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2010年2月19日 (金)

クラブ活動を勧める理由 高校受験がない中高一貫校だからこそ、その環境を生かしたい。

6年間一貫教育の私学をめざす中学受験生と保護者に向けて、毎年お願いすることがある。それは、中学受験を終えて、入学が決まった各自の中高一貫校に進学したときには、何よりも「好きなクラブ活動を探して、それに打ち込んでほしい」ということだ。

受験までの期間、中学受験に挑むために、進学塾をはじめ、それぞれ何らかの形で受験勉強に励み、目標達成のためにがんばってきた12歳の少年・少女たちが、人生で最も多感な、成長の著しいこの時期に、ひとつのハードルを超えたからには、次に自分自身が打ち込めることを見つけることが、それからの大きな活力になるからだ。

何度も言い尽くされてきたことかもしれないが、中高一貫校では、3年刻みで高校受験がないことによる「時間的ゆとり」を生かして、自分のやりたいことに集中できるメリットがある。

保護者の立場からすると、中学に入学してからすぐに、「学校の勉強についていけるかしら?」とか、「学校以外にも、塾に通って勉強させたほうがいいのでは?」といった心配が先に立つという気持ちも十分にわかる。

しかし、中学入学後に何より大切なことは、まず「進学した学校に馴染み、良い友達をつくり、毎日楽しく学校に通えることができるようになること」に尽きる。そこで、自分の好きなことと、それについて語り合い、一緒に過ごせる仲間ができることが、何よりも、中高生活の支えとなる。

そうして見つけたクラブ活動が楽しくなれば、毎日、学校に通う励みや楽しみになる。そこには、各クラブで共通する目標を抱いた友だちが、いつも一緒にいてくれる。

それは何もスポーツである必要はない。運動部でも文化部でも、あるいは同好会でも何でもいい。その活動が好きな仲間がいて、そこに自分の居場所を見つけることができれば、きっと楽しい中高6年間になることだろう。

わが子可愛いさのあまりに、先回りして保護者が心配し、あれこれ口出しする必要はない。子どもたちはすでに、自分たちのなかに、自立心や自制心、共生心を芽生えさせている。それが学校生活のなかで、とくにクラブ活動という場のなかで、大きく育っていくことは間違いないからだ。

ときには、仲間との確執やぶつかり合いがあり、挫折や傷つくことを体験することもある。しかし、だからこそ、私立中高一貫校のほとんどの先生方は、クラブ活動を奨励する。そうした体験のなかで成長し、得られることの価値は、ほかの何物にも替えられない。

ふだんの勉強や、大学受験対策についても心配ない。忙しくクラブ活動に打ち込むことで、上手な時間の使い方や、集中力、行動力は、保護者が期待する以上に大きく育ってくるからだ。

そうした意味でも、筆者が400校近くの私学の先生方から話を聞いてきた経験から言うと、「クラブを6年間続けた生徒ほど、大学受験の結果もうまくいっていることが多い」という。

受験を終え、わが子が中学に進学したときには、ひとまず余裕を持って少しだけ距離を置き、新たな中学校生活を楽しんでいるかどうかを見守ってみてほしい。そうすれば、きっと日々、頼もしく成長していく、わが子の健やかな姿が見られるはずだ。

【初出:NettyLandかわら版2010年1月号】
(北 一成)

 

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ある男子校の入学式。これから楽しみな中高生活がスタートする!

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中学3年間のクラブ活動での最後の試合を終えて、仲間と一緒にくつろぐ。

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