湾岸エリアに誕生した共学進学校、かえつ有明への大きな期待!
引き続き、6月2日(土)に中村中学校(江東区・女子校)で行われる「私学の国際化教育」講演会に関する話題として、参加校のひとつである、かえつ有明(江東区・共学校)について触れたい。
かえつ有明は、長年「怒るな働け」というユニークな校訓を掲げて、自立した女性の育成に努めてきた千代田区の女子校、嘉悦女子中高が、2006年春に有明の地に移転して、同時に共学化を果たしたフレッシュな進学校。
近年、臨海副都心に近接するエリアの開発が進み、学童生徒数も増加に向かっている江東区に生まれたニュータイプの私立中高一貫校として、中学入試でも大いに注目を集めている学校だ。
とくに東京の都心部には、大学付属校タイプを除いた共学の進学校は意外に数が少なく、たとえば渋谷学園幕張や青稜といった共学の進学校に、かなり広いエリアからの人気が集中する傾向が目立ってきた。そのなかに、東京湾岸エリアからも、隣接する千葉エリアからも通学可能な共学進学校として、このかえつ有明が誕生したことで、受験生にとっては嬉しい選択肢が加わった。
もうひとつ、6月2日の「国際化教育」講演会の会場校である中村が1991年に中学を再開し、中高一貫校として再スタートするまでは、江東区内には「私立中高一貫校が存在しない」状況が一時期続いてきた。その意味でも、中村に続いて区内の私立中高一貫校として生まれた、このかえつ有明は、首都圏の中学入試の構造に、新しい風を吹き込んでくれた存在といえるだろう。
東京や横浜と同じように、私立中高一貫校が数多く存在し、「中学受験のメッカ」ともいわれる神戸にあって、いまでは日本一の進学校と評され、「中高一貫教育のパイオニア」ともいわれる灘中高の第4代校長で、灘の“中興の祖”ともいわれる勝山正躬先生(故人)は、かつて「私学駅前パチンコ屋論」という持論を唱え、「同じエリアに競合する私学が多いほど、それぞれの私学(パチンコ屋)は発展する(流行る)」という意味のことを主張していた。
学校をパチンコ屋にたとえた表現には、私たち塾関係者も驚かされたものだが、それにしても明快な論旨と表現だったのではないかと思う。現にその後も、私立中高一貫校が増えたエリアほど中高一貫教育への注目度と中学受験率が高まり、そのエリアの私学も発展に向かっている。
そうしたことも振り返りつつ、かえつ有明の将来に向けての進化・発展に注目している受験関係者は多いことと思う。そうした点で、最近の首都圏中学入試で人気ブレークしている中村と同じように、このかえつ有明も、江東エリアだけではなく、首都圏中学入試における注目校・話題校のひとつであることは間違いない。 
あえてお伝えすれば、このかえつ有明と中村は、共学校と女子校という違いはあっても、近接エリアで互いに人気競合する、いわば「ライバル校」。同じ場で机を並べて説明会をする場は珍しい(ほとんどない?)。しかし、そのエリアで伸びている私立中高一貫校に関心のある家庭からすれば、どちらも選択肢のひとつになるわけだから、両校の話が聞ける機会というのは貴重だろう。
今回の6月2日(土)の講演会では、その両校が「国際化教育」という切り口で話をしてくれる。ほかにもテーマにふさわしい、聖学院(北区・男子校)、世田谷学園(世田谷区・男子校)、頌栄女子学院(港区・女子校)の計5校がこの会に参加校してくれる。
このなかで共学校は、かえつ有明だけとなる。また、校地移転と共学化から2年目を迎えて間もない同校だけに「国際化教育」のプログラムにも、まだ確立されたものは正直ないと先生方はいう。しかし、新しい体制で“第2幕”をスタートさせた同校は、6年後の大学合格目標も明示し、理数の授業時間は首都圏でもナンバーワンという「難関大学進学コース」を設置し、すでに多くの受験生の期待を集めている。
IT、環境、男女共同参画社会を担う日本人の育成をめざして、優れた学力と豊かな人間性を身につけ、高い志をもって国際社会でも活躍できる人間を育成することが同校の目標。「高い英語力を身につけ、世界に誇れる日本の礼法、武道も習得することで、国際的に活躍する真のエリートを」と謳う、かえつ有明。その将来に向かうベクトルと学校全体の意欲を、この機会に感じてもらえることと思う。
そして、このかえつ有明中高や中村中高が、そして聖学院や世田谷学園や頌栄女子学院が、この先、かつて灘中高が「日本一の進学校へ」と着実に歩んでいったように、それぞれのスタイルで「中高一貫教育のパイオニア」になっていくことを楽しみにしたい。 (北 一成)
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