくことをお勧めしたい。 (北 一成)
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「Nettyかわら版」2007年5月号のなかでは、スペシャル対談「私学の国際化教育~わが校の試みと今後の展望~」と題して、中村中高(東京都江東区・女子校)と橘学苑中高(神奈川県横浜市鶴見区)の先生方の対談を紹介している。ともに高校に国際科・国際コースを設置して、私学のなかでも数少ない「1年間の留学制度」を実現してきた学校だ。
その対談のなかで中村の教頭である梅沢辰也先生は、「自己表現能力」、「コミュニケーション能力」、「問題発見・解決能力」、「行動力」という4つの力をバランスよく備えた“総合的な国際力を持つ人間”を育成したいと述べている。これは梅沢先生のみならず、両校の先生方の考えはその点で本質的に一致して、お話は大いに盛り上がった。
中高6年間の教育展開のなかに、「国際化」のプログラムを大胆に取り入れることは、実は私学にあっても画期的なこと。スムーズな実現までには、さまざまな苦労や苦心があったことも話題になった。しかし、そうしたハードルを乗り超えて、めざした「留学」プログラムが実現すると、帰国後の生徒は大いに学習のモチベーションを高めて帰ってくるという。
とくに女子は、リアルな体験、身近なコミュニケーション、初めての出会いや知的刺激に敏感に反応し、頼もしいほどの成長を見せてくれることが多いという。自分の意見をはっきり言えるようになると同時に、相手のメッセージもしっかりと理解する姿勢が育ち、その点でもその後の成長のきっかけを得ているという。もうひとつ、世界に向けて広く視野が開けることで、自身のキャリアデザインを描くうえでも、留学をはじめとした「国際化」プログラムの良い影響は大きいようだ。
とくに中村中高は、2009年度からの完全中高一貫化に向けて、この2007年度から新システムをスタートさせたところ。この一連のカリキュラムや授業の改革のなかで、高校国際科の取り組みも、完全中高一貫の教育体制のメリットを生かしたものにしていけるという。
中学入試でも、このところ年々応募者を増やし、いわば人気ブレークの時を迎えているといわれる中村中学校。伸び盛りの進学校として、進学実績の躍進と同時に、こうした「国際化教育」プログラムの今後の進化も楽しみだ。
教員・生徒・保護者の熱意と将来への期待、全員の夢が一体となって、いままさに学校全体に活気が生まれている中村中高。完全中高一貫化に向けて、今春から「ポイント・オブ・ノーリターン」という言葉を内外に掲げ、すでに2007年の入試から、完全中高一貫化に向けての第1歩を踏み出している。
その注目の中村中高を会場にして、6月2日(土)に、「クリエイティブ・スクールを探せ!~世界水準の教育で求められる力と、私学の国際化教育~」講演会(保護者対象)が行われる。ゲスト校には、中村と同じ江東区で、やはり中学入試の人気・難度ともにレベルアップが著しい、かえつ有明(江東区・男子校)をはじめ、この「国際化教育」というテーマにふさわしい、聖学院(北区・男子校)、世田谷学園(世田谷区・男子校)、頌栄女子学院(港区・女子校)の先生方が参集してくれる。
「私学の国際化教育」という切り口から、お子さんの学校選びに役立つ情報や、新たな視点など、多くのものを感じていただける講演会になることと思う。私学の教育について視野を広げ、理解を深めていただける絶好の機会といえるはずだ。
さらに、この「国際化教育」講演会(9:00~11:00)の後に、午後からは、会場校である中村中学校の「体験授業」が受けられる。予定されているプログラムは、「フライング・ディスク(フリスビー)体験授業」、「英語で遊ぼう」、「理科実験〈バイオペンダントをつくろう!〉」の3種類。いずれも低学年のお子さんでも楽しめるプログラムである。
もともと、早くから「国際化教育」の取り組みに積極的で、①語学(英語)、②音楽(フリュート)、③スポーツ(フライングディスク)の3つを、国境を超えてコミュニケーションできるツールとして重視してきた同校。その一端も、今回の「体験授業」で感じ取っていただくことができるに違いない。
また、中村中高の周辺には、清澄庭園、深川江戸資料館など、土曜日にご家族で「日本文化に触れる」つもりで散策しても楽しい施設が多くある、お天気が良ければ、学校の真向かいの清澄公園で、昼食をしていただくのも気持ちよいだろう。
中学受験の準備をしている小学生の場合、とくに6年生にとっては忙しい土曜日。ほんの少し親子で楽しみながら、私学を「肌で感じていただく」機会になれば嬉しいと思う。また、5年生以下の低学年のお子さんと保護者には、中学受験まで少し時間の余裕のあるいまだからこそ、入試情報や合格対策とは少し違った、こうした「私学の教育内容を知る」切り口で学校を見ていただく機会になればと願っている。 (北 一成)
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6月2日(土)の9時から、中村中学校(江東区・女子校)を会場として「クリエイティブ・スクールを探せ!~世界水準の教育で求められる力と、私学の国際化教育~」講演会(保護者対象)が行われる。
先にもお伝えしたように、参加校は中村のほか、かえつ有明(江東区・男子校)、聖学院(北区・男子校)、世田谷学園(世田谷区・男子校)、頌栄女子学院(港区・女子校)の5校。各校の「国際化教育」の取り組みをそれぞれお話いただき、その工夫やめざすところを知ることができる貴重な機会である。
このほかNTS教育研究所・国際教育情報室室長の岡部憲治による基調講演や、5校の先生方によるクロストークなどもあり、きっと「わが子の学校選び」に役立つ情報が得られることと思う。この日、もしお子さんが午前中にお通いの塾でテストを受けているならば、その時間帯に、ぜひ保護者の方に足を運んでみてほしい。私学の教育について視野を広げ、理解を深めていただける良い機会になることと思う。
昨日、ご参加校のひとつである世田谷学園をお訪ねして、この日にご出席いただける同校英語科の北原透先生からお話をうかがった。世田谷学園の「国際化教育」の取り組みはさまざまであるが、とくに「異文化体験プログラム」のなかに位置づけられた、中学3年生のニュージーランド研修旅行と、高校2年生のカナダ英語研修に焦点をあてて、講演会ではお話いただけるという。
ここ数年、大学進学実績のめざましい躍進で、首都圏の男子進学校のなかでも注目される存在となった同校。東大をはじめとした国公立大学や早・慶・上智大など私立難関大学にもコンスタントに卒業生が合格・進学するようになっているだけに、中学受験生の保護者からの期待も年々高まっているという。
そうした段階にあるがゆえか、高校卒業後すぐに海外の大学に進学するケースはいまのところ多くないようだが、北原先生は別の面で生徒の「海外進出」に触れた。それは、大学や大学院を卒業してから、海外に活躍の場を求める卒業生が増えているということだった。「海外で働くということにあまり壁を感じない、という卒業生の話をよく聞きます。それには、世田谷学園での海外体験が役立っているようですね」と先生はいう。
「とくに中3でのニュージーランド修学旅行では、生徒は現地の家庭に一人ずつのホームステイを体験します。初めてのことですから、事前にも不安を感じますし、実際にそこでかなりのカルチャーショックを受けるようです。でも、そういう体験をしたことで、後に海外に出ていくときにも、さほど不安や壁を感じなくなるということだと思います」と北原先生。
男子校の生徒は、女子校の生徒と比べると、積極的に英語を使って海外の人とコミュニケーションをとることや、海外の進学先を視野に入れることに、どちらかというと消極的な面があるということも北原先生は指摘する。留学に関してもその傾向があるという。おそらくは精神年齢の違いも関係しているに違いない。ただ、そういう男女の性差による傾向はふまえたうえで、同校独自の「異文化体験プログラム」を組み立ててきたことが、世田谷学園の国際化教育の特色といえるのだろう。
一方では、受験生の保護者からの期待値が高まるとともに、さらなる「大学進学実績の向上」が求められるという面も、いまの世田谷学園は課題として抱えている。しかし「だからこそ国際化教育が求められるのですよね」という当方の質問に、先生は「そう考えています」と答えてくれた。海外にも目を向けた大きな目標や高い志を持つことで、大学受験に臨むモチベーションも高まり、生徒の日常の意識も違ってくる。「国際化教育」が結果的には大学進学実績を伸ばすことにつながることを、世田谷学園は次のブレイクスルーとして期待しているに違いない。
仏教の「天上天下唯我独尊」を、「THINK & SHARE」という言葉に置き換えて教育理念とし、それを達成するためのモットーとして、「明日を見つめて、今をひたすらに(FROM VISION TO REALITY)」と「違いを認め合って、思いやりの心を(FROM RESPECT FOR EACH TO RESPECT FOR ALL)」を掲げる世田谷学園。その「国際化教育」の求めるものを、6月2日の講演会で感じ取っていただければと思う。 (北 一成)
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★「まなびの会 コンパス2007」~洗足学園の国際化教育戦略(3)のつづき。神奈川学園とカリタスの言語教育の授業もおもしろかった。
★神奈川学園の英語教育やオーストラリア海外研修が充実していることは周知の事実。だからあえてこの古文の平仮名を書くワークショップは意外性があって、驚愕。国際交流において重要な点として、自国の日本文化をしることなのだが、古典の領域まで教養を広げておく必要が
あるとは、普通は気づかない。しかし、海外の方々が日本を研究する際、源氏物語や江戸文化、村上春樹(笑)など幅広い分野をカバーしている。
★そしてカリタス。フランス語の授業を披
露。EUでは英語がかなり使われているとはいえ、国際人は、3ヶ国語ぐらい話せるのは当たり前であることは、古今東西変わらないようだ。本物志向のカリタスの面目躍如のシーン
だ。[本間 勇人 Gate of Honma Note ]
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★「まなびの会 コンパス2007」~洗足学園の国際化教育戦略(2)のつづき。教室のファサードは重厚なのだが、内側のパースペクティブは茶室そ のもの。幾重にもニジリグチが広がる感覚がおもしろい。
★いたるところがニジリグチということは、相手に愛してもらうより相手を愛しなさいというインスタレーションであることに気づくのは、少し難しいが、生徒たちは、日常の学園生活の中で身体化していく。
★この精神こそ「洗足」なのである。イエスキリストが自ら弟子たちの足を洗うというエピソードが教育空間に生きている。日本の文化と欧米の文化の両方のベースがある。洗足学園の国際化教育戦略は誰がマネジメントしているのだろうか。あるいはど こからこの着想は来ているのだろう。
