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2008年12月25日 (木)

スポーツに読むヒント

世界中を沸かせた北京オリンピックが終わり、プロ野球も終盤を迎えた10月、大手書店ではスポーツ関係の書籍が新書・文庫化されたものが目立つ。今回は3冊の本を紹介したい。

Kitajima2_2 『〈勝負脳〉の鍛え方』は、脳外科医で、救命救急患者の治療でも画期的な治療法を開発してきたという著者の林成之氏が、オリンピックやプロスポーツでトップレベルの活躍をする選手の脳の働きに触れ、「勝負脳」の鍛え方や「頭がよくなる秘訣」を紹介している

ここでは記憶を強くする方法に始まり、覚えたことをパフォーマンスする知能、つまり「表現知能(表現する多重知能の能力)」にも触れ、スポーツや受験、ビジネスなど、あらゆる勝負で勝つための能力を鍛える必要性と、この「勝負脳」を自分のものにするコツが述べられている。スポーツが好きな受験生や保護者にとっても、中学受験の励みやヒントになる内容がある。

Hushimi2_3 『気づかせて動かす~熱情と理のマネジメント~』は、かつて伏見工業高校ラグビー部監督として同校を全国大会に導き、TVドラマ『スクール・ウォーズ』のモデルや「プロジェクトX」の登場人物ともなった山口良治氏と、山口監督が率いて伏見工業が初めて全国制覇を果たした時のキャプテンで、後に日本代表チームの監督も務めた平尾誠二氏による対談をまとめたもの。

大切なのは何より生徒を信じること、人が自分を変えることができるのは「気づき」によること、などについて両氏は触れ、スポーツの意義について「自分の可能性に挑戦できる、その結果をいつも自分のものとして受け止めることができるという意味で、すごく教育的な価値があると思う」(山口氏)、「スポーツの教育的価値とは、ひと言でいったら、『できなかったことができるようになる』ことだとぼくは思います。しかも、自らの意思で、自らの努力でそれを勝ち取ることができる」(平尾氏)と結んでいる。これから志望の中学に合格~入学し、スポーツをしてみたいと考える子どもたちにも伝えたいメッセージが含まれる一冊だ。

Kanemoto2_2 『覚悟のすすめ』は、阪神タイガース外野手で、この2008年に400本塁打、2000本安打を達成して名球界入り、今シーズンも連続フルイニング出場記録を更新した鉄人「アニキ・金本」の初著書。今シーズンも最後まで優勝の期待と話題を撒いた阪神タイガースで、40歳にしてリーダーシップをとる金本選手の、プロスポーツ選手としての“覚悟”が淡々と述べられている。これは中学受験生には直接は関係ない内容かもしれないが、やはり阪神は面白いし、金本選手は頼もしい。個人的にはとても面白く読めた。

Kanemoto01_2これらの本に共通して述べられているのは、受験や勉強についても、スポーツから学べる貴重なヒントがあることと、スポーツが人をいろいろな面で成長させてくれるものであることだ。

中学受験生の諸君にも、この先の中高6年間でそういうスポーツの楽しさに実際に触れて、健やかに大きく成長していってほしいと思う。

【初出:NettyLandかわら版2008年11月号】
(北 一成)

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