2008年8月13日 (水)

募集活動の新たな試み 2008市川・松戸 女子中学校見学バスツアー

中学受験を考えている子ども達や保護者にとって、学校選択はとても重要です。そんな学校選びをサポートする1つの機会が学校説明会です。

今回は中学入試が盛り上がってきている千葉エリアの女子校『国府台女子学院』『聖徳大学附属中学校』『和洋国府台女子中学校』の3校合同学校説明会を紹介しましょう。

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2009年の入試を見据えた学校説明会が多く実施されている中で、この3校合同学校説明会は異彩を放っています。

この合同説明会は4年前の開始から参加者が増加の一途を辿っています。

それはこの3校が隣接していること、学校同士の結びつきが強いこと、3校全ての学校が「女子校」であること、そして何より「ツアー」であることが他の合同説明会と一線を画していることにあります。

今や千葉では女子校はこの3校のみとなっており、女子校を志願している子ども達や保護者にとっては、学校を選択するにあたり絶好の機会なのです。

学校見学バスツアーの流れ

国府台女子学院に集合するところからバスツアーは始まります。学校間の移動は全てバスで行われ、バスは和洋国府台女子中学校の専用バスであることも面白く、このあたりにも学校間の結びつきの強さが伺えます。バスに乗っている時間は少ないながらも、ちょっとしたバス旅行に出かけているような錯覚さえ覚えてしまいます。なぜなら、バスの中では次に立ち寄る学校の先生方が、さながらバスガイドのように地理や学校の説明をしてくれるからです。またその案内が非常に上手いので驚いてしまいます。2番目の訪問校である聖徳大学附属中学校では、実際に生徒が摂っている給食を頂くので食堂の雰囲気や食事の内容も見ることができるのが素晴らしい。昼食後、バスに乗り和洋国府台女子中学校へ向かい、同様に説明・見学が実施され14:30頃に解散となります。

バスツアー終了後、和洋国府台女子中学校から駅までのバスも用意され、帰りの交通についても気にする必要がありません。

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個々の学校の特色ある説明

各校ではそれぞれ特色ある説明が行われていました。

国府台女子学院では、校風から伺える厳かな雰囲気の中で説明が始まり、平田史郎学院長先生自ら学校の説明を繰り広げられていました。女子校であることの有為性や中高一貫教育について、また子どもと学校の相性についてなど、学校選びに欠かせないポイントを突いたもので、参加者の方々も熱心に耳を傾けて話を聴いていたようです。授業の様子を見ても、子ども達が和気藹々としており、普段から活発な授業が行われている様子が伺えます。

聖徳大学附属中学校では、川並芳純校長の挨拶の後、全国でも上位の吹奏楽部による演奏と合唱を披露するなど、華やかなスタートとなりました。また、生徒による案内や食事の配膳など、実際に通う生徒と触れ合うことも多く、一部の参加者の方は生徒に直接学校のことについて聴いている風景も見られました。パワーポイントを使用した説明もテンポ良く、参加者の印象に残ったことでしょう。

和洋国府台女子中学校では、高橋邦昌校長により、女子教育や防犯対策、女性の役割についてなど、女子校ならではの女性にまつわる話が多く展開されました。学校の雰囲気もアットホームで、授業見学では「アジの解剖」をしている理科の実験風景や、ミシンで洋裁をしている風景も見ることができました。体験・発見を通して学ぶという学校のテーマがよく感じ取れるものでした。

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「新たな募集活動」への反応

参加者は200名を超え、定員の上限に達したほどの見学バスツアー。夫婦で参加している方も多く見られました。募集当日に応募締切となってしまうほどの人気で、千葉エリアの受験が盛り上がっていることも納得できます。また企画内容も「ツアー」という色が強く、通常の合同説明会よりも新鮮味溢れ、参加者は充実した時間を過ごすことができたのではないでしょうか。

