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2007年8月31日 (金)

8月アクセスランキング

★8月(8月1日から30日)のアクセスランキング発表。学校関連の記事に限定し、100位(376記事中)まで掲載。学校選択傾向のヒントとして参考まで。[本間 勇人 Gate of Honma Note

1 英国で白梅学園清修一期生が直面した真理
2 海陽中等教育学校は侮れない
3 英国研修でわかる白梅学園清修のすばらしさ
4 白梅学園清修の第1回説明会
5 伸びる聖セシリアの進学実績
6 立教女学院という環境で育つ感性
7 学校選択の変化[17]~筑駒
8 聖園女学院の教育の考え方
8 開成、灘の先生が一燈園で授業
10 学校選択の変化[19]~サレジオ学院
11 学校選択の変化[16]~立教女学院
11 学校選択の変化[12]~吉祥女子
13 学校選択の変化[25]~早稲田実業(男子)
14 学校選択の変化[29]~慶應中等部(男子)
15 Nettyクリエイティブ・スクール(7)~大妻多摩
15 学校選択の変化[20]~明大明治(男子)
15 学校選択の変化[21]~明大明治(女子)
18 学校選択の変化[11]~栄光と聖光
19 加速する白梅学園清修の教育の質
20 学校選択の変化[24]~早稲田実業(女子)
21 学校選択の変化[28]~攻玉社
22 学校選択の変化[15]~豊島岡女子
23 晃華学園の教育力
23 学校選択の変化[26]~立教池袋
25 学校選択の変化[22]~慶應義塾湘南藤沢中等部(女子)
26 学校選択の変化[18]~芝
27 学校選択の変化[30]~慶應中等部(女子)
28 学校選択の変化[23]~慶應義塾湘南藤沢中等部(男子)
29 千葉高校併設型中高一貫教育校開設準備本格化
30 東京女子学園が伸びる理由【2】
31 学校選択の変化[27]~浅野
32 学校選択の変化[31]~香蘭
33 海城の将来構想の考え方(4)
33 学校選択の変化[33]~青山学院(女子)
35 学校選択の変化[35]~桐光女子部
36 学校選択の変化[4]~女子学院
37 晃華学園の教育力の証明
38 学校選択の変化[14]~雙葉
39 学校選択の変化[8]~鴎友学園女子①
40 学芸大附属国際中等教育学校「国内ワークキャンプ」から見えるコト
40 学校選択の変化[5]~駒場東邦
40 学校選択の変化[10]~慶應普通部
43 湾岸エリアに誕生した共学進学校、かえつ有明への大きな期待!
43 学校選択の変化[9]~フェリス
45 かえつ有明の文化再生産システム着々(2)
46 学校選択の変化[2]~桜蔭
46 学校選択の変化[7]~共立①と大妻①
48 自己の閉塞状況を破れる自由の森
48 学校選択の変化[6]~海城①
50 Nettyクリエイティブ・スクール(9)~小野学園女子
51 第二次聖学院教育会議~内面の構造改革へ教育出動
52 学校選択の変化[3]~開成
53 女子美大付属と国立音大附属
53 学校選択の変化[13]~桐朋
55 学校選択の変化[1]~麻布
56 サレジオ学院の魅力
56 大学入試でもパワーを発揮する頌栄女子学院の海外帰国生
58 横浜中~未来の即戦力の博士育成に挑戦【2】
59 麹町学園女子2007年入試の飛躍
59 渋谷幕張のパンフレットから見えるコト(1)
59 6年後横浜山手女子はナンバーワン【1】
59 横浜中~未来の即戦力の博士育成に挑戦
59 学校選択の変化[34]~桐光男子部
64 光塩女子学院の学年共同担任制
64 田園調布学園がエクセレントスクールである理由(1)
64 7月7日新宿で、佐久長聖中学校の説明会開催
64 学校選択の変化[32]~青山学院(男子)
68 東京女子学園が伸びる理由【1】
69 海城の将来構想の考え方(1)
70 神田女学園の教師の高い質(2)
71 6年後横浜山手女子はナンバーワン【4】
71 Nettyクリエイティブ・スクール(8)~大宮開成
73 千代田女学園の改革
74 千葉県私学に新しい風を吹き込む市川学園の教育
75 光塩女子学院の学年共同担任制(2)
76 白梅学園清修の授業
76 学芸大附属国際中等教育学校「国内ワークキャンプ」始まる。
78 知られざる静岡聖光学院の教育の質
78 海城の将来構想の考え方(2)
78 小野学園のビジョンとプラン(1)
78 Nettyクリエイティブ・スクール(6)~大妻
82 新潮流を生み出す日本音楽高等学校
82 湘南白百合の学び観
82 宝仙理数インター第1期生の1ヶ月
85 三輪田学園の新たな不易流行
85 横浜女学院の優しい眼差し
85 神田女学園の教師の高い質(1)
88 函嶺白百合受験チャンス
88 「国際化教育」が世田谷学園の大学進学実績をさらに伸ばす
88 佐久長聖中学校の小さくて大きな感動物語
91 かえつ有明は生徒が増えても1人ひとりに目配り
91 宝仙理数インターの活発な教育活動
93 海城の将来構想の考え方(3)
94 穎明館のハビトゥス
94 筑駒のツッコミ力
96 かえつ有明の新しい実践着々と
96 宝仙学園理数インターの人気
96 渋谷幕張のパンフレットから見えるコト(了)
99 私立学校が継承するもの~麻布の氷上校長語る
99 立教女学院で創造的人材が育つ(3)

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2007年8月29日 (水)

名門校の条件の1つ~学校のリーダーの質

★今年の「NettyLandかわら版」4月号からクリエイティブ・スクールとしての「名門校の条件」を連載している。4月号、5月号は名門校のハビトゥス(文化資本の再生産システム)について、「名門高校人脈」の著書鈴木隆祐さんと同僚の北一成氏との座談会形式でまとめてみた。

★2つの号にわたって「名門校の条件」について考える土壌を耕した上で、6月号からは各学校の「名門校の条件」を具体的に考察することにした。6月号は共立女子、7月号は女子学院。もうすぐ発刊される9月号は海城学園を取り扱った。10月号は来年30周年を迎え、「名門校の条件」を新たにそなえた桐光学園を考えてみようと予定している。

★「名門校の条件」としては、すでに12の指標(※)を提案しているが、結局組織力と同窓力、そして人材力に尽きるというのが実感である。この3つの中で、肌で感じることができるのが、人材力であり、特に理事長、校長、教頭、部長といった学校のリーダーの質は、いろいろな場面で計算できる。

Ctl ★「名門校の条件」シリーズで考えてみようとピントくる学校のリーダーは、優れて戦略家型かつ改革者型リーダー(図の≪CTL≫レベルは4&5ということ)である。「名門校」は、教養やリベラルアーツといったベースが必ずある。このベースは中等教育の期間内に、生徒たちが戦略家型リーダーもしくは改革者型リーダーに育つ学びの環境であり、その環境を設定するリーダーもまた戦略家型あるいは改革者型リーダーなのだと実感している。

★今調べている桐光学園の伊奈校長先生もその一人である。話を聞いていると、物理と弦楽器を超ひも論で結び付けているような超感性的資質をお持ちだということが伝わってくる。量子力学的発想というかボトムアップ型ナノテクノロジー発想をアナロジーとして学園全体の教育プログラムを組み立てているのだと思う。新しい脳科学の成果を踏まえながら未知の課題にもチャレンジしている。男子と女子のそれぞれの差異を考慮しながら、次代を担う人材育成に挑んでいるのだ。

★それに伊奈校長先生をとりまく教員の質の高さには脱帽。層が厚いということなのだが、決して単純なピラミッド型組織ではない。30年間ともに歩んできた仲間としての協働と組織的な情報コントロールの両立ができている。詳しくは「かわら版10月号」で。

★海城学園も古賀理事長と中田先生率いる創発力豊かな同僚の協働関係と情報環境設定の弁証法的組織力は感動的だ。JGは今も矢島楫子初代院長の精神が確かに目の前に生きているということが身体に染みてわかるほどの組織力と同窓力と人材力。

★このような学校のリーダーの姿に出会うのは、意外と簡単である。学校の説明会はなんといっても重要であるが、外部で行っている合同説明会の場は、それが目の前で展開されているのでおもしろい。

★合同説明会に行けば、ブースで説明する教師の中に、校長、教頭先生がいる場合があるのである。学校説明会で顔を覚えておけば、それがわかる。そのような学校は「名門校の条件」をそなえようと考えている学校であることは間違いないし、すでにそなえている場合が多いだろう。

★さらに校長、教頭と同僚の教師の対話が目の前で展開されるのを目撃できる場合がある。そして、その対話の質が、≪CTL≫レベル4以上の場合、感銘を受ける。

★共栄学園の伊藤教頭が、多忙で疲れているにもかかわらず、受験生及び保護者と対話している場面に最近遭遇したことがある。若い先生方の教頭に対する心配りが美しかった。また若い先生方が臨機応変に会場中を歩き回り、学校をPRしていたし、そこで得た情報を伊藤教頭に知らせたところ、すぐに議論が起こり、次のアクションに速やかにみな移っていく組織力はなかなかのものだった。男女共学になってから7年目を迎えるが、人気は増すばかり。なるほどなと納得した。

★一方綻びもみえる学校もある。全体としてはまだまだ「名門校」であるが、組織力がピラミッド型主義になっているにもかかわらず、先生方の言動の情報コントロールができていない学校である。言っていることは一般論理的には正当だが、その場で言うことではない。つまり妥当でないと思わせる言動をとる現場の教師が目立ってきている学校である。ステークホルダー対策ができていないから、信頼を喪失するベクトルが大きくなっている。

★この負の口コミを抑えるコストは膨大である。言葉は正しい事実を伝えるだけではなく、妥当性と信頼性という評価が伴うものだ。「正当性」「妥当性」「信頼性」のバランスを欠いた言動は、聞き手のモチベーションを下げるし、聞き手に懐疑心を生むし、ついには信頼を失う。「名門校の条件」という切り口で学校を見ていくと、「昔からの名門校」「現在進行形の名門校」「未来の名門校」「衰退期にはいる名門校」というのが見えてくる。学校選択はなるほど肝要なのである。[本間 勇人 Gate of Honma Note

※「12歳のための12の学校選択指標」

(1) 自己実現プログラムの自覚的実行力

(2) 教師の創造的コミュニケーション能力

(3) 時代の変化への対応力

(4) 本格的論文編集指導力

(5) プログレッシブな授業構築力

(6) 総合学習と他の教育活動の有機的結合力

(7) 現地校で耐えられる英語教育力

(8) あらゆる教育活動でのIT活用力

(9) 他教科に刺激を与える芸術教育力

(10) キャリア・デザインとしての進路指導力

(11) 生徒の潜在能力を引き出す教育空間デザイン力

(12) 説明会の表現力(教育理念の具体的展開のプレゼン)

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「学業成績と人格は比例する」が意味するコト

★8月6日に、本ブログ「開成、灘の先生が一燈園で授業」で紹介した夏期塾の授業がついに行われたようだ。

京都新聞によると、

一燈園小中高校の人間教育に注目する全国の教師や大学教授ら16人が、一燈園中高生31人と校外から参加の小学6年-高校2年の9人計40人に3日間、数学、英語、国語、歴史、地理、物理、生物、バイオサイエンスなどを教える。一方で、生徒と教師が一緒に朝課(朝の礼拝)と近くの公立小のトイレ掃除を体験、人格教育の根底にある一燈園の精神をかみしめる。初日の数学の授業では、筑波大付属駒場中高校で長く教えた井上正允・佐賀大教授が生徒にデザイン定規を贈り、花びら模様を描きつつ最小公倍数の発見をリードし、数学の楽しさを伝えた。

★また、橋本弘正・開成中高校元教頭は「生徒の学業成績と人格は比例する」と指摘されたとも。もちろん橋本先生の語られる「学業成績」は、受験勉強の成績のことだけを言っているのではない。幅広いそして奥深い読書や先人たちの知恵に耳を傾ける「教養」を背景にした「学業」のことを指している。このような「学業」に精進すれば、受験勉強の成績も上がることは間違いない。

★そして「人格」もまた、「教養」を背景にした理性の枠内の宗教的素養と芸術的素養のことを指しているはずだ。橋本先生が「比例」と語られたのは、おそらく比喩で、「学業」成績と「人格」は、「教養」によって関係付けられているということを示唆されているのだと思う。勉強ができる人が偉い人であるという意味ではないのは言うまでもない。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月27日 (月)

白梅学園清修の第1回説明会

★今年の白梅学園清修第一回目の説明会(8月25日)は、昨年以上に、多くの学校選択者が参加したようだ。清修のサイトの最新の“Topics”によると、「第1回説明会の参加者数は一昨年が60名、昨年が100名、そして今年は170名」ということだ。毎年昨年対比170%という増加率である。

★このような事態は、業界でも謎の1つであろう。がんがん塾周りをやっているわけでもない。がんがん広告費を使っているわけでもない。しかもベテラン教師よりも若くて新卒の教師のほうが多い。ブランディング戦略をとっているわけでもない。大学進学実績が出ているわけでもない。

★一般的な広報戦略をとっているわけでもないにもかかわらず、参加者が増えている。ただひたすら出会った学校選択者と丁寧に対話をしているだけだし、しかも相手の話をよく聞きながらも迎合することもない。在校生やその保護者とじっくり話し合う時間が多いだけに、広報活動に力が注げないのが現状である。

★にもかかわらず、発進力のパワーがものすごい。脱時空戦略をWebによって行っている。“Topics”と“保護者連絡システム”というブログとイントラによって、受験生、在校生、保護者、教師の密なネットワークのシナジー効果が生まれている。その威力がまことに凄い。参加者の相互依存、透明性、開放性、安定性の質が高いということを言いたいのだ。

★柴田教頭先生などは、CNNのLarry King Liveでお馴染みのLarry Kingのような対話をする。ラリーはThe Basics of Successful Conversationとして4つの条件をあげている。

①Honesty

②The right attitude

③Interest in the other person

④Openness about yourself

★まさに柴田教頭先生をはじめ白梅学園清修の先生方の対話は4つの条件を満たしている。 Larry Kingがあれだけの人気を得たのだから、清修の人気も納得がいく。ただし、Larry Kingが活用したメディアは、ラジオやテレビ。清修の活用しているメディアはWebである。白梅学園清修の生徒募集戦略は、広告業界においてもフロントランナーになるかもしれない。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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筑駒のツッコミ力

★『名門高校人脈』(光文社新書)の著書、鈴木隆祐さんは、昨年読売ウイークリーで「最高の授業」を連載。30校以上もの私立・国立中高一貫校の授業を取材し、その特徴を鋭く描きました。そんな鈴木さんと話をしているとき、筑駒の授業の話になりました。「とにかく生徒たちのツッコミの量とレベルがすごかった。灘の授業も生徒たちが前のめりになっていたのには驚いたけれど、筑駒の生徒たちと教師のやり取りには感服した」と目を輝かせていました。