★ところで、6月2日に中村で「国際化教育」講演会が実施されるが、洗足学園とはどのように違うのだろうか。当日は、洗足学園がかつて目標とした世田谷学園(男子校)や頌栄女子学院(女子校)も参加する。また、中村(女子校)、聖学院(男子校)、かえつ有明(共学校)といった新しい国際化教育を実践している学校も参加する。
★洗足学園の戦略コンセプトとどう違うのか知ることは、学校選択の視点を養うには絶好のチャンスである。というよりも、2010年以降日本はもはや一国の力ではどうしようもなくなる辛い出来事に直面すると言われている。ドメスティックな教育環境を選んでいたのでは、せっかくのタレントを持っているのに、日本を救うマインドとスキルを身につけることができない。「国際化教育」の意義を知る機会を活かしたい。
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★「まなびの会 コンパス2007」~洗足学園の国際化教育戦略(1)のつづき。洗足学園のエントランスホールの天井は高い。このホールを支えている柱をよくよく見てみよう。するとある形に似ていることがわかるだろう。
★樹の形をしているのである。自然とは何だろう。本物の樹木を自然というのだろうか。自然と判断するのは、自然そのものなのか。人間の認識と感覚なのか。それ自体と認識や感覚の構成の相互作用が自然・・・。それ自体を大事にする思想と認識や感覚、つまり脳作用の媒介を大事にする思想。洗足学園の教育空間は巨大なグローバルな知の仕掛けが埋め込まれている。
★それにしても木漏れ日まで抽象化している教育空間の配慮は心にくい。茶室のおもてなしの仕掛けさながらである。[本間 勇人 Gate of Honma Note ]
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★「まなびの会 コンパス2007」~受験生、ユニーク授業楽しむ(4)のつづき。今回のイベントの会場は、あの「のだめ」のロケの場所でもあった洗足学園。このイベントに参加した学校の先生方も、さすがに豊かな教育空間に驚いていた。また訪れていた保護者の方々に、「女子校ですよね」「共学校にはならないのかしら」と尋ねられた。もし男子校あるいは共学校なら、息子を通わせたいと。
★洗足学園と言えば、国際教育。ネイティブスピーカーの数も他校に比べはるかに多いし、イギリスやカナダ、そしてなんといってもアメリカの多彩な留学プログラムを開発している。TOEFLの導入もかなり早かった。また帰国生クラスの充実振りは、学内にグローバルスタンダードな知の影響を与えた。大学進学実績の飛躍への貢献度も高い。
★しかし、洗足学園の国際教育は、英語教育の一環として行われているだけなのではない。あくまでも国際化教育。あらゆる教科、あらゆる教育活動、イベントにおいて、グローバルスタンダードをベースに、価値観や方法論を教師が探究しつづけて、教育力の質のたゆまぬ向上を仕掛けていく教育こそ、洗足学園の国際(化)教育なのである。
★そしてその国際化は教育空間にも反映している。しばらく洗足学園の国際教育を意識した教育空間を見ていこう。まず校門から校舎を結ぶ抽象的な庭。コンテンポラリーアートな空間がつづく。庭は国際教育の1つの大事な空間だが、このアーティスティックなこだわりこそ国際的な感覚。
★テーマというかプロットタイプは「球体」。この立体図形を見る者は様々な連想をする。イマジネーションへのこだわり。これも1989年以降、世界の学びの中心的テーマ。水、地球、宇宙、和、心、静けさ、夢、きれいさび・・・。生徒たちは何を思い、この庭を毎日眺めているのだろう。
★また不思議な塀は何だろう。視界が遮られたり、開けたり・・・。世界にはときどき?限界や壁が立ちはだかる。人間関係や知性というものは、その限界を乗り越えるところにミッションが生まれる。限界が見えるとき、乗り越える可能性も同時に見える。この絶対矛盾自己同一。日本的な思 想だ。国際化教育戦略の基礎は日本の感性だったのである。
★敷き詰めてある石の模様を見ると、なんとそこは水面に変容しているではないか。枯山水のさらなる抽象化。庭は世界の生まれる原初的な場所というのは、世界の神話の共通点。洗足学園の国際化教育戦略は奥が深い。[本間 勇人 Gate of Honma Note ]
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去る5月12日(土)には、聖学院で「Netty Land」主催の、『クリエイティブ・スクールを探せ~私学独自の環境が生む「教育の質」とは?~』というテーマの保護者対象講演会が行われた。
特別ゲストにヴォーリズ建築事務所から会長の片桐郁夫氏、ゲスト校として市川から副校長の及川秀二先生、立教女学院から教頭の山岸悦子先生をお招きした今回の講演会。参加者は決して多くはなかったが、わが子が6年間を過ごす「教育環境」を考えるうえで、貴重な示唆を与えてくれた各氏のお話に、参加された保護者の皆さんからは概ね好評をいただくことができた。
わが子にとって最良の「学校選び」のためには、いろいろな角度から私学を見る“視点”を保護者が持つことが必要。「クリエイティブ・スクールを探せ」シリーズの講演会やイベントでは、今後もそうした切り口で、学校情報や入試情報を発信していくことを目標としている。その点を理解いただけた保護者からは、この講演会の意義も認めてもらえたということだろう。
ただし、こうした情報は、志望する中学の「合格に直結する情報」ではないために、すぐには多くの保護者の関心と結びつかない面もあるようだ。忙しい保護者からすると、それも当然かもしれない。そのあたりのことも考慮し、こうした講演会の意義をどう工夫してうまくお伝えしていくかが、「Netty Land」講演会の課題でもあるだろう。

しかし、これまでにも再三いわれてきたことだが、各私学の教育理念や方針、大切にしてきたことを理解したうえで受験に挑むことは、志望校合格のためにも重要なこと。受験生(わが子)の学力特性と、志望校の入試問題との“相性”が、合格のために重要なファクターであるのと同様に、志望校の教育理念や指導方針に対する、保護者の“理解と賛同”が重要であることはいうまでもない。
私立中高一貫校への入学者は誰もが、各校の過去から未来へと続く良き伝統を、「ともに守り育てていく」存在であり、それをさらに「進化・発展させていく」担い手となる。その連続性や、そのうえで時々に生まれる変化が、各私学の「文化資本(ハビトゥス)」や「文化遺伝子(ミーム)」と呼ばれるものを形成し、それが各私学の校風やカラーをつくり育てていく。
そう考えると、受験生と保護者が、それぞれの志望校の教育理念や指導方針への理解を深め、それに賛同する姿勢を持つことが、その志望校への合格にもつながる、ある種の“適性”を育てることでもあると理解してよいはずだ。
次回、6月2日(土)に中村中学校で行われる「クリエイティブ・スクールを探せ!」シリーズの第2回講演会のテーマは「世界水準の教育が求めるものと、私学の国際化教育」。参加校は、会場校である中村(女子校)をはじめ、聖学院(男子校)、世田谷学園(男子校)、かえつ有明(共学校)、頌栄女子学院(女子校)の5校である。各校それぞれに取り組んでいる「国際化教育」についてお話していただき、さらに参加校の先生方のクロストークによって、私学の国際化教育の取り組みについて理解を深めていただくことが狙いである。
「国際化教育」は、いま学校教育の課題として、私立だけではなく公立学校でも重視していること。各校の取り組みは多岐にわたる。今回の講演会に参加いただく5校の取り組みもそれぞれに違ったものである。そうした取り組みのバリエーションや違いを知ったうえで、各校が共通して求める「国際化教育の本質」を感じ取っていただくことが、この講演会の目的といってもいいだろう。
「国際化」といっても、単に海外研修や交換留学といった、形のうえでわかりやすいプログラムを実施するだけではない。私学の国際化教育には、6年間を通して体験するさまざまな取り組みを通して、民族性や文化的背景の違いを知ったうえで相互の理解を深め、立場や意見の違いを前提に協調や協同の糸口を探り、これからの社会をより良いものにして平和な世界を築いていくことを考えられるような、大きな理想がそこにはある。もちろん他者への思いやりや奉仕の精神を育てることも目的のひとつだろう。
そうした私学教育に共通する本質の部分を感じ取っていただけたなら、あとは保護者ご自身の視点で、関心のある私学の「国際化教育」について、それぞれに調べていっていただくと、各校の独自性や大切にするものが浮き彫りになってくるはずだ。
土曜日である6月2日の9時から11時まで行われる、この「私学の国際化教育」をテーマにした講演会の後には、会場校の中村中学校の説明会と体験授業も用意されている。参加無料で、中高一貫校と中学受験に関心のある方ならどなたでもご参加いただけるこのイベントに、ぜひ多くの方に足を運んでいただければ嬉しいところだ。
お子さんが午前中にお通いの塾でテストを受けているならば、午前中は保護者の方だけでご参加いただけるとよいだろう。また、お子さんのテストが午前中に終わるならば、午後からご一緒に中村中学校の体験授業と説明会にもご参加いただけると、私学の教育について実感し、理解を深めていただける良い機会になると思う。 (北 一成)
【関連記事】5月12日~市川、聖学院、立教女学院の教育環境と文化を探る機会~
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★「まなびの会 コンパス2007」~受験生、ユニーク授業楽しむ(3)のつづき。桐光の美術の授業は、これぞ私学の授業という逸品。机の配置は講義型であるが、脳内ワークショップが8つもという感じなのだ。
★「想像力を磨く8レッスン~8つの指令に取り組んで想像力をきたえよう~」というテーマ。この美術の時間は、レッスン1「地球が回る音を想像しなさい。」から始まる。なるほど!「指令に取り組む」ということはこのことなのだ。
★このフレーズはオノヨーコの「グレープフルーツジュース」からとられている。このオノヨーコの本は60年代に書かれていたはず。ジョン・レノンのインスピレーションに火を付けた本らしい。ヨーコは、"Burn this book after you've read it." と指令する。するとジョン・レノンは 、"A dream you dream alone may be a dream, but a dream two people dream together is a reality." "This is the greatest book I've ever burned." と応えたと言われているようだ。そして、それがあの「イマジン」を生んだと。