全ての説明会場で感じ取れたことでありますが、参加者が笑顔であるということが最も印象に残っています。学校説明会というと堅苦しいイメージがあり、難しい顔をしている参加者が多いように思いますが、この見学バスツアーではそのような参加者の顔を見ることはなく、むしろ笑顔で終始執り行われていました。明らかに競合する環境の3校であるにも関わらず、競合するのではなく協調することによって参加者が増し、そして比較されることでお互いの個性が更に色濃くなり、その独自性が参加者に伝わり、結果としてこのような協調活動が3校全てのPRにつながっていたのでしょう。全国的に見ると、ここまで協調した合同説明会はまだ少ないが、こうした取り組みは今後ますます増えていくことを期待するとともに、受験生や保護者にとっても有益な機会になると思います。

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2008年2月 1日 (金)

さまざまな中学受験。それぞれに実り多い入試体験を!

2月1日。いよいよ今日から、東京、神奈川の私学でもいっせいに中学入試がスタート。首都圏中学入試のメインステージの幕が開きました。

日能研のWebサイトの「倍率速報」では、日々の応募状況を各校に電話でリサーチし、サイトの数字を更新して紹介しています。個々の学校の人気動向や倍率はここでご覧いただけますので、関心のある学校の状況を参照していただくとよいでしょう。

朝、今年は麹町学園女子の入試応援に向かいました。この近くには大妻、女子学院、東京家政学院、千代田女学園、雙葉など多くの私立女子校があるだけに、早くからあちこちの駅周辺で、受験生らしき親子の姿が見られます。
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麹町学園女子は、今年は都内の私学のなかでも応募者の増加が目立つ女子校です。まだまだ今後伸びていく期待のかかる学校だけに、午後入試や2日以降の入試回だけではなく、この2月1日の初回入試にも、意欲的な受験生の親子が数多くチャレンジしています。写真は、2007年12月6日に麹町学園女子で行われた「クリエイティブ・スクールを探せ!」合同講演会の様子です。

それでも、先生方いわく「過保護なほどの」面倒見の良さが特色の学校だからでしょうか、この入試初日の朝の雰囲気も、やはりアットホームで温かな空気に包まれています。

もちろん受験生の親子にも、迎える先生方にも緊張感はあるはずです。それでも雰囲気が必要以上に堅苦しくならないのは、おそらく説明会や見学のために何度も学校に足を運んだ受験生と保護者が多いことと、そうした受験生と保護者への説明や案内、相談への対応を重ねるうちに、ほとんど顔を覚えてしまった先生方が多いということによるものなのではないでしょうか。

まるで先生方にも、受験生と保護者にも、この日の再開を楽しんでいるような雰囲気さえ感じられました。

入試が“選抜”である以上、そこには厳しさも生まれてきますし、合否という厳然たる結果もついてきます。それを覚悟で、受験生は志望校に向かい、各校の先生方はそうした受験生一人ひとりが「十分に力を発揮できることを願って」自校の試験会場に迎え入れます。

この麹町学園女子は、今日の午後にも、明日以降にも入試が続きます。おそらく後半の入試になるほど、厳しさも増すことでしょう。それでも、この2月1日の朝のような「温かな入試風景」であってほしいと、そんなことを願いたい気持ちになりました。Koujimachi_2


また4月の桜が咲く頃に、今度は制服姿で、めざす志望校の先生方と“嬉しい再開”ができるように、受験できるチャンスをフルに生かし、自分の持てる力を存分に発揮できるよう、受験生の皆さんには、最後の最後まで自信と気力を持って、各自の入試に向かっていってほしいと思います。 (北 一成)

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2007年5月25日 (金)

完全中高一貫化に向けて進化する中村中高の「国際化教育」

「Nettyかわら版」2007年5月号のなかでは、スペシャル対談「私学の国際化教育~わが校の試みと今後の展望~」と題して、中村中高(東京都江東区・女子校)橘学苑中高(神奈川県横浜市鶴見区)の先生方の対談を紹介している。ともに高校に国際科・国際コースを設置して、私学のなかでも数少ない「1年間の留学制度」を実現してきた学校だ。

