スポーツにおける「強み」と「弱み」 受験にも通じる勝利への戦略
スポーツにおける「強み」と「弱み」を、どのような選手も併せ持っていることは、どの競技・種目にも共通することだろう。球技における「攻・守・走」や、武道や格闘技における「攻・守(攻め技と守り技)」、陸上や水泳、スキー、スケートなどスピードを競う種目の「スタートとラストスパート(ゴール)」などにも、多かれ少なかれそれぞれの選手の「強み」と「弱み」が見られるはずだ。
たとえば野球ならば、「攻・守・走」すべて一流という、イチローのような選手も稀にいるが、そのイチロー選手でさえも、ことパワーヒッター(ホームランバッター)という意味では、松井秀喜選手や並み居るメジャーリーガーに及ばない。
そういう「強みと弱み」は、ときに「長所と短所」とか「得意・不得意」とか、あるいは「武器と弱点」といった言葉に置き換えられる。何だか受験勉強にも共通するような表現だ。
自分自身のそういう「強みと弱み」を認識したうえで、「強みを最大限に生かし」、同時に「弱みを最小限に押さえる」戦い方ができるようになるには、スポーツでも受験でも、相当なレベルに達する必要がある。それもひとえにトレーニング(練習や稽古)によるといえるだろう。
ところで、今年の夏の甲子園大会の東京都予選では、全国トップの進学校である開成高校の野球部が、都のシード校である強豪・修徳高校に善戦したことが話題になった。記憶にある方もいることだろう。
開成高校野球部を指導する、東大野球部OBの青木秀憲監督は、限られた短い活動時間のなか、いわば「打撃一辺倒」の練習で、同校野球部の攻撃力を高め、強豪校に食い下がるほどの実力をつけさせ、“名指導者”とマスコミに称えられた。限られた練習時間と環境のなかで、選手の「強み」を磨くことに集中し、その力で「弱み」をカバーする戦術の好例といえるだろう。
野球に詳しい同僚に聞いたところでは、かつて全国に名をはせた徳島の池田高校や、最近も全国トップレベルの活躍を見せている智辯学園和歌山高校の野球部も、似たような「攻撃重視主義」で、高校野球の頂点をめざしてきたという。聞けば納得できる気もするのだが、それでも「あの強豪校が…」と新鮮な驚きを覚えたものだ。
いま、来春に受験を控えた6年生の皆さんは、きっと志望校の過去問題や、それに類する各校の入試問題に、日々取り組んでいる時期だろう。
もちろん、入試本番までに、各自の「弱点克服」を図ることは大事なこと。しかし「強みを生かす」作戦は、それ以上に重要なのではないかと思う。合格最低点が、平均して60パーセント前後になった現在の中学入試では、必ずしも合格に満点は必要ない。そうなると「長所を生かして」できるだけ得意な分野で得点することを心がけたほうが、「弱点補強」より有効な場合がある。そんなことも意識して、なるべく自分に自信を持って、各自の志望校に挑んでほしいと思う。
[初出:NettyLandかわら版2007年11月号]
(北 一成)
写真は2007年7〜8月に行われた全国高校野球大会の東京都予選。城北高校vs京北白山高校の試合風景。高校野球でも各高校が、それぞれの「強み」を生かす戦い方を工夫してがんばったはずだ!
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