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2007年7月31日 (火)

景気は教育システムを変えればよくなる

★日経の最新景気ニュースのラインアップ。米国のGDPは成長しているというが、今目の前の住宅問題は深刻。日本の経済にじわじわ影響を与えてくるはず。日本の消費支出は増えているというが、サラリーマン世帯に限ると減っている。全国消費者物価も下落。完全失業率も減っているが、団塊の世代のセミリタイアが始まっているから、これも当然で、産業構造に大きな変化があるわけではない。相変わらずラットレースが日本の構造だろう。

★企業の資金需要低水準。これは今の問題だけではなく、これからの問題。景気がよくなる要因とは全く逆の要因だ。公教育に民活を導入することは、やはり経済活性化には欠かせないが、自治体が介在することによって、またまた停滞する。それから、学校や自治体には基本的にステイクホルダー体制がない。民間を業者扱い(抑圧的という意味)し、コストパフォーマンスを下げる手法しかとらない。いわゆる官尊民卑。それがどれだけ市民の期待に反するか、今回の島根と岡山の参院選ではっきりしたはずだ。

★こういうことを言うと、短絡的だ!教育に市場原理を入れるとはけしからん!といわれそうであるが、大学の教育学部は、私立学校のあり方を、「しっかり(安倍総理の口癖)」研究してみてはいかがだろうか。すぐにルサンチマンよろしく私立批判をする前に。[本間 勇人 Gate of Honma Note

  • (7/31)6月の完全失業率3.7%・総務省――前月比0.1ポイント低下
  • (7/31)6月の全世帯消費支出、実質0.1%増――総務省・家計調査
  • (7/30)6月の鉱工業生産指数、前月比1.2%上昇――4カ月ぶりのプラス
  • (7/28)4―6月の米実質GDP、3.4%成長──輸出や設備投資好調
  • (7/27)6月の全国消費者物価、0.1%下落──5カ月連続、脱デフレ足踏み
  • (7/27)6月の小売業販売額、0.4%減――大型小売店は0.9%増
  • (7/26)6月の企業向けサービス価格、1.4%上昇――高水準の伸び率続く
  • (7/25)07年上期の貿易黒字、59.3%増の5兆1300億円――対米は7期ぶり縮小
  • (7/25)6月の貿易黒字、前年同月比53.4%増の1兆2271億円
  • (7/25)企業の資金需要、3年ぶり低水準・4-6月、日銀調査
  • (7/24)外食売上高、上期2.2%増・1999年以降初のプラス
  • (7/23)6月のスーパー売上高、1.5%減・食料品の減少大きく
  • (ここからそれぞれのサイトにはとべません。日経サイトの経済>景気ウォッチを参照してください。)

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    7月アクセスランキング

    ★7月(7月1日から30日)のアクセスランキング発表。学校関連の記事に限定し、100位(325記事中)まで掲載。学校選択傾向のヒントになればと思う。[本間 勇人 Gate of Honma Note

    1 加速する白梅学園清修の教育の質
    2 伸びる聖セシリアの進学実績
    3 立教女学院という環境で育つ感性
    4 湾岸エリアに誕生した共学進学校、かえつ有明への大きな期待!
    5 海城の将来構想の考え方(4)
    6 渋谷幕張のパンフレットから見えるコト(1)
    7 6年後横浜山手女子はナンバーワン【1】
    8 聖園女学院の教育の考え方
    9 渋谷幕張のパンフレットから見えるコト(了)
    10 千葉高校併設型中高一貫教育校開設準備本格化
    11 かえつ有明の文化再生産システム着々(2)
    12 学芸大附属国際中等教育学校「国内ワークキャンプ」始まる。
    13 学芸大附属国際中等教育学校「国内ワークキャンプ」から見えるコト
    14 7月7日新宿で、佐久長聖中学校の説明会開催
    15 宝仙理数インター第1期生の1ヶ月
    16 自己の閉塞状況を破れる自由の森
    17 6年後横浜山手女子はナンバーワン【2】
    18 学校選択の変化[7]~共立①と大妻①
    19 渋谷幕張のパンフレットから見えるコト(2)
    20 学校選択の変化[8]~鴎友学園女子①
    21 晃華学園の教育力
    22 海陽中等教育学校は侮れない
    23 6年後横浜山手女子はナンバーワン【4】
    24 6年後横浜山手女子はナンバーワン【5】
    25 学校選択の変化[1]~麻布
    26 神田女学園の教師の高い質(了)
    27 神田女学園の教師の高い質(2)
    28 佐久長聖中学校の小さくて大きな感動物語
    29 神田女学園の教師の高い質(4)
    30 海城の将来構想の考え方(5)
    31 千代田女学園の改革
    32 大学入試でもパワーを発揮する頌栄女子学院の海外帰国生
    33 神田女学園の教師の高い質(1)
    34 学校選択の変化[4]~女子学院
    35 6年後横浜山手女子はナンバーワン【3】
    36 学校選択の変化[10]~慶應普通部
    37 学校選択の変化[12]~吉祥女子
    38 学校選択の変化[3]~開成
    39 学校選択の変化[6]~海城①
    40 晃華学園の教育力の証明
    41 学校選択の変化[9]~フェリス
    42 白梅学園清修の授業
    43 神田女学園の教師の高い質(3)
    44 学校選択の変化[2]~桜蔭
    45 学校選択の変化[5]~駒場東邦
    46 宝仙理数インターの活発な教育活動
    47 Nettyクリエイティブ・スクール(4)~市川
    48 女子美大付属と国立音大附属
    49 かえつ有明は生徒が増えても1人ひとりに目配り
    50 Nettyクリエイティブ・スクール(2)~跡見
    51 女子聖学院の燃える教育
    52 Nettyクリエイティブ・スクール(1)~浅野
    53 07中学入試の結果R4分析(5)
    54 かえつ有明の新しい実践着々と
    55 海城の将来構想の考え方(3)
    56 千葉県私学に新しい風を吹き込む市川学園の教育
    57 穎明館のハビトゥス
    58 洗足学園の新ビジョン(1)
    59 小野学園のオープンキャンパスにでかけよう!
    60 新潮流を生み出す日本音楽高等学校
    61 6年後横浜山手女子はナンバーワン【6】
    62 サレジオ学院の魅力
    63 湘南白百合の学び観
    64 洗足学園の新ビジョン(2)
    65 学校選択の変化[11]~栄光と聖光
    66 三輪田学園の新たな不易流行
    67 海城の将来構想の考え方(2)
    68 学校選択の変化[15]~豊島岡女子
    69 早稲田実業の甲子園優勝にひと役かった学校改革
    70 Nettyクリエイティブ・スクール(3)~アレセイア湘南中学校
    71 Nettyクリエイティブ・スクール(5)~江戸川女子
    72 湘南白百合のオープンスクールは在校生が活躍!
    73 麹町学園女子2007年入試の飛躍
    74 共立女子の生徒の成長
    75 Nettyクリエイティブ・スクール(6)~大妻
    76 学校選択の変化[13]~桐朋
    77 宝仙理数インターの本気の教育~戦略と情熱と
    78 私立学校が継承するもの~麻布の氷上校長語る
    79 宝仙学園理数インターの人気
    80 海城の将来構想の考え方(1)
    81 村治佳織、母校女子聖学院で演奏
    82 学校選択の変化[16]~立教女学院
    83 東京女子学園が伸びる理由【2】
    84 女子学院の教育力(2)
    85 光塩女子学院の学年共同担任制
    86 横浜女学院の優しい眼差し
    87 男の子の英語力を飛躍させる聖学院の「Only One教育」
    88 田園調布学園がエクセレントスクールである理由(1)
    89 学校選択の変化[14]~雙葉
    90 栄光学園を深く知るサイト
    91 光塩女子学院の学年共同担任制(2)
    92 函嶺白百合受験チャンス
    93 宝仙理数インターの斬新な説明会
    94 晃華学園の科学の芽
    95 「国際化教育」が世田谷学園の大学進学実績をさらに伸ばす
    96 完全中高一貫化に向けて進化する中村中高の「国際化教育」
    97 聖園女学院のシラバスはおもしろい
    98 かえつ有明の教育空間(1)
    99 聖園女学院の美術
    100 英国研修でわかる白梅学園清修のすばらしさ

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    来春中学入試志望校動向[4]~07年7月センター模試データから

    070202来春中学入試志望校動向[3]~07年7月センター模試データからのつづき。全国中学入試センターから提供してもらったデータから、前回同様に、2月2日入試・女子選択校(女子校・共学校)を分析。前回までと同じ以下の2つの条件の表を作成。

    ①7月のセンター模試の志望校登録者数30人以上の学校を抽出し、登録志望者の多い順に並べてみたもの。

    ②3つのレンジ別で志望者数の多い順に並べ替えたもの。

    070202_3 ★青山、鴎友学園、共立女子、女子聖学院は偏差値とは別のモノサシで選択されていることがわかる。いやむしろ、この4校の偏差値は妥当でないということかもしれない。つまり、青山は64、鴎友学園は64、共立女子は57、女子聖は48ぐらいなのが妥当なのかもしれない。偏差値の算出というのは正当性、信頼性、妥当性の3要素が必ずしもすべて満たされるとは限らないということ。

    ★正当性は偏差値の算出方法=関数の問題で、これはセンター模試は一般理論にしたがっているために問題ない。信頼性は、センター模試受験生の結果に基づいて算出しているのでこれも問題ない。妥当性は、このセンター模試の受験生が必ずしも実際の受験生とは同じでないところからくる誤差が生じる。これは9月以降、毎月のセンター模試の受験生の動向によって軌道修正していく必要がある。だからこそ9月以降の偏差値は「予想偏差値」という形式でシュミレーションされている。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月30日 (月)

    来春中学入試志望校動向[3]~07年7月センター模試データから

    070202来春中学入試志望校動向[2]~07年7月センター模試データからのつづき。全国中学入試センターから提供してもらったデータから、前回同様に、2月2日入試・男子選択校男子校・共学校)を分析。7月のセンター模試の志望校登録者数30人以上の学校を抽出し、登録志望者の多い順に並べてみた。そして、やはり同じように3つのレンジ別で志望者数の多い順に並べ替えた。

    070202_2 ★レンジ別データをみると、学習院中等科、明大中野と神奈川大附属が偏差値に関係なく別の理由で学校選択者に注目されているのがわかる。一方、攻玉社、世田谷学園はもっと注目を浴びてよいはず。このリストに登場している2日入試の学校は、教科学習とリベラルアーツ(スポーツも含め)の合力を強調している学校が多いが、そのバランスのとり方のアピールの巧みさの差がでているのかもしれない。

    ★教科学習=K、リベラルアーツ=Lとすると、その関係は、K≦L、K≧L、K, L、K+L、K×L・・・など様々である。どのスタンドポイントに立つのか表現することは重要である。たとえば、栄光、慶應湘南藤沢、神奈川大学附属は、K×L、つまり両方のシナジー効果が現れていることがアピールされている。学習院中等科はK, Lという文武両立が明快に表現されている。要は文武両道路線の場合は、その両者の関係が明快であることが必要。そうでない場合は、曖昧になるか、誤解されてイメージが伝わってしまう。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月29日 (日)

    東京女子学園が伸びる理由【2】

    東京女子学園が伸びる理由【1】のつづき。東京女子学園は、改革を行うたびに新しいプログラムをつくり実行していく。プログラムの構造は、それ自体世界標準。世界標準のプログラムの作り方というのは、たとえば、IB(国際バカロレア)はコンセプトがあって、それを具体化するためのプログラムがある。そのプログラムはCOREの部分とSUBJECT GROUPsにわかれている。日本の学習指導要領の場合は、教科プログラムが並列になっているだけだが、世界標準はそれを有機的につなぐInteractionプログラムが存在する。その部分をIBではCOREと呼んでいる。OECD/PISAの場合だとCCC(Cross-Curricular Compitencies)プログラムと呼ぶだろう。東京私立中高協会の基礎学力研究グループだと「ことば力」と呼んでいると思う。

    ★麻布や開成、JG、海城などエクセレントスクールは、たいていのこのCOREプログラムに相当する学びの環境を整えている。これから伸びると高く評価されているかえつ有明、白梅学園清修、宝仙理数インターもこのようなCOREプログラムに相当する学びを構築している真っ只中である。

    Cs ★さて、東京女子学園はどうかといえば、やはり同じようにCOREとSUBJECTの両方を統合した形で改革を実行している。この両者のバランスの比率を改革期ごとに分析(CS分析)してみると、グラフのようになる。もともと人間形成プログラムは充実していたので、改革第1期は、教科プログラムを重点的に改革している。ここ数年大学進学実績が伸び始めているのは、この改革第1期に作ったプログラムの成果が現れているといえよう。

    ★1999年以降、公教育の方は、学力低下論まっさかりで、COREプログラムなど眼中になかったが、世界標準の方は、このCOREプログラムは当然の流れになっていた。東京女子学園のように国際化教育プログラムで成功している学校に興味を持つ保護者は、当然この流れを実感していた。同学園はCOREとSUBJECTの両者のバランスが良い学校であるが、改革第一期はもしかしたら後者に偏っているイメージで受け留められたかもしれない。ワールドスタディなど教育界の中でも高い評価を受けているプログラムを実践していながら、大学進学実績へ結局向かっているというイメージは、受験生の親や学校選択をアドバイスする塾にビジョンの曖昧さを与えた可能性がある。

    ★そこで改革第2期では、CSの有機的統合を説明するわかりやすい戦略を前面に出したのではあるまいか。再び生徒募集は勢いづくことになるのには、そのような背景があるのかもしれない。そして今年から再び、CSのそれぞれの強化プログラムを発表している。ますます戦略とビジョンが明快になってきたのである。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    来春中学入試志望校動向[2]~07年7月センター模試データから

    070201_3来春中学入試志望校動向[1]~07年7月センター模試データからのつづき全国中学入試センターから提供してもらったデータから、前回同様に、まずは2月1日入試・女子選択校(女子校・共学校)を分析。7月のセンター模試の志望校登録者数30人以上の学校を抽出し、登録志望者の多い順に並べてみた。そして、やはり同じように3つのレンジ別で志望者数の多い順に並べ替えた。

    070201_4 ★R4以上の並び方は、男子選択校とは違い、まずまず妥当ではないだろうか。他のレンジについても妥当だと思う。午後入試ではあるが、かえつ有明難進①の躍進も目立ち、学校選択者の学校の変化の情報をつかむ力もなかなかのものではないだろうか。

    ★もちろん、男子同様、まだまだ他にクオリティスクールはいっぱいあるので、そのような学校に注目が集まるようになって欲しい。おそらく2日目以降の入試で、1日目には表の中にはなかった、いくつかのクオリティスクールがランクインすることになるはず。これから伸びるクオリティスクールであるのに、現時点で注目度はそれほど高くない学校にも目配りをしておきたいものである。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    来春中学入試志望校動向[1]~07年7月センター模試データから

    070201全国中学入試センターから提供してもらったデータから、来春中学入試の志望校動向を追ってみたい。まずは2月1日入試で男子選択校(男子校・共学校)。7月のセンター模試の志望校登録者数30人以上の学校を抽出し、登録志望者の多い順に並べてみた。

    070201_2 ★次にそれを3つのR4レンジ別でグルーピングし、それぞれのグループの中で志望者数の多い順に並べ直してみた。すると海城の位置が私のイメージ(独断と偏見かもしれないが)と違う。大学進学実績、リベラルアーツ、グローバリゼーション、つまり大学進学実績→テクノロジー(技術)、リベラルアーツ→タレント(才能)、グローバリゼーション→トレランス(寛容)という3Tの総合力において、いわゆる御三家や駒東に匹敵するのに、桐朋に比べ志望者数が少ないのは疑問である。学校選択者は選択眼をもっと磨かなくてはと思う。

    ★しかし、一方で逗子開成や芝の3Tの総合力は高く評価されているし、R4レンジ50未満の中に、3Tの総合力を養うプログラムを着々と実行している自修館、かえつ有明、藤嶺学園藤沢、芝浦工大、横浜などのクオリティ・スクールもランクインしている。

    ★ということはやはり学校選択者の選択眼は磨かれているわけであり、海城に関してだけまだ正当な評価がなされていないということか?もちろんこの表の中に入っていないクオリティスクールはまだまだあるわけで、もっともっと学校選択とはどういうことなのか、世の中で話題にならなければならないだろう。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    学校選択の変化[16]~立教女学院