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その対談のなかで中村の教頭である梅沢辰也先生は、「自己表現能力」、「コミュニケーション能力」、「問題発見・解決能力」、「行動力」という4つの力をバランスよく備えた“総合的な国際力を持つ人間”を育成したいと述べている。これは梅沢先生のみならず、両校の先生方の考えはその点で本質的に一致して、お話は大いに盛り上がった。

中高6年間の教育展開のなかに、「国際化」のプログラムを大胆に取り入れることは、実は私学にあっても画期的なこと。スムーズな実現までには、さまざまな苦労や苦心があったことも話題になった。しかし、そうしたハードルを乗り超えて、めざした「留学」プログラムが実現すると、帰国後の生徒は大いに学習のモチベーションを高めて帰ってくるという。

とくに女子は、リアルな体験、身近なコミュニケーション、初めての出会いや知的刺激に敏感に反応し、頼もしいほどの成長を見せてくれることが多いという。自分の意見をはっきり言えるようになると同時に、相手のメッセージもしっかりと理解する姿勢が育ち、その点でもその後の成長のきっかけを得ているという。もうひとつ、世界に向けて広く視野が開けることで、自身のキャリアデザインを描くうえでも、留学をはじめとした「国際化」プログラムの良い影響は大きいようだ。

とくに中村中高は、2009年度からの完全中高一貫化に向けて、この2007年度から新システムをスタートさせたところ。この一連のカリキュラムや授業の改革のなかで、高校国際科の取り組みも、完全中高一貫の教育体制のメリットを生かしたものにしていけるという。

中学入試でも、このところ年々応募者を増やし、いわば人気ブレークの時を迎えているといわれる中村中学校。伸び盛りの進学校として、進学実績の躍進と同時に、こうした「国際化教育」プログラムの今後の進化も楽しみだ。

教員・生徒・保護者の熱意と将来への期待、全員の夢が一体となって、いままさに学校全体に活気が生まれている中村中高。完全中高一貫化に向けて、今春から「ポイント・オブ・ノーリターン」という言葉を内外に掲げ、すでに2007年の入試から、完全中高一貫化に向けての第1歩を踏み出している。

その注目の中村中高を会場にして、6月2日(土)に、「クリエイティブ・スクールを探せ!~世界水準の教育で求められる力と、私学の国際化教育~」講演会(保護者対象)が行われる。ゲスト校には、中村と同じ江東区で、やはり中学入試の人気・難度ともにレベルアップが著しい、かえつ有明(江東区・男子校)をはじめ、この「国際化教育」というテーマにふさわしい、聖学院(北区・男子校)世田谷学園(世田谷区・男子校)頌栄女子学院(港区・女子校)の先生方が参集してくれる。

「私学の国際化教育」という切り口から、お子さんの学校選びに役立つ情報や、新たな視点など、多くのものを感じていただける講演会になることと思う。私学の教育について視野を広げ、理解を深めていただける絶好の機会といえるはずだ。

さらに、この「国際化教育」講演会(9:00~11:00)の後に、午後からは、会場校である中村中学校の「体験授業」が受けられる。予定されているプログラムは、「フライング・ディスク(フリスビー)体験授業」、「英語で遊ぼう」、「理科実験〈バイオペンダントをつくろう!〉」の3種類。いずれも低学年のお子さんでも楽しめるプログラムである。

もともと、早くから「国際化教育」の取り組みに積極的で、①語学(英語)、②音楽(フリュート)、③スポーツ(フライングディスク)の3つを、国境を超えてコミュニケーションできるツールとして重視してきた同校。その一端も、今回の「体験授業」で感じ取っていただくことができるに違いない。

また、中村中高の周辺には、清澄庭園、深川江戸資料館など、土曜日にご家族で「日本文化に触れる」つもりで散策しても楽しい施設が多くある、お天気が良ければ、学校の真向かいの清澄公園で、昼食をしていただくのも気持ちよいだろう。