★それほどの衝撃的な本からのフレーズからこの美術の時間は始まる。一体どうなているんだと、見ているほうも揺さぶられた。しかし、子どもたちはもっとのめりこむ。フロー状態が一瞬にして始まる。「指令に取り込む」とはまさに「インスタレーション」というコンテンポラリーアートのワークショップでよく行われる手法だったのだ。一瞬詩を活用するから、国語の世界かと思いきや、一挙に超えていく意外性と驚愕、そしてインタレスティングという意味でのおもしろさ。
★レッスン4では、写真にあるようにある部分の図形、トルソーを生徒に提示し、ここから想像を広げて全体を復元させるワークショップ。いろいろな図形ができるのだが、それにしてもフロー状態。会心の笑みは生徒1人ひとりの脳内にあるのだ。
★それにしても、大学進学実績を毎年爆発的に出している桐光が、なぜこのような美術の授業を公開したのか。中学・高校部長の松本俊宏先生は「大学進学実績はあくまで結果。それのみを目的にした授業では、中高一貫教育は成り立たないのですよ。リベラルアーツの素養こそ大事なのです。」と。やはり「受験脳」ではなく「創造脳」「共感脳」をしっかり育成するのが私学の真骨頂なのだと感銘した。(本間 勇人)
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★「まなびの会 コンパス2007」~受験生、ユニーク授業楽しむ(2)のつづき。武相の算数「『一筆書きの法則』色々な図形を一筆で書く秘密を教えます!!」はなかなかのもの。パターン思考を生徒たちが自ら作っていく体験型思考であると同時に、法則を発見する抽象化型思考。他校と違って、授業のテーマを公開するPOPも違い、アーティスティック。「武相」という学校の木目細かい質の追求や先生方のこだわりが伝わってきた。創造力/想像力とは、他者と違ったあるいは常識と違った切り口や視点がどれだけあるかで、その豊かさは規定される。教師陣の創意工夫へのこだわり。受験生や保護者が武相の授業を中心とする教育活動に魅力を感じるのはこのこだわり。
★黒須先生の「一筆書きの法則」は、たしかに数学の範囲の問題なのだが、この法則を発見する視点は、実は図式化したり図の解釈をする時に大いに影響を与えるはず。図というテキストを活用する教科といえば、実は、すべての教科。黒須先生の授業は学びの情報編集環境を設定しているという意味で、算数の授業を超えている。一般的な言葉で言えば、教科横断的な授業。優れた私立中高一貫校の授業は、各教科の中でこの教科横断的な切り口を持っているものである。
★さて、武相の学校相談会でお会いした神保先生からいただいた「入試問題解説会」のときの資料を見て驚いた。有隣堂本店4階に設置されている同校の「鉄道研究同好会常設販売」コーナーの写真が掲載されていたからだ。「鉄研」という名で親しまれ、この「鉄研」に入りたいから武相を選ぶという受験生もいるほど、全国区で有名な同好会なのである。それにしても、本まで編集し、販売してしまうという教育は、究極の表現教育である。(本間 勇人)
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★<「まなびの会 コンパス2007」~受験生、ユニーク授業楽しむ>のつづき。いくつか当日実施された授業の風景を見ていこう。
★カリタスの理科では「音や楽器のしくみを学びます。おもしろいよ!」が行われた。体験あり推理あり・・・。公式が初めからあるわけではない。グラスの重さと音階の関係について、仮説を立て、実際に音を聞きながら調整していく。「おもしろいよ!」というPOPの背景に、科学的思考の本物のおもしろさがある。生徒たちも息をのみながら、楽しんでいた。集中とかフ
ロー状態になる至福という意味で。このフロー状態を、ハワード・ガードナー教授は重視している。「受験脳」ではこの状態は生まれないだろう。
★横浜国際女学院翠陵の「国際理解『それって、あたりまえ?』日本との違いを知ろう。」も実におもしろかった。①まず社会の先生と英語の先生による協働授業だったという点。②2人のネイティブスピーカーが日本語ベースで英語を話していたという意外性。③世界地図をささっと黒板に描いて、位置を確認しながら、日本とその国の違いを、ロールプレイやゲーム形式で体験していくプログラムになっていたこと。
★日本人とアメリカ人との挨拶の仕方の違いを3人の先生方のロールプレイを見ながら感じてもらうプログラム。日本人はお辞儀をするが、アメリカ人は握手とアイコンタクト。でもネイティブスピーカーは思わずお辞儀をしながら“Nice to meet you!”。「あれっ!日本の習慣に慣れてしまったねぇ」と、生徒たちはクスクスクス・・・。一番おもしろがっていたのは保護者か
もしれない(笑)。[本間 勇人]
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★5月19日、「まなびの会 コンパス2007」開催。神奈川県の私学15校が集まって、体験授業と個別相談を実施。300人の受験生たちは終日、私学のユニーク授業を満喫した。
★授業は4時間。各時限受けたい授業を選択して、最高4つの授業を受けられる。受験生たちは、サッカーボールの展開図を組み立てた立体図形など授業を通して制作した作品を大切に手に持って、会場洗足学園を後にした。
★授業だけではなく、併設の各学校の個別相談でも、保護者は熱心に学校選択のために情報収集していた。
★私学の授業のおもしろさは、授業の中に、「体験(EXPERIENCE)」→「調査(EXPLORE)」→「議論(EXCHANGE)」→「発表(EXPRESS)」→・・・という4Xの回路が埋め込まれている点。
★聖ヨゼフの「さあ実験!①白い粉調べ②海底火山ドレッシング③べっこうあめ」の授業は、真剣、驚愕、納得の連続だったようだ。「受験脳」ではなく「創造脳」がフル回転していた。
★実は、このようなイベントは、今までにない。授業を学校の外で公開するというのは、ものすごいチャレンジ。ノウハウの公開でもあるから、オープンマインドの教師陣がいないと実現できない。参加できなかった受験生や保護者もこの参加校の教育活動の質について、今後も注目していくことをオススメする。(本間 勇人)
【参加校】
| 男子校 | 浅野中学校 | 共学校 | 神奈川大学附属中学校 | ||
| 武相中学校 | 橘学苑中学校 | ||||
| 法政大学第二中学校 | 鶴見大学附属中学校 ※平成20年4月より共学化に伴い校名変更 | ||||
| 女子校 | 神奈川学園中学校 | 桐光学園中学校 | |||
| カリタス女子中学校 | 日本大学中学校 | ||||
| 聖ヨゼフ学園中学校 | 森村学園中等部 | ||||
| 洗足学園中学校 | 横浜創英中学校 | ||||
| 横浜国際女学院翠陵中学校 | |||||
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エリアコラボレーションとして「囲碁」がスタートしました。小松・白梅学園理事長、山路・白梅学園大学教授のご提案で、囲碁の導入を検討し、実施の運びとなりました。堤加蓉子先生(高校・大学・アマチュア、それぞれで女流チャンピオンの実績)と近江紀之先生のご指導の下、初日は13名の生徒が集まりました。
★とある。2003年に大流行したアニメ「ヒカ碁(ヒカルの碁)」は本当によくできていたマンガ。囲碁という道と実際の囲碁の技術、それからヒカルが平安時代の天才棋士・藤原佐為の霊に取り憑かれるという設定があいまって、ファンタジーと霊と論理を超える技術と発想がおもしろかった。
★論理を超える論理、歴史を超える歴史、日常を超える人の生きる道、これらはみな囲碁の体験から広がる。目先の小さな目的や利益で碁を打っていくと、あとから後ろを振り返ると、自分のエリアは縮小している。つまり相手を囲むことに固執すると、いつの間にか囲まれている。
★大局観とはよく言われるが、黒と白のシンプルなモノクロで、世界の地と図をデザインしていく。自分が地になるか図になるか、相手が地となるか図となるか、反転また反転の静かな連続。銀河の星々の世界のごとく。実におもしろい。がそういう私は下手な横好きにすぎない。(本間 勇人)
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★白梅学園清修の授業見学が16日と17日の2日間あった。両方合わせて160名の参加だったようだ。私も最終日1時間ぐらい立ち寄った。教師と生徒のやりとりの自然体の姿が心地良かった。
★それにしても電子ボードをほとんどの教科の先生が巧みに活用していたのには驚愕。数学の時間、フリーハンドで画面(白板にコンピュータ画面が投影されている)に図形を描くと、瞬間的にコンピュータが正確な図形に修正する。図形の移動も簡単。英語の時間、ネイティブスピーカーの教師が話すと字幕のように画面に映る。音声もでてくるし、写真もパッとでてくる。五感をフルに活かした授業展開ができるメディア。
★歴史の時間は、ちょうどルネサンス。世界のパラダイムを換えた大事な時代。でもパッとモナリザの画面がでれば、生徒は一瞬にしてその時代に親近感を覚える。ダ・ビンチ・コードは知っているし、モナリザはCMでもお馴染みだ。
★ただ、これは先生方はたいへんだ。事前にサーバーに授業の素材をいれこんでおかなければならないからだ。アドリブで授業をやることはできない。もちろん、シナリオの中でアドリブは重要だ。完全に授業のデザインの過程が、他校に比べて違うのだ。
★柴田教頭が書いている日々のブログ“Topics”を見れば、よくわかるように、先生方はチームで授業の振り返りをし、次の日に改善をするという、PDCAサイクルを実行している。Honda「発見・体験学習」と協働した清修「発見・体験学習」に参加した折、先生方のこのサイクル活動は完全に定着しているなと実感したのを思い出し、改めて感銘を受けた。
★それに中2の英語の授業には驚いた。カリフォルニア出身のシェアリー先生が、中2の生徒にこう語り始めた。
Hello,eveyone. As you know, the second year students of SEISHU will be spending three weeks in England, this summer. However, I've never been to England in my life! I've not yet eaten "fish and chips" in Oxford, not yet seen the paintings and sculptures at Ths British Museum, not yet watched "the changeing of the guard"at Buckingham Palace,・・・・・・
