2008年8月13日 (水)

募集活動の新たな試み 2008市川・松戸 女子中学校見学バスツアー

中学受験を考えている子ども達や保護者にとって、学校選択はとても重要です。そんな学校選びをサポートする1つの機会が学校説明会です。

今回は中学入試が盛り上がってきている千葉エリアの女子校『国府台女子学院』『聖徳大学附属中学校』『和洋国府台女子中学校』の3校合同学校説明会を紹介しましょう。

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2009年の入試を見据えた学校説明会が多く実施されている中で、この3校合同学校説明会は異彩を放っています。

この合同説明会は4年前の開始から参加者が増加の一途を辿っています。

それはこの3校が隣接していること、学校同士の結びつきが強いこと、3校全ての学校が「女子校」であること、そして何より「ツアー」であることが他の合同説明会と一線を画していることにあります。

今や千葉では女子校はこの3校のみとなっており、女子校を志願している子ども達や保護者にとっては、学校を選択するにあたり絶好の機会なのです。

学校見学バスツアーの流れ

国府台女子学院に集合するところからバスツアーは始まります。学校間の移動は全てバスで行われ、バスは和洋国府台女子中学校の専用バスであることも面白く、このあたりにも学校間の結びつきの強さが伺えます。バスに乗っている時間は少ないながらも、ちょっとしたバス旅行に出かけているような錯覚さえ覚えてしまいます。なぜなら、バスの中では次に立ち寄る学校の先生方が、さながらバスガイドのように地理や学校の説明をしてくれるからです。またその案内が非常に上手いので驚いてしまいます。2番目の訪問校である聖徳大学附属中学校では、実際に生徒が摂っている給食を頂くので食堂の雰囲気や食事の内容も見ることができるのが素晴らしい。昼食後、バスに乗り和洋国府台女子中学校へ向かい、同様に説明・見学が実施され14:30頃に解散となります。

バスツアー終了後、和洋国府台女子中学校から駅までのバスも用意され、帰りの交通についても気にする必要がありません。

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個々の学校の特色ある説明

各校ではそれぞれ特色ある説明が行われていました。

国府台女子学院では、校風から伺える厳かな雰囲気の中で説明が始まり、平田史郎学院長先生自ら学校の説明を繰り広げられていました。女子校であることの有為性や中高一貫教育について、また子どもと学校の相性についてなど、学校選びに欠かせないポイントを突いたもので、参加者の方々も熱心に耳を傾けて話を聴いていたようです。授業の様子を見ても、子ども達が和気藹々としており、普段から活発な授業が行われている様子が伺えます。

聖徳大学附属中学校では、川並芳純校長の挨拶の後、全国でも上位の吹奏楽部による演奏と合唱を披露するなど、華やかなスタートとなりました。また、生徒による案内や食事の配膳など、実際に通う生徒と触れ合うことも多く、一部の参加者の方は生徒に直接学校のことについて聴いている風景も見られました。パワーポイントを使用した説明もテンポ良く、参加者の印象に残ったことでしょう。

和洋国府台女子中学校では、高橋邦昌校長により、女子教育や防犯対策、女性の役割についてなど、女子校ならではの女性にまつわる話が多く展開されました。学校の雰囲気もアットホームで、授業見学では「アジの解剖」をしている理科の実験風景や、ミシンで洋裁をしている風景も見ることができました。体験・発見を通して学ぶという学校のテーマがよく感じ取れるものでした。

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「新たな募集活動」への反応

参加者は200名を超え、定員の上限に達したほどの見学バスツアー。夫婦で参加している方も多く見られました。募集当日に応募締切となってしまうほどの人気で、千葉エリアの受験が盛り上がっていることも納得できます。また企画内容も「ツアー」という色が強く、通常の合同説明会よりも新鮮味溢れ、参加者は充実した時間を過ごすことができたのではないでしょうか。

全ての説明会場で感じ取れたことでありますが、参加者が笑顔であるということが最も印象に残っています。学校説明会というと堅苦しいイメージがあり、難しい顔をしている参加者が多いように思いますが、この見学バスツアーではそのような参加者の顔を見ることはなく、むしろ笑顔で終始執り行われていました。明らかに競合する環境の3校であるにも関わらず、競合するのではなく協調することによって参加者が増し、そして比較されることでお互いの個性が更に色濃くなり、その独自性が参加者に伝わり、結果としてこのような協調活動が3校全てのPRにつながっていたのでしょう。全国的に見ると、ここまで協調した合同説明会はまだ少ないが、こうした取り組みは今後ますます増えていくことを期待するとともに、受験生や保護者にとっても有益な機会になると思います。

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2008年2月 1日 (金)

さまざまな中学受験。それぞれに実り多い入試体験を!