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中学受験の準備をしている小学生の場合、とくに6年生にとっては忙しい土曜日。ほんの少し親子で楽しみながら、私学を「肌で感じていただく」機会になれば嬉しいと思う。また、5年生以下の低学年のお子さんと保護者には、中学受験まで少し時間の余裕のあるいまだからこそ、入試情報や合格対策とは少し違った、こうした「私学の教育内容を知る」切り口で学校を見ていただく機会になればと願っている。 (北 一成)

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2007年4月29日 (日)

立教女学院という環境で育つ感性

立教女学院というキリスト教系の私立女子校に初めて足を踏み入れたとき、自身の中高生時代を東京都内のふつうの学校(公立学校)で過ごしてきた筆者は、校内の雰囲気の素晴らしさと、どっしりと重厚でありながら、あたたかなぬくもりを感じさせる校舎に驚かされ、かつ魅了された。「これが私学か!」と思ったものだ。もう22年も前のことである。

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その日は学校説明会だったこともあり、講堂でのお話のあとに校内見学をさせてもらえたが、天井の高い校舎、各所にある机や椅子の木のぬくもり、校舎を囲む緑と四季の花々、そして圧巻だったのが、同学院の歴史を刻む聖マーガレット礼拝堂である。ここで祈り、式典を迎える生徒はみな、この環境のなかでこそ培われる感性を育て、卒業してからも懐かしく思い出される風景を、在学中に心に刻んでいるのだろうと感じたものである。

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その後も数年に一度は、取材や学校訪問で訪れる機会があったが、最初に感じた印象は、いつ訪れても変わることはなかった。

その後、立教女学院は、築70年以上の伝統ある高校校舎や聖マーガレット礼拝堂とは対象的な、新しいマーガレットホール、中学校舎、聖マリア礼拝堂などの新築施設を加えたことで、新旧バランスのとれた学園環境を整えた。変わっていく校内の風景を眺めながら、「それでもこのキャンパス内には、変わらない素敵な雰囲気があるなあ」と思ってきた。

先に学校を訪れた際、同校教頭の山岸悦子先生は、この立教女学院の環境について、卒業生の松任谷由実(ユーミン)のことに触れ、「きっとユーミンの感性も、この立教女学院で培われた部分があるのではないでしょうか」と話してくれた。現にユーミンの曲にはパイプオルガンの音色が使われているものがある。代表作のひとつともいえる「翳りゆく部屋」で流れる荘厳なパイプオルガンは、目白の東京カテドラル教会大聖堂で録音されたものであることは、ファンの間に語り継がれている。

筆者は個人的にも興味があり、後日ネットで調べてみると、あまたあるユーミンのファンサイト(個人ホームページやブログ)では、同じことを指摘している同校卒業生やファンが大勢いることを知った。Rikkyojyogakuin106

この立教女学院のキャンパスや校舎には、そんなことも想像できるような、魅力的な雰囲気が受け継がれているということだろう。

ところで、この立教女学院は、学校の体制も少しずつ変わってきた。従来は1学年約160名の卒業生のうち、約60名が推薦で立教大学に進学してきたが、2005年に立教大への推薦枠が撤廃され、一定の成績を修めれば希望者全員が進学できることになった。その後は立教大に約100名が進学、約60名が他大学を受験~進学するという状況になっている。立教大学への推薦進学の道が実質全員に開けたことにより、中学校を受験するなかにも、いわゆる「大学付属校志向」の強い受験生や保護者が以前より目立ってきた面もある。

しかし、もともと同校は、系列の立教大学や立教女学院短大だけではなく、国公立大学や難関大私立大学に多くの進学者を送り出してきた実力校。「知的で品格のある、凛とした女性」を育ててきた、その伝統はなくすわけにはいかない。

そこで2006年から高2で理系(立教大理学部志望者含む)、文Ⅰ(立教大以外の文系希望者)、文Ⅱ(立教大学推薦希望者・理・文Ⅰ以外の進学希望者)の3コースに分かれる、コース制を導入した。進学校としての方向性をあらためて打ち出している。