★中2といっても、1ヶ月半前まで中1ではないか。英検3級クラスにはなっているから平気ですということだった。そんな話をしていたら、数学の先生が、「高校数学を学ぶアクティビティを始めました。数検3級1次、2次両方合格した生徒が、4人誕生したんです。彼女たちも含めて7人が高校数学に取り組んでいるんです」と話しかけてくれた。要するに中学の数学の範囲を終わった生徒がいるということを意味しているのである。
★徹底したリベラリズムと公共的親密空間を創出しつづけている白梅学園清修。このベースの上に、英才教育をやっているではないか。<優しい>心根は<優れた>知性という両義性。普通、両義性とはプラスとマイナスのコントラスト。白梅学園清修の両義性はプラスとプラスのコントラストなのだ。
★さらに驚いたことに、私の面が割れていた。何人かの保護者に、質問されたのだが、その内容がスゴ過ぎ(こういう言葉を使いたくなるぐらい驚愕)。「白梅学園清修のポジショニングについてどう思われていますか」とか、「柴田先生たちのやっているキャリア・デザインの方法論はなかなかよいと思いませんか」とか、「6年間の見通しだけでなく、日々の生徒達の様子がよくわかるんですよ。先生方の報・連・相が見事なんですよ」と・・・。
★保護者が白梅学園清修のPRをしているということではないか。しかもマネジメントやマーケティングの話を母親がしているのである。驚いて柴田教頭に聞いたら、「ゴメン、ゴメン、清修『発見・体験学習』に本間さんが来ていたとき、ある先生が私と話し合っている姿を写真に撮って、この人がホンマさんですと保護者向けサイトで公開したからだと思う。肖像権の侵害?でもないでしょう」といつもの調子でカッカと笑っていた。そして「保護者は父親なけでなく、母親も相当なキャリアの持ち主。コンサルタントだっている。いつもアドバイスしてくれるから助かるんですよ。」とも。
★柴田教頭のステイクホルダー戦略は相当なものだ。ウーム。私もある意味その1人として、戦略的改革者柴田教頭の手のひらの上にいるのかと思うと、怖くなって、そそくさと白梅学園清修を後にした(笑)。 [本間 勇人 Gate of Honma Note ]
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★「宝仙理数インター第1期生、パイオニアとしての1ヶ月」という資料をいただいた。表紙は、「新しい学校を共につくっていく協働者である生徒・保護者・教師たち」という題目で、集合写真がバーン!と掲載されていた。
★「生徒中心主義」かつ「協働」(共同ではなくて協働なのだ)という発想がはっきり表現されていた。そして様々なアクティビティの写真が34枚も掲載。1ヶ月の間にこれだけの体験をしているのかとインパクトを受けた。
【4月6日】「ドッチボール大会」;男子はかわいい、女子は頼もしいという姿に、共学校化のときに心配した男子受け入れ態勢は杞憂に終わったのではないだろうか(微笑)。
【4月11日】以降「スキルラーニングアクティビティ」;テニスに、バスケに、バトミントンに、吹奏楽にチャレンジ。テニスは対ヨーロッパ、バスケは対アメリカ、バトミントンは対アジア、吹奏楽は対全世界。国際交流のベースはスポーツにアートなのである。さすがリベラルアーツを標榜しているだけはある。
【4月27日・28日】「ウェルカムキャンプ(富士山麓)」;地球環境問題についても考えたそうだ。「炭素コスト」を計算しながらカレーを作り食べたのだろうか(微笑)?文化遺産登録を阻まれた富士山麓のゴミ問題を解決するために清掃活動に励んだのだろうか?とにかくおもしろかったに違いない。
【5月1日】「ネイチャープログラム」;フィールドワークの基礎は、観察と記録。身体と知性をつなぐ瞬間でもある。プログラムデザインが巧みだ。
【5月9日】「EU加盟国学校訪問」;EU加盟国は宝仙理数インターにも訪問していたのだ。EUの広報サイトの中にはなかった。理数インターはこのEU加盟国との交流をもっと前面にだしたほうがよいだろう。これからはアジアとEUの関係が非常に重要。まさに宝仙理数インターの国際交流のフィールドではないか。
★もちろんアクティビティだけやっているのではない。基本は日々の学校生活。それらの写真も掲載されていた。朝読書の風景は背筋が伸びていてさわやか。国語でパソコンを利用しているのはちょっと意外。授業がインタラクティブであることを強調。世界で活躍するには、議論、議論、また議論なのである。顕微鏡をのぞいている姿は科学者さながら。しかしなんといってもランチタイムが重要なのである(笑)。
★写真以外に、各教科のワークシートによる取り組みも掲載されていた。生徒自身の書き込みと先生方のコメントが書き込まれているもののサンプル。学びの戦略を書き込むミッション・シートも公開されていた。PDCAサイクルの1例だろう。ノートや作文、ワークシートにおける書く行為と先生方によるコメントという脳内対話空間こそリベラルアーツのベースである。この書く行為のないアクティビティは、おもしろいけれど成長を促さない。宝仙理数インターの学びの戦略はかなり緻密に計算されている。期待の予見可能性大。6年後が楽しみ。もっとも日々の先生方の実践は、並大抵のものではないだろう。この資料から、嬉しい悲鳴が聞こえてくるかのようである。[本間 勇人 Gate of Honma Note ]
【宝仙理数インターの学校生活】→学年通信がPDFで完全オープン。上記のアクティビティにおける生徒と教師の様子がよくわかるので、一読をオススメ。
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★湘南白百合の大学合格実績は今年も順調だったが、柳先生は、「大学に入るだけならば、論理的な思考力のトレーニングだけでよいのだろうけれど、湘南白百合は部活もイベントも多いから、創造的/想像的な活動がどうしてもベースになっているんですよ」と語る。
★また「今年も東大後期で進学した生徒は、おもしろい生徒だったなぁ。彼女の周りには常に音楽があった。受験勉強しているときも、音楽に包まれていた。オペラにはまったりしていましたよ。小論文なんか書かせると、論理的な展開は当然なんだけど、発想が抜きん出ていた。ただし、日本史の覚える部分は自分には合わないと言っていたなぁ。だからといって、そこを何とかしようというのではなく・・・。良い意味でも悪い意味でも自分をしっかり持っていた。発想のベースは自分。その自分がどれだけ大きいかはあるかな。合格してから、やっぱりと思うのだけれど、振り返ってみると、東大後期で進学した生徒たちは、論理的な勉強以上の何かが極端にあったように思えるね。仮説に過ぎないけれど。」とも。
★柳先生の話は、世の中では、論理とかインタラクティブなコミュニケーションが重視されているけれど、それだけだと<受験脳>になってしまうのではないかという現在の教育の学び観への警鐘とも理解できる。テストそれ自体は、何も悪いことはない。しかし、いつの間にかテスト=論理≦学びが、テスト=学び=論理になってしまっている怖れがあるということを指摘しているのではないか。広く深い湘南白百合の学び観の伝統は、古くて新しいのである。[本間 勇人 Gate of Honma Note ]
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★中学受験の多様な視点は必ずしも学校文化を読む切り口にはならない。私学の先生方が学校説明会で話す中学受験業界に対するマーケット表現と学校文化について話す<言説>との間にはギャップがある。
★後者の学校文化<言説>に興味を持つ保護者や受験業界のメンバーはやはり少ないというのが実感である。そしてそれはそれで正しいのである。私学の教育にはある意味芸術的要素がある。リベラルアーツが機能しているのが論より証拠。
★しかし、一方で市場の原理も働いている。私学の教育は常に高み登って、俗に還るである。NTS教育研究所が提唱するクリエイティブ・スクールは、そういう意味では学校文化<言説>である。しかし、<12歳のための12の学校選択指標>はマーケット表現である。
★したがって、学校文化<言説>を語っていくには、それに即した指標の創出がポイントになる。今春の入試から、その辺りを整理してきた。国語の入試問題の素材の変化に、私学の先生方の新しい生徒像の了解の仕方があることに気づいたし、マスコミの方々と話をしているうちに、私学出身の多くの文化批評家や社会学者、現代思想家がいることにも気づき、彼らの理屈を活用することにもチャレンジしてきた。
【関連記事①】2007年教務資料を読む(3)~新しい子ども像の表現
【関連記事②】2007年教務資料を読む(4)~新しい子ども像の表現
【関連記事③】2007年教務資料を読む(5)~新しい子ども像の表現
★そんなこんなで整理したのが<学校文化のレイヤー>である。これについては、Hot Newsのブログで語っていくには、字数的に無理があるので、ホンマノオトの方で展開していきたい。
(本間 勇人)
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★聖徳学園の国際研修旅行の先見性(5)ストラスブールのつづき。NTS教育研究所田中の連絡から。
アルザス5月9日
朝食は朝7時。今日は午前中にカイザスベルグへハイキング。カイザスベルグは宿舎からは歩いて約40分ほどのワイン街道にある小さな村。あのシュバイツアー博士縁の地でもある。
9時30分に宿舎を出発し、村に到着したのは10時10分ほど。到着すると地元のケーブルテレビ局とCEEJAの所長アンドレ・クライン氏が待ち構えていた。今回の聖徳学園のプログラムを取材し、テレビで放映するらしい。クライン氏から歓迎の挨拶をもらう。
このカイザスベルグへきた目的はフィールドワークと、現地の食材を買ってもらうこと。買った食材は宿舎に戻ってからクッキングをして、昼食として皆で食べる。食材の違いも文化理解の1つ。1チームに20ユーロずつ支給し、フィールドワークが始まる。肉屋に入り、ハムを買っているチームもあれば、パン屋でパンを購入するチームも。その様子を地元のケーブルテレビが取材する。
カイザスベルグから宿舎に戻りクッキング開始。サンドウィッチやサラダ、日本から持ち込んだ食材でおにぎりなどを作っていく。クッキングの様子を地元の新聞社も取材に来た。皆が用意した料理を全員で食べる。とても美味しく頂いた。食事のあとは小休憩。サッカーを楽しむ生徒もいた。こういうことが出来るのもアルザスの一つの魅力だと思う。
★ここには、地域の人たちとの交流がある。カイザスベルグの街並みは、日本の街並みが郊外型都市化するというベクトルとは全く違う。この<違い>を実感すること。それにはフィールドワークといろいろな店を見て歩くのが一番。そして互いに違う食材を交えて、できあがった料理を、あれこれ質問しながら食べる。この対話が何より。身近な体験こそ、生きた文化を感じることができる。
アルザス5月10日