    学校選択の変化[15]~豊島岡女子のつづき。立教女学院には変化の波が生まれている。7月のセンター模試における志望者の前年対比は116%で受験生の目をひきつけている。また、センター模試を主催している全国中学入試センターがまとめている「志望校調査レポート」のコメントにはこうある。

    <立教大へ全員進学可能となったこと、高2からのコース制導入など改革が進んでいるのが注目を集めているのか、志望者数、志望者平均偏差値ともにアップ。特に偏差値55以上の層が06年の23名から37名へと、かなり厚くなっており、厳しい入試となりそうだ。>

    ★偏差値層が変われば、当然併願校も変わる。実際2006年までの固定的な併願ラインがガラリと変わっている。

    ◆2003データ 立教女学院
    東洋英和B・吉祥女子②・吉祥女子③・日本女子大附②・浦和明の星①・恵泉②

    ◆2004データ 立教女学院
    吉祥女子②・恵泉②・浦和明の星①・吉祥女子③・青山学院・日本女子大附②

    ◆2005データ 立教女学院
    恵泉②・跡見③・青山学院・吉祥女子②・吉祥女子③・日本女子大附②

    ◆2006データ 立教女学院
    青山学院・吉祥女子②・吉祥女子③・実践女子③・跡見②・共立女子C

    ◆2007データ 立教女学院
    法政大学③・青山学院・共立女子C・成蹊②・浦和明の星①・東洋英和B

    ◇2006年までは、立教女学院―青山―吉祥女子という併願は不動だった。昨年までの傾向を私はこう書いていた。

    <恵泉から跡見へ、日本女子大附から実践女子や共立女子へというシフトが生まれている。おそらく地理的条件の要員が影響していると思われるが、三輪田学園ではなく跡見、東京女学館ではなく実践女子、大妻ではなく共立女子を選択している傾向は何を意味しているのか。来年以降の動向の変化を見てみないと何ともいえないが、選択者の視点がより鮮明になってきていることは確かだろう>と。

    ◇法政大学との併願は、地理的条件の影響大だろうが、それだけではない。浦和明の星以外は、大学附属でなおかつ「議論―探究―発表」という21世紀型の学びの回路を導入している学校ばかりが選ばれている。選択者の視点がより鮮明になっていることと、浦和明の星の併願から予想されることは、埼玉エリアの優秀生が注目している可能性がある。立教女学院は自らの教育力の影響を学内外に拡大しようとしているのではないだろうか。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月28日 (土)

    学校選択の変化[15]~豊島岡女子

    学校選択の変化[14]~雙葉のつづき。

    ◇豊島岡女子の併願校は、卓越した教育力を有している学校に集中している。

    ◆2003データ 豊島岡女子①
    浦和明の星①・豊島岡女子③・豊島岡女子②・西武文理②・桜蔭・頌栄②

    ◆2004データ 豊島岡女子①
    浦和明の星①・豊島岡女子②・女子学院・渋谷幕張①・桜蔭・豊島岡女子③

    ◆2005データ 豊島岡女子①
    浦和明の星①・豊島岡女子③・豊島岡女子②・渋谷幕張①・女子学院・淑徳与野①

    ◆2006データ 豊島岡女子①
    浦和明の星①・女子学院・淑徳与野①・豊島岡女子②・豊島岡女子③・桜蔭

    ◆2007データ 豊島岡女子①
    浦和明の星①・豊島岡女子③・女子学院・桜蔭・淑徳与野①・豊島岡②

    ◇2005年に中学を開設した淑徳与野が併願校としてのポジショニングをしっかり確立している。豊島岡女子の有力な併願校に位置しているということを通して、淑徳与野に対する評価の高さが推察できる。ただし、淑徳与野の教育力はかなり豊島岡女子とは違うと思うのだが。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    東京女子学園が伸びる理由【1】

    Photo ★2000年から2007年にかけて、東京女子学園の生徒募集総数(複数回入試の募集人数の総数)の推移を追ってみた。すると、第一期改革(改革という言葉は学園当局は使っていない。筆者が学園の説明会資料をもとに整理したときに思いついた)の2000年から2002年は右肩上がり、2003年から2004年はやや危機(2000年時よりはよい)が訪れ、第二改革によって再び右肩上がりに。特に2007年は急上昇。

    ★しかし第一期改革時の経験から、この伸びを持続可能にするために、今年すぐに第三期改革期に突入している。このような一連の改革の連続は、学内の組織が一丸となっているから実行できることだし、生徒と教師のコミュニケーションが程よい距離間を保ちながら学内に広がり良き雰囲気が生まれているから続くのである。

    ★そしてもう1つは学校経営陣の構想力が重要。現場力が大きなビジョンに向かって動いていく組織作りが巧まれているから東京女子学園号は進路をたがわずに進めるのである。

    ★学校経営陣による構想力とは、①外部環境変化の情報収集力、②組織のマネジメント力、③教育活動のデザイン力の関係を構築する力である。これら3つがそれぞれ十分稼動しているだけでも相当な経営力があると思われるが、さらに3つを統合するには構想力が必要なのである。3つをそれぞれ独立させて専門部隊を作るだけのリーダーは戦略的であるが、改革派ではない。独立自尊と協働という3つの関係を構想するリーダーこそ改革型リーダー。

    ★東京女子学園の経営陣は、この改革型リーダーの集団である。21世紀はというより、2010年から2013年という目の前の時期に社会の激変が予想されている。したがって、今あらゆる領域で、求められているのは、戦略的かつ改革的な柔軟なリーダーシップ。学校説明会に参加して、このようなリーダーシップを感じたら、そこは選択すべき学校である。次回からは、教育活動のデザイン力を切り口に、東京女子学園の構想力を考えていきたい。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    5つの教育の殻を破る

    ★7月24日(火)から5回連続、日本経済新聞1面で特集「ニッポンの教育第4部殻を破る力」が連載された。日本の教育には、教育関係者の防衛機制、教育行政の規制などの殻や壁があるが、それらを破る活動をしている学校や生徒がいる。5つの殻を破るケースについてのレポート。教育制度を変えるより、現場の工夫で実はそうとういろいろなことができる格好の事例が載っているということ。連載の趣旨にはこうある。「閉じた社会に守られていきた教育界の常識、硬直化したシステムの殻を破る動きが起きている」と。

    ①7月24日(火)米国など名門海外大学に進学する生徒やそれを応援する学校。灘、麻布、学芸大付属、渋谷幕張、渋谷渋谷、立命館アジア太平洋大など。

    ②7月25日(水)個性的な学校の例。海陽中等教育学校、JAFアカデミー福島、日本の次世代リーダー養成塾、シュタイナー学校(フリースクール)、東京シューレ葛飾中学校。「多様化するニーズに応えるには公教育のシステムはあまりに規制が強いが、それを破るヒントは現場で生まれている。知のエリート、スポーツのエリート、国家エリート、アートのエリート、新しい価値を生み出すリーダーの育成など、たしかに平等画一化志向の公教育の制度では難しい。

    ③7月26日(木)官尊民卑を脱するには民間活用。そこで株式会社学校の事例。あるいは塾で学ぶ教師の事例。公正な市場や競争とは何かの議論がなければなかなかうまくいかない。市場とは本来ディスカッションの場である。民間云々の前に、議論ができる市民育成の方が大事かもしれない。ディスカッションとは、あらゆるものの妥当性・正当性・信頼性を話し合いながら、つまり情報公開しながらチェックすることである。

    ④7月27日(金)「社会のニーズに応えるのではなく、社会の方が悪いんだと思い込む奇妙な意識と、公務員ならではの安住感」。日比谷高校長沢校長が断罪する公立の現場が閉じこもってきた殻。それを自ら公立学校が破る事例。でもその中身は、大学進学率を上げることとコンペで予算争奪する活動について。もちろん大事だが、問題はもっと違うところに横たわっているはず・・・。

    ⑤7月28日(土)評価がきちんとすれば学力も学校の質もあがるという事例。しかし、その評価がゆがんでいたら、あの足立区の学校ぐるみの全国学力テストの点数引き上げ不正のようになるという事例も。いずれにしても独自のといいながらドメスティックな評価のモノサシを活用している。どうしてPISAのような世界標準のモノサシ創造にチャレンジしないのか?

    ★多くの私立中高一貫校が①から⑤の殻を破る力を十分持っているし、発揮もしている。しかし、最大の壁はまだ超えられていない。それは何か?その気づきと突破にチャレンジすることを期待するが、先にやるのは私学だろう。横浜山手女子のチャレンジはこれに値する。今後の動向を見守っていきたい。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    学校選択の変化[14]~雙葉

    学校選択の変化[13]~桐朋のつづき。

    ◇雙葉―白百合というイメージは消失か?

    ◆2003年データ 雙葉
    浦和明の星①・頌栄②・女子学院・東洋英和B・慶應中等部・渋谷幕張①

    ◆2004年データ 雙葉
    浦和明の星①・白百合・豊島岡①・普連土②・頌栄②・鴎友学園女子③

    ◆2005年データ 雙葉
    浦和明の星①・頌栄②・豊島岡①・渋谷幕張①・白百合・市川①

    ◆2006年データ 雙葉
    浦和明の星①・豊島岡①・頌栄②・市川①・大妻②・共立女子C

    ◆2007年データ 雙葉
    浦和明の星①・頌栄②・市川①・淑徳与野①・東邦大東邦(前・豊島岡①

    ◇雙葉―浦和明の星―豊島岡―頌栄―市川が基本ライン。浦和明の星以外は、カトリック的な雰囲気とは関係ない学校を雙葉選択者は併願校として選んでいる。雙葉の選択者の嗜好性は多様化しているというべきなのか、カトリック学校の普遍性が多様性にシフトしているというべきなのか。いずれにしても雙葉の寛容な新たな雰囲気を、これからのOGが創っていくことになるのだろう。いわゆる女子御三家の中で、文化資本の質が最も変わるのは雙葉だということではないか。良い意味でもそうでない意味でも・・・。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    学校選択の変化[13]~桐朋

    学校選択の変化[12]~吉祥女子のつづき。

    ◇桐朋―穎明館―立教新座ラインは一定している。

    ◆2003データ 桐朋
    穎明館②・立教新座①・西武文理①・穎明館①・国学院久我山③・芝②

    ◆2004データ 桐朋
    立教新座①・西武文理①・浅野・穎明館②・国学院久我山③・穎明館①

    ◆2005データ 桐朋
    立教新座①・浅野・穎明館②・国学院久我山③・西武文理①・芝②

    ◆2006データ 桐朋
    立教新座①・浅野・穎明館②・穎明館①・芝②・城北②

    ◆2007データ 桐朋
    立教新座①・穎明館②・浅野・桐光男子③・芝②・西武文理①

    ◇2005年以降は、桐朋―芝―浅野ラインも一定している。国学院久我山は桐光にシフトし、西武文理は復活。城北は上記のリストには現れていないが、2007年は7位、基本ラインの学校として理解しておいた方がよいかもしれない。2007年の併願ライン(城北も含め)が、今後も変わらないとすると、明確に伝統的な文武両道の文化資本を再生産し続けている学校の選択嗜好性が大勢を占めているといえよう。

    ◇その中で芝の文武両道のあり方は次元が高い。文武両道といった場合、伝統的なスタイルは実際には文武並立。芝は文武統合。その差異は、なかなか気づかないのが現状ではあるが、先生方のコミュニケーションスタイルでだいたいわかる。教科や教育活動を横断して話し合える普遍的コミュニケーションが浸透しているか、専門的コミュニケーションの深まりを重視しているかの違いである。芝や海城、麻布、聖学院、JG、共立女子、鴎友学園女子、洗足、女子聖学院などの私学は普遍的コミュニケーションが浸透している。

    ◇キリスト教の多くの学校は、聖書の学びが存在しているために、普遍的コミュニケーションは意識されていなくても、浸透している。しかし、そこを自覚的にプログラム化しているかどうかは、今後の学校選択の判断の微小ではあるが重要な視点になるだろう。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月27日 (金)

    学校選択の変化[12]~吉祥女子

    学校選択の変化[11]~栄光と聖光のつづき。

    ◇今年東大に大量に進学した吉祥女子。併願校にも変化が現れている。

    ◆2003年データ 吉祥女子①
    西武文理①・吉祥女子③・星野学園①・浦和明の星①・富士見③・豊島岡①

    ◆2004年データ不明

    ◆2005年データ 吉祥女子①
    吉祥女子③・吉祥女子②・豊島岡①・浦和明の星①・西武文理①・富士見③

    ◆2006年データ 吉祥女子①
    吉祥女子②・吉祥女子③・浦和明の星①・豊島岡①・富士見③・西武文理①

    ◆2007年データ 吉祥女子①
    吉祥女子③・浦和明の星①・西武文理①・淑徳与野①・豊島岡①・吉祥女子②

    ◇吉祥女子の志望者は、吉祥女子が第一志望であるという傾向が強いのは不変。しかし富士見に変わって、淑徳与野が台頭。アートやリベラルアーツが土台としてあり、進学実績もよいという、まさにエクセレントスクールがほぼ併願ラインに並んだということか。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    英国研修でわかる白梅学園清修のすばらしさ

    ★7月10日に白梅学園清修の1期生全員が英国オックスフォードに旅たった。その様子は毎日のように清修のサイト“Topics”で見ることができる。英語の学びやカルチャラル・スタディーの準備を十分にして立ち臨んだ様子がよくわかる。

    ★しかし、何よりまず身体に染みてわかることが大切で、論理を通り越して、アハ体験、セレンディピティ体験(この言葉は茂木健一郎先生の言葉ではなくイギリスの学者が発明した言葉)をしているのがよくわかり、サイトを読んでいるこちらもなんかうれしくなってくる。

    ★何気なくつづられているが、このように毎日忙しい合間をぬって記事をアップしている柴田教頭先生の努力の姿勢や秋田校長先生が、先生方と生徒たちと一丸となって1つひとつのプログラムを開発し、実行している姿に頭が下がる。敬服。

    ★そして、柴田教頭先生方が、サポーターとして活躍しているコーディネータや現地の先生方とコラボレーションしている様子も描かれているが、白梅学園清修のマネジメント能力とその寛容性はアッパレというしかない。麹町学園の校長も外部とコラボレーションして学校を盛り上げている。決して外部のスタッフを業者よばわりせず、パートナーとしてもてなしながら学校運営をしていると聞き及ぶ。伸びる学校は、実にグローバルである。開かれた学校だからこそ、ステイクホルダーも応援するのである。ビジネスを超えて。

    ★白梅学園清修のもてなしの精神。これこそ日本の真の国際性の精神。それを1期生は完璧に備えて、イギリスで豊かなアハ体験をしている。あとはとにかく無事帰国してくれることを心から祈るばかりである。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    学校選択の変化[11]~栄光と聖光

    学校選択の変化[10]~慶應普通部のつづき。

    ◇栄光と聖光の大学合格実績の差はない。それゆえ選択の差は他にあるはず。それはいったいなんだろう。

    ■2004年データ 栄光学園
    浅野・聖光学院②・サレジオ学院B・鎌倉学園③・麻布・逗子開成③

    ■2005年データ 栄光学園
    浅野・聖光学院②・鎌倉学園③・麻布・逗子開成③・サレジオ学院B

    ■2006年データ 栄光学園
    浅野・聖光学院②・逗子開成③・麻布・サレジオ学院B・函館ラ・サール

    ■2007年データ 栄光学園
    浅野・聖光学院②・逗子開成③・サレジオ学院B・開成・麻布

    ◆2004年データ 聖光学院①
    浅野・聖光学院②・サレジオ学院B・攻玉社(特)・駒場東邦・桐蔭中等教育学校

    ◆2005年データ 聖光学院①
    浅野・聖光学院②・サレジオ学院B・攻玉社(特)・駒場東邦・桐蔭中等教育学校

    ◆2006年データ 聖光学院①
    浅野・聖光学院②・サレジオ学院B・駒場東邦・攻玉社(特)・逗子開成③

    ◆2007年データ 聖光学院①
    浅野・聖光学院②・サレジオ学院B・逗子開成③・駒場東邦・攻玉社(特選

    ◇両校とも浅野・サレジオ・逗子開成という共通併願嗜好性に大きな変化はない。サレジオはカトリック校であるから、併願選択校としては当然か。受験地政学・時政学上は浅野の位置も不動。教育の質と大学の結果の一体化がパワーアップしてきている逗子開成も同様だろう。要するに栄光や聖光の併願男子校は神奈川エリアで教育力の評価が高いことを意味しているにすぎない。となれば鎌倉学園が併願校として有力なはずであるが、キリスト教嗜好と臨済宗嗜好とは大きく違うということなのかもしれない。建長寺を背景に学園生活を送れるのは、最高の気分のはずなのに・・・。