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校舎・施設の面でも、旧き良き伝統に新たなものを加え、時代のなかで変遷を遂げつつある立教女学院は、教育の方向性や中身の面でも、理念の見つめ直しと、具体的な教育展開の再構築を図っている。そうした両面の良さを理解し、ファンとなる受験生と家庭がいるかぎり、立教女学院の魅力は決して色あせることがないだろう。

5月12日(土)に聖学院で行われる「Netty Land」講演会「クリエイティブ・スクールを探せ!~私学の教育環境を考える~」には、ゲスト校として、この立教女学院の山岸教頭先生も参加してくれる。きっとこのときにも、「旧き良き立教女学院の教育」と「新しい立教女学院の教育」の両面を伝えてくれるに違いない。そして、この日同じくゲスト校として参加してくれる市川にも、会場校である聖学院にも、やはり同様のことが期待できるはずだ。(北 一成)

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2007年4月27日 (金)

5月12日~市川、聖学院、立教女学院の教育環境と文化を探る機会~

日能研Web情報通信の「合同説明会案内」でも紹介されたことと思うが、連休明けの5月12日(土)には、「Netty Land」主催の講演会『クリエイティブ・スクールを探せ!』シリーズの第1弾として、「私学独自の環境が生む“教育の質”とは?」と題した講演会が、聖学院中学校の講堂を会場に開催される。私学独自の「教育環境」について語られる、内容的には珍しい講演会である。

Seigakin02 今回は、会場校の聖学院(東京都北区・男子校)に加え、会の趣旨に賛同された市川(千葉県市川市・共学校)立教女学院(東京都杉並区・女子校)の先生方がゲストに招かれ、それぞれの個性的な教育環境についてお話しいただける機会だという。

また、今回は、特別ゲストとして、キリスト教関連の施設をはじめ、さまざまな名建築で有名なヴォーリズ建築事務所から、現会長の片桐郁夫氏も参加してくれるとのこと。ヴォーリズ建築事務所といえば、今回の会場校である聖学院をはじめ、女子学院、フェリス女学院、東洋英和女学院、横浜共立学園、明治学院、同志社、神戸女学院、西南学院、関西学院、宮城学院、遺愛女子、活水学院、等々の名だたるキリスト教系私学の校舎建築設計のほか、歴史に残る名建築を数々手がけてきたことで知られている。

今回の会場校である聖学院の建築設計に込められた想いと、これまでに手がけてきた私学の校舎建築のコンセプトや、心あたたまるエピソードの数々に期待したいところだ。私学の特徴のひとつである独自の教育環境と、そこで実践される良質の教育についてのお話が聞ける、希少な機会ということだ。

ヴォーリズ建築事務所については、ちょうどいま書店にて発売されている、月刊情報誌『進学レーダー』(みくに出版刊)でもP150~153に紹介されている。

ミッション系私学や教会建築に関心のある方にとっては、とても大きな存在といえるヴォーリズ建築事務所の建築思想と、その創立者ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(クリスチャン建築士。メンソレータムで有名な近江兄弟社の設立者でもある)の人柄やエピソードも聞けることと思う。

Ichikawa103 同時に、今回の参加校は、都心からも近い交通至便な地にヴォーリズ設計の校舎を整えた聖学院(男子校)、郊外型の私学として2003年に素晴らしい環境に生まれ変わった市川(共学校)、自然に恵まれた趣ある環境に新校舎も加えた立教女学院(女子校)の3校と、とてもカラフルな顔ぶれ。

そこに、キリスト教系私学の校舎建築の雄・ヴォーリズ建築事務所の片桐会長を加えたゲスト諸氏から、「私学の教育環境」に込められた工夫と、その背景にある生徒への“想い”を紹介していただける貴重な機会といえるだろう。

Rikkyojyogakuin102_1 私学の教育のさまざまな側面を、一人でも多くの方々に知っていただきたい。そんな想いから、この「Netty Land」主催の『クリエイティブ・スクールを探せ!』講演会シリーズはスタートしたものだ。

関心のある方は、どなたでも参加できる講演会である。詳しいご案内は、Webサイト「Netty Land」でご覧いただきたい。(北 一成)

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2007年4月 7日 (土)

07中学入試の結果R4分析(了)

07中学入試の結果R4分析(8)のつづきであり、本シリーズ最終セクション。最後に「全国中学入試センター」のスタッフに、女子選択校で【表1】の⑦の領域(R4が下降し、かつR4とR3の幅が拡大している領域)に入る中学入試について聞いた。この領域に入っている学校で、特に気になるところはどこか?