★このツッコミこそ、筑駒の学問に対する典型的な構えなのでしょう。鈴木さんはそれを鋭く見抜いたのです。この話を聞いたとき、あっなるほど、筑駒の国語の問題は、まさにツッコミ力を試す問いばかりだなと思いました。入試問題はまさに学校の顔なのです。

★たとえば、2006年に筑駒が出題した物語。切り取られた場面の情報だけで、人物関係を紹介すると、七蔵というおそらく料理職人に元さむらいの庄左衛門が料理のワザを習っている。そのときの会話の部分。

★庄左衛門が大根を初めて洗います。たかが野菜とたかをくくっていましたが、七蔵の洗ったものと比べて、色つや輝きが全く違うのに驚きます。そして次のような自問自答と会話が行われます。

(これはどういうことだ?)庄左衛門は自分に問いかけました。(ふうむ。同じ水で洗うたのにな)これが同じ大根かと思うほど違って見えるのです。「庄さん、今日はこれでお昼にしましょうか」「・・・あ、はい・・・。」庄左衛門は、小さな声で返事をしてしまいました。できればもう少し続けたい、いや、はじめから洗い直したいくらいでした。たかが大根を洗うだけなのに、どうしてこれだけの違いが出てくるのでしょうか。

★さて、ここで問いかけです。「小さな声で返事をしてしまいました」とありますが、それはなぜですかというわけです。何だ簡単ではないか。直前と直後に答えが書いてあるではないか。同じ水で洗っても洗い方で全く違って見える、もう一度チャレンジしたいと思ったからか、とにかく驚いて心奪われたからか、そんなところではないかと。

★たしかにこの箇所だけ読めば、そんなところですが、「小さな返事をしました」ではなく「小さな返事をしてしまいました」と表現されています。いつもなら小さな返事はしないのでしょう。しかも「・・・」という元さむらいらしくない会話の表記まで使われています。ただ目の前で起こったことに反応したからという理由だけでは、自分に対するツッコミがたりません。いつもとは違う庄左衛門の心の変化を読み取る必要があります。

★実はこの問いは最終問題で、ここにいたるまでに、大柄な元さむらいの態度を表してしまう庄左衛門の言動を掘り起こすツッコミ問題が3題問いかけられています。

★このツッコミ問題を考えてから、このファイナルツッコミ問題を解くと、さむらいのプライドが自然と消えて、料理の道に感動している新しい庄左衛門の姿が現れてきます。

★筑駒の問いかけは、さらっと読みすごしてしまいそうなところにツッコミをいれます。読みすごしてしまうぐらいの箇所ですから、改めてツッコマれると答えが表面的になりがちです。ツッコミ力とは表面的な理由や因果関係を理解するための力ではなく、その背景で変化する複雑な関係を掘り起こす力です。だから当然それぞれのツッコミは関連があるのです。この関連を見破るには、自分で自分にツッコミを入れるトレーニングが日ごろからなされていることがポイントですね。

※この記事は、『マルいハートでアタマもマルく。』(2007年1月5日)に掲載した文章の転載。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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立教女学院で創造的人材が育つ(3)

立教女学院で創造的人材が育つ(2)のつづきです。これまで、創造性を育む要素<好奇心>と<オープン・マインド>を生む立教女学院の教育空間の話をしました。今回は、<批判的精神>を育む立教女学院の教育空間についてご紹介しましょう。

★もっともこれについては、時間がなくて、十分にお聞きすることはできなかったのですが、「Netty Land」講演会「クリエイティブ・スクールを探せ!~私学の教育環境を考える~」で講演された特別ゲスト片桐郁夫氏(株式会社一粒社ヴォーリズ建築事務所会長)の話が大きなヒントになりました。

★批判的精神は授業の中で行われる教師と生徒の問答の中でこそ育まれるものですが、教育空間からも刺激を受けるものなのです。

★片桐氏はヴォーリーズの建築の思想の中にはこういうのがあるのだと語っていました。建築は建築家にとっての作品ではない。自分のアイディアを前面に出すことではなく、クライアントの意図をどれだけ反映できるのかという奉仕の精神が大事なんだと。

★もちろん、その意図が本当にクライアントの思いから出てきていない場合、対話によってクライアントの本当の意図を引き出していくという作業も大事で、この対話も奉仕の精神の一環だよということでした。

★だから、無駄な空間、つまり日常生活で全く使われないような空間は創らないのだそうです。光熱費が無駄にかかっているということは、単純にお金がもったいないということではなく、自然が無駄に使われるということでしょう。

★また一見無駄に見える廊下や庭にある対話スペースは、たいていの生徒たちは大好きです。友人同士でワイガヤを行えるからですね。こういうスペースはむしろ積極的に作られるわけですね。

★このようにこの空間は自分たちにとって居心地がよいのか、気持ちが良いのかという判断をするきっかけを与えてくれるのが、巧まれた教育空間なのです。判断力こそ批判的精神の重要な基準だからです。

★そしてもう1つ大事なことは、この判断力が個人的な趣味で終わらないということです。できるだけ普遍的な精神に基づいて判断されるというのが、ポイントです。個人的な判断基準は、批判ではなく非難になる場合が多いからですね。

★そこでヴォーリーズの精神が参考になります。ヴォーリーズはキリスト教の布教も目的で、日本にやって来ていました。だからかもしれませんが、自分のためにではなくクライアントに奉仕するために建築をするのだという精神は、キリスト教の精神に通じているのですね。聖書の中に「あなたがたのうちでいちばん偉い人は、仕える者になりなさい」という言葉があるのです。

★キリスト教精神は、普遍的精神の1つのあり方です。立教女学院の生徒たちの批判的精神は、このような建築の精神と重なるのです。

※この記事は、『マルいハートでアタマもマルく。』(2007年5月15日)に掲載した文章の転載。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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立教女学院で創造的人材が育つ(2)

立教女学院で創造的人材が育つ(1)のつづきです。前回は創造性を育む要素<好奇心>を生む立教女学院の教育空間の話をしました。今回は、オープン・マインドを育む立教女学院の教育空間についてご紹介しましょう。

★山岸教頭先生は、チャペルの天井の高さを強調されていました。人間の存在を超えた大きな存在に対する畏敬の念が生まれてくるということです。自分が小さな存在であることに気づき、もっと大きな存在を受け入れた時、素直な気持ちになりますね。それがオープン・マインドの1つのあり方です。

★それから校舎自体が芸術的価値のある建物です。芸術的美しさ、美的感度はオープン・マインドがなければ感じないでしょう。同時に強烈な芸術性はイメージを拓かないわかにはいきませんね。

★それから立教女学院の生徒たちはハンドベルをチャペルで演奏します。この行為は一見教育空間とは関係ないと思うかもしれません。音楽が旋律が心を開いていくのだと言われるかもしれません。しかし、山岸教頭先生はこう語ります。「ハンドベルの音色は天井が高くなければ最適な響きが生まれないのです」と。心を開く建築が設計段階で巧まれているというわけです。

※この記事は、『マルいハートでアタマもマルく。』(2007年5月14日)に掲載した文章の転載。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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立教女学院で創造的人材が育つ(1)

★5月12日(土)に聖学院で行われた「Netty Land」講演会「クリエイティブ・スクールを探せ!~私学の教育環境を考える~」には、ゲスト校として立教女学院からは山岸教頭先生が参加してくれました。

★6年前当時杉山先生が校長時代に訪れたことがあります。まだ幾つかの校舎は建築の最中だったと記憶していますが、山岸教頭先生のお話からはその当時の立教女学院の教育の質がそのまま伝わってきました。

★そして当時から何となく感じていたことが明確なイメージとなったのです。

それはチャペルが幾つもあり、チャペルごとにパイプオルガンが違うということが、生徒たちに好奇心を刺激する教育空間そのものが持つプログラムであるということ。突然広がる緑の広大な芝の庭園。このランドスケープが生徒たちが好奇心を生み出す空間そのもののプログラムだということ。緑豊かな自然を随所に配置している空間そのものが生徒たちの好奇心を生み出すプログラムであるということ。突然狭く天井の低い廊下をわたってチャペルに入ると天井の高いチャペルの空間がパッと広がるという空間の変化に富んでいることが、生徒たちの好奇心を刺激するということなどについて確信を持てたのです。

★山岸教頭先生ご自身、教育空間の環境について語りたいことは山ほどあるのですが、数字で表せるものではないので、一般の学校説明会では語り尽くせないとおっしゃっていた。いつもとは違う学校の先生の≪言説≫に、やはり私立中高一貫校の深さに感服せざるを得ませんでした。

★教育空間を構成する自然の素材の違いや空間の変化は、生徒たちの五感を揺さぶります。微妙な違いと大きな違いという違いがまたもう1つの(少し次元の高い)五感の揺さぶりに発展します。

★生徒たちは、五感が揺さぶられると、「えっ?」、「あっ」、「へぇ~」といった驚きや感動に飛びます。つまり意外性を感じるのです。この意外性こそ好奇心を拓く瞬間ですね。

★好奇心は、対象に対し前のめりにします。つまり自主的に動かないではいられなくします。好奇心→自主的にと進めば、もう創造的な行為や思考が回転し始めます。晃華学園の生徒たちは、学校の庭のある道に「哲学の道」と名づけた時がありました(現在は新築校舎の工事のためになくなっていますが、やがてまたできるでしょう)が、自然と空間の変化の中を散策することが、イメージを広げ思索を深めるきっかけをつくるのは、古今東西どこでも同じなのです。立教女学院の教育空間にも同様のプログラムが存在していたのです。

★自然や空間の変化は五感に刺激を与えますが、この刺激は微妙な違いを五感に与えます。風の向きや強さは常に変わります。緑の色もすべて同じではないですね。草花の香りも様々です。ほのかな違いではありますが。パイプオルガンによって違う音色は響きの違いを伝えます。違いとはズレです。ズレは気付きに直結するのです。気付きは同時に好奇心でもあるわけです。好奇心が大事だとは誰でもが知っていることです。でも好奇心を生み出すプログラムは、意外と知られていません。ここがきちんとプログラムとして設計されているかどうかが、質の高い教育を実行しているかどうかのポイントです。もちろん立教女学院の教育はダイナミックで繊細だということがおわかりいただけたことでしょう。

【関連Hot News】立教女学院という環境で育つ感性

【関連ホンマノオト①】立教女学院[1] -多様性の統一性が育つ教育と

【関連ホンマノオト②】 立教女学院は教育理念があらゆる教育活動に浸透している

※この記事は、『マルいハートでアタマもマルく。』(2007年5月13日)に掲載した文章の転載。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月26日 (日)

学校選択の変化[35]~桐光女子部

学校選択の変化[34]~桐光男子部のつづき。全国中学入試センター制作の「志望校調査集計レポート」では、桐光女子部の三回目の入試について、次のようなコメントを載せている。男子の場合とは違い、この見解には賛成。

去年から4回から3回入試になった。志望者平均偏差値は若干下がったが、志望者数はこの3年で最多だ。偏差値45~50、50~55の層がかなり厚みを増しているので、R4・R3付近はかなり熾烈な入試となるだろう。試験時間・配点を変更する。

◆2005データ 桐光女子部①
桐光女子②・大妻多摩①・多摩聖丘②・大妻多摩③・日本女子②・桐光女子①C

◆2006データ 桐光女子部①
桐光女子②・桐光女子③・桐蔭③・大妻多摩①・日本女子・桐蔭中等①

◆2007データ 桐光女子部①
桐光女子③・多摩聖丘②・桐光女子②・日本女子・カリタス③・恵泉②

★男子と同じように、併願選択に変化が現れている。やはり微妙でわかりにくいが、その変化として次の3点が考えられる。

(1)桐光女子部ファンという選択者が多くなったている。

(2)桐蔭との併願が、徐々に少なくなっている。

(3)カリタス、恵泉の嗜好性と桐光女子部の嗜好性が重なってくるということは、桐光女子部が、男子同様に、先行投資型受験指導戦略(エリートスクール)から自己実現型進路学習戦略(エクセレントスクール)に移行しつつあると学校選択者が認識し始めたことを意味する。

★桐光女子部の評価はかなりあがっている。クオリティ・スコアも2.8以上だし、R4も50以上だから、エクセレントスクール。学校選択者の意識とスコアの両者が一致している。今後の動向を注目したい学校である。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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学校選択の変化[34]~桐光男子部

学校選択の変化[33]~青山学院(女子)のつづき。全国中学入試センター制作の「志望校調査集計レポート」は次のようなコメントを載せているが、私と若干見解が違うようだ。

2月1日入試を廃止して2年目。志望者数全体は05年調査に比べて増えているが、06年も今年も上位生の伸びはあまり目立たない。「交通の便」が志望理由の第1になっているのは、受験生の通学区域の広がりのなさなのだろうか。難易度は昨年並みだろう。

◆2005データ 桐光男子部①
桐光男子②・浅野・桐光男子①C・桐朋・桐光男子①A・サレジオB・桐蔭③

◆2006データ 桐光男子部①
浅野・桐光男子③・桐光男子②・桐蔭③・桐朋・穎明館②・桐蔭①

◆2007データ 桐光男子部①
桐光男子③・桐光男子②・浅野・武蔵工大付・サレジオB・世田谷②・桐朋

★併願選択に変化が現れている。まだ微妙でわかりにくいが、その変化として次の5点が考えられる。

(1)完全に桐光男子部ファンという選択者が圧倒的に多くなったている。

(2)桐蔭との併願が、徐々に少なくなっている。

(3)武蔵工大、世田谷学園、桐朋との併願は、東京エリアの居住者が多くなっているから。

(4)また世田谷学園、桐朋の嗜好性と桐光男子部の嗜好性が重なってくるということは、桐光男子部が、先行投資型受験指導戦略(エリートスクール)から自己実現型進路学習戦略(エクセレントスクール)に移行しつつあると学校選択者が認識し始めたことを意味する。

(5)したがって、何も遠くのエクセレントスクールにわざわざ行くことはないのである。桐光の「桐」は桐朋の「桐」であり、桐蔭の「桐」ではない。「光」は栄光や聖光の「光」に匹敵する。もっとも栄光、聖光の「光」は神の光であるが、桐光の「光」は生徒と教師の知の光であるが。学校選択者は、この点に気づき始めたのであろう。

Photo ★こう考えていくと、全国中学入試センター制作の「志望校調査集計レポート」の<「交通の便」が志望理由の第1になっているのは、受験生の通学区域の広がりのなさなのだろうか。>という消極的なコメントは、「交通の便が志望理由第1位であるということは、近いところに、桐光というエクセレント・スクールがあってよかったという気持ち示している」と理解するのが妥当ではないか。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月25日 (土)