    ◇今年は、麻布―栄光というラインに、開成―栄光というラインが加わった。一方、駒場東邦―聖光ラインに変化はない。この変化があるかないかの微妙な差異は、今後栄光と聖光の教育の質に大きな影響を与える可能性がある。麻布や開成を選択する生徒の性格、駒場東邦を選択する生徒の性格は大きく違うし、それぞれの家庭の価値観も違うからである。この5つの学校については、大学合格実績という視点で選択するような学校ではないから、このような違いが栄光と聖光の教育の質に開きを生むことになる可能性があるのである。

    ◇教育の内容や校風で選択する学校であるのは当然だが、クリエイティブ資本(20世紀型人材育成は「人的資本」が主流だったが、21世紀はそれが変わると言われている。)としての人材育成面も選択のモノサシになるだろう。開成―麻布―栄光というラインは、ますます栄光生の言動の破格さと内面の破格さをパワーアップさせるだろう。ここにきて、栄えある光と聖なる光の微妙な差が広まる可能性大なのである。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月26日 (木)

    学校選択の変化[10]~慶應普通部

    学校選択の変化[9]~フェリスのつづき。

    ◇慶應普通部の併願校は、ほぼ固定。

    ◆2003年データ 慶應普通部
    浅野・慶應中等部・サレジオB・慶應湘南藤沢・芝②・立教新座①・聖光学院②

    ◆2004年データ 慶應普通部
    浅野・慶應中等部・サレジオB・慶應湘南藤沢・聖光学院②・鎌倉学園③・法政第二②

    ◆2005年データ 慶應普通部
    浅野・慶應中等部・慶應湘南藤沢・サレジオB・芝②・聖光学院②・逗子開成③

    ◆2006年データ 慶應普通部
    浅野・慶應中等部・慶應湘南藤沢・聖光学院②・芝②・サレジオB・立教新座①

    ◆2007年データ 慶應普通部
    浅野・慶應中等部・サレジオ学院B・逗子開成③・聖光学院②・立教新座①・芝②

    ◇1月入試は、決して渋谷幕張から始まらない。慶應志木の近くにある立教新座から・・・。それにしても、毎年併願校はほぼ同じ。併願校の中で最難関なのは聖光学院。慶應普通部に進学する生徒の学びは、少し偏っている可能性がある。どちらかというと知識と論理をベースとした学習履歴の持ち主が多いということ。慶應普通部や中等部以外の併願校の入試問題は、思考力をみる問題が多く出されるが、論理ベースで、アハ体験やセレンデピティ体験できるような問題は少ない。

    ◇なんで入学試験にそんな体験が必要なのかと思われた方は、論理ベースの思考に偏っている。日本の経済の空白の10年間、世界は脳科学の時代。学習観は大きく転換している。それをはじめから当然のこととして教育を行ってきた学校――たとえば、麻布、武蔵、雙葉、フェリス、栄光、筑駒、駒東・・・――の研究は私学間でも行った方がよいだろう。念のため、公立中高一貫校の適性検査には、アハ体験やセレンディピティ体験はあまりない。正解が1つではない問題は、ただおもしろいだけで終わりがち。多くの人がいろいろな考えをするんだなんてのは当たり前なのだ。それが当たり前でなかった学びがおかしかっただけ。アハ体験はやはり普遍的な原理を身近なモノやコトに発見した時に開かれる。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    学校選択の変化[9]~フェリス

    学校選択の変化[8]~鴎友学園女子①のつづき。

    ◇フェリス女学院の2004年から2007年の併願校多い順の傾向を見ていくと、湘南白百合と洗足学園との併願が増えている。また頌栄も復活。

    ◆2004年データ フェリス女学院
    鎌倉女学院②・横浜共立B・慶應湘南藤沢・頌栄②・鎌倉女学院③・鴎友学園女子③

    ◆2005年データ フェリス女学院
    鎌倉女学院②・横浜共立B・洗足学園③・頌栄②・鎌倉女学院①・慶應湘南藤沢

    ◆2006年データ フェリス女学院
    鎌倉女学院②・横浜共立B・慶應湘南藤沢・湘南白百合・洗足学園③・公文国際B

    ◆2007年データ フェリス女学院
    横浜共立B・鎌倉女学院②・頌栄②・洗足学園③・湘南白百合・慶應湘南藤沢

    ◇鎌倉女学院、横浜共立、慶應湘南藤沢という基本ラインは変わらない。学校選択者のフェリスに対する基本的選択嗜好性に変わりはないが、湘南白百合、洗足学園も基本ラインとして成り立ちそうである。一方、2006年までに、頌栄あるいは鴎友学園女子との併願が減少していたので、成績上位生でも通学時間の傾向が神奈川県内で充分であると考える層が増えたのではないかと予想していたが、今年頌栄の併願が復活。

    ◇たしかに湘南白百合、洗足学園の良質教育と大学合格実績の両極の成功を考えれば、東京にわざわざ出る必要性もないのかもしれないが、やはり学びのグローバリゼーションの流れを考えれば、東京という世界でも得がたい不思議なグローバル都市の魅力に気づいている層もまだまだいる(もしかしたら増えているかもしれない)。

    ◇頌栄の地政学的な条件もおもしろいし、なんといっても帰国生という海外文化の良質の影響を受け入れていることを思えば、フェリスの併願校として妥当だろう。一方神奈川エリアの私立中高一貫校は、東京以上に横浜がグローバル都市であることを証明する必要もある。神奈川から東京へという動きばかりではなく、東京から神奈川へという両方の動きがあって、私学全体の動きが勢いづくからだ。都市と学校、学校と都市は重要な問題なのである。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月24日 (火)

    学校選択の変化[8]~鴎友学園女子①

    ◇鴎友学園女子の学校選択者が選ぶ併願校の視点は大きく変わった。

    ◆2004年データ 鴎友学園女子①
    鴎友学園女子③・鴎友学園女子②・恵泉②・カリタス女子①・晃華②

    ◆2005年データ 鴎友学園女子①
    洗足学園③・鴎友学園女子③・鴎友学園女子②・カリタス女子①・恵泉②

    ◆2006年データ 鴎友学園女子①
    鴎友学園女子③・鴎友学園女子②・洗足学園③・田園調布学園③・恵泉②

    ◆2007年データ 鴎友学園女子①
    鴎友学園③・鴎友学園②・洗足学園③・カリタス③・東京農大①・洗足学園②

    ◇「鴎友学園―洗足―カリタス」というキリスト教主義の嗜好性に変化はない。しかし、恵泉や晃華学園ではなく、東京農大というのはどういうことだろうか。洗足学園は、イエス・キリストのクライマックスの場面、弟子たちの足を自ら洗うシーンの意味を、説明会でプレゼンしているし、創設者が碑文谷の教会に所属していた話もするぐらいキリスト教主義的な要素を前面に出してはいる。カリタスはカトリックだが、新しい修道会で、カトリックの女子校の中ではラディカルな教育活動を推進している。

    ◇どうやら学校選択者は新しいことにチャンレンジする創造性に着目しているようだ。東京農大はとにかくおもしろいと聞き及ぶ。バイオテクノロジーは学際的な探究活動がゆえに、実験とフィールドワークと知的探究が交差する。そしてエコロジー。

    ◇実はこのエコの部分は鴎友学園女子と大いに共通する。しかし、それであれば恵泉はどうなのだろうか。園芸、聖書、英語がベースなのだから、共通点もいっぱいあるはずだが。

    ◇おそらく学際的かそうでないかの差異があるのだろう。新渡戸稲造自身は、農業を学際的な学問として体系づけていたが、恵泉ははたしてどうだろう。教科主義的な専門性のほうが学内では優位にあるのではないだろうか。つまり見識はあるが、新しい学びのグローバリゼーションの導入には躊躇があるのかもしれない。これは価値観の相違で、どの学びの手法が良いかどうかは学校選択者の判断に委ねられる。いずれにしても「鴎友学園女子―洗足―カリタス―東京農大」という学校選択者の嗜好性は、学びのグローバリゼーションであることは確かなようだ。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    学校選択の変化[7]~共立①と大妻①

    学校選択の変化[6]~海城①のつづき。

    ◇例年注目されている共立と大妻の2校のデータを比較しよう。昨年までは両校の選択者の嗜好性にはそれぞれ差異が明確にあったのだが、今年からその差異は見えなくなってきている。

    ■2004年データ 共立女子①
    市川①・大妻②・共立女子C・跡見②・共立女子B・東邦大東邦(後)

    ■2005年データ 共立女子①
    共立女子B・共立女子C・豊島岡女子①・跡見②・専修大松戸①・獨協埼玉①

    ■2006年データ 共立女子①
    共立女子B・共立女子C・市川①・跡見学園②・専修大学松戸①・国府台女子学院①

    ■2007年データ 共立女子①
    共立女子B・共立女子C・春日部共栄①・跡見学園②・市川①・浦和明の星①

    ◆2004年データ 大妻①
    豊島岡女子①・浦和明の星①・大妻②・市川①・跡見②・共立女子C

    ◆2005年データ 大妻①
    浦和明の星①・淑徳与野①・跡見③・大妻②・跡見②・豊島岡女子①

    ◆2006年データ 大妻①
    大妻②・共立女子B・浦和明の星女子①・淑徳与野①・大妻③・跡見学園②

    ◆2007年データ 大妻①
    大妻② 共立女子B 浦和明の星① 跡見学園③ 跡見学園② 共立女子C

    ◇2006年までは、共立女子は共立女子ファン層の確立が強化され、東京と千葉エリアの居住者が選択する傾向。一方、大妻は埼玉エリアの受験生が選択する傾向が定着してきたが、今年になって、それぞれのファン層が確立されるも、共立選択者居住エリアは東京・千葉・埼玉と広範囲に拡大している。

    ◇共立の教育戦略は独自路線で、大妻は一般化が前面に出ている。つまり、独自路線と普遍化路線。経営的にはどちらが有効なのか。経営陣の嗜好性は、外から見ていると、共立はヨーロッパ大陸型。大妻は英米型。哲学志向と経済志向が切磋琢磨し、Win-Winの関係を持続してきた。しかし、学校選択者側全体が、おそらく経済志向の高い性格を帯びてきているので、共立女子の方は巧みに舵を取らねばならぬ局面にぶつかっているといえよう。この局面の乗り越え方で、両校の均衡は破れる。共立女子が優位に立つか、大妻女子が優位に立つか。時の流れから見ると、共立女子が仕掛け、大妻女子が静観するという状況か。大妻女子の今後は、共立女子次第ということになるのかもしれない。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    学校選択の変化[6]~海城①

    学校選択の変化[5]~駒場東邦のつづき。

    ◇海城①選択者の嗜好性の傾向に変化。

    ◆2003データ 海城①
    城北③・本郷③・芝②・城北埼玉①・海城②・城北②

    ◆2004データ 海城①
    芝②・市川①・城北③・巣鴨②・城北埼玉①・立教新座①

    ◆2005データ 海城①
    市川①・渋谷幕張①・東邦大東邦(前)・立教新座①・巣鴨②・本郷③

    ◆2006データ 海城①
    市川①・海城②・本郷①・巣鴨②・芝②・渋谷幕張①

    ◆2007データ 海城①
    本郷③・市川①・芝②・巣鴨②・本郷①・海城②

    ◇2004年ごろまでは、海城選択者の併願校選択の視点は、大学合格実績と偏差値のようだったが、最近ではそれ以上に教育の質に目配りがきいている。本来海城の教育内容は、広く深いものである。中3の論文制作は代表例の1つで、とにかく生徒も教師も毎日のように書く。かつては、保護者の中に、これにかける時間を受験指導にあてて欲しいと訴える方もいたようだが、考える習慣、表現する習慣、書く習慣が、海城の良質のハビトゥス(文化資本の再生産)であるということが理解できる保護者も多くなったし、教師側もとにかく教育の質の≪見える化≫に努力している。

    ◇したがって、併願校も新しい教養を育成するプログラムにチャレンジしている市川、本郷、芝(芝はもともとそうだが)がラインになりつつある。あとは海城②で、麻布、開成、駒場東邦クラスが選択してくれれば問題ない。今のところ、3校の中では開成が多い。地政学上の問題だとは思うが、学校当局としては、麻布クラスの受験生も選択するようになる戦略は必要だろう。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    学校選択の変化[5]~駒場東邦

    ★学校選択の変化[4]~女子学院のつづき。

    ◇駒場東邦―聖光学院―浅野・芝②のラインが特徴か。

    ◆2003年データ 駒場東邦
    浅野・芝②・聖光学院②・サレジオ学院B・渋谷幕張①・攻玉社(特)

    ◆2004年データ 駒場東邦
    浅野・芝②・聖光学院②・攻玉社(特)・サレジオ学院B・渋谷幕張①

    ◆2005年データ 駒場東邦
    浅野・聖光学院②・攻玉社(特)・芝②・聖光学院①・渋谷幕張①

    ◆2006年データ 駒場東邦
    浅野・芝②・渋谷幕張①・聖光学院①・聖光学院②・市川①

    ◆2007年データ 駒場東邦
    芝②・浅野・渋谷幕張①・聖光学院①・攻玉社(特選・聖光学院②

    ◇東京の駒場東邦、神奈川の聖光学院といったところだろうが、併願校のレベルから見ると、聖光学院に分がある。駒場東邦は2月1日受験のため、開成や麻布クラスの受験生ははじめから想定されていない。その点聖光学院②の場合は、そのクラスの生徒を受け入れられるチャンスを作っている。どこかで「駒場東邦―栄光」のラインに切り替える戦略をとらないと生徒の成績では問題ないが、思考の広さ深さ、視野の広さなどで小さくまとまるのではないかと心配だ。大きなお世話だと叱責されるとは思うが。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    学校選択の変化[4]~女子学院

    学校選択の変化[3]~開成のつづき。

    ◇女子学院らしい併願校でホッと安心。

    ◆2003年データ 女子学院(JG)の場合
    浦和明の星①・桜蔭・渋谷幕張①・豊島岡③・豊島岡②・慶應中等部

    ◆2004年データ 女子学院(JG)の場合
    浦和明の星①・豊島岡①・渋谷幕張①・鴎友学園女子③・頌栄②・慶應中等部

    ◆2005年データ 女子学院(JG)の場合
    浦和明の星①・豊島岡①・渋谷幕張①・頌栄②・鴎友学園女子③・豊島岡③

    ◆2006年データ 女子学院(JG)の場合
    浦和明の星①・豊島岡①・渋谷幕張①・鴎友学園女子③・頌栄②・豊島岡③

    ◆2006年データ 女子学院(JG)の場合
    浦和明の星①・豊島岡①・頌栄②・渋谷幕張①・市川①・鴎友学園③

    ◇浦和明の星と豊島岡女子は御三家の併願校の特徴だからしかたがないにしても、桜蔭のように豊島岡オンパレードになっていたら困ったことになるなと思っていたが、それは杞憂であった。鴎友学園女子と頌栄の併願は不変。市川が併願校入りしているが、これは市川の勢いがよい証。渋幕ともっと切磋琢磨してほしい。県千葉の中高一貫校の新設、最近の昭和秀英の勢いもあるので、千葉県の私立中高一貫校が力をつけることはよいことだ。

    ◇一方、豊島岡はますます責任重大。いわゆる女子御三家クラスの生徒たちが集まってくるわけだからだ。御三家はそれぞれ教育理念が違う。校風も違う。受験生はそれぞれの嗜好性に基づいて選択するわけだが、2月2日豊島岡に入れば、本来違っていたはずの校風を選んでいた生徒たちが、同じ理念のもとで学園生活を送ることになる。

    ◇御三家よりもより普遍的な理念と国際的視野を身につける本格的な学びのグローバリゼーションの構築を期待する。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    学校選択の変化[3]~開成