★「青山学院中等部、日本女子大附(2、跡見学園(3、大妻多摩(3、跡見学園(2、獨協埼玉(2、跡見学園(1が気になりますね。青山中等部女子はかつては2科目受験校の最高峰だったのですから。日本女子も、一回目の試験でさえ領域⑨に入っていて、心配ですね。跡見は三輪田や豊島岡女子と肩を並べるほどの教育の質を持っているし、イメージとしては3校の中で最も明るいし、海外での研修など国際教育にも積極的です。獨協埼玉は男子の場合と同じだと思います。」

★青山、日本女子は、中学受験の大衆化の波が押し寄せていると仮説を立てることも可能かもしれない。跡見はたしかに元気の良い学校だから、つまり開かれた学校だから、今学内で相当対策を議論していることだろう。

★「ということは大妻多摩ですね。1回目2回目は領域⑨ですから、日本女子と同じようなポジションにいるわけですが、中学受験の大衆化は関係なさそうです。教育の質もその成果も申し分ないでしょう。今年も東大の合格者は大妻より大妻多摩の方が多かったわけで、大学進学実績のよさを象徴的に表しています。」

★校舎もロケーションもたいへんよいんだがな。確かに多摩エリアの都市づくりは郊外型で、九段の大妻のほうが、地政学的には文化資本のアドバンテージが高い。しかし、大妻多摩のキャンパスに限れば、そのロケーションはアメリカ的雰囲気でよい、とUCLA卒の友人が訪れたときに感想を漏らしていたが。

★「多摩モノレールがあるので、立川から唐木田駅まで40分かからないので、意外と交通便もよいですね。ただ、そこから歩く距離があるというより、正門前からの長いスロープがきついです。」

★それは女子生徒には無縁。だいいち6年間あの散策はちょうど健康によい。それにほとんどの良質女子校は丘の上にある。こうして考えめぐらすと、どうやら広報戦略だけの問題のようだから、再び難しくなる可能性は十分ある。安心した。

★それにしても、今回ずっと話しに付き合ってくれて、そして詳細なデータ分析の結果について情報提供してくれ、助かった。中学受験の大衆化問題、男子上位校の新しい戦略の探究、地政学的特長をさらに把握する必要性、新しい教養教育としてのリベラルアーツとは何か、ハビトゥスをどう捉えていくか、≪私学の系譜≫の探究・・・など、調べることが尽きないことに気づく機会となった。心からありがとう。(本間 勇人)

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07中学入試の結果R4分析(8)

07中学入試の結果R4分析(7)のつづき。「全国中学入試センター」のスタッフに、今度は、男子選択校で【表1】の⑦の領域(R4が下降し、かつR4とR3の幅が拡大している領域)に入る中学入試について聞いた。この領域に入っている学校で、特に気になるところはどこか?

★「結果R4が2以上下がっているとか、幅が2以上拡大しているとかという意味で、気になるのは、世田谷学園(3、巣鴨(2、神奈川大学附属C、獨協埼玉(2、獨協埼玉(3ですね。」

★世田谷学園の三回目は難しくなりすぎたから、その反動、つまり隔年現象ということではないのだろうか。

★「たしかに三回目はそうだと思いますが、一回目、二回目は領域④にはいっていて、例年通りということなのでしょう。全体としてはどうなんでしょう。もっと上向きイメージなんですけどね。」

★新校舎の前に、ダイナミックな授業改革を果たしているから、教育の質もかなり学校選択者には伝わっているはず。まずまずのところに位置していると思うが、何かそれでは気に入らないの?