学校選択の変化[33]~青山学院(女子)

学校選択の変化[32]~青山学院(男子)のつづき。青山学院(女子)の併願校は大きく変化か。全国中学入試センター制作の「志望校調査集計レポート」は次のようなコメントを載せている。

志望者数は減少したが、平均偏差値はほとんど変化がない。志望者が減少している偏差値ゾーンは45~50で、むしろ上位層、特に60以上は116%増。志望者に占める東京都下生の割合は9.2%から5.7%にダウン。明大明治、法政大学中などの影響が都心にも及ぶ。

◆2003データ 青山学院(女子)
慶應中等部・東邦大東邦(前)・早稲田実業・市川①・東洋英和B・洗足③

◆2004データ 青山学院(女子)
慶應中等部・浦和明の星①・市川①・女子学院・渋谷幕張①・学習院女子B

◆2005データ 青山学院(女子)
浦和明の星①・共立C・早稲田実業・市川①・渋谷幕張①・頌栄②

◆2006データ 青山学院(女子)
浦和明の星①・早稲田実業・市川①・共立C・女子学院・渋谷幕張①

◆2007データ 青山学院(女子)
浦和明の星①・共立C・頌栄②・女子学院・学習院女B・立教女学院

★男子同様「都内及び都内に近い神奈川エリア居住の早慶上智・MARCHクラスかつ大学付属志向の選択者は、青山学院を選んでいる。」06年までは、浦和明の星、市川、渋谷幕張、早稲田実業、共立、女子学院という併願で固まるかと思われたが、やはり調査レポートにあるように、西調布に移転する共学校になる明大明治、また法政大の共学化、早稲田実業の募集定員縮小などの影響は大きい。

★浦和明の星、共立、女子学院を中心に、同じような質を持っている東京エリアの学校が他に選ばれる傾向になるのだろう。今年は頌栄、学習院女子がでてきた。都心優位の併願のなかで、立教女学院がでてきたのもおもしろい。立教女学院の真価が広く知れ渡ってきたことが示されているのかもしれない。今後の動向を注目したい。ともあれ、2007年の青山学院(女子)の併願選択には、一本筋が通った選び方になっている。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月23日 (木)

横浜中~未来の即戦力の博士育成に挑戦【2】

★前回「横浜中~未来の即戦力の博士育成に挑戦」では、横浜中の現実を通しての先見性について考えてみたが、その先見性というビジョンが、今回の横浜中学校「校外発展学習 in もてぎ」プログラムに具体的にどう結びついているのか、マクロとミクロのループの仕掛けというか工夫について思い巡らしてみたい。

★未来の博士は専門的な知識や技術を身につけ、サバイバルスキルを身につける必要があるが、それは中学段階では基礎学力と4X(体験experience・探究explore・議論exchange・表現express)にそれぞれ対応する。

★Hondaのサーキット場ツインリンクもてぎには、自動車の文化・技術・デザインの歴史をリサーチするホンダ・コレクション・ホールという学習フィールドがある。また、ヒューマノイド・ロボットASHIMOについてリサーチしたり、環境問題とその解決について考える学習フィールドがある。さらに広大な里山が復元されていて、自然に直接触れながら自然・社会・精神を貫く生態系について考える場所がある。

★横浜中の生徒たちは、ふだん学校で学んでいる自然科学と社会科学の基礎学力を使って、体験から感じたものを結びつけて、自分たちのテーマを発見し、探究し、プレゼンしていく。

★しかし、ここに大きな問題が横たわる。横浜中に限らず、机上で基礎学力としての知識をたくさん蓄積している生徒たちは、体験しても、体験から感じたものにこだわることなく、多くの既知だけをつなぎ合わせて、作文してしまうのである。いわば、体験知と蓄積知とが結びつかないのである。それゆえ、模範解答はすぐにできるが、リアリティがないままで終わりかねない。

★そこで、大場先生とHonda「発見・体験学習」推進チームのスタッフは、事前に相当打ち合わせをし、体験知と蓄積知が結びつく工夫をした。

①チーム学習

②メンバー編成は中1から中3の混合

③共に直接観る・触れることによって多様なイマジネーションを触発する

④生徒たちが考えたことに対し、正解を照合するのではなく、さらに疑問をぶつける

⑤Hondaの現場のスタッフにインタビューする機会を作ったり、アドバイスしてもらう機会をつくる

★チーム学習は、いつもの教師同伴の学習ではなく、いわば教師無し学習になるから、正解がなんであるかわからない状態になる。その不安状態をチームワークで乗り切る環境をつくることになる。議論したり、考えたりすることとエモーショナルな気分がぶつあり合い、考えるというリアリティが生まれることを期待。

★さらに中1から中3までの混成チームの場合は、同じ体験をしても感じ方が相当違い、その差異を互いに受け入れることはなかなか難しい。この難しさが頭で考えている以上の壁を生み出す。世の中うまくいかない。空想と想像とは全く違うのである。

★いま、ここで、同じものを観て、触れているのにイメージすることが違うという体験。これは話してみなければわからないが、ピア議論することで、違うということに驚きの色は隠せない。相互理解、自分の気持ちがどう伝わるか、すべてが同じ解き方の日常の勉強というものだけでは、通用しない大きな学びが存在しているという実感。

★豊かな生活をつくるには・・・と提案するや、「豊かな」の意味を問い返される。一語一語の重さを考えずに、日常的な意味合いで論理を組み立てていたことに、驚く瞬間。リアリティのある言葉の探究。論理はそこからやっと組み立てられるという充実感。

★生徒たちにとって未知の空間で考え、働き、生活しているスタッフたちの言葉に触れる機会。実はこれが最も本物に触れる体験なのである。自分たちの興味のあることをどこまでも質問する。その問答の無限の連鎖が、本物を吸収するフィルターになる。

★おそらくそんなことを大場先生と推進チームのメンバーは議論して、プログラムをデザインしたのだろう。プログラムとはビジョンと生徒たちの現状を結び付け、現状に革新を与える創意工夫なのである。プログラムなきビジョンは、スローガンに過ぎない。そして学校において、ビジョンを現場の革新に結びつけるプログラムの実行には、タフな戦略型リーダーの教師の存在が欠かせない。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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なぜブログか?≪補足≫

★東浩紀さんの「情報環境論集」(講談社)をつまみ読みしていたら、たいへんおもしろい参考論文が紹介されていた。

James F. Moore(Berkman Center for Internet & Society)の“The Second Superpower Rears its Beautiful Head”で、そこにこんな一文があった。

Meta-blogging sites crawl across thousands of blogs, identifying popular links, noting emergent topics, and providing an instantaneous summary of the global consciousness of the second superpower. 

★前回なぜブログか?でくどくど書いたことが、このたった一文で表現されているので、参考まで。

★それにしても東浩紀さんの論考は、実に楽しい。中学受験生の未来像が描かれているからだ。私立中高一貫校は、東浩紀さんの思想をどのように乗り越えられるかが課題。海城学園はすでに取り組んでいるから、さすがである!

★東さんの論考は、一見複雑だけれど、20世紀以降を、近代とポストモダンの対立軸でとらえ、選択は読み手に任せるという姿勢。近代の人間は規範を内面化するが、ポストモンダンの人間は動物化・・・。

★≪私学の系譜≫は、もう1つの近代の立場に立つから、人間を、規範を内面化するという内面化と外面化の二項対立ではとらえないだろう。ここらへんは麻布の氷上校長先生に語ってもらうしかないが、対立軸的な発想とは微妙に違う話になるだろうから、おもしろいと思う。

★それにしても国立や公立の中高一貫校の文化は、美しくも「対立軸」の設定に終始するような気がする。やっぱり、日本の近代も、ポストモダンもカント主義から逃れられないのかもしれない。ちなみに東浩紀さんは、日能研渋谷校→筑駒→東大という進路。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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横浜中~未来の即戦力の博士育成に挑戦

横浜中の中学1年生から3年生有志38名が、本田技研工業株式会社と協働して、横浜中学校「校外発展学習 in もてぎ」を実施している。2泊3日の滞在型チーム学習。

★昨年までは「理科」という教科枠で実施していたが、今年は、その枠を外した。横浜中の大学進学実績は年々伸びている。今年は飛躍したといえるほどだが、学校当局の目標はそれで終わりではない。1人ひとりの今ここでという学校生活の充実を通して、それが生徒1人ひとりの未来につながっていなくては、中高一貫の教育力とはいえないと考えているようだ。

★現在の中高生は、そのほとんどが大学院に進む世界になっているだろう。法律も経済も教育も専門職大学院が着々と用意されている。すでに企業の技術系採用実績においては、80%が修士と博士出身である。

★横浜中は男子校であり、理数系に進学する生徒が多いだろう。そうなると大学に進学する学力だけではなく、さらにその次のステージに進める力を養っておかねばならない。そういう力は大学にはいったら大学で養えるのではないかというと、技術面においてはそうなのだが、今最も重視されているコミュニケーション能力、チームスキル、メンタースキル、リーダーシップなどのサバイバル・スキルについては、中学時代から養っておくことが先見の明ありということになる。

★というのもITバブルがはじけるあたりから、すでに米国でポスドクの問題(理系の博士課程終了の多くの人材が、就職できない問題)が沸騰していた。彼らの問題は技術や専門知識ではないのである。サバイバル・スキルがない(つまりタコつぼ型職人なのだ)ため、いっしょに研究開発や仕事ができないのだ。コラボレーションのない仕事は、今の世の中には存在しないのである。

【関連記事】米国科学アカデミーのキャリアガイドに学ぶ

★5年ほど遅れて、日本もやっとそのことに気づき始めた。そしてやっと今月文部科学省は<2008年度から産業界と連携し、理系の博士課程の学生やポストドクター(博士研究員)を企業へ長期間派遣する「博士版インターンシップ」を始める。コミュニケーション能力や商品開発など事業につながる知識を獲得してもらい、即戦力の研究者を育成する。初年度は約500人派遣する計画。博士の高い専門知識を競争力向上に結びつける狙い>ということだ。(日経新聞2007年8月20日)

【関連記事】イノベーション創出を担う理工系博士の育成と活用を目指して

★このような流れが生まれたのは、1996年に政府が「ポストドクター等1万人支援計画」を打ち出したためだ。今では15000人強の人材が博士課程に。しかし、その受け皿が十分ではない。その背景に競争原理を入れているから、熾烈である。専門知識の充実と豊かな発想力とサバイバル・スキルを身につけていないと、頭がよいだけでは生きていけないのである。

★横浜中の教育力は、そのような外部環境の大変化を受け入れ、生徒1人ひとりの未来を逆算してキャリア・デザインを考えている節がある。だから、今回のプログラムのキーフレーズは、

①自由に発想・表現

②正解はない

③38名それぞれがスペシャル

④一人一人がどう感じたかを表現する

⑤お互いを認め合える安全な場

★①②③には1人ひとりのタレントやテクノロジーを引きだす意図があるだろう。④⑤にはトレランスという寛容性の育成。これがベースにあるからこそ、コミュニケーションやリーダーシップがうまくいく。未来のクリエイティブ・クラスの人材を育成することは、世界標準の教育である。このような人材が実際に大活躍しているHondaと協働する理由もよく理解できる。横浜中の現実を通しての先見性は、確かなものになっている。これが大学進学実績の飛躍に反映しているのである。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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学校選択の変化[32]~青山学院(男子)

学校選択の変化[31]~香蘭のつづき。青山学院(男子)の併願傾向は完全に大学附属。

◆2003データ 青山学院(男子)
市川①・立教新座①・慶應普通部・学習院中等科②・慶應中等部・法政第二②

◆2004データ 青山学院(男子)
立教新座①・東邦大東邦(前)・立教池袋②・慶應中等部・渋谷幕張①・市川①

◆2005データ 青山学院(男子)
立教新座①・市川①・法政第二②・明大中野②・立教池袋②・学習院中等科②

◆2006データ 青山学院(男子)
慶應普通部・法政第二②・早稲田実業・立教新座①・学習院中等科②・芝②

◆2007データ 青山学院(男子)
立教新座①・明大中野②・立教池袋②・慶應普通部・学習院中等科②・早稲田①

★中高一貫校に関しては、青山学院以外は、多摩エリアから埼玉にかけて集結。したがって、都内及び都内に近い神奈川エリア居住の早慶上智・MARCHクラスかつ大学付属志向の選択者は、青山学院を選んでいる。地政学的に、結果的にではあるが、東大をはじめから狙わないグループの男子選択校グループの中核校になる可能性が見えてきたか。≪私学の系譜≫からいけば正統派の中の正統派ということになるが・・・。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月22日 (水)

カトリック校の革新性を求めて[2]

10月6日(土)暁星中学校講堂で、東京エリアのカトリック校<有志>合同講演会がある。予定参加校の中に聖心女子学院と聖ドミニコ学園があるのを見て、あっ、正田一族つながりだなと思いついた。

★正田美智子さま、つまり皇后美智子さまは、中高大学時代は聖心女子学院で過ごされている。この正田一族の中に中高時代を聖ドミニコ学園で過ごされた親族がいる。両カトリック校はフランスに縁がある修道会でもある。もちろん、聖ドミニコ学園のルーツはスペイン。しかし、13世紀に修道院が創設された当時、パリ大学の神学部の席を牛耳っていたのはドミニコ会修道士たちだ。フランス革命を支援したのもドミニコ会修道士だと言われている。

★また学校の敷地についても、両方とも本格的な大名屋敷の跡地を所有しているわけではない。今の聖心女子学院のある場所は、周りは寺社に囲まれた鎮守の森的な場所だったのではないだろうか。江戸の大名屋敷は、やはりなんといっても江戸城を中心とする回りだろうし、城下町は浅草、深川の方向に広がっていたはずだからだ。自然を大切にする発想があるということ。

★今の聖ドミニコ学園も用賀や二子玉川から歩いていける場所で、国分寺崖線の上にあるわけだから、森だったに違いない。この地は岩崎家の洋館が、今は静嘉堂文庫として美術館になっているが、岩崎家をはじめとする政財界人別邸があったところ。やはり自然がポイント。今の聖ドミニコ学園の場所も岩崎家の日本家屋の別荘が建っていたところで、幣原喜重郎総理が住んでいたとか。幣原喜重郎は外交官出身だったから、松方一族の系譜の松方幸次郎とも親しかったに違いない。松方家は岩崎家と親族関係を結んでいたから、なおさらである。

★この松方幸次郎、松方コレクションであまりに有名だが、確か幸次郎の娘がドミニコ会修道会に入信し、理事長として聖ドミニコ学園を盛り上げたのではなかったか・・・。記憶違いがあるかもしれないが、岩崎―松方つながりがあることは間違いない。いずれにしても、偏差値が完全に見えなくしている、このようなハビトゥス(文化資本の再生産システム)が両校にはある。偏差値は重要だが、私立中学受験業界やマスメディアは、忘れてはいけない教養も必要。現実は自ら私立中高一貫校の文化を貶めている矛盾に遭遇しているが・・・。

★皇后美智子さまが、98年、インドのニューデリーで開催された国際児童図書評議会(IBBY)第26回世界大会において、ビデオテープでではあるが基調講演をしている。IBBYの運動は戦後被害にあった子供たちの心を読書を通して救おうとするところから始まった。欧米の<読解リテラシーの養成>の背景には、こういう問題が横たわっている。IBBY創立者イエラ・レップマンは、ユダヤ系であるから、なおさら平和問題は重たい課題。

★ともあれ、その基調講演は「橋をかける」(すえもりブックス)で読むことができるが、皇后美智子さまは講演をこう祈られて結ばれている。

どうかこれからも、これまでと同じく、本が子供の大切な友となり、助けとなることを信じ、子供達と本とを結ぶIBBYの大切な仕事をお続け下さい。

子供達が、自分の中に、しっかりとした根を持つために

子供達が、喜びと想像の強い翼を持つために

子供達が、痛みを伴う愛を知るために

そして、子供達が人生の複雑さに耐え、それぞれに与えられた人生を受け入れて生き、やがて一人一人、私共全てのふるさとであるこの地球で、平和の道具となっていくために。

★このさりげない祈りは、OECD/PISAの国際標準の読解リテラシーのレベル5をはるかに超えるクリエイティブ・コミュニケーション能力を、すべての子供達にと祈っているのである。そして、最後のフレーズ、「平和の道具」は、聖フランシスコの祈りのキーワードである。皇后美智子さまは、それをどこまで意識されたのかわからないが、カトリック学校の文化資本の再生産システム“ハビトゥス”の影響にあることは確かではないだろうか。カトリック校の革新性、それは世界標準をも超えるパワー・・・。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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なぜブログか?