    学校選択の変化[2]~桜蔭のつづき。

    ◇開成の選択嗜好性は、その時代のトップ校への期待を象徴。その時代その時代に、トップ校だとイメージされていた学校はどこだったのかがわかる。

    ◆2003年データ 開成の併願志望多い順(6番まで抽出)
    渋谷幕張①・慶応中等部・巣鴨②・芝②・筑駒・海城②

    ◆2004年データ 開成の併願志望多い順(6番まで抽出)
    渋谷幕張①・慶応中等部・筑駒・巣鴨②・海城②・聖光学院②

    ◆2005年データ 開成の併願志望多い順(6番まで抽出)
    渋谷幕張①・巣鴨②・筑駒・海城②・芝②・聖光学院②

    ◆2006年データ 開成の併願志望多い順(6番まで抽出)
    渋谷幕張①・芝②・海城②・筑駒・巣鴨②・立教新座①

    ◆2007年データ 開成の併願志望多い順(6番まで抽出)
    渋谷幕張①・灘中・筑駒・聖光学院②・栄光学園・海城②

    ◇2007年の併願ラインは、ついに究極のラインではなかろうか。巣鴨、芝、立教新座などは入れ替えがあるが、海城は堂々とこのラインを維持している。入試日2月3日の浅野との大きな違いがこのラインにある。名門校海城はもっと注目されて良いのである。それにしても灘中との併願への意志はすごい。開成志望者の29.5%が灘との併願登録をしている。

    ◇首都圏の開成受験生は、灘受験生の勉強方法の情報を得なければならないだろう。もっともセンター模試を受験すれば、3つの成績表がでてくるので、それで戦略を立てればよいだけではあるが。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    学校選択の変化[2]~桜蔭

    学校選択の変化[1]~麻布のつづき。
    ◇慶應中等部が昨年2月3日に試験日をシフトしたことで、女子のいわゆる超優秀生が桜蔭と豊島岡に集中してしまった。
    ◆2003年データ 桜蔭の併願志望多い順(6番まで抽出)
    女子学院・浦和明の星①・豊島岡③・渋谷幕張①・豊島岡②・慶応中等部
    ◆2004年データ 桜蔭の併願志望多い順(6番まで抽出)
    豊島岡女子①・浦和明の星①・渋谷幕張①・慶応中等部・豊島岡③
    ◆2005年データ 桜蔭の併願志望多い順(6番まで抽出)
    浦和明の星①・豊島岡①・渋谷幕張①・豊島岡③・豊島岡②
    ◆2006年データ 桜蔭の併願志望多い順(6番まで抽出)
    豊島岡女子①・浦和明の星①・豊島岡③・渋谷幕張①・豊島岡②
    ◆2007年データ 桜蔭の併願志望多い順(6番まで抽出)
    浦和明の星① 豊島岡① 豊島岡③ 渋谷幕張① 豊島岡② 鴎友学園③
    ◇各エリアでいわゆるトップ校が併願校として選択されている。桜蔭志望者の選択嗜好性はこれ以上でも以下でもない。当然と言えば当然だが、2003年のサンデーショック時に女子学院が、これまた併願校として選択されていることからも明らか。桜蔭志望者にとって、東京エリアでは、御三家に対抗できるエクセレント女子校は豊島岡女子以外にないということか。

    ◇ただし、今年は鴎友学園女子が併願校として現れてきている。≪私学の系譜≫としては鴎友学園女子と桜蔭・豊島岡は2つの路線。<桜蔭―豊島岡>の基本ラインと<JG―鴎友学園女子>という基本ラインが拮抗するとよいのだが、JGもやはり豊島岡との併願が圧倒的。女子の選択嗜好には、≪私学の系譜論≫は役に立たない。現実志向性と生きがい志向性というのが、選択の条件なのかもしれない。男は時代を創り、女は時代を生きるということか。この差は文化的条件の問題なのか、脳差の問題なのか。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    学校選択の変化[1]~麻布

    全国中学入試センターは、毎年7月に本格的な志望校調査を実施し、「集計レポート」をまとめている。8月上旬には世にでると思うが、夏期休みも始まり、志望校に向けてみっちり勉強する時期でもある。過去のデータと速報を照合して、少しずつ学校選択の変化を見ていくことは、志望校に対するモチベーションアップに少なからず良い影響を与えるだろう。まずは麻布から。

    ◇2006年、慶應中等部が試験日を2月3日に移動してから、市川中が麻布の併願校として目立ってきた。しかし、基本に変化はなさそうだ。

    ◆2003年データ 麻布

    渋谷幕張①・芝②・浅野・聖光学院②・慶應中等部・栄光学園

    ◆2004年データ 麻布

    浅野・渋谷幕張①・聖光学院②・栄光学園・芝②・慶應中等部

    ◆2005年データ 麻布

    渋谷幕張①・芝②・浅野・聖光学院②・栄光学園・市川①

    ◆2006年データ 麻布

    渋谷幕張①・浅野・芝②・聖光学院②・市川①・栄光学園

    ◆2007年データ 麻布

    渋谷幕張①・芝②・浅野・聖光学院②・栄光学園・市川①

    ◇栄光以外は、1月入試か2月3日以降の入試。<麻布―栄光>というラインが最も強い。いや、これは併願というより、神奈川エリアに居住のハイレベルの受験生にとってはビッグ・チャンスが2回あると理解した方がよく、併願校という考え方にはあてはまらない。両校の文化や思想の根っこはルネサンスあたりにある。麻布の創設者江原素六はプロテスタント信者で、教育にそのエッセンスを注入している。一方栄光の母体はイエズス会。カトリックと言っても、中世カトリックではない。反宗教改革として近代化を牽引する修道会。どちらも文化祭は、ラディカル。入試問題も他の併願校に比べて、思考力・表現力・メタシンキングを要求している。要するに別格。

    ◇併願としては、千葉エリアの受験生にとっては、「麻布―渋幕」が基本ラインで、市川の質的変化がどこまで渋幕にせまるかは、来年県立千葉の中高一貫校が開設されることもあり、興味深い。東京エリアは、「麻布―芝」が基本ラインで、神奈川エリアは「麻布―浅野」が基本ラインである。聖光学院は栄光と浅野との間でがんばっている。別格というレベルにまでもう少しという感じだと思う。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月23日 (月)

    女子聖学院の燃える教育

    Photo_131女子聖学院の校長小倉先生から2冊の小冊子をいただいた。1つは「女子聖学院の教育的チャレンジ―2006年度 学校説明会での校長挨拶より」で、もう1つは「2006年度2・11反対特別授業 感想文 優秀作」という冊子。

    ★前者は、小倉校長先生が、女子聖学院の教育理念について、折に触れ様々な角度から、語られている。後者は、初代天皇即位の日を国民主権の社会において、「建国記念日」とすることが妥当でないのではないかという視角で、戦争と平和について学ぶ授業の成果。日本国憲法で保障されている思想・良心の自由をどのように守るのか考えるチャンスで、女子聖学院の理念でもあるグローバル・シチズンシップ育成の具現化されたもの。

    ★理念と教育の実践を日々の活動の中に内包して終わらずに、このように冊子にまとめて発信するという女子聖学院の教育の習慣こそ、言論の自由とキリスト教の愛と真理を普遍化する教育力の証明であり、同時にこの行いこそ同学院の文化資本の再生産の持続可能性(ハビトゥス)なのであろう。

    ★そしてこの文化資本の再生産の原動力は建学者ミス・クローソンの情熱。

    <ミス・クローソンのこの情熱は、その後、学院で働くすべての教職員の共有するところとなり、こんにちに及んでおります。職員室のいずれの先生の机も、生徒たちが提出した、そして点検や添削を待つノート類が山となっております。昼休みには、先生方は昼食が取れないほど、次から次へと生徒たちがやってきて、質問をしたりしております。放課後にも生徒たちの質問に答えて、問題演習を解いておられる先生方の姿が、夕方、暗くなるころまでラウンジにしばしば見られるのであります。女子聖学院の先生方は、教えることに労を惜しみません。指導することに情熱を持っておられます。教育に心を燃やしているのですね。>

    ★小倉校長先生の教職員の方々を見守る眼差しも温かい。女子聖学院における情熱とは激しく燃える熱と静かに燃える熱と両方があるのだろう。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    Nettyクリエイティブ・スクール(6)~大妻

    大妻女子は、私立中高一貫校選択者にとっては、あまりに有名な名門校。今さら大妻の教育について調べる必要はないと思われているはずである。しかしながら、今年の志望理由をみると、昨年と少し変化が見られる。

    ★昨年の志望理由のランキングは、教育理念・校風、交通の便、偏差値が妥当、校舎・施設、大学合格実績の順だったのが、今年は、教育理念・校風、交通の便、大学合格実績、期待度と熱意、校舎・施設となっている。

    ★大学合格実績が3位に浮上してきていると同時に、新たに期待度と熱意が4位に入ってきている。交通の便、校舎・施設は「学びの環境」。教育理念・校風は「教育のコンセプトと雰囲気」、大学合格実績は「教育力の成果」、期待度と熱意は「教師の創意工夫度」をそれぞれ表現しているのではないだろうか。大妻の教育の<インプット→プロセス→アウトプット>すべてに学校選択者の視線が注がれるようになっているのがわかる。

    ★名門校といえども時代の要請に応えているということだろう。、「Netty Land かわら版 2007年1月号10ページ~17ページ」では次のようなメッセージが寄せられている。

    <長期の休みには「私の作ったお料理」の課題が出されます。休み中に2回お料理を作り、写真(スケッチ)に収め、家の方に感想を書いていただきます。>

    ★何気ないプログラムであるが、<創作料理体験→写真などイメージでメタシンキング(振り返り)→他者評価の受容>という流れになっていて、生徒1人ひとりの体験と学びのサイクルを具体化すると同時に家族とのコミュニケーションも生み出す学びの創意工夫が果たされている。

    ★「恥を知れ」とは大妻の教育を支える校訓であるが、これは社会に通じる自分を自ら作る自律性のことをいっていると思われる。自己満足や自己本位ではない知性と感性と行動力をつくる小さな仕掛けの積み重ねによって、大妻の文化は再生産されているのである。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    6年後横浜山手女子はナンバーワン【6】

    6年後横浜山手女子はナンバーワン【5】では、6年後、横浜山手女子が横浜山手地区の女子校の中でナンバーワンになるシンプルな7つの条件の①について考えてみたが、今回は「②東大以上の大学進学実績をまずは10人出すこと。つまり東大20人合格分に相当する有名海外大学に進学ということ」について話を進めよう。

    ★IBを導入することによって大学進学実績が向上するのではないかという期待は大いに持ってよい。その先行事例は加藤学園暁秀。週刊朝日(2007年7月27日号)には、「トップ高校の現役生徒が海外名門大に続々進学!?~ハーバード大、MIT、ロンドン大、北京大に一直線!もう東大なんて目じゃない」という記事がでていたが、IBを導入し海外大学進学に成功を収めた例として同学園が大きく取り上げられていた。

    ★加藤学園暁秀は、IB導入により海外名門大学ばかりか、東大をはじめとする日本の名門大学進学に関しても成功を収めている。いや同誌の記事にはIBをとりれていない渋谷学園渋谷の成功事例も掲載されていたではないか、IBの導入は関係ないのではないかと思われる方もいるかもしれない。

    ★たしかにIBを特に導入しているわけではない海城学園でも毎年のようにアイビーリーグの大学に進学していた時期があった。IBを導入しなくても海外名門大学に進学できる。しかし、それはかなり本人の意欲と様々な条件(幸運も含め)がそろったときにそうなるわけだが、学校全体が取り組んでいるわけではないから、海外の大学に夢を抱く生徒全員に進学の可能性が大きく開けているわけではないのである。

    ★その点、横浜山手女子のIBコースの25名(IB認定校になるには1クラス25名というルールがある)にとっては、全員世界の大学(もちろん日本の大学も含めて)が進学のチャンス。「東大以上の大学進学実績をまずは10人出す」という可能性は大なのである。

    ★またIBクラスの一期生が卒業する2014年前後の日本の大学入試は相当変わっているはずである。国公立大学の公募推薦、AO入試のチャンスは、今よりも、もっと拡大しているだろう。全入時代であるわけだからこの流れは止められない。広い視野と複眼思考、論理的で創造的な発進力が必要となるが、IBはこれらの力を世界標準というモノサシで構築できる優れたプログラムである。特に国公立の医学部は、知識はセンター試験で、思考力や共感性は二次試験や口頭試問でという方向(今でもすでにそうなっているところがあるが)になるだろうから、IBのプログラムにとっては大歓迎だ。

    ★ところで、進路指導で苦労するのは生徒の高いモチベーションと使命感の形成。しかし、それらは、MYP(Middle Years Programme 中学から高1のIBプログラム)のパーソナル・プロジェクトでしっかり養われるように万全に準備は整っている。ノーブレス・オブリージを前提とするプログラムだけのことはある。この高いモチベーションさえあれば偏差値は関係ない。だいたいIBを導入している世界の学校では、偏差値などというものは存在していない(横浜山手女子は偏差値の呪縛から解かれる方法論を導入したのだ!)。世界標準というモノサシにあるのは、プログラムのプロセスに対する評価と高いモチベーションへのリスペクト。日本国内のモノサシは学びのグローバリゼーション(世界標準)では役に立たない。となると50名強の一貫コースの生徒たちに与えるよき影響も期待できる。横浜山手女子のIBコース新設のもうひとつのねらいは一貫コースへの好影響でもあったのだ。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月21日 (土)

    6年後横浜山手女子はナンバーワン【5】

    ★前回の6年後横浜山手女子はナンバーワン【4】で、横浜山手女子が横浜山手エリアの4校がもつキリスト教的な理念に比肩する大きな精神を持っているということが、現在の校舎に立て替える前の旧校舎の設計者が遠藤新だったということからもわかると述べた。

    ★これはどういうことかというと、遠藤新はフランク・ロイド・ライトの高名な弟子であったからだということ。学校の教育を大局的にそして細部に到るまで知り尽くしている外部の人材というと設計者をおいてほかにいない。

    ★優れた設計者であればあるほど、その学校の教育力を完璧に引き出し、建築という学びの空間を創る。そしてその空間はさらに新しい刺激を教職員と生徒、そして訪れるものに与える。教育理念と実践の不易流行の礎なのである。

    ★20世紀の三大建築家といえば、ル・コルビジェ、ミース・ファン・デル・ローエ、そしてフランク・ロイド・ライト。コルビジェはモダンアートに軸足をおいていた建築家。ローエはバウハウスの校長だったこともある。建築学校の教育者的側面ももっている。F.L.ライトは、偉大な建築家であるが、同時に日本文化の理解者であり、建築教育コミュニティであるタリヤセンを作った総合的な教育者でもある。そしてまた当時のアメリカ民主主義の堕落を訴え、本物の民主主義を実現するための思想ユーソニアに基づいて都市計画も提案するほどの世界思想の持ち主だった。

    ★遠藤新はそのF.L.ライトの精神と建築手法を実によく継承しているのだ。遠藤は自由学園の建築でも有名で、その教育にも深くかかわっている。自由学園といえば一世を風靡した教育コミュニティだ。遠藤新の建築思想と横浜山手女子の教育理念が符合した時はじめてよき建物ができる。

    ★F.L.ライト自身は、こうも言う。空間は屋根や壁でつくられた物質的な箱ではない。そこに住まう人間が作り出す空間だと。正確にはこういう言い方ではなく、タオの精神の引用をライトはしているのだが、たぶんこんな趣旨だと思う。要するに建築とは精神なんだというこれまた多くの思想家が空間を論ずるときの発想を共有している。横浜山手エリアの4校の場合だと、教会という建物にではなくキリストの身体に神の国はあるんだよという空間論になるだろうから、横浜山手女子の空間理念も彼らの考え方に匹敵する大きさを持っていると考えてよいのではないだろうか。

    ★遠藤新の建築思想と呼応する横浜山手女子の精神。十分に大きいと了解したい。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月20日 (金)

    6年後横浜山手女子はナンバーワン【4】

    6年後横浜山手女子はナンバーワン【2】で、6年後、横浜山手女子が横浜山手地区の女子校の中でナンバーワンになるシンプルな条件が7ポイントあるという話をした。さっそくポイント①「横浜山手地区の他の女子校と比べ、負けないだけの大きな思想や物語、あるいは理念がすでにあること」から考えていこう。

    ★横浜山手エリアには、横浜山手女子以外に4校女子校がある。フェリス、横浜雙葉、横浜共立、横浜女学院がそれであるが、この4校はすべてキリスト教ミッション校である。したがって、良し悪しは別にして、世界思想、世界精神、普遍的精神といった背景があり、それを教育において実践してきた。