いよいよアルザス最終日。今日のスケジュールは午前中にマルクブロック大学での講義。ゲーテやパスツールの学んだ大学でもある。日本の大学と協働研究などの活動もしている。午後は歩いて国境を渡り、ドイツの町、ケールで昼食。その後EU議会に行く。大学での講義はシューマン大学のエクリ助教授による「日本とフランスの相違点」。地理や人口、生活習慣などの違いと共通点を30分ほどで講義してもらった。気分は大学留学生(微笑)。
講義のあとは専用バスでヨーロッパ橋へ。2004年に完成した歩いて渡れる橋を皆で渡る。橋の真ん中でサチコさんから「ココがフランスとドイツの国境です。今君達は丁度フランスとドイツの境にいるんだよ」と案内がある。ケールの街に着き、チームに分かれて昼食を兼ねたフィールドワーク。レストランに入るのもすっかり慣れたようだ。
ケールでのフィールドワークを終え、いよいよEU議会に移動。EU議会ではハ
ン ガリーの生徒と一緒に見学。当然ではあるが、言語が違う。これも英語圏一色ではないEUで出会うシーンだ。実際に使われている会議室でなぜEU議会がストラスブールにあるのかを聞く。
宿舎に戻り、今日見てきたことを最後のエッセンスとして再びプレゼン準備に
取り掛かる。プレゼンでは日本をよりよくするには東京の街をどうするかを機能分散、物流のスムーズ化、自然との共生などこの6日間で見て、聞いて、調べたことを独自の観点でプレゼンテーションするチームもあった。プレゼンのあとはさよならパーティー。
パーティーでは6日間お世話になったチューターにコマの遊び方を教えたり、書道を披露したりととても盛り上がった。
★さて、最終的なプレゼンテーションは、帰国後だと聞く。聖徳学園の生徒たちは、どんなことを感じ、どんな夢を抱いたのだろう。この研修旅行と同じ時期、日本ではEU加盟国大使が出前授業を行っていた。EU加盟国の大使の方々は、このようなフランスと日本の民間レベルでの交流についても情報を得る努力をしたほうがよい。EUの自治体は市民社会、日本の自治体はまだまだ国家の僕・・・。EUの大使の方々は、この壁を崩す必要性を感じているはずだからだ。聖徳学園の挑戦がEUと日本の架け橋になることを期待する。かつて新渡戸稲造がそうだったように。(本間 勇人)
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★共立女子は毎年「ともだち」という文集を発刊している。この冊子は一年間の生徒たちの創作活動の中から優秀作品を選んで編集しているが、コンテストが目的ではない。優秀作品をリスペクトし、さらに副教材として書く行為を学びあうテキストである。しかも中1から中3までの作品がオープンにされ、共有されるメディアである。
★中1生が読めば、自分たちもこのように考え方を広げられるのだと思うだろうし、中2・3生が中1の文章を読めば、初々しい感じ方に、自分の忘れていたものを思い出すかもしれないし、新鮮なものの見方を学ぶかもしれない。
★たとえば、中1のIさん
「私は彼の貪欲に精一杯人間くさく生きる生き方を真摯に受け止め、日常を享楽的に生きようとしている自分を反省し、逆境に打ち勝つ強き熱き心を養いたい。それが彼が私の心の扉を叩くノックの音だと確信したからである。」
★中2のKさん
「私も成長できるだろうか。自分自身の努力でどうにでも未来を変えられる、豊かで平和な日本に生まれた幸せに気付いたことで。欠点や大切なことを気付かせてくれ、自分を成長させてくれた誰かがいたと知ることで。そして、私も誰かに気付きを与えたり、誰かの役に立てるペドロのようになれるだろうか。」
★中3のHさん
「何事においても、生きていることが物の原点となる。いつしか私にとって、生きていることが当たり前のこととなっていた。むしろ、そこには自分より優れた人を見ては溜息をついてばかりいる自分がいた。だが、生きているからこそ、希望が持てる、努力することができる。そして、自由主義の今、私はどのような道を選んでもよいのだ。この本と出会い、新たなスタートラインに立った気分だ。そして、これからの人生を精一杯生きていきたい。」
★3人とも、自分が生きるベクトルを自らを振り返る中から生み出している点は共通であるが、自らを振り返る幅が違う。単純化すれば、≪他者との比較→自己との対峙→他者との関係の中の自己との対峙≫という成長の違いがあるのかもしれない。振り返りがより具体的な自分の行き方にリアルに迫っているといってもよいかもしれない。
★国語という授業の中に、感情と思想と生活を言葉で豊かにすくいあげるリベラルアーツが埋め込まれている。この中学の授業の中の豊かさが、高校の論文作成の総合学習に結びつく。コノテーション(内包)とデノテーション(外延)がメビウスの輪としてつながり、その輪が大きく成長する仕掛けが共立女子のシラバスの特徴である。[本間 勇人 Gate of Honma Note ]
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★朝日新聞(2007年05月10日00時00分)によると、「欧州連合(EU)加盟国の駐日大使や外交官が9日、全国の中高校77校に一斉に出向き、出前授業をした。」ということだ。「今年はEUの母体となった欧州経済共同体設立のローマ条約調印から50年。EU設立記念日のこの日に合わせた、世界初の企画」ということらしい。
★筑駒には、EU議長国ドイツのハンス・ヨアヒム・デア大使が出前授業。「約150人の生徒を前に、EUに住む人の約半数が2カ国語を話すことやEU内のほとんどの国境でパスポートの提示が必要ないことなどを話した。」という。
★都立白鴎高校付属中学校にはフィンランドのヨルマ・ユリーン大使が。「講堂で3年生を前にEUの成り立ちや特徴を説明した後、フィンランドについて話した」という。公立中高一貫校の適性検査から推察するに、フィンランドのような総合制学習の教育に共通するものがあるはず。都立としては最初に開設された公立中高一貫校に、ドイツやフランスではなくフィンランド大使が訪れたのは偶然ではないだろう。
★ところで、デア大使は、 「日本ではEUのイメージがいま一つはっきりしていない印象がある」という感想をいだいているようだ。若い世代のEUへの関心を高めるのがねらいだという。いったいなぜだろう?
★EU加盟国27国の人口は4.92億人、日本は1国で1.27億人 。ユーロ圏13カ国の2006年の成長率は2.6%で、日米の成長率を上回った。今年の連休海外旅行した日本人は、アジアとアメリカが圧倒的に多かった。もっとEUを知ってもらえば、EUにとっては日本は新たな経済圏として包含できる。
★EUが日本と経済の絆を結ぶには、かつてのジャポノロジーなどのように文化交流がベースにあると促進されるだろう。文化交流ありきで、経済圏を互いに拡大したいものだ。そのためには、EUの父ともいうべきリヒャルト・クーデンホーフ・カレルギーの話を広めたい。リヒャルトの母は日本人ミツコ。フランスでは香水の名前にもなっている。父親ハインリッヒ・クーデンホーフ・カレルギーは井上円了とも親交が深かった。
★リヒャルトも鳩山一郎と親しかった。鳩山は友愛青年同士会を発足してリヒャルトの汎ヨーロッパの思想や友愛革命の思想を日本に広めようとした。この会は日本友愛青年協会として今も存続している。リヒャルトは鳩山薫夫人の時代の共立女子で講演も行っている。共立女子の校訓は「誠実・勤勉・友愛」である。
★そして聖徳学園は今ごろEU議会(ストラスブールが本部)を見学に行って、キーンツハイムに戻ってきている頃だろう。2005年には、NTS教育研究所も日・EU交流イベントとして≪未来を創る学校セミナー≫を開催し、私立中高一貫校の先生方と大いに語り合った。
★今回EU各国大使は、芝、東京女学館、立教女学院、雙葉などの私立中高一貫校にも訪れている。マスコミは、国立や公立ばかりではなく、私立とEUの古くからの関係や現在行われているEUとの交流なども取材すれば、EU各国の望みに応えることができるだろう。(本間 勇人)
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★京華中学の勢いがよい。これは日本の英才を創る文化資本の再生産を可能にする京華ハビトゥス(文化遺伝子)が健在であること示していている。
★2005年の入学者74名・応募者515名→2006年の入学者144名・応募者943名→2007年の入学者179名・応募者1268名という人気上昇。また大学進学実績もアップ。今春、国公立大学には19名(3年連続2ケタ達成・今年は全員現役)、早・慶・上智・理科大には24名、GMARCHには61名(昨年より22名多い)が合格。トータルの現役合格率は93%である。
★このような実績向上の理由としては、一貫教育のメリットを十分に活かすプログラムのデザインができる教師陣の存在が大きい。何せ中3から特進コースと進学コースに分けているほどだ。
★それと、放課後OBが学習サポートをするという<ティーチィング・サポーター>の設置も効果大ではなかろうか。卒業生はかなり優秀である。大学在学中に外交官試験に合格しているとか、在学中に司法試験に合格しているとか・・・。憧れの先輩!同窓の力は絶大である。
★さてこのような卒業生の輩出は、創立者磯江潤の掲げた「英才教育」の成せる業であるが、この言葉は孟子の「天下の英才を得て之を教育す」からとられている。現在の受験のための英才教育とはわけが違う。将来の社会を支えていく優れた才能を持つ若者を育てるという意味である。
★はやくから「自己実現プログラム」をデザインしていたし、海外研修も活発だし、教師のコーチングスタイルのコミュニケーション能力も高い。つまり京華流儀の教養教育がベースになっている。
★磯江潤は、井上円了の友人でもある。思想的には共通点も多かっただろう。今の日本において、教育のクオリティという観点からは、まだまだ世界に影響を与える日本流儀の力は発揮されていない。国際競争力が低迷している日本。この競争力を高めるには、教育の質は肝要であるというのがグローバリゼーションのコモンセンス【関連記事】。国際舞台の教育における京華の活躍に期待したい。(本間 勇人)
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★聖徳学園の国際研修旅行の先見性(4)フライブルグのつづき。NTS教育研究所田中から、5月8日のプログラムの様子についてメールが来た。
5月8日(火)朝食は朝8時。皆、疲れもなく朝食を食べている。 9時20分のバスにてコルマール駅へ。今日はSNCF(フランス国鉄)に乗ってストラスブールへ移動。
ストラスブール中央駅は現在TGV開通のために大きな工事が行われていた。TGVが開通されるとパリ→ストラスブール間を2時間20分で移動することが出来る(現在は約4時間半)。ちなみに開通は6月10日とのこと。中央駅からはENAやプティ・フランスなどを見ながら約一時間かけて大聖堂へ移動。