★新聞社をはじめ、各マスメディアや企業でブログを活用しているところが多くなった。私立中高一貫校でもブログやそれに相当する機能を活用する先見の明のある学校もでてきた。海城学園、小野学園女子、白梅学園清修、かえつ有明などとにかく更新率が高いのは、そういうわけなのである。

★検索エンジン、RSS、語彙検索ソフトの機能は日進月歩、いや時進日歩の勢い。これはグローバル・ブレインとしての知の進化を促進するものでもあるが、イノベーションには金がかかるので、マーケティングの道具としてもかなり使われている。いやこちらの方が主流なのかもしれない。検索エンジンや語彙検索ソフトの進化は、ネット・アンケートのようなマーケティング手法とは違い、ダイレクトに自由記述である文章を解析できるからである。

★特に日本のブログは、匿名性が高く、本音や個人的嗜好が日記風に書かれている場合が多いので、企業がクライアントのニーズや欲求を知るのには最適なわけである。それゆえ、博報堂はNECの開発したブログ分析ソフトを使って、商品評価をしていく新事業を開始した

★当然この流れは、ブログ分析ソフトによる学校評価探しに結びつく。なぜブログかというと、その利便性、カジュアル性、更新速度性などの新しい発信の可能性という理由もあるが、それ以上に、口コミ率アップやPR力アップに寄与するからだ。

★たとえば、本ブログ“NettyLand★HotNews”のどの記事が読まれているのか、月単位のランキングをすぐに計算してもらえる。たとえば、最近一ヶ月ランキングベスト20を並べるとすると、

1 トップページ
2 7月アクセスランキング
3 来春中学入試志望校動向[5]~07年7月センター模試データから
4 英国研修でわかる白梅学園清修のすばらしさ
5 来春中学入試志望校動向[6]~07年7月センター模試データから
6 来春中学入試志望校動向[7]~07年7月センター模試データから
7 2007年7月
8 来春中学入試志望校動向[2]~07年7月センター模試データから
9 来春中学入試志望校動向[3]~07年7月センター模試データから
10 来春中学入試志望校動向[1]~07年7月センター模試データから
11 英国で白梅学園清修一期生が直面した真理
12 来春中学入試志望校動向[4]~07年7月センター模試データから
13 海陽中等教育学校は侮れない
14 来春中学入試志望校動向[8]~07年7月センター模試データから
15 加速する白梅学園清修の教育の質
16 School Choice
17 大学合格水増し高校?
18 学校選択の変化[12]~吉祥女子
19 立教女学院という環境で育つ感性

★となり、やはり7月末に出た「志望校調査」の結果は、人気が高いことがすぐにわかる。それにランキングものも。したがって、やはり情報はひものよりも生ものでいこうと書き手のテーマ選択判断に影響をあたえる。もちろん干物情報もロングテールで、ときに思い出されたようにアクセスがあがることもあるので、新しければよいというものではないということもわかり、常に分析視点を磨くトリガーになる。

★どの検索エンジンから“NettyLand★HotNews”を開いてくれたかもわかる。最近一ヶ月のベスト5は、

1 Google 
2 Yahoo 
3 MSN 
4 goo 
5 BIGLOBE 

★GoogleやYahooにおけるブログランキングを上げるにはどうしたらよいか対策を考えるトリガーにもなる。サイトのSEO(Search Engine Optimization)対策の勘も養われる。この対策をしようと思うと、どういうキーワードで“NettyLand★HotNews”にアクセスされているのだろうということが気になるが、これも最近一ヶ月のベスト50を調べると、すぐに

1 偏差値 
2 立教女学院 
3 中学 
4 ブログ 
5 千代田女学園 
6 海城 
7 吉祥女子 
8 聖園女学院 
8 2007 
10 中学受験 
11 渋渋 
11 神田女学園 
13 人気 
14 田園調布学園 
14 世界バレー 
16 中高一貫
17 サレジオ学院   
18 世田谷学園 
19 市川学園 
20 横浜山手女子 
20 晃華学園 
22 神奈川 
23 麻布 
23 穎明館 
23 男子校 
26 湘南白百合 
26 豊島岡 
28 駒場東邦   
29 平成中村座 
29 教育 
29 栄光学園
32 立教 
32 受験 
32 洗足学園   
35 渋谷幕張 
35 東大 
37 明大明治 
37 聖光学院 
37 かえつ有明   
40 女子学院 
40 逗子開成 
40 東京女子学園 
40 横浜女学院   
44 海陽中等教育学校 
45 海城学園 
46 宝仙理数インター 
47 小野学園 
48 函嶺白百合 
48 八雲学園 
48 佐久長聖 
48 頌栄女子学院

★とリストアップされる。それにしても「偏差値」というキーワードがランキング1位なのには、痛し痒しである。大学進学実績や偏差値以外の学校選択尺度で、クリエイティブ・スクールを探そうとしているブログであるのに・・・。

★いずれにしても、このようなログ解析は初歩の初歩で、ブログ分析ソフトを使えばもっとおもしろいデータがでてくる。

★しかし、分析が重要なのではない。まずはブログに情報を流すことなのである。どんなにすぐれた分析ソフトも、分析対象がないことにはしかたがない。ブログにおける私立中高一貫校に対する情報は、まだまだ豊かでないし、いかに個人の嗜好でよいとしても、やはり情報の妥当性、正当性、信頼性を考慮した情報も流れていないと比較分析ができない。

★ブログとしての“NettyLand★HotNews”の使命は、想定される私立中高一貫校などの学校評価の分析の<自由記述としてのデータ>を提供することなのである。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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学校選択の変化[31]~香蘭

学校選択の変化[30]~慶應中等部(女子)のつづき。

◇香蘭女学校の併願校に変化か?

◆2003データ 香蘭女学校
玉川聖学院①・調布②・カリタス①・恵泉②・調布③・八雲③

◆2004データ 香蘭女学校
玉川聖学院②・田園調布学園③・実践女子②・実践女子③・横浜女学院B・山脇C

◆2005データ 香蘭女学校
実践女子②・玉川聖学院②・田園調布②・カリタス①・恵泉②・実践女子③

◆2006データ 香蘭女学校
実践女子③・八雲①・昭和女子大③・神奈川C・洗足②・捜真A

◆2007データ 香蘭女学校
田園調布③・八雲①・昭和女子大③・田園調布②・普連土②・実践女子③

◇八雲学園―昭和女子大昭和―田園調布―実践女子という併願校は決まり、普連土が新しく入ってきた。いずれの学校もブランドと教育の質と結果すべてに勢いが良い学校である。そしてどちらかといえば、改革断行派であり、プロテスタンティズムの倫理観に近いものを有している学校。ここは雰囲気や匂いを学校選択者が敏感に感じているということか。いずれにしても香蘭選択者の学校選択眼はなかなかのもの。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月21日 (火)

学校選択の変化[30]~慶應中等部(女子)

学校選択の変化[29]~慶應中等部(男子)のつづき。男子と比較して、女子はかなり難しくなりそうである。全国中学入試センター制作の「志望校調査集計レポート」は次のようなコメントを載せている。

<06年調査では前年比マイナス44名の82名と落ち込んだが、今年は横浜共立B、東洋英和Bなどが4日に移動したこともあるのか、志望者は30名も増加。05年の志望者平均偏差値61.1には及ばないが、例年と同じく高いレベルの入試が繰り広げられるのは確実。>

◆2003データ 慶應中等部(女子)
女子学院・桜蔭・浦和明の星①・頌栄②・豊島岡①・渋谷幕張①

◆2004データ 慶應中等部(女子)
浦和明の星①・慶應湘南藤沢・鴎友学園女子③・渋谷幕張①・女子学院・頌栄②

◆2005データ 慶應中等部(女子)
浦和明の星①・慶應湘南藤沢・渋谷幕張①・桜蔭・豊島岡①・女子学院

◆2006データ 慶應中等部(女子)
浦和明の星①・桜蔭・渋谷幕張①・豊島岡①・慶應湘南藤沢・女子学院

◆2007データ 慶應中等部(女子)
浦和明の星①・渋谷幕張①・豊島岡③・女子学院・慶應湘南藤沢・鴎友学園③・桜蔭

◇慶應中等部の併願校の傾向の特徴は一目瞭然。偏差値とブランドの相関恐るべし・・・。3日入試の学校は、豊島岡女子学園②、筑波大学附属、公文国際学園A、東京学芸大学附属世田谷、学習院女子B、お茶の水女大学附属、明治大学付属明治②、鎌倉女学院②、日本女子大学附属②、晃華学園②、光塩女子学院②、都立小石川(一般)、法政大学②、田園調布学園②、東京女学館②、カリタス女子②など。慶應中等部にある一定以上の学力を持っている受験生が集まるわけである。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月20日 (月)

学校選択の変化[29]~慶應中等部(男子)

学校選択の変化[28]~攻玉社のつづき。慶應中等部の入試日シフトで、開成との併願はすでに減少している。全国中学入試センター制作の「志望校調査集計レポート」は次のようなコメントを載せている。

<2月5日から3日に移動して3回目の入試を迎えるが、志望者数は減少傾向。偏差値60以上の層が05年85名、06年73名、今年は66名と減。併願校は普通部の1位が続いているが湘南藤沢は併願者が45名、39名、21名と減。慶應3校へのこだわりが薄れたのだろうか。>

◆2003データ 慶應中等部(男子)
芝②・立教新座①・渋谷幕張①・聖光②・慶應普通部・開成

◆2004データ 慶應中等部(男子)
渋谷幕張①・立教新座①・芝②・聖光②・慶應普通部・開成

◆2005データ 慶應中等部(男子)
慶應普通部・立教新座①・渋谷幕張①・芝②・市川①・慶応湘南藤沢

◆2006データ 慶應中等部(男子)
慶應普通部・立教新座①・慶応湘南藤沢・渋谷幕張①・市川①・早稲田実業

◆2007データ 慶應中等部(男子)
慶應普通部・立教新座①・芝②・市川①・渋谷幕張①・東邦大東邦(前

◇もともと開成に合格したとしても、慶應中等部に進む率は少なかった。それに3日入試の学校の顔ぶれは、筑波大学附属駒場、早稲田②、海城②、筑波大学附属、暁星、浅野、東京学芸大学附属世田谷、東京学芸大学附属竹早、本郷②、逗子開成②、学習院②、法政大学②などで、中学から大学まで慶應の生活を希望している生徒にとっては、選択肢の中にははいってこない。したがって、入試日を移転しても経営上影響はないのである。ただ、3日という入試日だと、偏差値的にみると、どうしても易化せざるを得ない。慶應中等部の男子向けの新しい学びの戦略が組み立てられていることを期待する。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月19日 (日)

カトリック校の革新性を求めて

10月6日(土)暁星中学校講堂で、東京エリアのカトリック校<有志>合同講演会がある。予定参加校は、

カリタス女子、暁星、光塩女子学院、晃華学園、サレジオ学院、白百合学園、聖心女子学院、聖ドミニコ学園、星美学園、東京純心女子、東星学園

★すごい!こんなに集まって、カトリック教育の真髄を話し合うとは!一般には、カトリック学校なら、普遍的なカトリック精神に基づいているので、教育の内容は変わらないのだから、違いは大学進学実績、偏差値、教師の質に現れると考えられていると思う。

★しかし、実際には、その教育の内容は大きく違うはずである。というのも、確かに教育理念はカトリック精神であるから共通しているし、ローマに通じるだろう。しかし、経営はあくまで学校法人。設置者はローマのバチカンではない。あくまで、学校組織としては他の私立学校と同じ学校法人である。

★したがって、教育理念の展開の仕方は、カトリック校によって違うのである。教育理念を宗教の時間やミサなどのイベントに浸透させ、一般の授業には全く影響を与えないというスタイルもあり得る。宗教の時間、ミサなどのイベント以外にも授業をはじめとする教育活動にも浸透させるというケースもあり得る。

★教師も、もともとカトリック校はプロテスタント校に比較して信者の比率が低い。信者でない教師に対するカトリック精神の受容の仕方は、自由に任せる、形だけは参加を条件とする、対話によってできるだけ理解を期待する、対話なき対話戦略をとるなど経営者のマネジメントは様々だろう。

★カトリック校がプロテスタント校と決定的に違うところは、神との直接対話に関してはかなり慎重だという点である。だからそれが冷たさとして映る場合もある。一方で聖霊の働きを大いに期待する。しかし、それはすべて神の計画で、人間の望みでどうなるものでもない。でも求めよされば扉は開かれるのである。

★なかなか難しい。理性を頼みにするが、それは人間ではやはりはかり知れないとする。その意味で、すべての人間は神のもとでは平等であり、神の道具である。あるカトリック学校の校長はこれを信者でない教師に諭す。しかし強制はしない。対話なき対話である。ただひたすら聖書のロゴス体験を祈るのである。「本当に偉い人は、仕える人である」と。「教える―教えられる」の関係は、「神―人間」の関係だけなのだと。