    ★今日、世の中はポストモダンの時代で、ベルリンの壁が崩れるまで存在していた(幻想としてだったかもしれないが)、あるべき国家の姿や歴史精神や倫理など大きな物語、大きな思想が失われていると言われている。したがって、より個人主義、個人の時代と言われている。一方で失われたものやそれに替わるものの存在の必要性について問い返されてもいる。

    ★そんな中で、私立中高一貫校は建学の精神や教育理念という個人と社会を統合する支柱が存在していることが高く評価されている。言うまでもなく横浜山手女子も建学の精神を支柱に教育を実践し、来年100周年を迎える。

    ★建学の精神は「女性の経済思想の啓蒙と常識の涵養」。現在は「プラクティカルな女性になるために」というキーワードで表現されているのかもしれない。さて、これが横浜山手エリアの他の4校が共有するキリスト教理念と比べて大きいのか小さいのか?少なくとも生徒たちの精神が個人と社会のバランスを考えることができる精神を育む要素は十分にある。だから微分化された個人主義的ライフスタイルをとるようなことはないだろう。大きな精神に包まれながら生きていくことができると思う。

    ★ただ、ナンバーワンになるとなると、その建学の精神の質的な大きさがポイントになる。この点について、学内で統一見解がでてくるとより見通しがよくなるのではないかと思う。キリスト教と質的大きさを競ってもしかたがないが、建学の精神の重さを再確認できることは確かである。

    ★私見ではあるが、この建学の精神は相当な洞察力と先見性と世界性がある。100年前の言葉だから、今の時代文脈に合わせて読み替えねばそれは見えにくい。たとえば、「女性」は今では「創造的才能」と置き換えるとよいのではないか。「経済思想」=「自由と倫理の統合」(当時の経済界ではプロテスタンティズムの倫理と資本主義、論語と算盤という経済道徳合一説が謳われていた)、「啓蒙と常識」は「リベラルアーツ」と読み替えることができよう。「涵養」は「ファシリテーション」という具合に。

    ★すると「女性の経済思想の啓蒙と常識の涵養」という建学の精神は、「創造的才能を自由と倫理を統合するリベラルアーツによって引きだす教育(ファシリテーション)をする」と置き換えることができる。勝手に置き換えては困りますよと叱責されるかもしれないが、あくまで、こう読み替えれば、一定の宗教から解放されながらも、現在の世界標準の教育コンセプトを内包しているのがわかるのではないかという1つの解釈の提案なのである。

    ★つまり、横浜山手エリアの4校がもつキリスト教的な理念に比肩する大きな精神を持っているということの証明ができるのではないかということなのである。この証明は、別の事例でも証明できる。それは現在の校舎に立て替える前の旧校舎の設計者が遠藤新だったという点である。これについては、次回お話しよう。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    Nettyクリエイティブ・スクール(5)~江戸川女子

    江戸川女子の建学の精神は「教養ある堅実な女性の育成」。「教養」=「リベラルアーツ」、「堅実」=「キャリア・デザイン」、「女性」=「寛容なリーダーシップ」、「育成」=「魂の生起」と読み替えると、江戸川女子の教育がいかに21世紀型か理解できる。

    ★特に「育成」に関しては、教師が教え込んだり、引っ張っていくのではなく、生徒1人ひとりの資質が自ら発出してくるような環境をつくることが江戸女流儀の「育成」である。

    ★第二代校長木内栄三郎先生はその力を“魂の生気”と呼んだそうである。このような精神が背景にあるからこそ、「Netty Land かわら版 2007年1月号10ページ~17ページ」で次のようなメッセージが寄せられている。

    <第2回社会科見学を実施しています。現地集合、自主研修、現地解散のスタイルで生徒の自主性を育てます。この経験が奈良京都修学旅行に活かされます。>

    ★ただ、学校選択者及び学校選択アドバイザーにとっては、同校の好調な大学進学実績の結果ばかりが気になっているようだ。単なる机上の学問、活字の上での知識のことではなく、社会の変化に対応出来る判断力を養う江戸女の「教養教育力」についてはまだまだ視線が届いていないようだ。この教育力に気づけば、併願校にも変化が生まれてくるだろう。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月19日 (木)

    Nettyクリエイティブ・スクール(4)~市川

    2003年に、市川学園は、新生市川学園としてスタート。今5年目に入っている。共学化、新校舎建設、あらゆるプログラムの創意工夫。動きが速い。たとえば、「Netty Land かわら版 2007年1月号10ページ~17ページ」では、こんなメッセージが寄せられている。

    「今年度から学校内に数学・英語の塾を作ってみました。ネイティブと一緒にゲームや映画をみる英会話の塾もトライしています。勿論、無料です。」

    ★さりげない表現の中に、ネイティブ・スピーカーの教師と協働できる組織力、ゲームという創意工夫、テクノロジー環境の完備、塾に通わなくても十分な学習環境があることのPRなどのメッセージが伝わってくる。

    ★たしかに市川学園は急激に変貌した。しかし、そのベクトルの変換ができたのは、古賀正一理事長市川学園学園長の就任の影響力が最大。新古賀理事長は、元企業人だし、その精神は今も企業人。企業的な発想なくしてこの大変貌はないだろう。

    ★改正教育基本法に対する考え方も麻布や鴎友学園女子、恵泉、聖学院グループなどの江原素六―新渡戸稲造・内村鑑三・石川角次郎―南原繁―矢内原忠雄の系譜とは別系譜であるのもおもしろい。かなり独自路線である。今年の男子の併願傾向に市川―麻布というラインが少ないのもそういう雰囲気の違いを感じとってのことだと思う。

    ★一方、女子の併願の方では、市川―女子学院というラインも浮上してきている。女子学院初代院長矢島楫子は、相当大胆で、江原素六も一目置いていたが、主義主張より信念を第一に活躍した偉大な女性。実質的に女子学院を切り盛りしていたと言われている学監三谷民子の弟は法哲学者の三谷隆正。隆正は内村鑑三の系譜だから、江原素六の私学の系譜の影響も受けているはずだが、女子学院のしたたかな戦略は計り知れない。戦争中プロテスタント校を維持して今日を迎えているのが論より証拠なのである。

    ★男子と女子の併願の差異から、共学校としての市川の男女の生徒の意識の差異が見通せるのもおもしろい。男子はかわいらしく、女子は頼もしい・・・。それはともかく、もう1つのモダニズム路線の私学の系譜ではなく、ポスト・モダニズム路線の私学の系譜として異彩を放つ存在が市川学園なのかもしれない。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    6年後横浜山手女子はナンバーワン【3】

    6年後横浜山手女子はナンバーワン【2】のつづきだが、ちょっと寄り道をしよう。クリエイティブ・スクールとして伸びる学校の特長として、学校選択者や学校選択アドバイザーからは見えない口コミがあるという話をしたい。

    ★それは私学の先生方の間での口コミ。思っている以上に、私立中高一貫校の教師は、中等教育時代はやはり私学だったというケースが多い。そして1つの私学にずっと勤務するという教師がやはり多いだろうが、私学間で勤務先を移動する教師もいる。特に講師時代はある私学で勤務し、専任になるとき違う私学にシフトするというケースが多いのかもしれない。

    ★ここには同窓のネットワークが1つある。それからもう1つは、学校文化の違い・邂逅が生む相乗効果というネットワークが存在している。同窓は助け合おうとする(もちろん考え方の違いで議論にもなるだろうが、それができるから結果的にプラス効果が生じる)。生徒募集がうまくいっていない場合、同窓間で戦略会議が行われるだろう。カリキュラムのつくり方や補助金対策の情報交換もすさまじい。麻布出身の理事長・校長が率いている私学は、麻布学園以外に結構あるが、やはり勢いがよい。

    ★それから私学の先生方が独自の勉強会を構築しているという意味での変則同窓ネットワークもあるが、これも同窓ネットワークと同様の効果をあげている。それが本来的な目的でも目標でもないのだが、教育者同士の刺激のし合いというのはたいしたものだ。共立女子―開成―京北―白梅学園清修―中村―東京女子学園―東京女子学院の先生方がどういうわけか知的共同体になる瞬間がある。また駒東―海城ー筑駒の先生方が別の知的共同体になる瞬間がある。

    ★そのような瞬間、そこで議論されていることはたいへん貴重な情報交換になっている。21世紀型教育の具体的なイメージが生まれる瞬間だ。そしてそれを実践し、その結果について検証する話し合いが会を重ねるごとに続いていく。そのような対話の中で、かつて講師時代お世話になった私学があるというような話になる。雙葉、神奈川学園、洗足学園、鴎友学園女子などという学校名がでてくる。

    ★なるほど、この変則同窓会で理想と現実を結び付けている優秀な先生方が育った環境の学校なのである。伸びる学校であるのは当然だということだ。もちろん、私学の教師同士の口コミはこういう真摯な口コミばかりではないだろう。私はプラスの情報が交換される場にしかいたことはないが、プラスがあればマイナスもあるのは当然だ。伸び悩んでいる学校は、組織が硬直化しているから、おそらくそのような学校の現場の先生方からはネガティブ・ストーリーが語られているはず。それが教師間で風評を呼ぶ。逃げ出す先生もいるだろう。するとその学校で教師の応募が告知される。そこには慧眼の教師は寄り付かない。無限後退が始まる・・・。

    ★やはりプラスの同窓ネットワークや学校組織のよき雰囲気が伝わるにこしたことはない。横浜山手女子の話題が、東京中高協会の重鎮實吉先生(東京女子学園理事長・校長)から出た。「横浜山手女子は今まで苦労してきたけれど、今回の大胆な動きが学内の先生方と協力してできればなんとかなるんじゃないかな。がんばって欲しいよ。」とエールを贈られた。東京女子学園の人気を、学内一丸となってつくりあげてきた實吉先生の脳裏には横浜山手女子の成功のイメージが広がったのだろう。それにしても、實吉先生と横浜山手女子との間にはどのようなネットワークがあるのだろう。同窓?変則同窓?教師の交流?そこは見えない。私学の教育リソースはまことに奥が深い。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    平成中村座NYを席巻

    産経新聞(7月18日8時1分配信)によると、

    <歌舞伎俳優の中村勘三郎さん率いる「平成中村座」のニューヨーク公演が16日、市内のリンカーン・センターで始まった。・・・勘三郎さんらの抜群の呼吸に、会場からは何度も大きな拍手が送られ、最後の獅子の毛ぶりの場面で最高潮に達した。・・・終演後、立ち上がって拍手したというキッシンジャー米元国務長官は「非常に感動的で素晴らしい舞台だった」と称賛した。・・・今回の歌舞伎公演は世界の芸能を紹介する同センターの夏季フェスティバルの一環で17日から22日までは破天荒な僧侶が主人公の「法界坊(ほうかいぼう)」が上演される。>

    ★テレビでもこの情報は流れていたが、NY市民には、英語による歌舞伎は、やはりわかりやすかったに違いない。日本の文化だから日本語でという時代は、もはや遠い昔の話。

    ★私立中高一貫校に訪れると、ネイティブ・スピーカーの英語教師と日本人の教師が英語で話し合っている光景に出会うが、そういう場面は結構多い。

    ★横浜国際女学院翠陵の先生方は90%の日本人教師が英語を話す。英語の教師でなくても英語を使えるということ。来春新設される横浜山手女子のIB(インターナショナル・バカロレア)コースを担当する先生方8人も、外国人教師と日本人教師が英語で互いに仕事をしている。英語教育に特化しているわけではない白梅学園清修中学校でも60%以上の先生方が外国人教師と英語で話し合っている。理科教師はフランス語も英語もできる。時代はやはり動いている。

    ★ブロークンであろうがなかろうが、自分の考えを相手に伝え、ディスカッションできればまずはそれでよいのではないだろうか。

    ★Honda「発見・体験学習」のプログラムをやっていると、イギリスからUKHondaのスタッフがやってきたり、シンガポールの高校生がやってきたりする。互いのコミュニケーションは英語。当たり前のように若いスタッフたちが議論している。

    ★経済・金融のシンポジウムをたまに見にいくと、当然英語も使われている。コーヒーブレイクの時には、講演者と英語で議論している参加者が多数いる。

    ★かえつ有明の英語の先生は、日本の文化を知るには英語をメタ言語、つまり鏡にして学んだ方がよい。ふだん当たり前と思っている日本文化に日本人でありながら新たな発見をするということがあるという。先生自身ロサンゼルスで長い間生活しているが、同じような海外経験の教師も増えている。

    ★この流れは止まらない。少なくとも英語を英語で教える授業をやっていないような学校は、もはや私学ではないのではないだろうか。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    6年後横浜山手女子はナンバーワン【2】

    ★前回の6年後横浜山手女子はナンバーワン【1】で、「6年後、横浜山手女子は横浜山手地区の女子校の中でナンバーワンになります。」という先生方の気概と覚悟を紹介した。

    ★そんな荒唐無稽なことがと思われるかもしれないが、それが意外にもシンプルに達成可能なのである。

    ①横浜山手地区の他の女子校と比べ、負けないだけの大きな思想や物語、あるいは理念がすでにあること。

    ②東大以上の大学進学実績をまずは10人出すこと。つまり東大20人合格分に相当する有名海外大学に進学ということ。

    ③教師間のコミュニケーションが創造的であること。防衛コストが低く、アイディアと実効性に富んでいるということである。

    ④生徒と教師のコミュニケーションが、学習者中心主義的雰囲気に包まれていること。

    ⑤生徒と生徒のコミュニケーションが創造的であること。互いに励まし合いながら、刺激し合える絆を結べる雰囲気があるということである。

    ⑥IBコースと一貫コースの生徒同士が互いに協働し刺激し合う機会が設定されていること。

    ⑦海難救助のような自らの命をかえりみない本格的なボランティア活動を行えるタフな心身と勇気、博愛の精神を養える学びの組織であること。

    ★以上7つのポイントを実行できれば、横浜山手地区でナンバーワンの女子校になれる。少し考えるとわかることだが、このことは日本でナンバーワンの女子校になることを意味しているのである。実に興味深いプランである。

    ★次回からは、7つのポイントを1つひとつ検討していこうと思う。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月18日 (水)

    6年後横浜山手女子はナンバーワン【1】

    ★「6年後、横浜山手女子は横浜山手地区の女子校の中でナンバーワンになります。まずは来春オンリーワンの教育環境からスタートします。」と口をそろえて明言したのは3人の先生方。副理事長石本渥先生、教頭野村宗人先生、インターナショナルコース教頭・開発準備室室長田口俊夫先生の3人である。

    ★来春、横浜山手女子は、現在の「一貫コース」とは別に「IB(国際バカロレア)コース」を新設する。IBは、世界の125の国のトップクラスの2,075校が取り入れているハイクオリティの教育プログラムである。このプログラムを取り入れているといっても、勝手に取り入れることはできない。スイスにある本部からアクレディット(認定)されなければならない。

    ★横浜山手女子は、東京学芸大学附属国際中等教育学校とともに、その候補校に選ばれたのである(日本における認定校は加藤学園暁秀をはじめとする13校。候補校は3校)。これがどんなに凄いことなのか、なかなか日本の学校選択者や学校選択アドバイザーにはピンとこないかもしれない。しかし、野村教頭は「だからこそやりがいがあります。私たちのチャレンジに続いて多くの私学が挑んでくれれば、日本の私学が名実ともに世界標準の教育を行っていることを証明できます。公立学校も本格的に教育改革をやることになるでしょう。私たちはそのフロントランナーになる覚悟です」と。

    Ib ★横浜山手女子のIBコースのパンフレットには「本気で世界を志す人に」というメッセージが掲げられている。学校選択者や受験生に向けたものであるが、どうやらこれは同校の先生自身にも向けられた「私たちは本気で世界を志します!」宣言でもあったのだと気づいた。

    ★3人の先生方の気概が、本当に実現するのか?そういう不安を覚える方もたくさんいると思うが、それが本当に実現するという理由をこれから考えていきたい。本当のハイクオリティのクリエイティブ・スクールはこのように構築されていくというモデルケースになると思う。それにしても2013年以降、日本の教育、経済、政治、法律、文化などのパラダイムががらっと変わる瞬間が訪れる。変わるというより変わらざるを得ないというのが本当のところだが、教育のフロントランナーはどうやら横浜山手女子であり女子教育なのであろうか。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    Nettyクリエイティブ・スクール(3)~アレセイア湘南中学校

    「Netty Land かわら版 2007年1月号10ページ~17ページ」アレセイア湘南中学校はこんなメッセージを掲載している。

    「アレセイアの職員室はおもしろい。入り口は全面ガラス張り。入る前から中が見える。オープンな職員室は生徒と教師のコミュニケーションを育む場である。」

    ★クリエイティブ・スクールが育む3要素はタレント(才能)、テクノロジー(考える技術)、トレランス(受け入れる・寛容)だが、このメッセージの中にこの3Tがすべて内包されている。

    ★タレントはコミュニケーションからしか生まれない。タレントを引きだすコミュニケーションは考えるテクノロジーがベースでなければならない。考えるテクノロジーは、真理であり、真理は自由を保障する。自由は寛容を生む。同校のメッセージは「教師と生徒のコミュニケーション」という書き方をしていない。「生徒と教師のコミュニケーション」という書き方をしている。このささやかな表現からも受け入れる態勢があることが伝わってくる。学習者中心の雰囲気があるということだ。

    ★教育理念、建学の精神が70文字のメッセージの中にある。学校選択者や学校選択をアドバイスするプランナーが、本質を見抜いてくれる眼を持つことを期待したい。[本間 勇人 Gate of Honma Note

    ■【関連記事】

    Nettyクリエイティブ・スクール(1)~浅野

    Nettyクリエイティブ・スクール(2)~跡見

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    2007年7月17日 (火)

    学習者本位で学校改革??