★田中のこのコメントの背景には、フランスの首都はパリだが、EUの中心はストラスブールということがある。したがって、パリとストラスブールの時短は重要なのである。すぐ上の城砦の写真は、フランス国立行政学院 (École nationale d'administration)。グランゼコール(Grandes Ecoles)の中でも超エリート官僚養成学校で、かつてはパリにあった。今ストラスブールに移動してきたが、いかにストラスブールがフランスにおいてもEUにおいても重要な拠点であるかということがわかる。
3時45分まではフィールドワークの時間となっているが、13時と14時には2チームずつ大聖堂の前に集合。この時間に私たちの友人サチコさんに大聖堂の歴史、文化、政治などを絡めて説明してもらう。あるチームはサチコさんの説明を聞く前に333段の階段を大聖堂の展望台まで上ったようだ。その話を聞いたサチコさんは「この展望台にはあのゲーテも上ったのよ」と。
★ストラスブールのノートルダム大聖堂を含む地域は、世界遺産。昨日フライブルグの都市を見てきた生徒たちは、中世の都市と環境都市の融合のプロットタイプを学んでいるので、フィールドワークでは、そのプロットタイプを参照・比較できる。新しい発見や気づきは仮説やタイプと参照・比較してズレを感じたときに生まれる。
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宿舎に戻り夕食。今日は今が旬のホワイトアスパラガスを使った前菜に、ハンバーグ。 その後岡部とともに振り返り。ポストイットの数も増え、その分類分けやカテゴリー分けが見えてきた。
★岡部との振り返りで、生徒たちはさらに発見したことや気づいたことを広げていった。これまで書いたポストイットに、新しく今日気づいたことを書いたポストイットをさらにホワイトボードに貼っていった。そして、昨日書いた200字から、岡部がキーワードを抽出し、ポストイットに書き込んで、生徒たちの貼った中に割り込ませたようだ。この段階ではまだ気づいたことを取り出しただけ。
★次にいよいよ関係を組み立てていく。知の構造化・・・。マインド・マップを矢印型や吹きだし型のポストイットを活用して作っていく。この振り返りの過程は、あるグローバルな学習観をベースにしていて、岡部が開発したもの。いずれ世にでるはずである。
★明日は、フィールドワークにでかけた後、最終プレゼンの準備にはいる。知の構造化のベースはできた。あとは編集過程で、どんな新しいアイディアが飛び出してくるのか、リアルとアイディアの共創が楽しみである。(本間 勇人)
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★聖徳学園の国際研修旅行の先見性(3)アルザスからの手紙のつづき。NTS教育研究所の田中から、5月7日のプログラムについて連絡がきた。
5月7日(月)今日は終日ドイツ側にわたり、フライブルグで学校交流とフィールドワーク、環境学習。バスで1時間10分ほどで到着した。・・・市内にあるEMIL TOMA REALSCHULEにてスポーツ交流をする。スポーツはバレーボール。最初は遠慮がちに接していた生徒たちも時間が経つうちに混合チームを作り、白熱した試合展開に。交流後、バスに乗ってフライブルグの中心地へ移動。ここで1時間半ほどのフリータイム。各チームに分かれて昼食とフライブルグのフィールドワーク。
★ドイツとフランスは、神聖ローマ帝国時代、プロイセン時代、二つの世界大戦時代を通して、ずっと戦争をしてきた。しかし、戦後ヨーロッパ合衆国を目指して協力してきた。現在EUのリーダーシップをフランス・アルザスのストラスブールとドイツのフランクフルトを拠点に発揮している。コルマールと隣接のフライブルグを体験するのは、このことに対する直感が働くだろう。チームごとにストラスブール大学の院生や学生がチューターとしてサポートしてくれている。そしてフライブルグでは同年代の生徒と交流。自分たちと同世代の人間が生活している場所という感覚が、交流のモチベーションをアップする。
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13時20分に再集合し、フライブルグ市の街づくりに長年携わっていた講師による座学。フライブルグの街づくりのコンセプトは「子ども達が街の中心部で安心して遊べる街」。それには、モビリティのコントロール、自然との共生、機能集約、キャラクター(ランドマーク)は街づくりをしてゆく時に欠かせないということを学んだ。環境問題への取り組みは街づくりを通して行っているということだ。90分ほどの講義の後、ソーラーハウスやゼロエネルギーハウスなどを視察。
★フライブルグは小さな中世都市であり、大学都市で有名だが、最近では、環境都市のモデルとしても有名。①自動車の制限 ②緑の充実 ③エコハウスなど環境イノベーションの開発 ④都市のリフォーム ⑤ゴミ処理の生態系的サイクルの回復など、環境都市の構造は共通しているところがあるが、ヨーロッパはこれに伝統的都市との調和の問題解決が課せられる。これらをフィールドワークで丸ごと体験できるのがフライブルグの特長である。
★キンツハイムには19時ごろついたようだ。夕食後、さっそくスーパーバイザー岡部と振り返り。岡部自身「都市再生から都市創造へ」という都市論を持っているので、中世都市と20世紀型開発都市を乗り越えるポストモダニズム的発想の融合した都市づくりには、生徒たちと一緒に共感したようだ。
★ 岡部と電話で話したが、ただ、講義形式では、生徒たちは、せっかく貴重な体験したことを知として身体化ぜす、頭で覚える知識にすぐにシフトさせるので、導入として身近な体験をイメージしやすい状態にする問答法を数分やったあとに、問いを投げかけたという。「日本(あるい特定都市、地域)をフライブルグのように(環境都市)するにはどうしたらいいと思う?200字ぐらいで書いてくれますか?」と。
★導入の部分では、ドイツと日本の憲法改正の回数の違いについて話し合い、そこから両国民の気質やものの見方の違いを語り合ったようだ。またいいところを突いているなという問答は、プラスハウスの電力が売れるシステムについてどんないいことがあるのかという議論。そのとき自分の家がどのくらい電気代払っているのかといような問答は、生活に環境問題がスコンと結びつく問いかけ。こんな問答もあったという。
岡部)・・・で、もう一つ。今日見たところで、市が道路に面した市所有の道路に面してる土地を住んでる人にタダで貸してるでしょ。緑化するという条件で。ところが日本だったら例えば、市が道路計画で道路を広げるときに自分の土地が含まれていたら、どうなると思う?
生徒)拒否するでしょう・・・。
岡部)いや、拒否できないケースもおおいんだよ。さらに、市が「寄付してください」と言うこともけっこうあるとしたら・・・。
生徒)えっ………?
★これらは市場の原理を活用した社会主義的民主主義の考え方の例。道徳観が違うと言うより、経済原理の違いがあるのだろう。EUは「第三の道」型市場原理で日米は新自由主義的市場原理。そんな違いが環境都市づくりの方法にもでてくるのかもしれない。もっとも、もうすぐブレア首相は退陣し、フランスは米国型市場原理を推進するサルコジ大統領が就任したばかり、EUの「第三の道」路線はどうなるのだろうか。
★さて、生徒たちの200字の内容は、当然フライブルグで学んできた環境都市づくりの構造についてまとめられていたが、そこから日本人の意識や社会的壁、格差の問題などクリティカル・シンキングのレベルにまで達する記述もでてきたという。チームで共に、体験・フィールドワークをしながら話し合っているうちに、それぞれ課題が芽生えてきたのだろう。問題意識が生まれれば、議論は活発になる。おもしろくなってきたよということのようだ。(本間 勇人)
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◆「聖徳学園の国際研修旅行の先見性(2)」のつづき。NTS教育研究所の田中から、メールと写真が届いた。一部紹介したい。
5月6日(日)
今日の朝食は8時。昨夜の疲れも取れたらしく、特に体調面で不安な生徒はいない。こちらからのアナウンスがなくても朝食時間の5分前には生徒は全員食堂に集合していた。同僚が生徒たちと中2の別のプログラムで出会っていたので、そのときの様子を聞いてきたが、やはり思春期を乗り越えて、自律している様子が伝わってくる。意識も高い。
◆5年生(高1)は、中学時代から探究の動機付けと協働する習慣を身につけている。リベラルアーツの身体化がこういう生活の場面でもあらわれているということだろう。
今日は午前中はキャンパスジャポン周辺の家庭に4チームに分かれてショートホームステイ。午後はコルマール市内に出て、チームごとのフィールドワークとなっている。朝食後出発の準備をし、全員でキーンツハイムの中心地へ徒歩で移動。途中、目の前に広がるブドウ畑とヴォージュ山脈のきれいな風景に写真撮影をする生徒が多い。
◆このヴォージュ山脈の石で、EU議会は建築される。それは明後日わかるだろう。欧州の建築と自然の関係も、環境問題を考えるヒントになるはず。
歩いて15分ほどで村の中心地に着く。既に4家庭の方が迎えに来ている。ホームステイをする家庭を紹介し、各チームごとに1家庭ずつ分かれて行動。今回参加してくれた家庭は、アルザス成城学園の前副校長、市の行政に勤めている方、小さなホテル経営者の方。丁度、フランスの大統領選挙の当日で、ホストファミリーが経営しているホテルでは投票所として投票の様子を見られるチームもあった(私はCEEJAと打合せをしていたため、各家庭にいくことはできなかった。桜井先生から様子を聞いた)。
◆岡部はあるチームといっしょに家庭にまで行ったようだ。そこではフランス語だけではなく、英語でやりとりもできたようだ。聖徳の生徒も英語で流暢にコミュニケーションしていたとう。中学時代の学びでコミニュケーションツールを鍛えているので、文化という中身の話ができるのが聖徳の強みだと岡部から。
ショート・ホームステイ終了後、コルマール市内へ移動。我らが友人サチコさんとウンターリンデン美術館の前で待ち合わせ。生徒たちにサチコさんを紹介し、16時30分まで各チームでコルマールの市内をフィールドワークしてもらう。フィールドワークのプランに従ってチームごとに美術館に立ち寄り、サチコさんからあの祭壇画についての話を聞くことを必須条件とした。フィールドワークに出る前にサチコさんからコルマール市内の見所と歴史について簡単に説明してもらう。説明後、解散。早速チーム4の4名がサチコさんと一緒にウンターリンデン美術館に入っていった。 他のチームはとりあえず昼食を食べに行ったらしい。今日は日曜日&大統領選挙日ということもあり、町はいつもより静かだった。日曜日なのでスーパーやお店(お土産屋やレストランは除く)のほとんどが休みだったが、フィールドワーク中に特に問題はなかった。昼食は、オープンテラスのレストランに入ったチームもあれば、シシカバブのサンドウィッチを屋台で買って食べたチームもあったようだ。我々スタッフ(田中・岡部)は美術館前で待機。15時頃に3チームが美術館に入っていく。