2月1日。いよいよ今日から、東京、神奈川の私学でもいっせいに中学入試がスタート。首都圏中学入試のメインステージの幕が開きました。

日能研のWebサイトの「倍率速報」では、日々の応募状況を各校に電話でリサーチし、サイトの数字を更新して紹介しています。個々の学校の人気動向や倍率はここでご覧いただけますので、関心のある学校の状況を参照していただくとよいでしょう。

朝、今年は麹町学園女子の入試応援に向かいました。この近くには大妻、女子学院、東京家政学院、千代田女学園、雙葉など多くの私立女子校があるだけに、早くからあちこちの駅周辺で、受験生らしき親子の姿が見られます。
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麹町学園女子は、今年は都内の私学のなかでも応募者の増加が目立つ女子校です。まだまだ今後伸びていく期待のかかる学校だけに、午後入試や2日以降の入試回だけではなく、この2月1日の初回入試にも、意欲的な受験生の親子が数多くチャレンジしています。写真は、2007年12月6日に麹町学園女子で行われた「クリエイティブ・スクールを探せ!」合同講演会の様子です。

それでも、先生方いわく「過保護なほどの」面倒見の良さが特色の学校だからでしょうか、この入試初日の朝の雰囲気も、やはりアットホームで温かな空気に包まれています。

もちろん受験生の親子にも、迎える先生方にも緊張感はあるはずです。それでも雰囲気が必要以上に堅苦しくならないのは、おそらく説明会や見学のために何度も学校に足を運んだ受験生と保護者が多いことと、そうした受験生と保護者への説明や案内、相談への対応を重ねるうちに、ほとんど顔を覚えてしまった先生方が多いということによるものなのではないでしょうか。

まるで先生方にも、受験生と保護者にも、この日の再開を楽しんでいるような雰囲気さえ感じられました。

入試が“選抜”である以上、そこには厳しさも生まれてきますし、合否という厳然たる結果もついてきます。それを覚悟で、受験生は志望校に向かい、各校の先生方はそうした受験生一人ひとりが「十分に力を発揮できることを願って」自校の試験会場に迎え入れます。

この麹町学園女子は、今日の午後にも、明日以降にも入試が続きます。おそらく後半の入試になるほど、厳しさも増すことでしょう。それでも、この2月1日の朝のような「温かな入試風景」であってほしいと、そんなことを願いたい気持ちになりました。Koujimachi_2


また4月の桜が咲く頃に、今度は制服姿で、めざす志望校の先生方と“嬉しい再開”ができるように、受験できるチャンスをフルに生かし、自分の持てる力を存分に発揮できるよう、受験生の皆さんには、最後の最後まで自信と気力を持って、各自の入試に向かっていってほしいと思います。 (北 一成)

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2007年5月25日 (金)

完全中高一貫化に向けて進化する中村中高の「国際化教育」

「Nettyかわら版」2007年5月号のなかでは、スペシャル対談「私学の国際化教育~わが校の試みと今後の展望~」と題して、中村中高(東京都江東区・女子校)橘学苑中高(神奈川県横浜市鶴見区)の先生方の対談を紹介している。ともに高校に国際科・国際コースを設置して、私学のなかでも数少ない「1年間の留学制度」を実現してきた学校だ。

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その対談のなかで中村の教頭である梅沢辰也先生は、「自己表現能力」、「コミュニケーション能力」、「問題発見・解決能力」、「行動力」という4つの力をバランスよく備えた“総合的な国際力を持つ人間”を育成したいと述べている。これは梅沢先生のみならず、両校の先生方の考えはその点で本質的に一致して、お話は大いに盛り上がった。