    ★日経新聞(2007年7月16日)は、戸田忠雄(規制改革会議専門委員・元長野県立長野吉田高校校長)さんの論考を掲載。趣旨は、学習者本位の学校改革が必要で、そのためには教育バウチャー制度の導入が役に立つというもの。

    ★「義務教育で学ぶ学習者の願いは唯一つ。『よい先生』のいる『よい学校』で学びたいこれに尽きる。『よい教師・よい学校』とは、学習者からみて『よいか悪いか』であって、教育委員会や文部科学省にとってではない。ましてや教師にとってでもない」という箇所が戸田さんの論の端緒なのだろう。

    ★だから学習者本位ではなく教師本位である学校を揺さぶるには、市場の原理を導入しようと・・・。これに対し「教育に競争はなじまない」「市場原理主義が教育をゆがめる」「教育者は尊敬されなければならない」などの批判が想定されるが、戸田さんは「これらは無知でなければデマゴギーの類だ」と一刀両断。また私立と公立の格差も市場の原理で埋まる。だからバウチャー制度だとまで語る。

    ★実に恐ろしい論考だ。「学習者本位」と「学習者中心」の差異が明らかにされていないし、「義務教育で学ぶ学習者の願いは唯一つ」ではあるまい。「『よい教師・よい学校』とは、学習者からみて『よいか悪いか』であ」るかもしれないが、その判断基準を明らかにするシステムは、市場の原理に任せてよいものだろうか?というより戸田さんのいう「市場」とはどういうものか?「市場」というからには「自由」が背景にあるはず。「自由論」なんてものは多種多彩。それを戸田さんの頭の中にある「市場」タイプのみで論ずるのは危険だ。バウチャー制度が、市場の原理に基づくのなら、格差は縮まるどころか開くと考えることもできるが・・・。まっ、しかしこういう論が恐ろしいのではない。

    ★時代の流れを少し振り返れば、医療や郵政、交通機関などあらゆるものが民営化路線になっていて、教育が一番遅れている。この動きは先進諸国のみならず、国際競争力を持ち始めた世界各国も跡を追っている。その際、「市場の機能」の危険性を議論し、それを暴走させないでいかにこのグローバル市場を持続可能にするかが論議され、政策が打たれている。このグローバル市場の信頼性、妥当性、正当性まで論議されている。

    ★戸田さんの改革へのメッセージは、わかりやすいが、極端で一方的がゆえに、この危険性を見えなくする可能性がある。それが恐ろしいのである。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    Nettyクリエイティブ・スクール(2)~跡見

    跡見学園(2月1日入試)の7月の志望校調査の結果は、志望者が昨年より微増。併願校は、いつものように跡見②と跡見③が多い。跡見受験生は、なんてったって跡見なのだ。志望理由の一つに、「家族が卒業生」という項目が選ばれているほどだ。昨年まではその他に山脇との併願が目立ったが、今年は共立女子が多くなった。

    「Netty Land かわら版 2007年1月号10ページ~17ページ」では、「他の先生の授業を生徒と一緒に聞く・・・同じ教科の先生がその授業について熱く語り合う。跡見では今、生徒の向学心をもっと高める動きがあります」とある。たしかに、教師と生徒の、教師と教師のよき対話の雰囲気があるという点で、共立女子と似たものがあるのかもしれない。

    ★しかしながら、学内で熱く語り合っても、その熱意が外の社会にも影響を与えるほどの熱でなければ、せっかくの先生方の創意工夫も伝わらない。帰国生も比較的多く、多様性を受け入れる寛容性もあるのに。とにかく、外部への通り一遍の発信では、インパクトはないだろう。ぜひ「生徒の向学心をもっと高める動き」を具体的に発信し、再び人気が殺到するクリエイティブ・スクールになって欲しい。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月16日 (月)

    海城の将来構想の考え方(5)

    ★前回のブログ「海城の将来構想の考え方(4)」で、「海城学園が、いかにエクセレントな学校なのか、それは先生方の日々書く行為とそれをデータベース化して、過去と未来をつなげてしまう構想力にあるのだが、その証明には膨大な時間がかかる。次回からはその片鱗をご紹介したい」と書いた。「先生方の日々書く行為」とそれを普遍化する「構想力」のループの創意工夫を見つけてみたいのである。さっそく挑んでみよう。一歩一歩ではあるが。

    ★まず立川和平先生と本間純一先生の協働編集冊子「クラス通信の発行とクラス運営―2007年3月卒業の学年における事例報告―」から見ていきたい。「はじめに」で両先生は、こう語りはじめる。

    「教員には二つの顔がある。一つは教科担当者としての顔であり、もう一つはクラス担当者としての顔である。本校の場合、各クラスは学年主任や学年補佐の支援を受けつつ、クラス担任が中心となって担当している。/クラス担任は、クラスを運営していく上で、様々な手立てを工夫している。昼休みや放課後に生徒との面談を行ったり、クラス文集やクラス通信を編集・発行するなどといった、担任裁量的な業務は、それらの取り組み自体が工夫である。また、ホームルームや道徳の時間の活動を立案・実施したり、日直や掃除の当番を定め励行させるといった、規程的な業務においても、これまで数多工夫がなされてきた。」

    ★まだ2つのパラグラフを読み終えただけであるが、ここから先を読み進むには、あまりに密度が濃すぎる。というのもここにはすでに多次元の座標系パラダイムが見え隠れしているからだ。「教科担当―クラス担当」「知性と感性」「書く行為―話す行為」「創意工夫―ルーチン」・・・。これらの軸がどのような座標系を組み立てるのだろうか・・・。

    ★たしかにこの多次元座標系を生み出すパラダイムあるいはハビトゥスとして捉えると難しくなるが、「クラス担当」の行為は「マネジメントの行為」ではなく、「経営の行為」であると置き換えたらどうだろうか。ステイクホルダーの心身の成長の徹底したサポートこそ経営の理念。その理念を日々の行為の中で実行しているという捉え方になるのではないだろうか。

    ★「先生方の日々の書く行為」とそれを普遍化する「構想力」のループは確かにありそうだ。「教科担当―クラス担当」=「教育の論理―経営の論理」。前者が「先生方の日々の書く行為」で、後者が「構想力」なのだろうが、これらのつながりについては、両先生方の冊子を読み進む以外に道はあるまい。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    Nettyクリエイティブ・スクール(1)~浅野

    ★今年のNetty Land編集部のミッションは、「クリエイティブ・スクールを探そう!」で、すでに未来を創る学校「クリエイティブ・スクール」と共に合同説明会を実施したり、講演会を開催したりしている。私立中高一貫校が大学進学実績を出す努力をしているのは言うまでもないが、それ以上に「新しい教養」「新しいリーダーシップ育成」「新しいリベラルアーツ」などに取り組んでいる。つまり教師の創意工夫で満ち溢れているということ。

    ★その各私立中高一貫校からの「創意工夫への意志」のメッセージを、「Netty Land かわら版 2007年1月号10ページ~17ページ」で掲載しているが、憶えていらっしゃるだろうか?もしかしたら忘れているのでは。未来を創る学校は、子どもたちの未来を創る学びの環境を備えているわけで、学校選択のときに考慮すべきポイント。秋以降の説明会に向けて、同誌1月号掲載の各私立学校のメッセージを振り返っておきたい。

    ★まずは浅野。今年の春真価発揮。東大合格者が大量に出た。今年の7月実施の志望校調査の結果によると、志望理由第一位は昨年の「校風・理念」を追い抜き「大学合格実績」。併願校も、聖光、栄光、サレジオ、逗子開成と相変わらず難関校ねらい。

    ★しかし、見過ごしてはならないのは、いつも浅野の志望理由に「期待度と熱意」がランキング入りしていることだ。それゆえ浅野の先生もかく言う。「創意工夫・・・ということより、原点に立ち返って広義の『教えること』の強化です。魅力のある授業は言うまでもなく、生徒と真率に向き合う、その繋がりを大切にします」と。

    ★受験生(保護者)の思いと教師の熱意がピタリと合った学校である。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月15日 (日)

    学芸大附属国際中等教育学校「国内ワークキャンプ」から見えるコト

    ★7月13日に2泊3日の東京学芸大学附属国際中等教育学校「国内ワークキャンプ」が終了した。その様子について現状では2日目までしかサイトで確認することができないが、いつものHonda「発見・体験学習」とは違う雰囲気を感じとることができる。

    ★あまりにもスムーズに進行しているし、写真に写し出されているチームの様子があまりにも親密である。PL(プロジェクトリーダー:SV=スパーバイザー、LA=ラーニング・アドバイザー、マネージャー、ライターなどの総合的なアドバイザー)の岡部憲治(NTS教育研究所)に聞いてみたところ、やはり実際にそうであったということだ。

    ★岡部によると、コミュニケーションの取り方、チームでのディスカッション、発表のスタイルなどある一定水準のベースを生徒たちがみな備えていたというのだ。8人以上のチームの場合、2、3人はチームワークから外れてしまうのが普通だが、それがほとんどなかったという。また、外部サンクションを加えなくても、ほとんどの生徒が自ら律する行動をとれたという。

    ★それゆえ、2泊3日の進行は、密度が濃くなり充実した活動になっていたようだ。しかし、岡部は、それはそれでよいのだろうが、もう1つ何か壁が壊れ、次のステージにジャンプする瞬間があってもよいと、SVやLAと話し合っていたようだ。結果的には25%のチームは充実しなおかつジャンプしたという。ただし、十分にジャンプしたわけではなかったので、発表の段階では投票結果はそれほど良くはなかったそうだ。

    ★私立学校の場合、一定水準のコミュニケーション行為やディスカッションの雰囲気を全員が持っているということは、今まであまり経験したことがない。水準に達していない生徒や達している生徒、すでに乗り越えている生徒がほどよく混じって、そこで葛藤と乗り越える対話活動となる。乗り越える時は、すでに乗り越えている生徒をも乗り越えなければならないから、道のりは紆余曲折し、チームが一端崩壊する場合もある。達成感というより何かを見つけた喜びのほうが大きいかもしれない。個々それぞれがそれは感じることなのだ。

    東京学芸大学附属国際中等教育学校の場合、個々の感じ方はあるにせよ、学年全体での達成感のようなものが前面にでていたようだ。これは新鮮な感覚だ。なぜこのような全体で充実感や達成感が味わえるのか。おそらく70%は学芸大の附属小学校から選抜されて中学に進学してくるからだろう。それと小学校でも帰国生がたくさんいるだろうし、中学からは帰国生が中心に入学してくる。

    ★学芸大は、「教育の論理」を「教育の理論」に転換する研究を行い、さらにその理論を現場に浸透させる「教育の論理」の研究を行っている。学芸大附属大泉小学校は、帰国生を交え、道徳意識の普遍的なあり方をおそらく研究しているに違いない。異文化で生活してきた人間が互いに理解しあうには、普遍コードが必要だからだ。

    ★どのような「教育の理論」を活用しているかそれはわからない。しかし、必ずあるはずだ。これが私立中高一貫校や公立中高一貫校と学芸大附属の大きな違いである。私立中高一貫校は、学習指導要領をベースにさらにそれを乗り越えた独自の「教育の論理」を創りあげているが、それが普遍的な「教育の理論」である必要はない。もしかしたらそのような「教育の理論」を超える「理論」が出来上がっているかもしれないが、学会で発表されるわけではないから、そんなことは知る由もない。公立中高一貫校の場合は、学習指導要領の枠内で独自の「教育の論理」を展開するだろうが、大学附属の機関ではないから、学内全体で「教育の理論」を共有することはない。断片的に教員研修などで知識として持ち帰ることはあるかもしれないが。

    ★さて、学芸大附属小学校ではどんな「教育の理論」が適応されてきたのだろうか。おそらくコールバーグの道徳発達理論をベースにした理論ではないだろうか。ジレンマ問題に直面し、それを乗り越える時、弁証法的にではなく、対立軸を明らかにすることで何かが見えてくるというスタイルなどはまさにそうだ。

    ★また今回のプログラムの対象は中1であったが、彼らの道徳意識やそれをコミュニケーションで遂行する段階は、コールバーグ流儀でいえば、最初は習慣的レベルの第一段階であったが、最終的には習慣的レベルの第二段階に進んだという見方ができる。

    ★コールバーグの道徳発達理論は「前習慣的レベル→習慣的レベル→脱習慣的レベル」の3つのレベルで構成されており、それぞれのレベルが第一段階と第二段階に分かれ、全体では6段階に分類されている。

    ★だから岡部が感じたことは理論的に裏付けられる。習慣的レベルのなかですべてのチームが第二段階に進んだのだから、充実感と達成感がやはり生まれていたのだ。そして25%のチームが、実は脱習慣的レベルにジャンプしようとしたのである。成功したかどうかはともかく。「教育の論理(仮説)」→「教育の理論」→「教育の論理(現実)」→・・・などという教育の過程を展開できるのは国立ならではの特色だということが改めてわかった。恐るべし東京学芸大学附属国際中等教育学校の教育力。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    海陽中等教育学校は侮れない

    海陽中等教育学校は今のところあまりうまくいっていないという噂がたっている。トヨタの企業色が強く出ているという話も流れてくる。寮の運営もあまりうまくいっていないらしい。

    ★しかし、実際のところはわからない。ただはっきりしていることは、最初の段階では企業流儀の学校経営論が主流だったことはたしかだろう。企業の論理から利益追求をとったら、企業は成り立たなくなる。だから、そこを突くのは、あまり有益ではない。寮においても最初は企業研修の一環のような寮運営にならざるをえなかっただろう。企業のコミュニケーションは、ポジティブな側面だけを強調し、ネガティブな部分は抑圧するのが基本だから、そんなコミュニケーションで寮など運営できないのは火を見るより明らかなのだ。

    ★教育において、人格というのはポジティブな側面もネガティブな側面も飲み込むところから形成されるものだ。札束をちらちら見せながら効率よく人間形成などできるようなものではない。そんなことは端からわかっていたはずだ。

    ★だからトヨタをはじめとする企業連合は、改善に必ず向かう。やっぱり企業流儀だけではうまくいかないことを肌で感じたのだから、次は改善すればよいのだ。

    ★だから伊豆山校長先生は、「真のエリート」は「愛」をベースにしなければならないなどというバイブルにでも基づいたようなことを言い出している。もっともバイブルではなく啓蒙思想家ルソーの言う憐れみの情であろうが。

    ★現実的には、開成から渡辺先生を副校長として迎え入れている。今の強固で柔軟な開成を実質構築するのに奔走した3人の教頭のうちの1人である。そして京都大学出身のハイコンセプト&ハイタッチな女性の教師なども起用している。企業流儀ではなく学校流儀の水を注いでいることは確かである。

    ★しかし、前回Honda「発見・体験学習」から見える教育ビジョンで述べたように、

    ≪プログラムは、学校が作れば、Educationでよい。企業が作れば、せいぜいEdutainmentどまり。学校と企業が協働すれば、Giftainnmentのステージに移行できる。≫

    ★海陽中等教育学校は企業ではないが、たんなる学校でもない。新しい概念の教育機関なのである。このビジョン認識とアクションプランが今後どのように展開するかで、海陽中等教育学校の未来は決まってくるような気がする。ただ東京大学や京都大学の進学実績を出すことが目的では企業が発起人となって創った私学の意味はあるまい。