祭壇画の前ではサチコさんが40分ほどかけて、丁寧に説明をしてくれていた。
◆サチコさんは、有名な宗教学者アルベール・アリさんの奥様。ご夫妻は、ストラスブールの歴史と文化と思想について、いつも私たちを自宅に招いてくださり、ワインを片手に教えてくれる。ウンターリンデンにあるグリューネバルトの祭壇画は、ルネサンス時代と宗教改革(2つのR)を象徴している。当時はハンセン病や熱病が蔓延。環境問題は化石燃料だけの問題ではない・・・。
フィールドワーク終了後、キンツハイムに帰る。夕食は18時からなので夕食時間までサッカーをやっている生徒もいた。食事は前菜(冷たいテリーヌ)、メイン(鳥の煮込み?ポテトのグラタン風、デザート(フルーツポンチ)。ボリュームのある昼食をとった生徒には少しきつかった(笑)。食事の量も日本とは違うということを体験を通してしるのがよい。食事が終わってから19時30分に再集合。岡部から30分ほどのリフレクション・ブログラム。今日1日の中で気づいたことを用意したポストイットに一言で書いて、ホワイトボードに貼っていってもらう。一人3枚以上5枚未満で(でも、いっぱい貼っている子もいた。)自分の頭の中での整理と情報共有するため。短時間で結構ポンポン書いて貼っている生徒が多かった。
◆欧州の経験は、極めて重要なので、今回は体験重視のプログラム。ただし、最終的には、1人ひとりがイメージを広め、自分の考えを深め、レポートにすることは重要なので、1日1日、そのヒントを確認しておく必要がある。そこで岡部は、アメリカではマインド・マップ、フィンランドではカルタ、NTS流儀ではE&I関係図と呼んでいる、知の構造化をやる一歩前に短時間プログラムを埋め込んでおく必要があると判断したようだ。岡部によると、このポンポンという生徒たちの知の反応が、大局観を形作る第一歩だと。つまり知の構造化のトリガーというわけだろう。(本間 勇人)
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★聖徳学園の国際研修旅行の先見性(1)のつづき。今日本は17時2分。フランスは午前10時2分。大統領の決選投票が始まっている。<アルザス・スイス>コースの生徒たちは、コルマールの各家庭で、日本文化を紹介したり、今回のことについて討論することになっている。時事通信社によると「選挙戦最終盤の各世論調査では、右派・国民運動連合(UMP)のニコラ・サルコジ総裁(52)が左派・社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル元環境相(53)を引き離している。」というが、どちらが勝利してもシラク大統領とは違って親日派対策はなさそうだ。
★西日本新聞朝刊(2007/04/27)コラム で語られているように、「『京都は退屈だし、肥満同士の格闘技なんて…』。サルコジ氏はかつてシラク氏への対抗心からそう語ったと報じられた。ロワイヤル氏は日本の一部の漫画、アニメを『女性を虐げている』と非難したことがある。20年ほど前のことだ。」というようなことが取り上げられてきた。
★取り上げられている内容が、あまりに瞬間的な出来事なので、フランスと日本の関係ががらっと変わるとは思えない。それに、もともと日本は親仏派とは言えない。この連休、海外に旅行する日本人は昨年増えた勢いを保っているというのに、欧州の旅行は減っている上に、海外旅行者の15%しかシェアしていない。こちらが努力していないのに、相手の国にだけ親しくしてくれと要求するのは虫が良すぎる。先達者たちのジャポノロジーパワーにいつまでも頼り切っているわけにもいくまい。
★そういう中で、聖徳学園が英語圏だけではなく、欧州も研修旅行のフィールドに選んでいるのは、たいへんな国際貢献である。昨年12月にやはりこのアルザス・プログラムに挑戦した聖徳の高校2年生の様子は地元新聞社とテレビ局に取材され、放送された。今回もそうなるのではないだろうか。それほど大事な国際交流なのである。しかし、この重要性に一般の日本人はまだまだ気づいていない。
★今年聖徳学園の新校長に就任した上遠野護先生は、今回の研修について、このように語っている。「諸外国の人々は、母国語を大変大切にします。単なる伝達の手段だけでなく、民族のアイデンティティー(左下の看板にフランス独立の思いが隠されている。「最後の授業」で有名な話はアルザスが舞台)と考えております。そこには、プライドや誇りが存在します。ですから誠実な姿勢で語学の研鑚に励んでほしい」と。※( )内は筆者。
★一般に英語の勉強というと、伝達の手段のトレーニングだと思われている。しかし聖徳学園は違う。英語の勉強は当然、アメリカ研修のチャンスも設けているぐらいだから、しっかりプログラムを実行しているのだが、それ以上に民族のアイデンティティとしての言語を学ぶチャンスをつくっている。今回の国際研修旅行の目的の1つはこれなのである。
★ハンチントンによれば、21世紀は文明の衝突で日本は孤立すると予言されているが、海外旅行者の15%しか欧州にいかないという事態は、早くもその兆しだろうか。観光や政治経済によるのではなく、教育による文化の架け橋。聖徳学園のコンセプトの先進性はここにある。(本間 勇人)
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★アルザス(フランス)の CEEJA(アルザス日本学研究所)と協働しているNTS教育研究所の田中・岡部から連絡がはいった。 聖徳学園の生徒たちが着いたと。
★聖徳学園では高校1年生全員(100人強)が5月に国際研修旅行を経験する。コースは、<チェコ・オーストリア(このコースはオプションでドイツ・オーストリアも)>、<フランス・イタリア>、<アルザス・スイス>、<ハワイ>の4つ。このうち<アルザス・スイス>のアルザスの地では、NTS教育研究所がプログラムのサポートをしている。
★NTS教育研究所は、CEEJAと協働して、フランス(というよりEUが中心)と日本の文化に架け橋をという活動をしてきた。CEEJAの拠点は、キンツハイムという小さな都市にある元アルザス成城学園の建物。修道院をリフォームし、400人は宿泊できる寮があり、アルザスの山々を背景にした緑の広いグランドもある。ここを拠点に、CEEJAは首都圏とは中等教育の生徒、関西圏とは京都大学コンソーシアムの学生と協働学習を通して、文化交流を行っている。文化交流というと観光や企業誘致だが、CEEJA所長クライン氏は、教育を通して実行するというチャレンジをしている。
★CEEJAの拠点キンツハイムは、コルマールという都市の郊外の街。生活のためには車で10分ぐらいで行けるこのコルマールに行くことになる。このコルマール、世界では重要な都市だと認知されているが、日本ではそれほど有名ではない。この都市は平和と自由の象徴のまちである。あの自由の女神はコルマール出身のバルソルディの作品だ。このまちには木組みの家が立ち並ぶが、この雰囲気を今の日本人はよく知っているはず。
★宮崎駿さんは、この地を訪ね、「ハウルの動く城」の街並みの着想を得ている。このアニメのテーマの1つは平和と環境問題。アニメを見た人の目には、木組みの家の街並みが映っていたはずである。
★CEEJAの所長クラインさんは、アルザス圏の元総帥。EUの動きにもかかわっている。コルマールから電車で20分行くと、そこはストラスブール。EU議会があるEUの拠点である。明日6日(現地)はフランス大統領選の決戦。聖徳学園の生徒たちのアルザスの1日目は、このイベントとの直面から始まる。そして後半はEU議会。フランスとEUの政治経済文化の雰囲気を体験できるはず。
★海外研修旅行というと英語、英語、英語!が一般的だが、聖徳学園のコンセプトはその枠を大きくはみ出しているほど先を行っている。聖徳学園の国際教育の先進性についてしばらく探ってみたい。(本間 勇人)
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仕事がら日能研の教室や各地のホールで、保護者向けに「学校情報・入試情報」をお伝えする講演会で話をさせてもらう機会がある。そんな折に、男子受験生の保護者を対象にした会場で、「男子(校)教育の意義」に触れるときには、聖学院のことを話題にすることが多い。
成長期の真っ直中にあり、人生のうちで最も多感な中高生時代に、のびのびと自分の個性を伸ばし、同時に他者への思いやりを育てることができる環境が、この世代の男子にはとても貴重なものだからだ。そういう意味で聖学院は、そんな男の子の成長を温かく見守り、後押ししてくれる私学といっていい。
聖学院中高のホームページの『教育理念』のページにある「■一人ひとりが主人公 聖学院のOnly One教育」の欄には次のような記載がある。
「勉強でもスポーツでも、たとえば趣味や遊びの世界でも、そこで“トップ”をめざす意欲はとても重要です。人に勝ちたい、より高い評価を得たいという気持ちが自分の力を向上させることも確かでしょう。
でも、ひとつのモノサシだけで人間のすべてをはかることは決してできません。ある人にとっては何の価値もないものが、ある人にとっては夢を叶えるために不可欠なものだったりすることはよくあります。一番大切なのは自分だけのモノサシを持つことです。自分のモノサシさえしっかりと持っていれば、自分とは違うモノサシを認めることもできるはず。
それが一人ひとりの「個性」を伸ばすことであり、キリスト教精神にもとづく「他者への思いやり」の源なのです。だから、「ナンバーワンよりオンリーワン」。一人ひとりが自分だけの夢をドラマに描き、その主人公として生きていく力と自信を身につけること。それが聖学院のOnly One教育です。」
2006年に創立100周年を迎えた聖学院中高は、その節目と前後して、自校の教育を見つめ直し、根幹にあたる部分は変わらず大切にしながらも、時代に即した教育改革を、次々に進めつつある。1999年に整えられた、新校舎・講堂などの新たな学園環境も、そうした教育改革の一環である。
聖学院教育の理念である「キリスト教に基づく人間教育」を中軸に、私学のなかでも定評のある英語教育、体験学習にいっそう力を入れ、これまで以上に成果を伸ばしているのが、この数年の聖学院といえるだろう。
同時に聖学院の「教育理念」のなかでは、「■恵まれたキャンパス環境の中でかけがえのない“自分”を発見する~それが聖学院スピリット~」ということも謳われている。5月12日(土)には、この聖学院中高の講堂で、「私学独自の環境が生む“教育の質”とは?」と題した講演会が行われる。聖学院のキャンパス設計のさまざまな工夫と、そこに込められた生徒(子ども)たちへの想いを聞ける、とても貴重な機会になると思う。
特別ゲストには、多くのキリスト教学校の名建築で知られるヴォーリズ建築事務所から現会長の片桐郁夫氏をお招きし、またゲスト校として、この会の趣旨に賛同してくださった市川中学校、立教女学院中学校の先生にもご参加いただけることになった。「教育空間」、「教育環境」というテーマは、私学にとっても最も伝えたい部分でありながら、ふだんの学校説明会などでは(時間の制約などから)伝えにくい部分でもあるのだという。
