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2008年4月 4日 (金)

入試問題から学校を探る 理科の問題にみる十文字中学の教育理念

 「学ぶ。それは自ら興味を持ち、それを深く掘り下げていくこと。」十文字中学の学びの定義だ。あたりまえのことのように思われるかも知れないが、奥の深い言葉だ。与えられたことをそつなくこなす子は多いが、自らの興味に突き動かされて探究心を持ってものごとに取り組む子はどれだけいるのだろうか。欲しい情報はいとも簡単に手に入り、ともすれば大人と同じように時間に追われる日々を過ごすことが多い子どもたちが増えている状況にあっては、一番難しい課題となってしまったようにすら思える。この難しい問題に正面から取り組んでいるのが十文字中学だ。

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 まずは問題に目を通してみて欲しい。ドアイアイスをテーマにした母と子の会話からはじまっている。問題を解くにあたって、この会話文が特別必要なわけではない。しかし、これがこの入試問題の肝であり、受験生の頭を「自ら考える」モードへと切り替える役割を担っているのである。

実際の入試では、この後すぐに、問題にあるような3つの実験が受験生の前で行われ、それを見せた後3つの問いに答えさせている。問題そのものは実験がなければ解けないわけではない。しかし、敢えて実験を観察させているのだ。知識の量で受験生の能力をはかるのではなく、まずは「なんだろう?」「なぜだろう?」という疑問を持つことを出発点として、起きたことをつぶさに観察し、自分なりに仮説をたてた上で良く考えて結論を導き出すということを求めている。こうした科学的なものの見方や考え方の大切さを入試を通して受験生に実体験させているのだ。単にふるいにかけるための入試ではなく、十文字中学での学びそのものを体験してもらうという、受験生に対する優しさに富んだ内容になっているのである。

 入試という枠組みの中にあってさえ、受験生に興味を持たせ、学ぶ意欲を刺激し、自ら考えられるような環境を設定するという労を惜しまない十文字中学。普段の授業においても「学ぶ意欲を育て、自ら考え、創造する力を養っていく」ための工夫が数多くなされているだろうということは想像に難くない。

[初出:NettyLandかわら版10月号]
(藤崎正彦)

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