中高6年間の教育展開のなかに、「国際化」のプログラムを大胆に取り入れることは、実は私学にあっても画期的なこと。スムーズな実現までには、さまざまな苦労や苦心があったことも話題になった。しかし、そうしたハードルを乗り超えて、めざした「留学」プログラムが実現すると、帰国後の生徒は大いに学習のモチベーションを高めて帰ってくるという。

とくに女子は、リアルな体験、身近なコミュニケーション、初めての出会いや知的刺激に敏感に反応し、頼もしいほどの成長を見せてくれることが多いという。自分の意見をはっきり言えるようになると同時に、相手のメッセージもしっかりと理解する姿勢が育ち、その点でもその後の成長のきっかけを得ているという。もうひとつ、世界に向けて広く視野が開けることで、自身のキャリアデザインを描くうえでも、留学をはじめとした「国際化」プログラムの良い影響は大きいようだ。

とくに中村中高は、2009年度からの完全中高一貫化に向けて、この2007年度から新システムをスタートさせたところ。この一連のカリキュラムや授業の改革のなかで、高校国際科の取り組みも、完全中高一貫の教育体制のメリットを生かしたものにしていけるという。

中学入試でも、このところ年々応募者を増やし、いわば人気ブレークの時を迎えているといわれる中村中学校。伸び盛りの進学校として、進学実績の躍進と同時に、こうした「国際化教育」プログラムの今後の進化も楽しみだ。

教員・生徒・保護者の熱意と将来への期待、全員の夢が一体となって、いままさに学校全体に活気が生まれている中村中高。完全中高一貫化に向けて、今春から「ポイント・オブ・ノーリターン」という言葉を内外に掲げ、すでに2007年の入試から、完全中高一貫化に向けての第1歩を踏み出している。

その注目の中村中高を会場にして、6月2日(土)に、「クリエイティブ・スクールを探せ!~世界水準の教育で求められる力と、私学の国際化教育~」講演会(保護者対象)が行われる。ゲスト校には、中村と同じ江東区で、やはり中学入試の人気・難度ともにレベルアップが著しい、かえつ有明(江東区・男子校)をはじめ、この「国際化教育」というテーマにふさわしい、聖学院(北区・男子校)世田谷学園(世田谷区・男子校)頌栄女子学院(港区・女子校)の先生方が参集してくれる。

「私学の国際化教育」という切り口から、お子さんの学校選びに役立つ情報や、新たな視点など、多くのものを感じていただける講演会になることと思う。私学の教育について視野を広げ、理解を深めていただける絶好の機会といえるはずだ。

さらに、この「国際化教育」講演会(9:00~11:00)の後に、午後からは、会場校である中村中学校の「体験授業」が受けられる。予定されているプログラムは、「フライング・ディスク(フリスビー)体験授業」、「英語で遊ぼう」、「理科実験〈バイオペンダントをつくろう!〉」の3種類。いずれも低学年のお子さんでも楽しめるプログラムである。

もともと、早くから「国際化教育」の取り組みに積極的で、①語学(英語)、②音楽(フリュート)、③スポーツ(フライングディスク)の3つを、国境を超えてコミュニケーションできるツールとして重視してきた同校。その一端も、今回の「体験授業」で感じ取っていただくことができるに違いない。

また、中村中高の周辺には、清澄庭園、深川江戸資料館など、土曜日にご家族で「日本文化に触れる」つもりで散策しても楽しい施設が多くある、お天気が良ければ、学校の真向かいの清澄公園で、昼食をしていただくのも気持ちよいだろう。

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中学受験の準備をしている小学生の場合、とくに6年生にとっては忙しい土曜日。ほんの少し親子で楽しみながら、私学を「肌で感じていただく」機会になれば嬉しいと思う。また、5年生以下の低学年のお子さんと保護者には、中学受験まで少し時間の余裕のあるいまだからこそ、入試情報や合格対策とは少し違った、こうした「私学の教育内容を知る」切り口で学校を見ていただく機会になればと願っている。 (北 一成)

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2007年4月29日 (日)

立教女学院という環境で育つ感性

立教女学院というキリスト教系の私立女子校に初めて足を踏み入れたとき、自身の中高生時代を東京都内のふつうの学校(公立学校)で過ごしてきた筆者は、校内の雰囲気の素晴らしさと、どっしりと重厚でありながら、あたたかなぬくもりを感じさせる校舎に驚かされ、かつ魅了された。「これが私学か!」と思ったものだ。もう22年も前のことである。