そういう私学の先生方の想いと、日本の私立中高の教育環境の多くを設計してきたヴォーリズ建築の理念と建築思想についてのお話が聞けるこの機会に、連休明けの土曜日の午前中、ぜひ参加してご覧いただいてはいかがだろうか。
きっと、すべての保護者にとって、「わが子の教育環境(学校)を選ぶ」うえで、とても参考になる視点が提示されることと思う。(北 一成)
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★「広告で学校選択」とはなんと商業ベースな視点だと思った方、「広告」は誇張しているから、本当のところはわからないよねと感じた方、間違ってはいないけれど、リアリティに欠けているかもしれない。
★もし「広告」が無ければ、NHKテレビやラジオしか見たり聞いたりすることができなくなるし、夜の街からネオンがなくなり、危険な空間になる可能性がある。
★「広告」の基本はコミュニケーション行為。誇大広告や詐欺的広告は自主規制、広告規制があるが、これは日常の会話においても同じこと。あの人は大げさだから、話半分にして聞いておこうとか、ちょっとした嘘が大きな事件に発展する時もあるだろう。
★だから「広告」というのを批判の対象に限定するものの見方は、シフトしてしまうのがおもしろい。すると学校の新しい姿が見えてくる。
★学校の先生方の中にすでに、「『広告』は所詮、嘘が多いし、商業的で、資本主義的発想だ。口コミでよさが伝わっていけばよいのだ」と考えている人も多い。だから広報担当の先生がどんなにがんばっていても、サポートしない教師が学内にいるという組織構図になる。
★これは要するにオレの考えをわかってくれるやつだけと話すというすでにman for otersという私学の共通の精神から逸脱したコミュニケーション行為。よって、このような教師が学内で50%を超えていると、そもそも雰囲気が悪いので、マイナス口コミが広まるにすぎない。
★じゃあ、どんどん広告をバラマケバよいかというとそれも違う。「伝える-伝わる」「表層-深層」「意匠-内容」「道具-本質」「宣伝-記事」「単体-相関」「意識-無意識」「抑圧-開放」「発信する-発信される」・・・。この両義性のバランスが重要である。<広告両義性>と呼んでおこう。この両義性の前者に偏るものの見方を、<物象主義>、後者に偏るのを<理想主義>、両者のバランスを最適化設計するのを<関係主義>とする。
★実は「広告」なんてと感じた方は、上記の両義性のバランスが前者に偏っている「広告」をイメージしてたわけで、<物象主義>としては、間違いではない。ただ、すべての「広告」を<物象主義>だと決めつけるのではなく、<広告両義性>の3つのタイプを選別する視点を持つことをオススメする。
★<物象主義>的広告をガンガンだしている学校は、たしかに選択する場合、もう少し調べた方がよいだろうと判断できるようになるからだ。
★御三家のような学校は、だいたいは、<理想主義>的広告。ただし、その中で麻布と開成は、<関係主義>。かつての世田谷学園の<広告両義性>戦略はおもしろかった。ベースは<関係主義>なんだが、あえて<物象主義>的戦略をとった。曹洞宗的な質実剛健な道の発想が理想であることが、かえって浮き彫りにでるという香具師的なお祭り騒ぎの雰囲気を活用した。ハレとケの両義性を物象化的に演出。<物象主義>と<理想主義>の二元論的な伝え方をした。これは伝わりやすい。でも基本は<関係主義>。これは見えない。
★駒東は完全に<関係主義>。ここの部分を見える化していない。ここが麻布と開成と違う。<関係主義>的広告は、メディア・ミックスが巧みである。日本の広告費は6兆円弱が動いているといわれているが、首都圏の私立中高一貫校が投資している広告費はそのうち0.04%ぐらいしか占めていない。だから、もともと<物象主義>的広告戦略は無理である。
★テレビ・ラジオ・新聞・雑誌という4媒体を活用すると、どちらかというと<物象主義>的あるいは<理想主義><関係主義>を見えない形で<物象主義>的戦略をとりがち。
★SP媒体はDMや折込を活用するとどうしても<物象主義>的戦略になるが、イベントなどで活用するPOP媒体は創意工夫が必要で<関係主義>的戦略が前面にでる。品川女子や小野学園はこのPOP戦略は実に巧みだ。
★しかし、今や何といっても、インターネット媒体。マスコミ4媒体広告費はここ数年減少しているのに、インターネット媒体は、2006年は前年対比30%弱増加だという(電通資料)。パンフ、POP、インターネットのメディア・ミックスを<関係主義>的戦略で広告している学校が、実は学内のコミュニケーションの雰囲気もよいのである。麻布、開成、共立女子、八雲学園、東京女子学園、白梅学園清修、宝仙理数インター、かえつ有明、聖セシリア、横浜国際女学院翠陵、聖学院、女子聖学院、品川女子、小野学園、晃華学園、東京文化、三輪田学園などの学校が人気がある、あるいは出てきたのは、ここが巧みだからでもある。
★結局学校が<広告両義性>の戦略をどのように設計するかは、学校の組織のあり方、コミュニケーションの雰囲気と関係するし、それを日々生み出している教師と理事長・校長のリーダーシップの質にかかっている。「広告」は入試問題と同じように学校の姿を映し出す。だから「広告で学校選択」という視点は重要なのである。[本間 勇人 Gate of Honma Note ]
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★昨年、首都圏エリアの私立中高一貫校315校のクオリティ・スコアを作成し、いろいろなところで、偏差値や大学進学実績以外の指標として議論してきた。
★今回は、私学のクオリティ・スコアを東京23区と多摩エリアの24の地域ごとにグルーピングし、その平均を出してみた。すると以下のようなランキングになった。同点8位(11の地域)まで紹介。
| ランキング | エリア | 私学クオリティスコア (平均) |
| 1 | 江東区 |
3.3 |
| 2 |
荒川区 |
3.2 |
| 3 | 練馬区 |
3.2 |
| 4 | 港区 |
3.0 |
| 5 | 渋谷区 |
2.9 |
| 6 | 千代田区 |
2.8 |
| 7 | 世田谷区 |
2.7 |
| 8 | 多摩地区 |
2.6 |
| 8 | 新宿区 |
2.6 |
| 8 | 江戸川区 |
2.6 |
| 8 | 品川区 |
2.6 |
★江東区は、中村とかえつ有明の2校だけだから、平均値が高くなるが、エリア自体、話題性もあるし、小学生人口も増えているところ。エリアの勢いが両校の質を上げているのか、両校のクオリティがエリアの質を上げているのか、その相互因果関係を証明する科学的根拠はまだないが、こうして並べてみると、地域の文化資本と私学の文化資本の再生にはどこか関係があるのではないかと仮説をたててみたくなる。
★多摩地区は広範囲にもかかわらず、一括して平均を出してみると、このようなポジショニングになる。やはりエリアの文化資本と学校の文化資本の生成が、互いに良い影響を与えているのではないか。実際、このエリアは、早稲田・慶應・MARCHの附属校が集中しているし、公立中高一貫校も次々誕生している。それに白梅学園清修や宝仙理数インターのように、新しい教育にチャンレンジしている学校もあらわれており、勢いがよい地域である。(本間 勇人)
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★4月のアクセスランキングを発表。学校関連の記事に限定し、50位まで掲載。今月は晃華学園と白梅学園清修の複数の記事にアクセスが集まった。4月のHot Newsのアクセス数は19,394人。80%は新しい訪問者で、20%はリピーターなので、多くても受験生の保護者の30%弱(全員6年生として)しか訪れていない。あくまで参考まで。
| 1 | 晃華学園の教育力 |
| 2 | 晃華学園の教育力の証明 |
| 3 | 伸びる聖セシリアの進学実績 |
| 4 | 白梅学園清修のサポーティブ・バンド(3) |
| 5 | 白梅学園清修のサポーティブ・バンド |
| 6 | 白梅学園清修のサポーティブ・バンド(2) |
| 7 | 千代田女学園の改革 |
| 8 | 聖園女学院の教育の考え方 |
| 9 | 読売ウイークリー「浅野」に注目! |
| 10 | 海城の将来構想の考え方(1) |
| 11 | 三輪田学園の新たな不易流行 |
| 12 | かえつ有明の新しい実践着々と |
| 13 | 東京女子学園の進化=深化=真価 |
| 14 | 八雲学園の教育の質、飛躍! |
| 15 | 麹町学園女子2007年入試の飛躍 |
| 16 | 海城の将来構想の考え方(2) |
| 17 | かえつ有明は生徒が増えても1人ひとりに目配り |
| 18 | 千葉高校併設型中高一貫教育校開設準備本格化 |
| 19 | かえつ有明の文化再生産システム着々 |
| 20 | 共立女子のおもしろい≪私学の系譜≫ |
| 21 | 自己の閉塞状況を破れる自由の森 |
| 22 | 穎明館のハビトゥス |
| 23 | 海城の将来構想の考え方(3) |
| 24 | 星城中学校にますます期待 |
| 25 | 新潮流を生み出す日本音楽高等学校 |
| 26 | 東京女子学院の教育の手ごたえ |
| 27 | 東京文化中のドラゴンクエスト |
| 28 | 東京女子学院の教育の成果 |
| 29 | 私立学校が継承するもの~麻布の氷上校長語る |
| 30 | 横浜女学院の優しい眼差し |
| 31 | 小野学園戦略着々遂行 |
| 32 | 久しぶりに中村中の調べを聞いた |
| 33 | 湘南白百合のオープンスクールは在校生が活躍! |
| 34 | 世田谷学園「最高の授業」で紹介される |
| 35 | 5月12日~市川、聖学院、立教女学院の教育環境と文化を探る機会~ |
| 36 | かえつ有明の教育空間(1) |
| 37 | 光塩女子学院の学年共同担任制 |
| 38 | 立教女学院という環境で育つ感性 |
| 39 | 女子美大付属と国立音大附属 |
| 40 | 麹町学園女子の人気 |
| 41 | 宝仙理数インターの本気の教育~戦略と情熱と |
| 42 | 次に注目される小野学園女子の教育 |
| 43 | 聖ヨゼフ学園のもう1つの教育 |
| 44 | 女子学院の教育力(2) |
| 45 | 晃華学園の科学の芽 |
| 46 | 星城中学校~私立中高一貫校の星 |
| 47 | 光塩女子学院の学年共同担任制(2) |
| 48 | 白梅学園清修の見えないカリキュラム |
| 49 | サレジオ学院の魅力 |
| 50 | 聖園女学院の美術 |
(本間 勇人)
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