★だから、学習者中心の教育は、実際にはカトリック学校の根源的なスタイルである。だが、この現れ方は、教育理念の展開の仕方や経営者(は信者の場合が多い)の信者でない教師との関わり方によって、大きく違う。そんなことを胸のかたすみに置いて、参加してみてはいかがだろうか。カトリック学校の革新性を発見できると思う。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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学校選択の変化[28]~攻玉社

学校選択の変化[27]~浅野のつづき。併願校の組み合わせは毎年様々だが、一定のラインは固定。それにしても、全国中学入試センター制作の「志望校調査集計レポート」のコメントは気にかかる。

<大学合格実績は好調だが、大幅な志望者数減。同じ男子進学校の巣鴨①が大幅に志望者数を増やしているためか。偏差値35未満の層以外軒並み前年より志望者数減。併願校は浅野が1位を続けているが併願者数が50→22に激減している点からも上位層の減少がわかる。>

★攻玉社の組織文化に何らかの変化があるのだろう。それは学内の中でも理解している教職員とそうでない教職員の間でGAPがあるのだろう。しかし問題は中学受験業界の方はそのことを認めたがらない。大学進学実績と偏差値のモノサシを重視している学校だと捉え続けている。この三者のGAPをどう解消するのか。埋めようとするのか、新しい考え方を構築するのか。いずれにしても攻玉社は転換期にあるのではないだろうか。

◆2003データ 攻玉社①
浅野・高輪C・市川①・攻玉社(特)・世田谷学園③・芝②

◆2004データ 攻玉社①
浅野・世田谷学園③・サレジオ学院B・高輪C・法政第二②・世田谷学園②

◆2005データ 攻玉社①
浅野・高輪C・攻玉社(特)・世田谷学園③・渋谷幕張①・市川①

◆2006データ 攻玉社①
浅野・武蔵工大付①・聖光①・高輪C・高輪(算数午後)・世田谷学園②

◆2007データ 攻玉社①
浅野・高輪C・高輪B・高輪(算数・武蔵工大①・法政第二②

◇攻玉社―浅野―世田谷学園―高輪というラインは毎年同じ。いずれの学校も道徳と進路指導の2つの柱のバランスが教育の特徴か。学校当局、塾業界と違って、学校選択者側は、大学進学実績は気になるにもかかわらず、実はそうではないものも求めているという感覚を明確に有しているということか。となれば攻玉社は、学校選択者の期待に応える転換戦略を考案した方がよいということだろうか。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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学校選択の変化[27]~浅野

学校選択の変化[26]~立教池袋のつづき。今春の大量東大合格は、浅野の併願に影響なしか。

◆2003データ 浅野
サレジオB・聖光②・栄光・聖光①・鎌倉学園③・サレジオA

◆2004データ 浅野
サレジオB・聖光②・鎌倉学園③・栄光・逗子開成③・聖光①

◆2005データ 浅野
聖光②・栄光・サレジオB・聖光①・逗子開成③・鎌倉学園③

◆2006データ 浅野
聖光②・聖光①・栄光・サレジオB・逗子開成③・逗子開成①

◆2007データ 浅野
聖光②・逗子開成③・サレジオ学院B・栄光・聖光①・鎌倉学園②

◇浅野の併願校は、聖光―栄光ーサレジオ―逗子開成―鎌倉学園で不変。「神奈川の星」としてその存在は輝いている。東京からの通学生が圧倒的に増えないのは、学費の問題があるのかもしれない。学費というより助成金の問題。学納金が同じくらいで、助成金の額が違えば、助成金が多く出ているほうにどうしても流れてしまうのかもしれない。これは浅野の問題ではなく、自治体の問題か・・・。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月18日 (土)

私立学校展盛況

★今日から東京国際フォーラムで、「東京都私立学校展 進学相談会(07年8月18日・19日)」が始まった。初日は大盛況の幕を開けた。午前中だけで参加者は昨年より2000人多かった。どこの学校の説明ブースも黒山状態。先生方の熱の入り方もすさまじかった。

★参加者の声を聞くと、「一日で、多くの学校の先生方と話せるので助かります」「東京の私立学校がすべて集まっていて、行きたい所に必ず行けるのがよいですね」「思わぬ学校に出会えました。こういう機会を作ってくださった私学の先生方に感謝しています。」

★学年も様々だが、中学受験では4、5年生の保護者が多いのかもしれない。6年生は、やはり直接学校の説明会に足を運ぶのだろう。何といっても入試要項を手に入れたいだろうし、来春入試のための説明会では、来春のための入試情報が発表される可能性があるからだ。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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今日から私立学校展始まる

★今日から東京国際フォーラムで、「東京都私立学校展 進学相談会(07年8月18日・19日)」が始まる。昨年来場者は、62,200人。猛暑も少し和らぎ、今年もたくさんの学校選択者が訪れるのではないだろうか。

★東京都の私学すべてが結集するのが大きな特色。一日で、志望する複数の学校の先生と直接対話ができる。こんなイベントは他にない。ぜひ参加することをオススメする。

★それにしても、大躍進中の女子校中村中の教頭・入学対策委員長梅沢先生から、受験生の知的好奇心を引きだす仕掛けを用意しているので、立ち寄ってくださいというメールをいただいた。

★そうか!各学校の先生方が、いろいろな趣向をこらしているに違いない。私もさっそくでかけよう。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月17日 (金)

国際物理と国際生物学オリンピックで日本の生徒大活躍

2007年07月22日18時53分配信の朝日新聞によると

今年の国際物理オリンピックでは灘高(兵庫)の高倉理(さとる)さん(3年)、村下湧音(ゆうと)さん(2年)が金メダルを受賞。麻布(東京)の増田賢人さん(3年)、筑波大付属駒場(東京)の森田悠介さん(3年)が銀メダルを受賞。大阪星光学院(大阪)の西口大貴さん(3年)が銅メダルを受賞した。金メダル受賞は日本初の快挙。

今年の国際生物学オリンピックではフェリス女学院(神奈川)の浜崎真夏さん(2年)が銀メダル。筑波大付属駒場の仮屋園遼さん(3年)、奈良工業高専(奈良)の竹内準二さん(3年)、岡崎(愛知)の本多健太郎さん(3年)が銅メダルを受賞。

★こうして観てみると、私学の生徒ががんばっていることがわかるが、このことは、私学の教育の質が優秀だということよりも、このような才能を育てる環境は、国の教育政策としてではなく、個々人が学びの環境を選択して、がんばっているのだということを示唆している。そうすると当然私学の学びの環境が有利だというだけのことだろう。

★がしかし、学びの私事の自己決定といえば、聞こえはよいが、このような環境を選べるのは中等教育の範囲では7%程度に過ぎない。93%は選択の余地などないのだ。それに比べ、米国では、ブッシュ米大統領が8月9日、上下両院で可決した国際競争力強化を目指す米国競争力法案に署名して同法が成立している

★APクラスやIB(国際バカロレア)レベルの科学プログラムをあげて、実行しようというのだ。そして、それを指導できる教員の養成も。IBの導入ということは、国外からの優秀な生徒がアメリカの教育環境を選択できることをアピールすることでもある。世界で活躍する日本の生徒に敬意を表すると同時に、公正な教育とは何かを考えたい。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月16日 (木)

学校選択の変化[26]~立教池袋

学校選択の変化[25]~早稲田実業(男子)のつづき。慶應中等部の試験日シフトの影響と立教池袋の二回目のAO入試の影響がでてきているのか?

◆2003年データ 立教池袋①
立教新座①・慶應中等部・立教新座②・学習院中等科・早稲田②・芝②

◆2004年データ 立教池袋①
立教新座①・立教新座②・早稲田①・慶應中等部・立教池袋②・学習院中等科

◆2005年データ 立教池袋①
立教新座①・立教池袋②・立教新座②・早稲田①・芝②・早稲田②

◆2006年データ 立教池袋①
立教新座①・立教池袋②・立教新座②・早稲田①・早稲田実業・明大中野②

◆2007年データ 立教池袋①
立教新座①・立教池袋②・明大中野②・立教新座②・早稲田①・城北埼玉①

全国中学入試センター制作の「志望校調査集計レポート」のコメントには気になるメッセージがあるかもしれない。ご紹介しよう。

<志望者分布はほぼ変わらないが、①の志望者平均偏差値は50を割った。①②ともチャレンジ層が厚くなっている。立教大学との高大連携もあるが、今春の立教大学推薦進学率は78%で、東大や早慶志向も見られる。②の自己アピール面接の内容は芸術、体育など多岐にわたる。>

★ブランド大学嗜好のチャレンジ層が立教池袋を選択しているということだろうか。併願校の選択の仕方にもぴったり合う。なぜAO入試をやったのか。それは慶應中等部の入試日シフトにより、偏差値学力が下がることを想定(慶應中等部対策をしてこない受験生が多くなるということ)し、リベラルアーツとしての学力の有無を見いだそうとする戦略なのかもしれない。

★たしかに偏差値によって測られている学力は、学力のごく一部。とかく、これがすべてだという短絡的発想に陥りがちだが、実はそうではない。そのことをルーツがエスタブリッシュである立教池袋はよくわかっている。しかしながら、苦戦は苦戦。今後の立教池袋の戦略大転換に期待する。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月15日 (水)

来春中学入試志望校動向[10]~07年7月センター模試データから

0701_2来春中学入試志望校動向[9]~07年7月センター模試データからのつづき。全国中学入試センター提供データから、1月中の入試・女子選択校(女子校・共学校)を分析。7月のセンター模試の志望校登録者数30人以上の学校を抽出し、登録志望者の多い順に並べる。入試日がばらけているので、レンジ別で志望者数の多い順に比較しても有意味は得られないので、単純に多い順に並べるだけにとどめた。

★200名以上の志望者を集めている学校について、全国中学入試センター制作の「志望校調査集計レポート」から、そのコメントを紹介する。前年対比130%を超えた春日部共栄のコメントも。

浦和明の星→志望者総数14の増加だが、そのゾーンは55~60で168→196、60~65で175→193。勝負所の増加なので難化傾向。志望者の2/1志望校は御三家中心、2日は豊島岡が毎年定番。07年進学者の平均偏差値は60.0、合格者はそこからほぼ5ポイントも上がる。

淑徳与野→志望者数は、前年比微減(96.2%)。Aゾーンの志望者は減少し一見チャンスが広がったようにも見えるが、これは07年のR4が2ポイント上昇したため。レンジ別分布を見ると、偏差値50以上の各レンジで増加し、難化の気配。県外校の入試と重なった影響はいかに出るか。

春日部共栄→志望者数前年比①140%、②185%と大人気だが、いずれも偏差値40台の志望者が急増。今春東大合格3名を挙績。中高一貫生は現高2まで進級しており、地元東武伊勢崎線の志望者もさることながら、大宮方面など県内他地域の受験生も期待をもって注目している。

市川→幕張メッセ会場の入試は首都圏入試の風物詩。志望者総数で30名減となっているが、ポイント領域の偏差値55以上の志望者数は176→182へ増加。男女別定員でも合格最低点は毎年ほぼ同じ。07年の合格者平均偏差は61.2は過去最高値。毎年難度上昇中。

渋谷幕張→千葉の志望者の割合は53%→43%で受験生エリアの変化を如実に示している。07年入試でも初めて千葉の受験者数が過半数を割った。偏差値レンジ60以上の志望者比率は3年間で44%→45%→50%、遂に過半数を占める。平均偏差値60台目前、“首都圏の”難関校。

東邦大東邦→偏差値50~65ゾーンの志望者が軒を連ねている。07年入試実受験者は男女あわせて2367名で前年比203名増となったが倍率はほとんど変わらず、首都圏受験生流動化の影響を印象づけた。今回志望者も千葉58%(前年66%)。理数教育への期待は男女とも常に高位置。

国府台女子学院→志望者数は前年比でほぼ変わらず。志望者分布を見ると、全体に対するAゾーンの割合はほとんど変わらないものの、Cゾーン(特に偏差値45以上50未満の層)が増えているため平均偏差値はほとんど変わらないが、チャレンジ層には変わらず厳しい入試になりそうだ。

★コメントでは、女子の選択において、教育の質の競争が始まっているかどうかはわかりにくいが、表を眺めると少し見えてくる。男子においては栄東は高人気だが、女子においてはまずまず。この差異が男子と女子の選択視点の違いであると断言はできないが、考察のヒントにはなる。

★浦和明の星は、1月入試の豊島岡女子のポジショニングとして一般に理解されているが、学校当局としてはどうなのだろうか。カトリックとしての宗教性は伝わってくるが、それが教育プログラムとしてどうかかっわっているのかが見えない。教育プログラムは現世のの領域で、教育理念は信仰の領域だから、そこは割り切って学校経営をしていくということだろうか。それはそれでわかりやすいが、ノーブレス・オブリージはミッションだとは思うが・・・。伝えているが問題なのではなく、伝わるを大切にしたい。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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来春中学入試志望校動向[9]~07年7月センター模試データから

0701来春中学入試志望校動向[8]~07年7月センター模試データからのつづき。全国中学入試センター提供データから、1月中の入試・男子選択校(男子校・共学校)を分析。7月のセンター模試の志望校登録者数30人以上の学校を抽出し、登録志望者の多い順に並べてみた。入試日がばらけているので、レンジ別で志望者数の多い順に比較しても有意味は得られないので、単純に多い順に並べ替えるだけにとどめた。人気の傾向は見えると思う。

★200名以上の志望者を集めている学校について、全国中学入試センター制作の「志望校調査集計レポート」から、そのコメントを紹介しよう。それと前年対比130%を超えた春日部共栄と昭和学院秀英のコメントも。

立教新座→05年から06年にかけては志望者数を激減させた同校だったが、07年は前年比108%でやや復調の兆し。レンジ別では、偏差値60以上の層にほとんど変化が見られず、チャレンジ層が厚みを増している。08年入試の難度に大きな変化はなさそうだ。

埼玉城北→平均偏差値は昨年比同等、志望者数も263→276へ微増。注意するのは、偏差値60以上は減少(32→25)しているが、キーになるそれ以下の層で増加。50~60では104→126へ。毎年併願トップは立教新座で2月校は城北を目指す。城西川越①の発表前に受験する。

栄東(東大選)→志望者の平均偏差値がダウンしているのは、チャレンジ層が増えただけのこと。実質勝負所の受験生でも大幅に増加している。西大和学園など県外校入試日程が07年は1/8より開始されたが、08年は埼玉入試開始日の1/10以降に移動するため、上位生の集中は必至。

春日部共栄→07年、04年以来の東大合格者3名を出し期待が増した。志望者数前年比138%。加えて偏差値50~60の志望者比率は25%→36%にアップ。地元決着志向の志望者が多く、今回も埼玉エリア生は67%だが、埼玉入試スタートの日程で、県内の分布も広がりを見せている。