★「一回目の結果R4のポジションは20番以内にランクインしていますが、それでよいのでしょうか。改革の大きさや斬新さそしてその成果の上げ方から考えれば、もう少しアップしてもおかしくないと思うんですよね。」

★贅沢な望みといえばそれまでかもしれないが、何か「壁」があるというのだね。学校側に課題があるのか、学校選択者側に問題があるのか。

★「どちらかというわけではないでしょうし、にわかには回答できません。7月の志望校調査の結果を気にしておこうと思います。それより巣鴨はもっと気になります。一回目の入試は領域⑧に入っていますから。」

★一般のイメージはカリスマ性の強い私学。賛否両論あるけれど、あの強さの背景にある愛情を見抜く生徒や保護者にはたまらない心地良さがあるはずだが。

★「そういうレトリックが流行るかどうかという問題はあるでしょう。」

★そこは、中学入試の国語の素材文の文章の傾向が変わってきたことにもあてはまる。レトリックという表現法が変化してきているから、あの強さのイメージの背景を読み取るフィルターを学校選択者が身につけよとしていないかもしれない。

★「そこを見誤らないようにするのは学校側の課題なのか、流行らないけれどそのような表現方法を読み取るフィルターを学校選択者が身につけなければならないのか、そこは微妙ですね。」

★その点に関しては、世田谷学園とか獨協埼玉はどうなのだろう。

★「巣鴨とはかなり違うけれど、両校とも校長先生はカリスマ性を持っていると思いますが、前面に押し出されることはないと思います。むしろ両校ともあまりに特色ある教育活動あるいは授業を実践されているので、その一般性の問題のような気がしてきました。」

★中学受験の大衆化という問題・・・か。ある意味官尊民卑打破の波とも言えるが・・・。フラットな世界の津波が飲み込んでしまうものは何かということに配慮する必要はあるかもしれない。「教養」のセキュリティはいかにして可能か。リベラルアーツの現代性の問題・・・???(本間 勇人)

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2007年4月 6日 (金)

07中学入試の結果R4分析(7)

07中学入試の結果R4分析(6)のつづき。「全国中学入試センター」のスタッフに、女子選択校で【表1】の③の領域(R4があがり、かつR4とR3の幅が縮小している領域)に入る学校について聞いているが、この領域について最後に気になる入試はどこだったか尋ねた。

★「それは、三輪田学園(1、三輪田学園(2、八雲学園(1、八雲学園(4、八雲学園(3、中村(3、横浜富士見丘(2、横浜富士見丘(3、横浜富士見丘(4、中村(1、中村(2、横浜富士見丘1Bです。結果R4の高い順に並んでいますが、要するに三輪田、八雲、横浜富士見、中村の4校は注目すべきでしょう。」

★いずれも生徒応募者数をここ数年で大きく伸ばしたあるいは維持している学校ばかりだ。

★「しかも三輪田は、今年東大合格者も出しています。教育の質が大学進学実績を自ずから出していくという構造が見えつつありますね。」

★どちらにしても、4校の学校は、ますます難しくなっていく・・・。(本間 勇人)

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2007年4月 5日 (木)

07中学入試の結果R4分析(6)

07中学入試の結果R4分析(5)のつづき。「全国中学入試センター」のスタッフに、女子選択校で【表1】の③の領域(R4があがり、かつR4とR3の幅が縮小している領域)に入る学校について聞いているところ。今度は③の領域の中で結果R4が50以上60未満の中学入試はどこかについて尋ねた。

★「穎明館(1、光塩女子学院(2、神奈川大学附属B、淑徳与野(2、開智(2、実践女子学園(3、明大中野八王子2、帝京大学(1、山脇学園C、淑徳(特2、富士見(1、桐蔭女子部中等1、茗溪学園(1といったところです。」