    ★いずれにしても他の私学は、パタッと情報を発信しなくなった海陽中等教育学校の今後の展開を侮らない方がよいだろう。トヨタの<改善>と<見える化>手法は、筋金入りだということを忘れてはなるまい。企業的手法と学校教育の手法を融合させた渋谷学園グループの力量をはるかに越えるタフなパワーを持っていることは認識しておいた方がよいと思う。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月14日 (土)

    Honda「発見・体験学習」から見える教育ビジョン

    Honda「発見・体験学習」プログラムのデザイン設計・運営は、学校の先生方とHondaのスタッフの方とNTSのスタッフと協働して行っている。私はデザイン全体のコンセプトとビジョンのマネジメント、運営のチェック、スーパーバイザー、ラーニングアドバイザーの育成プログラムのデザインを行っている。

    ★ものすごい数のメンバーが協力しているために、そのコミュニケーションは複雑である。特に事務的な報・連・相だけでは事は運ばない。どこまでのメンバーと創造的コミュニケーションを創発していけるかが1つひとつの学校のプログラムがうまくいくか否かの決め手。

    ★世の中にはディズニーランドのようなエンターテイメント・ベース・プログラムがあり、キッザニアのようなエデュテイメント・ベース・プログラムがある。Honda「発見・体験学習」は、もちろんそのどちらでもないが、Hondaのサーキット場であるツインリンク・もてぎを学びのフィールドにしているために、どちらかというとエデュテイメント・ベース・プログラムだとイメージされがちである。

    ★ディスーランドにしても、キッザニアにしても、Honda「発見・体験学習」にしても「夢」を大事しているフィールドである点で同じなのも、そのような勘違いを誘う原因なのかもしれない。「夢」といっても、ディズニーランドは「幻想」だし、キッザニアは「将来の職業」だし、Honda「発見・体験学習」は「世界のビジョン」という違いがあるが、そのような差異を一般に考えることはしない。

    ★だから「夢を売る企業のプログラムを活用するのか」という疑問はいつも先生方から生まれるし、「生徒たちが夢を抱く手伝いをして互いに感動するのがどこがおかしいのか」というスタッフの思いもいつも沸いてくる。「Hondaは何のためにこのプログラムをやるのか」という問いも毎回生まれ出る。

    ★大変興味深いのは、ここには学校と企業が連携することの難しさを乗り越えて実践している過程が凝縮されているということだ。かかわっているメンバー全員が、メンバー全員に互いに壁をつくり、互いにその壁をクリアしていく。Honda「発見・体験学習」プログラムのデザインの過程そのものがチームビルディングあるいは組織作りのプロセスである。このプロセスは、どう考えてもエンターテイメントではないし、エデュテイメントでもない。互いの持っているタレントを互いに引き出し合いながら学びの組織を創りあげていくプロセス。その過程は紆余曲折はあるが、どこかやりがいの価値を感ずるプロセスでもある。いわばGifted(神から与えられた才能)を楽しむ過程なのかもしれない。Entertainmentでもなく、Edutaimentでもなく、Giftainmentということにでもしておこうか。

    ★全く新しい概念のプログラムなのである。プログラムは、学校が作れば、Educationでよい。企業が作れば、せいぜいEdutainmentどまり。学校と企業が協働すれば、Giftainnmentのステージに移行できる。

    ★学校のプログラムは「人的資本」の場であり、学校と企業の連携プログラムは「クリエイティブ資本」の場なのかもしれない。メキシコにおけるキッザニアの成功は、この「クリエイティブ資本」の場としての成功だったと思う。しかし、そのプログラムを日本が輸出した時、それは企業の論理が優先しているから、「人的資本」の場でもなく、「クリエイティブ資本」の場でもなく、「欲望資本」の場になっている。ディズニーランドも結局そうだ。利益を追求するという点で、何らおかしくない資本の論理である。

    ★Honda「発見・体験学習」がHondaの社会活動推進室が中心になって実行しているというのは、企業としての「欲望資本」の場になることを回避しようということからかもしれない。しかしそれは油断すると簡単に「欲望資本」の場になる。「感動」が欲望に転化するとき、Honda「発見・体験学習」はエンターテイメントに脱するのだ。Honda「発見・体験学習」プログラムのプロセスはいつも「遊び」と「学び」の間をいったりきたりする不安定な流動的プロセスだが、両極のどちらかに位置したほうが、制作・運営は楽である。「遊び」に徹するか、「勉強」に徹するかということ。そのとき企業がとる道は「遊び」。「勉強」は学校がやることだからだ。こうして連携は崩壊する。こうならないように「学びの協働」というシステムが必要なのだ。

    ★このことは教育改革についても同様のことがいえる。教育再生会議も流動的な不安感を引き受けるか、割り切るか、見守っていきたいが、割り切った時、日本の教育はおかしくなるだろう。

    ★20世紀型教育が21世紀型教育に移行するというのは、両極を受け入れるシステム作りに移行するということ、やはり「第3の道」ということか。現場で多くのメンバーと話し合いながら、そんなことを感じる今日この頃である。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月13日 (金)

    かえつ有明の文化再生産システム着々(2)

    ★「かえつ有明の文化再生産システム着々(2007年4月10日)」のなかで、こう述べた。

    <問題は、この充実した状況がマニフェスト通り、持続可能なのかということだ。つまり文化再生システム作りあるいは組織作りができているかということだ。この点の検証を学校当局が説明していく責任は確かにあるかもしれない。もう生徒は集まるから大丈夫だというわけにはいかないだろう。この油断があっという間に独善的でクローズな状況をつくるからだ。組織の成長と衰退の歴史は常にそうなのだ。とにかく、良いことをしているのだから生徒は集まるはずという教師が現れ始めたら危険信号である。そうならないようにするのは、学校経営者のクリエイティブな集団をマネジメントする腕の見せどころ。果たしてそれはどうだろうか。今のところは大丈夫だ。外から見ているだけだが、組織やスタッフィングの変化が見られる。・・・知と情熱の両方が溢れていて、真剣に純粋に、そして何より楽しんで考え感じている生徒の姿を見れば、良質な教育力は論より証拠ということになる。かえつ有明の人材配置は、そのように刻々変化している>と。

    ★4月の時点では「今のところは大丈夫だ。外から見ているだけだが、組織やスタッフィングの変化が見られる」とやや控えめに書いたが、今回、理科、国語、英語の先生方のお話をお聞きする機会を得られ、「大丈夫」であるという気持ちはより深まった。

    ★3人の先生方は、毎日生徒と知と情熱を分かち合う学びのコミュニケーションをとっている。一方で、理科の先生は「サイエンス」という科学と言語をインテグレイトする新しい学びの構築と持続可能性にチャレンジしている。国語の先生は、ご自分の学校だけではなく、東京私立中高協会で、他校の先生方とコラボレーションして各教科の知のインターフェースとしての「ことば力」を研究している。そしてそこで中心的な役割を果たされている。英語の先生は、長期にわたるアメリカでの経験を生かした学びのグローバリゼーションについて哲学を持っている。

    ★要するに、日々の生徒とのコミュニケーションの中に、世界標準の知を実践しているダイナミックな学びのプログラムをつくっている先生方。ミクロとマクロを理論と経験の両方からつなぐことができる知識人であり、リベラルアーツを体得・体現している先生方なのである。

    ★「学校経営者のクリエイティブな集団をマネジメントする」手腕は大いに発揮されているようだ。そしてそのスピードは加速している。かえつ有明の「文化再生システム作りあるいは組織作り」は着々と進行している。そう確信できた対話のひと時であった。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月12日 (木)

    学芸大附属国際中等教育学校「国内ワークキャンプ」始まる。

    ★2007年7月11日から東京学芸大学附属国際中等教育学校「国内ワークキャンプ」が始まった。2泊3日の世界標準のハイコンセプト&ハイタッチ型のプログラムである。

    ★同校は、今年の中1から帰国生がたくさんいる国際中等教育学校として出発した。東京学芸大附属大泉は大転換したわけである。

    ★その大転換の現れの1つが、プログラムの変化だろう。もちろん学習指導用領の枠内だろうが、プログラムの立て方と発想は、世界標準の組立て方を射程におさめているはずである。

    ★たとえば、IB(国際バカロレア)のプログラムデザインの方法など。IBのデザイン手法は、教科学習の領域とそれらをインテグレーションするコア領域の部分というように二重構造になっている。

    ★コア領域は、いわゆる総合学習の発想でもあるが、日本の総合学習は今では多くの場合体験学習で、知のインターフェースという志はない。

    ★IBではコアの領域は、エコロジー的なものの見方、論理的発想、創造的発想などリベラルアーツ的なコンセプトで成立している。

    ★本田技研工業株式会社が学校と協働して実施しているHonda「発見・体験学習」は、ものづくりの背景にあるアイディアを生む潜在的能力を導き出すプログラム。世界のHondaの組織作りや研究のベースは、学びのグローバリゼーションにおいても十分通用する。

    ★おそらく学芸大附属国際中等教育学校は、これから世界で学ぶ準備として、国内で学びのグローバリゼーションの雰囲気に接することができる場としてHonda「発見・体験学習」の場を選んだのだろう。学びのグローバリゼーションは、人材育成のグローバリゼーションでもある。現在、世界には富裕層と貧困層という二極化が横たわっている。この問題を背負って解決すべく活躍するリーダーが同校から輩出される日を期待している。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月11日 (水)

    佐久長聖中学校の小さくて大きな感動物語

    ★前回「7月7日新宿で、佐久長聖中学校の説明会開催」で、佐久長聖中学校が、いかに卓越した寮制の中高一貫校であるかということについて語った。その後教頭補佐小林浩先生から、小さくも感動的なお手紙を頂いた。

    ★「本校は『礼節・忍耐・誠実』を校是とし、秀逸な人的財産の輩出を目標に、職員と生徒が一丸となって日々の教育活動に取り組んでいるところでございます。」という一文に、小林先生の気概と真実と愛情のすべてが込められている。

    ★そして、それを証明するのは「長聖中学校第12期1学年通信『私淑』平成18年6月1日(水)発行第9号」の存在である。5月31日(水)付けの毎日新聞の記事の紹介と小林先生のメッセージが掲載されている。

    ★インドネシアの大地震のとき、「咄嗟の際に、一瞬の躊躇もなく自分の身を挺してまで我が子を守り、どこまでも我が子を慈しむ」親の記事について、

    <親の慈しみを十二分に受けた子は、自然と親を慕うようになり、親と子は両者にとっては何物にも代え難い『確かな絆』が結ばれるようです。親は本来、どうあるべきか。どのように我が子と向き合うべきなのか。盲目的な溺愛ではなく、かといって、放任でもない、親の子に対する接し方は、どのように築き上げてゆくべきなのか。そして、親と子は本来、どうあるべきか、沈思黙考する機会ともなりました。>と。

    ★親と子の接し方はこうあるべきだと説教するのではなく、小林先生ご自身が、深く考える機会になったと、自分の姿を生徒にさらけだしているのだ。親と子、教師と生徒の関係を謙虚に受けとめ、自分の身を挺してでも子を生徒を守るぞという決意と奉仕の心がそこにはある。

    ★そしてそのメッセージを受けとめた女子生徒は、2年生になってからこう言う。

    <今でも生活日誌の中に入れていて、苦しくなったら時々見返します。>

    ★家庭内暴力、いじめを放置する教師、モンスター・ペアレントと凄惨な事件の多い昨今だが、距離を開けて抱きしめる教師とそれを尊敬する生徒との関係の話は、心温まる。もしベスト・オブ・ティーチャというチャンスがあるのなら、小林先生に一票を投じたい。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月10日 (火)

    小野学園のオープンキャンパスにでかけよう!

    Ono_3 ★7月29日、小野学園女子中学・高等学校のオープンキャンパスは、盛りだくさんのプログラムを実施する。この≪盛りだくさん≫というところがポイント。

    ★以前小野学園のビジョンとプラン(1)で、

    ビジョンが定まった。「どっちもできる育成」がそれである。21世紀の女性は、社会でも大いに活躍するが、家庭も幸せに生きて欲しい。どちらかを選択する女性もいるし、社会も家庭も両方で生きる女性もいるだろう。大事なことはどれでも自由に選べる基礎を育てることだという。選択判断力と選択できる基礎力の育成。なるほど「どっちもできる育成」である。

    ★と書いた。そしてこのビジョンを実行するために、次の17の潜在的力を「見える化」するために、プログラムを毎週のように実行しようとしているとも述べた。

    優しさ、愛情、包容力、責任感、他者の個性尊重、他者の自立支援、自己実現、対話力、育成力、柔軟性、緻密さ、創造力、マネジメント力、継続力、決断力、学問、教養

    ★もうおわかりのとおり、≪盛りだくさん≫というのは、このような潜在能力を「見える化」している挑戦の披露なのである。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月 9日 (月)

    渋谷幕張のパンフレットから見えるコト(了)

    渋谷幕張のパンフレットから見えるコト(2)のつづき。6年間の主要5教科のカリキュラムがバーンと載っている。高校1年で、中等教育課程の学習指導要領はほぼ終わる。一部の教科だけではないところが、徹底した先取り学習だ。

    ★大学合格実績も輝かしいのは言うまでもない。学校行事では、さりげなく大江健三郎氏の講演会・読書指導の一コマが載っている。交換留学のチャンスも多いし、ホームステイ先もニュージーランド、イギリス、シンガポール、アメリカと多方面だ。

    ★施設の説明も簡にして要を得ている。

    <「何このスペースは?」というところがたくさんあります。あえてもうけられたフリースペース・・・それは多くの個性が育つところなのです。>と。

    ★施設はたんなる箱ではない。人間形成のための教育空間であると認識をしているよというアピールも忘れていないのだ。

    ★中学入試Q&Aの中にはこういうのがある。「学習塾に通う必要はありませんか?」に対し、

    <ありません。特に中学一・二年時は基礎的な学力や学習習慣を身につけるために宿題がたくさん出されますから、学習塾に通う時間はないでしょう。>

    ★ときっぱり。この気概がいい印象を与えることは間違いなし。それから高校入試(募集枠30人)のページが1ページあるが、これは中学受験生にとってもアピール力がある。渋谷幕張の高校入試のネーミングがよいのだ。TAG入試と呼ばれている。TAGは、Talented And Gifted studentsの略。神さまから贈られた才能を持った受験生のための入試だよというメッセージだろう。TAGクラスは、アメリカの学校も州によってはおなじみの考え方。田村校長先生らしい着想である。

    ★がしかし、何といっても凄いのは、シラバスの例。≪数学Ⅱ≫のほんの一部のシラバスの表が載せられているだけだが、これを見て、学びのグローバリゼーションが各教科にしっかり、みっちり浸透しているということがわかる。

    ★この発想はIB(国際バカロレア)やユネスコのESD(Education for Sustainable Development )、OECD/PISAなどの世界標準のプログラムデザインの発想に近い。これらのプログラムはSubject GroupsとCoreという有機的なデザインをする。

    ★渋谷幕張のシラバスも、教科ごとに作られてはいるが、その「確認事項」の背景に明らかにCoreの学びの領域を想定していることがわかる。Coreは教科を貫く知の領域であり、Interdiscipline(学際的)としての領域である。

    ★公立学校に象徴されるように、日本の教育は教科という要素完結型で、教科を横断する関係主義的発想はない。つまりSubject GroupsをつなぐCoreがなく、ここは空洞になっている。専門的な科学力は見事だが、General Intelligenceは弱い。つまり麻布の氷上校長先生に言わせれば、「教養」がないということだろう。それゆえ、小宮山東大総長に、「情報を知識とし、知識を構造化することで、知識に価値を与え、そしてその主体は確信を持った個人」としての人間であって欲しいと言わしめることになるのだろう。

    ★多くの学校がIBの発想やリベラルアーツというキーワードを使い始めている。しかし大事なことは、それがCoreとして、あらゆる教科活動、部活動などの教育の最前線で、建学の精神や教育理念と結びついて機能していないと、絵に描いた餅にすぎないのである。渋谷幕張の最大の強みはここであり、当分同校の輝かしいポジショニングが脅かされないのは、他の学校の経営陣や現場の先生方がプログラムにおけるCore領域の重要性を受け入れるのに時間がかかるからである。

    ★逆にこのCore領域を現場に浸透させるべく、真剣に取り組んでいる学校は、躍進するはずである。たとえば、宝仙理数インター、かえつ有明、白梅学園清修、小野学園女子のように。

    ★そして実際に海城、芝、攻玉社、芝浦工大、芝浦工大柏、世田谷学園、共立女子、立教女学院、聖学院、女子聖学院、中村、頌栄、鴎友、洗足、山手学院、横浜女学院、八雲、東京女子学園、神奈川学園、聖徳学園などは、すでにその成果を大いにあげているのではないだろうか。

    ★俗に言う男女御三家(この言い方は好きではないが)は、されど御三家で、学びのCore領域をハビトゥス(文化資本)として有している。今はまだはっきりとは表現されていないが、横浜山手女子、横須賀学院も学びのグローバリゼーションに取り組んでいると聞き及ぶ。私立学校の教育の流れやイメージ、ポジショニングがもうすぐ大きく変わるだろう。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    テレビドラマは学校選択にも影響?