渋谷幕張→志望者数は減少だが実質的には横ばいとみた方が良い。エリア別にみると05年に千葉は約50%を占めていたが07年には35%まで下がり、埼玉はじめ東京、神奈川など首都圏全域への拡大が進んでいる。男子上位生の志望校らしく開成、芝、早稲田は常連。麻布もランクアップ。

市川→毎年、幕張メッセ展示場での入試。首都圏中学入試がマスコミに大きく取り上げられる。昨年は男子のみで2412名が出願、2336名が受験した。千葉県入試の幕開けを告げる入試。合否分かれ目の55~60で増加傾向。大学合格実績も堅調な伸びなので難化傾向。

東邦大東邦→志望者最多レンジは昨年よりひとつ下がり55~60に移動。志願者の約3割がここに集中。県立千葉開校で県内中学受験がさらに活性、中堅私学志望者にチャレンジ意識が芽生えたか。県内占有率は6割を切り、都内の割合が高まっている(06年17.9%→07年26.8%)。

芝浦工大柏→志望者・平均偏差値とも前年を大きく上回る人気振り。キーポイントの偏差値50~55で34→55。更にその上の55~60では22→41へほぼ倍増。難化は避けられそうもない情勢。市川中に合格するとそちらへ大きく流れる。①試験でさえも毎年15%前後の非受験者。

昭和学院秀英→進学校として支持され、志望者は前年比137%。偏差値50台は1.5倍と厚くなった。併願校は圧倒的に市川、東邦大東邦だが、芝浦工大柏が増加。県立千葉との併願も見られる。①(第一志望)定員は50名→40名、②(一般)90名→100名とし、レベルアップを図る。

★こうしてコメントを並べて読んでみると、埼玉と千葉の中学入試が、盛り上がっていることがわかる。県外からの学校の入試参入、県千葉の中高一貫校開設など、外的環境の変化が影響しているようだ。しかし、本当の競争の争点は何なのだろうか。やはり教育の特色だろう。

★上記コメントの中で、渋谷幕張は教育の質がさらに上がっているとみなされているし、芝浦工大柏のユニーク教育が市川の改革路線に苦戦している様子も見え隠れする。昭和学院秀英のコメントには、「進学校として支持され」とあるが、これは「進学校としても支持され」というように「も」がはいるはず。教育の質に支えられた当然の結果として進学実績がアップしているのである。逆に東邦大東邦は都内の志望者の割合が高まっていることがコメントされているが、これは試し受験校としての見方が強化されていることを意味しているのだろうか。東邦大東邦もなんらかの手を打つ必要があるかもしれない。ともあれ、千葉県の私学における教育の質の競争が始まっている。

★一方、埼玉に関するコメントからは、教育の質の競争というより、まだ偏差値レンジや東大合格者の話題が多い。しかし、来春、埼玉の私学は、いよいよ県内の私学だけではなく、多摩エリアの私学との大競争時代が訪れるので、教育の質の競争力を強化しておく必要があるはず。立教新座の復調の兆しの背景には、多摩エリアにMARCHの付属中学が集結する動きの影響があるのかもしれない。また「地元決着志向の志望者が多」い春日部共栄には、もともと教育の質を重視していた私学だけに、期待がかかる。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月14日 (火)

Nettyクリエイティブ・スクール(9)~小野学園女子

Nettyクリエイティブ・スクール(8)~大宮開成のつづき。小野学園女子の快進撃はどこまでも続く。「Netty Land かわら版 2007年1月号10ページ~17ページ」の時点では、

<4年生の4月に、勉強の習慣をつけるために1日の授業時間内で「読書→予習→授業→復習→確認テスト→テストの復習」を実施する3週間の特別プログラムを実施します。>

★とメッセージを寄稿して頂いていたが、そのプログラムは当然ながらすでに行われている。それからというものこのような特別プログラムは幾つ開発され実行されきたのだろうか。この夏も講習プログラムなどガンガン実施したようだ。

小野学園女子のサイトに入ればそれが手にとるようにわかる。夏休みに入っても休みなくブログが更新されているからである。大学の授業との連携やボランティア、理科実験と多様なプログラムの開発と実行はこれからも無限に広がるだろう。創造性とは、無限のエネルギーにこそ根拠があるからだ。

★それにしてもこのような具体的な教科力をアピールしているブログといえば、他には海城学園があるくらいだろう。小野学園女子の目のつけどころは名門校の目線と同じというわけだ。小野学園女子に六年間の学園生活を預けてみることを考えてみてはいかがだろうか。[本間 勇人 Gate of Honma Note

【関連記事】小野学園のビジョンとプラン(1)

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Nettyクリエイティブ・スクール(8)~大宮開成

Nettyクリエイティブ・スクール(7)~大妻多摩のつづき。2005年に中学を開設して以来、毎年応募者倍率は高く、順調な学校経営がなされていることだろう。

★教育目標は3つ、

特色Ⅰ.国公立・最難関私立大学に現役合格

特色Ⅱ.国際教育

特色Ⅲ.人間教育

★この3つの教育目標は「21世紀を担う国際感覚豊かな人間教育」という教育理念によって統合される。それはいかにしてか?このことについては、「Netty Land かわら版 2007年1月号10ページ~17ページ」で、こう書かれている。

本校では、プレゼンテーション能力の育成を目指し、それぞれがテーマに沿って研究し、独自の取材なども重ねながら資料をまとめ、発表を行っています。

★ここには国際感覚に必要な、コミュニケーション能力、コラボレーション能力、編集能力、質問力などがはいっており、3つの教育目標を達成するための横断的な能力のことが示唆されている。未来の生徒たちの活躍が目に浮かぶ。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月13日 (月)

学校選択の変化[25]~早稲田実業(男子)

学校選択の変化[24]~早稲田実業(女子)のつづき。早稲田―明治ー立教の六大学野球コンビネーションか。

◆2003データ 早稲田実業学校中等部(男子)
立教新座①・西武文理①・明大中野②・市川①・慶應中等部・立教新座②

◆2004データ 早稲田実業学校中等部(男子)
立教新座①・明大明治①・明大中野②・明大明治②・西武文理①・国学院久我山③

◆2005データ 早稲田実業学校中等部(男子)
立教新座①・明大明治①・立教新座②・早稲田②・明大明治②・市川①

◆2006データ 早稲田実業学校中等部(男子)
立教新座①・明大明治①・早稲田②・明大中野②・立教新座②・西武文理①

◆2007データ 早稲田実業学校中等部(男子)
立教新座①・明大明治①・明大中野②・法政大学③・市川①・青山学院

◇女子以上に実用主義が徹底している。強烈なハビトゥス(文化資本の再生産システム)に脱帽。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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学校選択の変化[24]~早稲田実業(女子)

学校選択の変化[23]~慶應義塾湘南藤沢中等部(男子)のつづき。早稲田実業(女子)の併願校の選択は特徴的である。

◆2003データ 早稲田実業学校中等部(女子)
浦和明の星①・女子学院・慶應中等部・西武文理①・鴎友学園③・吉祥女子③

◆2004データ 早稲田実業学校中等部(女子)
浦和明の星①・吉祥女子③・青山・西武文理①・慶應中等部・鴎友学園③

◆2005データ 早稲田実業学校中等部(女子)
浦和明の星①・青山・吉祥女子③・鴎友学園③・豊島岡①・西武文理①

◆2006データ 早稲田実業学校中等部(女子)
浦和明の星①・青山・市川①・西武文理①・鴎友学園③・吉祥女子③

◆2007データ 早稲田実業学校中等部(女子)
浦和明の星①・青山・法政大学③・渋谷渋谷③・鴎友学園③・吉祥女子③

◇来春初等部からの内進が始まるので、中学募集の人数が大幅に減る。そのせいか、将来早稲田大学かMARCHクラスに進みたいという強い希望を持っている受験生に絞られている。渋谷渋谷・鴎友学園・吉祥女子を併願校に選んでいる受験生は、できる限り早稲田大学に近い私立中高一貫校を選択しているのではないか。早稲田実業に隣接する幾つかあるカトリック校が有力併願校になっていないのは、早稲田実業を選択する受験生は、理念よりも現実を優先する層だということだろう。さすがは実用主義がベース。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月11日 (土)

英国で白梅学園清修一期生が直面した真理

★先月白梅学園清修一期生が、英国研修に入って来た。秋田校長先生や柴田教頭先生も同行し、一期生が直面したことについて「英国研修雑感」を保護者とやりとりしている。その一部がTOPICSで公開されていたので読んでみた。

★なんと一期生は世界の痛みというか真理に直面したではないか。どんな体験をしてきたかというと、

はっきりとした意思表示を見せないと、授業進行の邪魔になると評価され、その態度を、“シャイ”という皮肉を込めた言葉で表現されるという体験。

★この文章の中でキーワードは、「態度」。海外の教師はAttitudeをものすごく観るのである。というのも、紛争の発端は、「態度」「行動」「矛盾」の組み合わせによって起こる。相手に憎悪を示したり、不信をかうような雰囲気を出したり、無関心を示したりすると、そこには紛争の火種があると思われるのである。共感や協力的な態度を示すことが紛争を起こさない予防策なのである。

★紛争は何も戦争のような大きな事件だけを指すのではない。日常のコミュニケーションの中にも存在しているのだ。態度が悪いとコミュニケーションも悪化する。行動が暴力的だと、コミュニケーションは悪化する。矛盾的行為に満ち満ちていれば、コミュニケーションはそもそも成り立たない。

★共感に満ちた態度、非暴力的行動、矛盾を解決する創造力。これらが紛争を解決し世界を幸せにするプログラムだ。

★柴田教頭が、生徒の「言葉遣い」に注目するのは、「言葉遣い」によって、共感に満ちた態度、非暴力的行動、矛盾を解決する創造力を生み出すことができるからである。もちろん、逆になる場合もあるのだ。

★学校創世期には哲学が生まれるのが常だが、白梅学園清修一期生はその真理に直面したといえよう。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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学校選択の変化[23]~慶應義塾湘南藤沢中等部(男子)

学校選択の変化[22]~慶應義塾湘南藤沢中等部(女子)のつづき。昨年までは、慶應湘南藤沢(男子)の併願は、何が何でも慶應だったが、少し変化が生まれているかもしれない。

◆2003データ 慶應義塾湘南藤沢中等部(男子)
慶應普通部・慶應中等部・浅野・サレジオB・聖光学院②・桐蔭中等教育③

◆2004データ 慶應義塾湘南藤沢中等部(男子)
慶應普通部・慶應中等部・浅野・サレジオB・鎌倉学園②・聖光学院②

◆2005データ 慶應義塾湘南藤沢中等部(男子)
慶應普通部・浅野・慶應中等部・サレジオB・桐蔭中等教育③・逗子開成③

◆2006データ 慶應義塾湘南藤沢中等部(男子)
慶應普通部・浅野・慶應中等部・サレジオB・鎌倉学園②・逗子開成①

◆2007データ 慶應義塾湘南藤沢中等部(男子)
慶應普通部・浅野・逗子開成③・サレジオ学院B・鎌倉学園②・桐蔭中等③

◇昨年までは、慶應湘南藤沢(男子)の併願校は、慶應普通部―浅野―慶應中等部と安定していた。慶應中等部の3日の入試シフトは浅野とぶつかるにもかかわらず、慶應中等部の併願は変わらなかった。男子が慶應を選択する場合、大学まで慶應に進学したいという意志が働くのだろうというのが昨年までの予想だったが、必ずしもそうは言えなくなったかもしれない。もっとも七番目にはまだ慶應中等部が選ばれてはいる。しかし、そのポジションが急激に下がったことは確かなのである。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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学校選択の変化[22]~慶應義塾湘南藤沢中等部(女子)

学校選択の変化[21]~明大明治(女子)のつづき。慶應湘南藤沢を選ぶ女子は、必ずしも慶應にこだわらない?

◆2003データ 慶應義塾湘南藤沢中等部(女子)
慶應中等部・横浜共立B・公文国際A・清泉②・桐蔭女子部③・早稲田実業

◆2004データ 慶應義塾湘南藤沢中等部(女子)
慶應中等部・フェリス・鎌倉女学院②・鴎友学園女子③・公文国際B・横浜共立B

◆2005データ 慶應義塾湘南藤沢中等部(女子)
フェリス・鎌倉女学院②・鴎友学園女子③・慶應中等部・洗足③・公文国際B

◆2006データ 慶應義塾湘南藤沢中等部(女子)
フェリス・鎌倉女学院②・公文国際B・鴎友学園女子③・日本女子大附② ・公文国際A

◆2007データ 慶應義塾湘南藤沢中等部(女子)
フェリス・横浜共立B・頌栄女子②・鴎友学園女子③・鎌倉女学院②・慶應中等部

◇慶應中等部との併願が少しずつ減っている(慶應中等部の入試日が2月3日に以降してから)。これは何が何でも慶應でなければならないという意識が薄れているからかもしれない。女子のキャリアを考えると、何も慶應でなくても、上智という選択もある。また、医療や介護に進みたいと考えているのは、男子よりも女子の方が多いという傾向にあるとも言われている。慶應ブランドが役に立つのは、むしろ企業社会か?

