男の子の英語力を飛躍させる聖学院の「Only One教育」
引き続き、6月2日(土)に中村中学校(江東区・女子校)で行われる「私学の国際化教育」講演会に関する話題。この日の参加校のひとつである聖学院中学校(北区・男子校)に本日、下打ち合わせにうかがった際にお聞きした話である。
聖学院は、プロテスタント系の男子校として、いまでは都内に2校のみという希少な存在(もう1校は立教池袋)になった学校。それゆえに「男子教育」、「英語教育」、「キリスト教教育」については、ある種のこだわりをもって、私学としての一貫性を守っている真摯な学校である。
もともと「英語とキリスト教」とは、明治期に一体となって日本にやってきたものだけに、その成果はもとより、指導姿勢やノウハウにも自負をもっているミッション校は多い。ただし、その多くが女子校であるため、ミッション系男子校の「英語教育の充実」にスポットがあたることは意外に少ないという印象がある。
この聖学院は、近年、英語教育で目覚しい成果をあげてきた私学として、進学塾関係者の間では、いっそう評価が高まっている。そうした指導の手ごたえをステップに、いまでは帰国生の受け入れと併行して、国内で過ごしてきた「英語経験者」の受け入れも行うようになった。
この6月2日の「私学の国際化教育」講演会に、男子校としてもう1校参加してくれる世田谷学園の先生も同じ意味のことを話していたのだが、全般的に英語を重視している私立中高一貫校にあってさえ、男子には女子と比べて「英語を得意とする」生徒は一般的にはあまり多くないといわれている。英語を積極的に話して、外国の人々とコミュニケーションをはかることに対して、照れや精神年齢の男女差などもあり、男子は少し尻込みしてしまう傾向があるようだ。
そうした一般的な傾向があるなかで、この聖学院は、ていねいな指導と積み重ねてきた独自のノウハウで、こと男子に向けての英語教育に関しては傑出した成果を出している私学といえるだろう。講演会当日の資料として配布される予定のリーフレットには、同校が本格的に教育改革に踏み出した現高2以降の在校生の「英検」取得状況に加え、「TOEIC」、「GTEC」のスコアと人数分布が紹介されている。
かつて筆者は「Nettyかわら版」2006年10月号のリポート記事のなかで、聖学院の英語教育力とその成果は、「日能研R4偏差値が55~60の男子校をも上回る」と紹介したことがある。そして、この理解は決して間違っていなかったといまでも思っている。
そして聖学院は、この春から、これまでの手ごたえをバネにさらなる高い目標をめざして、英語教育の体制をもう一段充実させている。それが系列大学から専任として英語指導に定評のあるネイティブの先生を招き、英語力の高い生徒への指導と同時に、中学1年生への指導を担当してもらっているという。こうしたことの成果も現れてくると、TOEICなどのスコアも、これまで以上に伸びてくるに違いない。
こうしてまず「英語で力をつけた」在校生は、それが自信を生み、他の教科の力も伸びてくるという。そういう良い意味での励みや、生徒のやる気を生むサイクルができあがりつつある。
もともと「Only One for Others(他者のために生きる個人)」という言葉を掲げ、かけがいのない個性を輝かせる「オンリーワン教育」を教育理念としてきた同校。自分自身への手ごたえを生徒一人ひとりが持てたときに、それが各人の個性をより輝かせることに、聖学院の教師陣と関係者は大きな価値と教育の喜びを見出しているのだろう。日常は「生徒と先生との距離感が近い」のびやかな男子校でもある。
もうひとつエピソードとして、実際にご子息を聖学院に入学させた何人もの私学の先生方が、聖学院の英語教育力に高い評価をしているということもお伝えしておきたい。帰国生や英語経験者クラスの生徒でなくても、同じ学年の仲間に「英語の上手な」友達がいることで、「自分もああなりたい」とがんばって英語力を伸ばすケースも増えているという。
その聖学院の先生をはじめ、都内で人気の高い5校の先生方が集まり、「国際化教育」という切り口で話をしてくれる、6月2日の講演会。参加校は、会場校の中村(江東区・女子校)のほか、かえつ有明(江東区・男子校)、世田谷学園(世田谷区・男子校)、頌栄女子学院(港区・女子校)と、この聖学院を加えた5校である。
ちなみに、聖学院のリーフレットの表紙には、「Bridge over the Pacific」と書いてある。これは新渡戸稲造の言葉ということだが、同時にこれこそ、100年前に海を渡り日本にやってきた宣教師の理念と「国際化の理想」を、いまに伝える言葉ではないかと思う。
男子校における「英語教育」と「国際化教育」について関心がある方は、ぜひこの機会に中村中学校に足を運んでみてほしい。 (北 一成)
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