★どこも大学進学実績に力をいれることを表明しているところばかりという理解でよいのだろうか。

★「それは表明せざるを得ない学校グループだと思います。ただ、光塩、淑徳与野、富士見はあまりその必要性は感じません。教育の質のよさは広く知れ渡っているからです。」

★そうだね、しかし実践女子や山脇などのほうが知名度的なものは高いのではないだろうか。

★「逆説的ですよね。高すぎて、他大学の進学実績のよさについて見過ごされているので、あえて強調せざるを得ないのではないでしょうか。」

★なるほど・・・。では桐蔭は逆に大学より、教育の中身を前面に出す必要があるということか。たしかに、最近の桐蔭の広報は、中身をよく表現している。

★「注目は帝京大学だと思います。大学進学実績といい、国際理解教育といい、芸術教育といい、トータルなリベラルアーツが充実していると思います。」

★たしかに東大に合格したT君のメッセージはそれを投影している。

≪自然豊かで閑静な場所にあるので、落ち着いて学習に臨むことができました。田舎ではありますが、スクールバスの路線も多く、通いやすい学校です。指導の面では、ベテランの先生が揃っていて、適度な緊張を持ちつつもくつろいで授業を受けられました。先生が生徒に何かを強制することも少なく、自主性を養うことができました。≫

★『田舎ではりますが』という表現に、何か純朴なユーモアというか適度なクリティカルシンキングの存在を感じるし、『先生が生徒に何かを強制することも少なく』というのは、学びの環境の良質さを示唆する表現である。(本間 勇人)

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2007年4月 3日 (火)

07中学入試の結果R4分析(5)

★前回の07中学入試の結果R4分析(4)のつづき。今度は「全国中学入試センター」のスタッフに、女子選択校で【表1】の③の領域(R4があがり、かつR4とR3の幅が縮小している領域)に入る学校を聞いた。まずは③の領域の中で結果R4が60を超えた中学入試は?

★「渋谷教育渋谷(2、公文国際学園(B、吉祥女子(3、市川(1です。渋渋は男子同様人気があるし、特に帰国生の多い雰囲気は女子には魅力でしょう。そういう意味では公文国際も同じようなことが言えると思います。」

★それはわかるような気がする。両方ともグローバルな学習観であることは間違いない。それは市川にも同じように言えると思うが。

★「そうですね。ただ、雰囲気のレベルで、渋渋ほど国際教育の積極的な活動はこれからだろうし、まだまだ本音の部分は東大志向だと思います。」

★吉祥女子は、今年は9人東大に合格したらしいけれど、東大志向というわけではない。このズレが魅力の1つなのだろう。

★「そうですね。芸術的な香りもあるし、それに海外研修も少しずつ積極的になっているようですよ。」

★しかし、それは教育の主軸ではないだろう。他の3校にはない日本文化をベースとした女子校の魅力をもっと豊かにしてくれるのを期待したい。渋渋、公文国際はグローバルな背景をベースにして日本文化を学ぶという感じ。この両者の違いが、学校選択者がいろいろ考えることにつながり、それが私立中高一貫校の文化を多元的、多層的に豊かにしていくことにつながる。みな同じでは、文化は衰退する。

★「市川はどうなんですか。どちらなのですか。」

★どちらでもないと思うけど。

★「ということは、ベースが日本文化でもグローバルでもないということですか?」

★そう思う。ベースは大学受験という進路指導ではないかな。その上に、あるいはその周りに、様々な教育活動が位置していると考えたほうがよいのではないだろうか。

★「学校文化としては、そのほうが最もわかりやすいし、シンプルな戦略だと思いますが、どうでしょう。」

★その評価は、学校選択者がすればよいのではないだろうか。なんでも「見える化」するのが好きな人と日本文化という奥ゆかしさが好きな人とグローバルな世界コミュニケーションが好きな人といろいろあっていいんじゃないかい。

★「ただし大学進学実績はある程度ないと・・・」

★それはそうなんだろうが、ある程度6年間の教育の質が高ければ、結果は自ずと出るので、そこはそうこだわるポイントではないと思う。ただ大学進学実績が爆発的に飛躍していない学校の場合、それはいずれ何とかなりそうだという期待を持てるかどうかの判断は、大事なポイントになると思う。(本間 勇人)

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