◇とはいえ、慶応義塾大学には、看護医療学部あり、共立薬科大と合併の話も進んでいる。必ずしも企業社会で活躍する人材だけではない。だから慶應にこだわらないというわけではなく、併願としては選択肢の多い学校を選んでおこうという現実的な嗜好があるのだろう。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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学校選択の変化[21]~明大明治(女子)

学校選択の変化[20]~明大明治(男子)のつづき。2008年から、明大明治は共学校として、西調布に移転する。当然、女子生徒の募集は初めて。その女子の併願選択は次の通り。

◆2007データ 明大明治①(女子)

法政大学③・成蹊②・明大明治②・西武文理①・法政大学①・国学久我山③

★女子は、早慶MARCHのうち、MARCHレベルに併願の照準を合わせているということか。男子以上に現実的なのかもしれないが、これだと中高時代から棲み分けがはっきりしてしまい、ドメスティックな中で、生活やキャリアを考える志向を持つ者とグローバルな視野を持つ者の違いというか格差がはやめに見えてしまう。

★中学受験で学ぶということは、本来、才能を発見し、開花させる準備をする意味があるはず。しかし、このような併願選択をしていると、そうではない中学受験勉強の方向に陥る可能性がある。私の考えすぎでなければよいが、いずれにしてもMARCHクラスの大学とその付属中高はもう少し、日本の社会や世界の状況のことを考える開かれたアカデミズムであって欲しい。それだけの人材リソースを有しているはずだ。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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学校選択の変化[20]~明大明治(男子)

学校選択の変化[19]~サレジオ学院のつづき。いよいよ西調布移転の明大明治。多摩エリアは、明治系とともに早稲田系・立教系・法政系関連私学が勢いづいている。

◆2003データ 明大明治①
明大中野②・市川①・立教新座①・芝②・明大明治②・早稲田②

◆2004データ 明大明治①
明大中野②・立教新座①・明大明治②・市川①・早稲田実業・早稲田②

◆2005データ 明大明治①
立教新座①・明大明治②・明大中野②・早稲田実業・市川①・国学院久我山③

◆2006データ 明大明治①
立教新座①・早稲田実業・明大中野②・明大明治②・法政大学③・早稲田②

◆2007データ 明大明治①
明大中野②・立教新座①・法政大学③・早稲田実業・明大明治②・国学久我山③

◇いよいよ2008年に明大明治は西調布に移転。そして共学化。すでに近隣中高一貫校の中に、早稲田実業、法政大学の共学私立中高一貫校がある。また東西の線ではなく、南北の線をたどると立教新座がある。高校からではあるが慶應志木もある。やがて中央大学の中学も新設されるという。早慶MARCHの付属中高が集結するエリアが多摩地区である。併願は当然、そのレベルに集中する。

★ぜひ東大とは違う路線をこれらの大学に期待したい。するとこれらの私立中高一貫校はさらに特色ある教育を開発実践することができる。が、東大と違う路線を開拓できる大学は残念ながらないというのが現状。日本の大学に未来を担ってもらうことはやはり無理なのだろうか。

★ということは、大学付属中高一貫校には20世紀型のエリート育成は十分に期待できるが、21世紀型のクリエイティブ・クラスの育成は期待できないということか。学校選択の思案のしどころである。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月 9日 (木)

学校選択の変化[19]~サレジオ学院

学校選択の変化[18]~芝のつづき。サレジオ学院の併願校を見ていると、神奈川エリアの男子校で満足してはいけないのだと思わず言いたくなる。富裕層を目標にするのではなく、貧困問題をいかに解決するべく生きていくのか、そこに目を向けるグローバルリーダーを輩出するのがミッションであろうと。そういう私はどうかというと全くそんな活動はしていないわけで、無責任極まりないのだが。

◆2003データ サレジオ学院A
浅野・サレジオ学院B・聖光①・聖光②・神奈川大学附属B・鎌倉学園②

◆2004データ サレジオ学院A
サレジオ学院B・浅野・鎌倉学園③・聖光②・逗子開成③・神奈川大学附属B

◆2005データ サレジオ学院A
浅野・サレジオ学院B・聖光②・聖光①・逗子開成③・法政第二②

◆2006データ サレジオ学院A
浅野・サレジオ学院B・聖光①・逗子開成③・神奈川大学附属A・神奈川大学附属B

◆2006データ サレジオ学院A
浅野・サレジオ学院B・逗子開成③・聖光①・武蔵工大①・桐光男子③

◇地政学的に、浅野や聖光とは違い、東京や千葉エリアから生徒が通うということはない。だから栄光と同じように神奈川エリアの注目すべき男子校として、特徴や魅力を確立していかざるを得ないのかもしれない。しかし、東大に進むも早慶上智に進むも、世界の痛みを背負う人材をどこまで育てられるかが鍵だ。栄光や聖光のように、エリートに入らずんば虎子を得ず的な世界戦略もよいが、痛みの中に入らずんば愛を得ずという内面世界の戦略は、サレジオ学院に期待する以外にないのではないか。神奈川から内面世界にどのように何を発信するのか今後期待したい。

★大きなお世話だ、宗教なんて語っては生徒が集まらないなどというDARK SIDEには負けて欲しくない。Please battle the evil Empire! 男子カトリック校の中でそれが実行できるのはサレジオ学院以外にないはずだから。他の男子カトリック校でそれをまともに考えられるところはないのではないのだろうか。愛光は共学校になってしまったし・・・。

★「私たちも洗礼を受け、イエスが全てとなる、あるいは修道生活に入り、イエスが全てとなると言う、そういう道行を歩くつもりでいたのですが、やはりいろいろな事情があり、加えて人間としての弱さを持ち、どうしてもイエスが全てとなれないでおります。しかし、私たちの根本的な関わりは、イエスが全てとなっていくその道行きを歩いて行くことでしょう。それが私たちの道です。」宮本久雄(大学院総合文化研究科・教養学部超域文化科学教授)著「『関わる』ということ」(新世社1997年)より。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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学校選択の変化[18]~芝

学校選択の変化[17]~筑駒のつづき。芝選択者の併願校は、やはり芝。

2003データ 芝①
市川①・芝②・高輪C・東邦大東邦(前)・成城②・浅野

2004年データ 芝①
市川①・芝②・高輪C・獨協②・本郷①・浅野

2005年データ 芝①
市川①・芝②・高輪B・本郷①・東邦大東邦(前)・本郷③

2006年データ 芝①
芝②・市川①・高輪B・本郷①・東邦大東邦(前)・高輪C

2007年データ 芝①
芝②・市川①・高輪C・浅野・芝浦工大柏①・高輪B

◇芝選択者は、二回目も芝を選択する。渋谷幕張より東邦大東邦、東邦大東邦よりも芝浦工大柏、本郷より高輪、市川は常連。ハードよりソフト、目立つよりも奉仕という選択嗜好性の傾向があるのかもしれない。しかし、浅野が復活。実際には大学進学実績に重点をおく学校選択者も多いということか。芝の世界性に期待をかけて選択していることを期待する。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月 7日 (火)

第二次聖学院教育会議~内面の構造改革へ教育出動

     2000年に入ってから、ALL聖学院は、「第一次聖学院会議」を開催してきた。大木英夫理事長をはじめとして、教職員の方々は、創設当時のガイ博士や石川角次郎先生の精神と行動の原点に立ち戻り、日本の社会や教育、家庭が見失ったものを回復する宣言を確認したのである。

     日本の近代が失ったもの、あるいは捨て去ったものは、江原素六を第一世代とする≪私学の系譜≫の精神である。この系譜は、植村正久、石川角次郎、内村鑑三、新渡戸稲造、南原繁、矢内原忠雄、河井道、大塚久雄などに連綿と受け継がれ、今も麻布、鴎友学園女子や多くのキリスト教学校に、その文化遺伝子が継承されている。その象徴が戦後教育基本法の成立である。聖学院会議では、この系譜の源泉であることを自覚し、そこから生まれ出た戦後教育基本法の精神を保守する教育出動をしていくことを高らかに謳ったのである。そして、それが「第一次聖学院会議」の到達点であり、この誠の保守の精神を共有する共同体として聖約共同体になることを宣言したのである。

     しかし、今年、聖学院が保守すべき教育基本法は改正され、日本は近代が見失ったものを二度見失うことになった。聖学院の不安は、今や現実態になろうとしている。大木理事長は、あらゆるものがContract化されていると語る。これは公立学校と一見同じ見解である。坂田仰日本女子大准教授は、家族や教育までもが契約社会化され、訴訟で解決しなければならない社会になっていると指摘する。

     ところが、Sein(事実)の捉え方は同じでもSollen(あるべき事態)の捉え方は全く違う。大木理事長は、相互契約のコントラクトから神との対話の関係であるCovenant(コヴェナント)へ船を進めようと語る。一方坂田准教授は、契約社会でいつ訴えられるか分からないから、その準備としてコンプライアンス対策をと語る。

     コントラクト化社会とは、信頼や隣人愛は幻想に過ぎず、結局お金ですべて解決しようという社会、つまり新たな剥き出しの資本主義社会。コヴェナント社会とは、人間同士のつながりと神との信頼関係が祈りというロゴスによって結ばれている社会。人間の血縁共同体や部族共同体でもなく、合理的組織共同体でもなく、超越的共同体とでも言おうか。

     實吉幹夫理事長(東京女子学園)が、私立学校はゆるやかな理念共同体であるという時、それはコントラクト化社会に対峙する私学の人間形成システムを持った共同体のことを示唆している。ゆるやかと言わざるを得ないのは、私学それぞれの教育理念はそれぞれに独自態だからだ。その理念の中で、最も先鋭的なのは聖学院の教育理念である。コントラクトという外的強制のみを遵守する人間形成からコヴェナントというアガペーの愛を祈れる人間形成へシフトする内面の構造改革を目指すのだから。

     今日200787日、第二次聖学院会議が、開かれたのは、このようなコンセプトを確認するためだったのではあるまいか。聖学院の「聖」は、聖約共同体としての「聖」であり、コントラクトからコヴェナントへシフトする力を聖霊への祈りによって実現しようという意味での「聖」でもあろう。それゆえ、聖学院は「聖」学院にシフトするのである。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月 6日 (月)

私学の危機管理戦略【1】

★2007年8月4日~6日、私学会館(アルカディア市ヶ谷)において、「全国私立中学高等学校副校長・教頭研修会~未来を担う私学人の育成」が開催された。テーマは<「今、私学の前にある“ 危機”」をどう乗り越えるか>で、私学の危機管理戦略についてであった。主催は、財団法人日本私学教育研究所。後援は、日本私立中学高等学校連合会。

★講師は、田村哲夫先生(文部科学省中央教育審議会委員、日本私立中学高等学校連合会会長、渋谷教育学園渋谷中学高等学校理事長・校長)、實吉幹夫先生(日本私立中学高等学校連合会常任理事、東京私立中学高等学校協会副会長、東京女子学園中学高等学校理事長・校長)をはじめとする私学の重鎮や山上浩二郎氏(朝日新聞東京本社社会部デスク)、坂田仰氏(日本女子大学家政学部家政経済学科准教授)、柳田邦男氏(作家)、久保田武氏(日本教育大学院大学教授・元順心女子学園中学高等学校校長)など各界の見識者である。

★89年以降ベルリンの壁が崩れ、大きな価値観の喪失とともに、学校を取り巻く利害関係も大きく変化した。価値観の多様化は価値の葛藤の多様化も意味し、私学の環境もその例外ではない。葛藤は多くの危機を生む。たとえば、

①教育基本法改正に象徴されるように、私学は国から圧力がかかる危機がある。

②未履修問題のように、本来管轄外の文部科学省や教育委員会からの圧力がかかる危機がある。

③マスコミによる私学のスキャンダルを記事にしようという圧力がかかる危機がある。

④少子高齢化に伴うリストラに直面している教員から経営陣に対する労働争議の危機がある。

⑤教師と生徒間の学校事故の危機がある。

⑥生徒間の学校事故の危機がある。

⑦保護者による教育内容不履行という損害賠償請求の危機がある。

★このように、私学の周りには危機の潜在可能性がある。これに対し危機管理の戦略を予めシミュレーションしていない場合、いざというときに私学は危機を回避できない。公立学校の場合は、学校設置者が私学のように学校法人ではなく、自治体である。あらゆるクレームや危機は直接自治体が窓口になる。それゆえ危機管理のノウハウは私学に比べて圧倒的に蓄積されている。

★本来、私学は危機などないことが前提になってきた。危機のノウハウの蓄積が1つの学校法人にあるということは誇りになるようなことではなかったのである。しかし、価値観の多様化は、私学側の従来どおりの善意の行動が、相手にうまく伝わらず、トラブルを生む場合もあるというのが現状であり、しかもその解決は、従来のように担任や担当の教師との話し合いによるインフォーマルな解決ではなく、校長をはじめとする経営陣とのフォーマルな解決か、訴訟による紛争解決という手段がとられるようにまでなっている。まだまだ件数は少ないのだろうが。

★坂田准教授は、この事態を法化現象と呼んでいる。私学の危機管理戦略は、生徒募集という経済問題ばかりではなく、訴訟という法律問題についてもシミュレーションしなくてはならなくなっているのである。

★一方、實吉先生は、公立の私学化現象(学校選択の自由化、進学重点校、公立中高一貫校、カリキュラムの柔軟性、校長裁量の拡大など)という私学の危機を訴え、この局面にあって、私学は本来的で特色ある学びの構築とその説明責任があると提案。ご自身の東京女子学園の実践を踏まえた上で迫力ある講演を行った。

★法的危機も大きいが、その対応は学園生活構築の営みの10%くらいだろう。それでいて危機に直面したときには、法外な対応力が要求されるから、経営陣はシミュレーションせざるを得ないのだが、それにしても生徒という学習者中心の学びの環境を整える日々の創意工夫に注ぐ力もまた大きい。

★学校経営というのは、今ここでの生徒たちの学びの充実感、生徒たちの未来への冒険心をサポートしながら、予想される危機への管理戦略にも目配りしなければならない。

★そのような私学の置かれた環境の中で、改めて最重要なものは、「教育理念」である。学びの環境は、この教育理念をモノサシに構築されるからだし、学校のステイクホルダーの人間関係も教育理念によっている。もう1つ重要なことは、私学に入学することは、この教育理念を学校側と保護者・在校生側の両者が尊重することを確認し、この理念に基づいて教育活動がなされることに同意する契約関係を締結することである。つまり契約違反の場合どのように解決すべきなのかの要なのである。

★基本的には私学の場合は、信頼関係と契約関係が同義になっているという意識が、当事者の共同幻想によって成り立ってきたが、信頼関係と契約関係は別であるという、法実証主義の価値観が強くなる時代がすぐそこまで到来している。グローバリゼーションの到来は、あらゆる関係を契約関係という法関係化することを意味する。私学もこの流れを無視できないという敏感な対応をしている。今回の研修会が行われたということは、その証拠なのである。

★そしてそのとき要になるのが「教育理念」である。私学の危機管理戦略は、学びの戦略、経済の戦略、リーガルマインド戦略の3側面から構築されねばならない時代を迎えているのだ。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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開成、灘の先生が一燈園で授業

ashi.com(2007年8月6日)によると

<京都の一燈園(いっとうえん)小・中・高校に8月末、首都圏や関西の私立中学・高校の先生有志が集まる。受験指導になりがちな日頃の教室から離れて、「教えるとは何か」を見つめ直す試みだ。一燈園は、自己と向き合う「祈り」と奉仕活動などの社会や他人のためにかく「汗」を、学習とともに3本柱に位置づけている。8月27日から2泊3日の夏期学校には、東大の進学実績で知られる開成や灘をはじめ、安田学園、国学院久我山、自由学園、白梅学園、神戸女学院など10校以上の先生が参加する。 >

★声をかけたのは、なんと大手進学塾「日能研」が設立した学習評価研究所の松浦三郎所長。受験を離れて私立中高一貫校と塾の教師(松浦氏は元日能研の教務部長)が本来的な授業に立ち返る。

★一燈園の創設者は、西田天香先生。明治以降の日本の産業構造や資本主義の矛盾に対峙した思想と教育活動を実践した私学人。日本の聖フランシスコとも、日本のガンジーとも言われたようだ。一燈園も≪私学の系譜≫に属している。