    ★参院選は目前。通称ヤンキー先生、義家弘介さんも出馬を表明している。それにしてもマスメディアのインパクトはすごい。「ヤンキー母校に帰る」(2003年10月10日~12月12日、TBSテレビ)以来、その活動は注目され、教育委員会、大学、教育再生会議で大活躍、本に、ラジオに、テレビに、映画に、マンガに露出度は高まるばかりだった。そしてついに代議士への道。良いか悪いかはここで判断するのはよそう。メディアの正しい活用は影響力大という1つの好例だということを確認したいだけだ。

    ★昨年も「のだめ」のドラマやマンガ、アニメはクラシック大ブームに拍車をかけたし、ロケ現場となった洗足学園の人気にも少なからず良い影響があったはずである。

    ★「特急田中3号」(2007年4月13日から6月22日、TBS系列)、鉄道ブーム(もともと根強くあったものが表面化したということかもしれないが)に火をつけた。女子の鉄道ファン・鉄子が急増中だとも言われている。

    ★これは、来春かの有名な鉄道研究同好会が活躍している武相鉄道研究部を有しているにも、さらに人気が上昇する影響を与えることになるかもしれない。

    ★7月から新番組「貧窮貴公子~山田太郎ものがたり」(TBS)が始まった。富裕層の集結した私立高校をベースにした学園ドラマだが、これは慶應グループの人気に火をつけようというお話か?

    ★いずれにしても学園ドラマやお受験ドラマは多い。視聴率を上げるための素材として、「富裕層」、「受験」というテーマは無視できない世の中なのだろう。学校当局は、これを上手に活用すればよい。学校選択者側は、楽しみながらも、ドラマは所詮ドラマであると惑わされないように。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月 7日 (土)

    制服の教育力―服育

    Photo_123 ★2007年7月5日、船橋文化創造館「きららホール」で、「ジャクエツ総合展」という 幼稚園の総合的な教育ツールの展示会が行われた。このイベントの一環として「衣服の教育力―服育~衣生活から学ぶ『しつけ』教育~」というテーマで、パネルディスカッションが催された。

    ★コーディネーターは服育を提唱されている有吉直美氏(株式会社チクマ キャンパス事業部 服育研究会)、コメンテーターは、岡誠氏(株式会社ユキトリヰデザイン事務所デザインディレクター)及び岡部憲治氏(NTS教育研究所 国際教育情報室室長)。岡氏は5年間のフランス留学を経ているし、岡部氏も5年間のアメリカ留学の経験やアルザスの学習プログラムディレクターの経験も経ている。したがって、幼稚園の制服の教育力について大変グローバルな切り口から語られたパネルディスカッションとなった。

    ★幼稚園の制服というと、それぞれの園の特長が表現されていて、あとはかわいらしいデザインがされているぐらいしかイメージしていなかったが、素材のリサイクル、マナー、交通安全、快適な素材、国によって制服の意義の捉え方の違い、家族の愛など多くの要素が内包されているという話は、興味深かった。

    ★制服の教育力={素材のリサイクル,マナー,交通安全,快適な素材,国によって制服の意義の捉え方の違い,家族の愛,etc.}という内包関係にあるということのようだ。しかしながら、今回のパネルディスカッションは、そこからさらに展開していった。

    ★つまり、内包していたのでは、制服の教育力、つまり服育が子どもの成長や社会にどれほど影響を与えるか伝わらない。内包されている要素を外に開いていきましょうという話になっていった。

    ★制服という記号が表現する文化的背景・社会学的構造や制服という言語が日常のコミュニケーションの中で生み出すロールプレイを明らかにすることによって、幼稚園(小中高も)の教育理念やマニフェスト、ビジョン、アイデンティティ・・・などを明確に発信できるということのようだった。

    ★つまり制服の記号論(たとえばフランスの思想家ロラン・バルトのように)、制服のエスノメソドロジー(たとえばアメリカの社会学者ガーフィンケル教授のように)的切り口の話だったのだ。

    ★幼稚園の制服は、現在から未来にかけて、自分の子どもが社会の中でどういう位置付けにあるかを明確に表現することであるし、社会にでたとき自分の子どもができる能力の身体化を育成することであるし、自分の子どもが受ける抑圧や犯罪から防衛することであるし、健全な生活習慣を身につけることであるし、家族の愛情を実感するアイテムでもある。

    ★それだけに、制服は、国によって、階級構造や階層構造、権力関係の位置付けが違ってくるというグローバルな視野も養う将来の教育の潜在的きっかけにもなるという。服育には、いま、ここでの気づきという日常性から今後の成長という未来性の広がりまで、考えさせられるべき点が多い。

    ★海外の学校では、スクール・ユニフォーム・ポリシーが表現されいていると岡部氏。日本の学校では、教科や部活のマニフェストは明言されているが、施設や制服の教育マニフェストが明言されることはほとんどない。以心伝心の国では、言葉を開く(内包と外延の相互の交換)コミュニケーションは苦手ということか。服育の新たな切り口は、実はコミュニケーションのグローバリゼーションを開く。このイベントに参加していた幼稚園の先生方の意識はそんな大きな広がりに結びついていく。教育というのはまことに間口が広く奥行きが深い。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月 6日 (金)

    渋谷幕張のパンフレットから見えるコト(2)

    渋谷幕張のパンフレットから見えるコト(1)のつづき。田村哲夫校長先生の姿が載っているページには、教育理念が掲げられている。「自調自考」という4文字熟語でシンプルに表現されている。英語では“SELF-THINKING,SELF-AWARENESS”と。

    ★そして150字ぐらいで簡単に説明されている。まずは

    「中学・高校での生活は、自分の適性を理解し、将来に向かってはばたく、“人となり”のできる大切な時期です。こうした時期、どのような環境で、どんな先生と、どんな友人と過ごすかは、あなたの一生を左右することだと思います。」

    ★思春期の時期でもある中高時代の重要性を高らかに謳っている。大人になって、壁にぶつかった時、自分の原点に戻る時があるはず。その原点がトラウマの思い出で埋まっていてはたまらない。友情と達成感と教師との絆の思い出が、勇気と自信を回復する(つまり“人となり”ができているから)という思い出作りをしておくことが重要なのだということだろう。

    ★田村校長先生自身、おそらく麻布時代の6年間、よき友人と教師との邂逅があったに違いない。ある意味よき≪私学の系譜≫の継承である。そして、次のようにしめくくる。

    「渋谷幕張は画一性を排し、自主性を育てる、そんな学校です。」

    ★なるほど「自調自考」である。自分で調べ、自分で考えるには、柔軟な構え、あるいは自由な姿勢が必要である。麻布の自由を謳歌した田村校長先生ならではの発想である。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月 5日 (木)

    7月7日新宿で、佐久長聖中学校の説明会開催

    佐久長聖中学校は、卓越した寮制の中高一貫校。長野県佐久市にあるため、同校の生徒たちのほとんどは、首都圏で実施されているセンター模試などを受験しない。たとえば、今年の中1は、県内生と県外生の生徒数の比率は10 : 3(およそ100人対30人と考えてよい)。もちろん県外生は神奈川、東京、埼玉などの生徒が多いので、彼らは模擬試験を受けているはずだ。

    ★つまり、こういうことだ。模擬試験の偏差値は、その模擬試験を受験した生徒の結果から算出されるから、佐久長聖中学校の実際の実力は、偏差値に反映していないのである。東大・京大合格者を毎年コンスタントに輩出しているし、それ以外の国公立大学、早慶上智には、中高一貫生だけで70人以上合格する。医学部も10人(これも中高一貫生だけで)前後は合格する。今年の春、東大に合格した生徒は、理Ⅲに進学。佐久長聖中学校の本当の実力は、相当なものなのである。長野県でナンバーワンの中高一貫校だと認識するべきなのだ。

    ★寮をもっている学校は、基本的には生徒と教師の信頼関係は強い。何せ24時間態勢/体制で、教師は生徒を見守るのだから。そういう寮制学校の中でも、佐久長聖中学校は図抜けて、信頼の絆は太い。というのも特定の寮監に寮生のめんどうを見させるというスタイルではなく、すべての教師が一丸となって臨んでいるからである。

    ★その証拠に、1人ひとりの教員はもちろんのこと、校長先生や事務局長に到るまで、生徒1人ひとりのことをよく知っている。名前と顔が一致しているのは当然で、それぞれの生徒が今何を思い、悩み、何に興味を持っているかなどまで実に良く理解している。

    ★それができるのは、生徒と教師が生活ノートや学習ノートなどで、頻繁にやりとりができる日々のシステムができあがっているのと、経営陣も教師もみな生徒についてワイガヤができる雰囲気が出来上がっているからだ。

    7月7日(土 10:30~12:00)、工学院大学新宿キャンパスで、県外生のための学校説明会が開催される。今のところ、東大理Ⅲに合格したOBも応援にかけつける予定になっていると聞く。佐久長聖中学校の本物の実力を感じにぜひでかけてみてはいかがだろうか。県内でナンバーワンの環境で、自分の子どもが学ぶ姿をイメージできるだろう。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月 4日 (水)

    渋谷幕張のパンフレットから見えるコト(1)

    渋谷幕張のパンフレットを頂いた。12ページ構成のシンプルな冊子。アクアブルーと白と緑を基調にしたエコロジカルな雰囲気のパンフレットである。黄色がアクセントとして使われている。

    ★この簡明な情報冊子がなかなかどうして優れものである。多くを語らずして真意を伝えているというか、簡にして要を得たというか、渋谷幕張がエクセレントスクールであることを物語っている。

    ★扉を開くと、校長田村哲夫先生の品位ある姿と柔らかい表情が目に入る。ノーブレス・オブリージの権化さながら緑のグランドに立っている姿である。校長自らが渋谷幕張のハビトゥス(文化遺伝子)を体現している。

    ★これはすばらしいことである。と同時に不安がよぎる。校長が変われば学校も変わるという世の定説をどのようにクリアするのだろうかと。田村学園ではなく、明らかに田村哲夫学校である。そのくらいの気概を放ているのが渋谷幕張の特色でもあり、アキレスでもある。もちろん、言うまでもなく、そんなことは杞憂に過ぎない。そのことについて、しばらく考えていきたい。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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    2007年7月 1日 (日)

    6月アクセスランキング

    ★6月(6月1日から30日)のアクセスランキング発表。学校関連の記事に限定し、100位(271記事中)まで掲載。6月のHot Newsのアクセス数は25,007人。昨月比は、157%。学校選択傾向のヒントになればと思う。[本間 勇人 Gate of Honma Note

    1 湾岸エリアに誕生した共学進学校、かえつ有明への大きな期待!
    2 加速する白梅学園清修の教育の質
    3 伸びる聖セシリアの進学実績
    4 聖園女学院の教育の考え方
    5 白梅学園清修の授業
    6 立教女学院という環境で育つ感性
    7 宝仙理数インター第1期生の1ヶ月
    8 村治佳織、母校女子聖学院で演奏
    9 晃華学園の教育力
    10 かえつ有明の新しい実践着々と
    11 田園調布学園がエクセレントスクールである理由(1)
    12 小野学園のビジョンとプラン(1)
    13 共立女子の生徒の成長
    14 神田女学園の教師の高い質(1)
    15 晃華学園の教育力の証明
    16 洗足学園の新ビジョン(1)
    17 かえつ有明は生徒が増えても1人ひとりに目配り
    18 自己の閉塞状況を破れる自由の森
    19 男の子の英語力を飛躍させる聖学院の「Only One教育」
    20 千葉高校併設型中高一貫教育校開設準備本格化
    21 洗足学園の新ビジョン(2)
    22 湘南白百合の学び観
    23 大学入試でもパワーを発揮する頌栄女子学院の海外帰国生
    23 田園調布学園がエクセレントスクールである理由(2)
    25 自由学園のハビトゥス
    26 神田女学園の教師の高い質(4)
    27 小野学園のビジョンとプラン(2)
    28 宝仙理数インターの活発な教育活動
    29 「国際化教育」が世田谷学園の大学進学実績をさらに伸ばす
    30 函嶺白百合受験チャンス
    30 日大中高が開く未来
    32 サレジオ学院の魅力
    32 神田女学園の教師の高い質(3)
    34 白梅清修の新しいエリコラ
    34 完全中高一貫化に向けて進化する中村中高の「国際化教育」
    36 「まなびの会 コンパス2007」~洗足学園の国際化教育戦略(3)
    37 女子美大付属と国立音大附属
    38 次に注目される小野学園女子の教育
    39 三輪田学園の新たな不易流行
    39 小野学園女子の新戦略
    41 宝仙学園理数インターの人気
    41 千代田女学園の改革
    43 宝仙理数インターの本気の教育~戦略と情熱と
    43 早稲田実業の甲子園優勝にひと役かった学校改革
    43 神田女学園の教師の高い質(2)
    46 湘南白百合のオープンスクールは在校生が活躍!
    46 麹町学園女子2007年入試の飛躍
    48 私立学校が継承するもの~麻布の氷上校長語る
    48 東京文化中のドラゴンクエスト
    48 千葉県私学に新しい風を吹き込む市川学園の教育
    49 かえつ有明の教育空間(1)
    49 小野学園のビジョンとプラン(了)
    53 戸板中学の魅力
    53 横浜女学院の優しい眼差し
    55 「まなびの会 コンパス2007」~洗足学園の国際化教育戦略(1)
    55 光塩女子学院の学年共同担任制
    55 白梅学園清修の人気の秘密
    58 新潮流を生み出す日本音楽高等学校
    59 神田女学園の教師の高い質(了)
    60 「まなびの会 コンパス2007」~洗足学園の国際化教育戦略(2)
    61 光塩女子学院の学年共同担任制(2)
    62 世田谷学園「最高の授業」で紹介される
    63 八雲学園は量も質も
    63 白梅学園清修の見えないカリキュラム
    63 聖徳学園の国際研修旅行の先見性(2)
    66 「まなびの会 コンパス2007」~神奈川学園とカリタスの言語教育
    66 聖園女学院のシラバスはおもしろい
    66 栄光学園を深く知るサイト
    66 女子学院の教育力(2)
    66 穎明館のハビトゥス
    66 6月2日に中村で「国際化教育」講演会を実施
    72 多摩大学目黒の特待生入試
    73 玉川聖学院の教師の質
    73 白梅学園清修のサポーティブ・バンド(3)
    73 聖徳学園の国際研修旅行の先見性(5)ストラスブール
    76 東京女子学院の教育の成果
    77 宝仙理数インターの斬新な説明会
    77 女子聖学院の行事の創造性
    77 聖徳学園の国際研修旅行の先見性(1)
    80 かえつ有明の教育空間(了)
    80 海城の将来構想の考え方(4)
    82 知られざる静岡聖光学院の教育の質
    83 聖園女学院の美術
    84 麹町学園女子の人気
    84 読売ウイークリー「浅野」に注目!
    86 聖ヨゼフ学園のもう1つの教育
    87 晃華学園の科学の芽
    87 共立女子のおもしろい≪私学の系譜≫
    89 かえつ有明の教育空間(3)
    89 星城中学校~私立中高一貫校の星
    89 女子学院の教育力
    89 八雲学園の教育の質、飛躍!
    89 白梅学園清修のサポーティブ・バンド
    89 聖徳学園の国際研修旅行の先見性(4)フライブルグ
    89 京華中学の建学の精神「英才教育」
    96 入試問題に見る聖徳学園の教育の質
    97 聖園女学院の勢い
    98 かえつ有明の教育空間(2)
    98 白梅学園清修のサポーティブ・バンド(2)
    98 聖学院の恵まれた教育環境とスピリット

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