★根源的な教育の存在場に引き寄せられた先生方の属する学校は、多くがクリエイティブ・スクール。確かに教育に大きな何かが起きている。

★一般の中高生も参加できるそうだ。参加費は2万円(教材費、宿泊費、食費など含む)。申し込みは10日までに一燈園(075・595・3711)へ。 足を運んでみてはいかがだろうか。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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Nettyクリエイティブ・スクール(7)~大妻多摩

Nettyクリエイティブ・スクール(6)~大妻のつづき。「進学レーダー8月号(2007年)」に「時代をリードする“改革”派女子校」として紹介されている。このグループには、鴎友学園女子、吉祥女子、豊島岡女子が入っている。

★「時代をリードする“改革”派女子校」のポイントは

①進学実績がどんどん伸びている。

②将来の夢や職業を見据えてた指導。

③「調べ、考え、表現する」プロセス重視のおもしろい授業。

④情操教育が盛ん。

★しかし、1つ足りない。“改革”派であれば、精神・自然・社会に共通の痛みを感じ、問題提起とその解決への活動がキャリア・デザインに結びつくエンパワーメントが生まれているというポイントを追加したい。これを加えると、このグループから脱する学校もあるかもしれないが、大妻多摩は完璧にこのグループに属する。

全国中学入試センターが作成した「2007志望校調査集計」によると、大妻多摩②の入試時の併願校は、日本女子大①、 大妻多摩③、 カリタス③、 日本女子大②、 大妻多摩①、 桐光女子③の順になっている。この併願ラインを見ても、いかに大妻多摩の教育の質が高いかがわかる。

★しかし、何より「Netty Land かわら版 2007年1月号10ページ~17ページ」に寄せられている次のようなメッセージは、大妻多摩の教育の質と真の“改革派”を示しているといえよう。

<クラス数が少ないという特性を活かし、あるクラスで起きた些細な問題(特に人間関係等)でも全教員(時には管理職)が全力で事にあたることができる。>

★些細な問題の背景に横たわる本当の問題を発見するセンサーを教職員が有しているということだが、このことは生徒たちにも伝わる大妻多摩の文化遺伝子なのではないだろうか。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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学校選択の変化[17]~筑駒

学校選択の変化[16]~立教女学院のつづき。筑駒の併願ラインは、今のところ大きな変化はないが、08年に通学範囲を千葉県・埼玉県の一部にまで広げたことが、今後どう影響するのか注目していきたい。

◆2003データ 筑波大附属駒場
慶應中等部・開成・聖光②・渋谷幕張①・芝②・聖光①・立教新座①

◆2004データ 筑波大附属駒場
慶應中等部・開成・聖光②・渋谷幕張①・攻玉社(特)・芝②・駒場東邦

◆2005データ 筑波大附属駒場
開成・聖光②・渋谷幕張①・攻玉社(特)・芝②・栄光・麻布

◆2006データ 筑波大附属駒場
開成・渋谷幕張①・芝②・聖光②・聖光①・駒場東邦・麻布

◆2007データ 筑波大附属駒場
開成・渋谷幕張①・聖光②・灘中・芝②・栄光学園・麻布

◇やはり、筑駒―開成という併願者の併願が反映されているため、麻布・栄光・駒東の併願がめだたなくなっている。いずれにしてもこの併願校が、首都圏の男子選択校におけるエクセレントスクールだということだろう。

◇筑駒の志望理由も、教育理念・校風、大学合格実績、学費が妥当、理数教育、交通の便の順になっている。学校選択者にとって、大学合格実績も重要であるが、やはり教育理念や校風が重要であるというリーズナブルな判断。

◇私立学校に進学するということは、私立学校と契約関係を結ぶということである。もし大学合格実績を基準に法的契約関係を結ぶとしたら、恐ろしいことになるのでは。それだとまるで「ベニスの商人」のような契約関係ではないか。教育理念に基づく教育内容を互いに遵守するという契約で十分である。

◇これだと互いにその約束を守れない時、訴える権利があることは、合理的である。学校選択の視野に教育の中身、経済的感覚、そしてリーガルマインドまで収めなければならないということ。私学の学校経営のコンプライアンスについての勉強会では、こんなことまで研究されている。時代は大きく変わった。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月 5日 (日)

大学合格水増し高校?

読売新聞(8月5日3時5分配信) によると、

<私立高校の大学合格水増し問題で、関西の有名4私大の2007年度入試延べ合格者数を「100人以上」と公表している大阪府内の28私立高校のうち、新たに4校が受験料を負担し、結果的に合格実績が水増しされていたことが、4日、わかった。読売新聞が、28校に受験料の負担の有無などをアンケート調査・取材して判明した。>

★今のところ判明しているのは6府県20校に及んでいるとか。大学進学実績ではなく、大学合格実績ということだと、当然このようなことは起こるのではないか。水増しという捉え方が果たしてよいのかどうかは、詳細情報が明らかではないから判断がつかない。道義的な指摘なのだろうが、経済原理では問題ないのでは。

★センター試験の結果だけで、合格できる入試スタイルが相当活用されているので、このようなことはますます起こりうる。むしろゲーム感覚でセンター試験入試を活用する生徒は増える一方ではないうだろうか。

★いずれにしても、学校選択の基準が大学合格実績に偏って重視されると、当然起こりうることだ。このような情報に惑わされないようにするには、やはり教育の中身を見極める基準を学校選択者が持つこと。また学校もクリエイティブ・スクールとしての教育力を説明することが重要である。「クリエイティブ・スクールを探せ!」というNetty編集部のベクトルやそのためのイベント開催は間違いないということだろう。

※参考→「12歳のための12の学校選択指標」

(1) 自己実現プログラムの自覚的実行力

(2) 教師の創造的コミュニケーション能力

(3) 時代の変化への対応力

(4) 本格的論文編集指導力

(5) プログレッシブな授業構築力

(6) 総合学習と他の教育活動の有機的結合力

(7) 現地校で耐えられる英語教育力

(8) あらゆる教育活動でのIT活用力

(9) 他教科に刺激を与える芸術教育力

(10) キャリア・デザインとしての進路指導力

(11) 生徒の潜在能力を引き出す教育空間デザイン力

(12) 説明会の表現力(教育理念の具体的展開のプレゼン

[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月 4日 (土)

来春中学入試志望校動向[8]~07年7月センター模試データから

070204来春中学入試志望校動向[7]~07年7月センター模試データからのつづき。全国中学入試センターから提供してもらったデータから、2月4日入試・女子選択校(女子校・共学校)を分析。以下の2つの条件の表を作成。

①7月のセンター模試の志望校登録者数30人以上の学校を抽出し、登録志望者の多い順に並べてみたもの。

②3つのレンジ別で志望者数の多い順に並べ替えたもの

070204_2 ★レンジ別でみていくと、【R4 60以上】では鴎友学園女子がダントツ。【R4 50以上60未満】では共立女子がダントツ。実践女子も大健闘。国際学級新設で、実践女子の中で何かが大きく変化している。その動きを学校選択者は察知しているのだろう。【R4 50未満】のレンジでは、神奈川学園がダントツ。神奈川エリアでは聖園女学院も大健闘。

★いずれもクリエイティブ・スクールである。学校選択者の見識眼は年々磨きあがられているのではないだろうか。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月 3日 (金)

来春中学入試志望校動向[7]~07年7月センター模試データから

070204来春中学入試志望校動向[6]~07年7月センター模試データからのつづき。全国中学入試センターから提供してもらったデータから、2月4日入試・男子選択校(男子校・共学校)を分析。以下の2つの条件の表を作成。

①7月のセンター模試の志望校登録者数30人以上の学校を抽出し、登録志望者の多い順に並べてみたもの。

②3つのレンジ別で志望者数の多い順に並べ替えたもの

070204_2 ★芝はやはり大人気。学校当局としては昨年比が気になるだろうが、他校と比較すると人気は絶大だ。気になる学校について、全国中学入試センターがセンター模試受験生に配布している「志望校調査集計レポート」から、そのコメントを紹介しよう。

○芝→志望者数は06年に比べ減少したものの、05年の志望者数とほぼ変わらず。平均偏差は昨年・一昨年と上昇傾向にある。志望者のゾーン別で見るとB・Cゾーンで減少。Aゾーンでの人数増加が目立つので難度アップの可能性が高い。08年入試は要注意校の1つ。

○聖光学院→志望者数全体で358→434。ポイントの偏差値60以上の志望者数も236→302と激増。難化必至。志望者は2/2栄光学園-2/3浅野と神奈川男子最難関校の受験パターンが毎年トップを占める。07年入試の非受験率は毎年約40%・合格者平均偏差は64.6。

○サレジオ学院→昨年は4日に移動してきた鎌倉学園②の影響もあり、志望者数が大幅減。今年は05年を1名だが上回る状況に回復。難関大学の実績が伸びていることもあり、偏差値60以上が05年110名、06年90名、07年158名と激増。新線の開通もあり難易度急上昇の可能性大。

○明治大学付中野→首都圏男子校は53校まで減少。稀少な?男子校の中で、明大に約7割が推薦進学できるのは強みで、ほとんどの偏差値レンジで志望者増、平均偏差値もアップ。07年②は合格者数を若干増やしたが歩留まりが良かった。タブー視していた補欠を出したがほとんど動かず仕舞い。

○鎌倉学園→07年入試から入試日を3日から4日に移動。志望者数もレベルもアップした。今年の調査でもその傾向が続いている。偏差値60以上はいままで3日に浅野を受験していた層が併願校としているのだろう。この人気が続くとR4・R3・R2いずれも厳しくなる可能性が大きい。

○高輪→R4が2ポイント上昇している上に、志望者数も前年比で36名の増加。偏差値40以上のレンジ別志望者数も、60~65で2名減少しているのを除き、各レンジで増加。昨年に続き、厳しい入試が予想される。併願校は、近隣の進学男子校という傾向も変わらず。

○芝浦工大→3年連続志望者が増加し、相変わらずの人気を誇る。レンジ別に見ると、偏差値45以上が全体の51.6%を占め(06年の同レンジの全体比は、37.6%)、難化傾向は否めない。平均偏差値こそほとんど変わらないが、チャレンジ層には更に厳しい入試となりそうだ。

★コメントにあるように首都圏の男子校は減少している。それだけに男子校は難化傾向ということか。なぜ男子校なのか。男子校の重要性の探究とアピールの活動が、首都圏男子校53校すべてが大人気になる可能性に結びつく。男子校の活躍を期待する。

男子校教育の特色を語るイベント→9月8日「クリエイティブ・スクールを探せ!」に参加してみてはいかがだろうか。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月 2日 (木)

来春中学入試志望校動向[6]~07年7月センター模試データから

070203来春中学入試志望校動向[5]~07年7月センター模試データからのつづき。全国中学入試センターから提供してもらったデータから、2月3日入試・女子選択校(女子校・共学校)を分析。以下の2つの条件の表を作成。

①7月のセンター模試の志望校登録者数30人以上の学校を抽出し、登録志望者の多い順に並べてみたもの。

②3つのレンジ別で志望者数の多い順に並べ替えたもの

070203_2 ★レンジ別にみるとはっきりするが、豊島岡、鎌倉女学院、田園調布学園、跡見、三輪田、富士見はそれぞれのレンジ内での人気が高い。豊島岡は2月1日で勝負ができるか、鎌倉女学院は、1つレンジを上げられるかなど、現状の人気に満足していない先生方の顔が思い浮かぶ。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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2007年8月 1日 (水)

来春中学入試志望校動向[5]~07年7月センター模試データから

070203来春中学入試志望校動向[4]~07年7月センター模試データからのつづき。全国中学入試センターから提供してもらったデータから、2月3日入試・男子選択校(男子校・共学校)を分析。以下の2つの条件の表を作成。

①7月のセンター模試の志望校登録者数30人以上の学校を抽出し、登録志望者の多い順に並べてみたもの。

②3つのレンジ別で志望者数の多い順に並べ替えたもの

070203_2 ★気になる学校について、全国中学入試センターがセンター模試受験生に配布している「志望校調査集計レポート」から、そのコメントを紹介しよう。

○浅野→「志望者数自体は9名しか増加していないが、偏差値65以上の上位層が75名から104名に大幅増となったのは、東大合格者数が42名(現役28名)によるもの。逆に50未満の層は32名の減は、無理なチャレンジは避けて、確実な併願を組もうという表れ。厳しくなりそうだ。」

○成城→「②も①同様に試験科目を2科・4科選択から4科目に変更する。志望者数もここ数年ほぼ同数をキープしている。志望者平均偏差値は若干ダウンしているが、偏差値45~60の層が厚みを増しているので、易化することはあまり考えられない。大学合格実績も好調なので油断は禁物。」

○本郷→「この日程の志望者は毎年城北中との併願がいつも多い。志望者数156→189へ増加している中身は、合否ゾーンの50~60で87→107と、ここで増加。60以上も志望者増を示しており難化傾向を示すが、3日の日程なので1・2日入試結果次第。」

○桐光男子部→「07年入試から入試回数を4回から1回減らして3回になった。そのため昨年から志望者数が増えている。志望者の偏差値ゾーン別の分布はほぼ昨年と同じで、志望者平均偏差値も0.1しか差がないので、入試難度は昨年とかなり似た状況になるのではないだろうか。」

○桐蔭男子部→「3回とも全体的に易化傾向が続いている同校だが、この傾向は変わらないようだ。志望者平均偏差値が40.9と06年より1.1ポイント低下。志望者数自体は昨年並みだが、偏差値50以上の層が05年の16名、06年の14名、07年は7名となっている。」

★桐光男子部についてのコメントは、冷静すぎるかもしれない。桐光の成功要因である教育力について触れられていないからだ。本来、生徒募集の方法論で、生徒が集まったり集まらなかったりするわけではない。教育力の充実があって、そのうえでの広報戦略。もちろん広報戦略があって、そのあと教育力も豊かになるという場合も稀にあるが・・・。ともあれ桐光はそういう手法はとってこなかったのではないか。あくまで保守本道路線。教育のダイナミズム、つまり創造力を刺激する学びの方法と教科学力育成のプログラムの二重螺旋構造が見え隠れしている。その表現が今後ポイントか。

★桐蔭については、中等教育学校と男子部という戦略。この詳しい戦略方法論については外から見ていたのではわかりにくいが、どこかの時点で新しい学びの方法論というパラメータ変更を行ったに違いない。量は変わらないが、いわゆる入学時の教科学力(筑駒ななどでは、入学時の偏差値と卒業時の偏差値の相関はないと言われている。しかし、学力カテゴリーは何らかの相関はありそうだ。)は下がっている。しかし、一定の質を保つということは、相当な学びの環境の変更があったはずである。ここが明らかに表現されると、桐蔭選択者の質も再び大いに変わるだろう。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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