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その日は学校説明会だったこともあり、講堂でのお話のあとに校内見学をさせてもらえたが、天井の高い校舎、各所にある机や椅子の木のぬくもり、校舎を囲む緑と四季の花々、そして圧巻だったのが、同学院の歴史を刻む聖マーガレット礼拝堂である。ここで祈り、式典を迎える生徒はみな、この環境のなかでこそ培われる感性を育て、卒業してからも懐かしく思い出される風景を、在学中に心に刻んでいるのだろうと感じたものである。

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その後も数年に一度は、取材や学校訪問で訪れる機会があったが、最初に感じた印象は、いつ訪れても変わることはなかった。

その後、立教女学院は、築70年以上の伝統ある高校校舎や聖マーガレット礼拝堂とは対象的な、新しいマーガレットホール、中学校舎、聖マリア礼拝堂などの新築施設を加えたことで、新旧バランスのとれた学園環境を整えた。変わっていく校内の風景を眺めながら、「それでもこのキャンパス内には、変わらない素敵な雰囲気があるなあ」と思ってきた。

先に学校を訪れた際、同校教頭の山岸悦子先生は、この立教女学院の環境について、卒業生の松任谷由実(ユーミン)のことに触れ、「きっとユーミンの感性も、この立教女学院で培われた部分があるのではないでしょうか」と話してくれた。現にユーミンの曲にはパイプオルガンの音色が使われているものがある。代表作のひとつともいえる「翳りゆく部屋」で流れる荘厳なパイプオルガンは、目白の東京カテドラル教会大聖堂で録音されたものであることは、ファンの間に語り継がれている。

筆者は個人的にも興味があり、後日ネットで調べてみると、あまたあるユーミンのファンサイト(個人ホームページやブログ)では、同じことを指摘している同校卒業生やファンが大勢いることを知った。Rikkyojyogakuin106

この立教女学院のキャンパスや校舎には、そんなことも想像できるような、魅力的な雰囲気が受け継がれているということだろう。

ところで、この立教女学院は、学校の体制も少しずつ変わってきた。従来は1学年約160名の卒業生のうち、約60名が推薦で立教大学に進学してきたが、2005年に立教大への推薦枠が撤廃され、一定の成績を修めれば希望者全員が進学できることになった。その後は立教大に約100名が進学、約60名が他大学を受験~進学するという状況になっている。立教大学への推薦進学の道が実質全員に開けたことにより、中学校を受験するなかにも、いわゆる「大学付属校志向」の強い受験生や保護者が以前より目立ってきた面もある。

しかし、もともと同校は、系列の立教大学や立教女学院短大だけではなく、国公立大学や難関大私立大学に多くの進学者を送り出してきた実力校。「知的で品格のある、凛とした女性」を育ててきた、その伝統はなくすわけにはいかない。

そこで2006年から高2で理系(立教大理学部志望者含む)、文Ⅰ(立教大以外の文系希望者)、文Ⅱ(立教大学推薦希望者・理・文Ⅰ以外の進学希望者)の3コースに分かれる、コース制を導入した。進学校としての方向性をあらためて打ち出している。

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校舎・施設の面でも、旧き良き伝統に新たなものを加え、時代のなかで変遷を遂げつつある立教女学院は、教育の方向性や中身の面でも、理念の見つめ直しと、具体的な教育展開の再構築を図っている。そうした両面の良さを理解し、ファンとなる受験生と家庭がいるかぎり、立教女学院の魅力は決して色あせることがないだろう。

5月12日(土)に聖学院で行われる「Netty Land」講演会「クリエイティブ・スクールを探せ!~私学の教育環境を考える~」には、ゲスト校として、この立教女学院の山岸教頭先生も参加してくれる。きっとこのときにも、「旧き良き立教女学院の教育」と「新しい立教女学院の教育」の両面を伝えてくれるに違いない。そして、この日同じくゲスト校として参加してくれる市川にも、会場校である聖学院にも、やはり同様のことが期待できるはずだ。(北 一成)

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2007年4月27日 (金)

5月12日~市川、聖学院、立教女学院の教育環境と文化を探る機会~

日能研Web情報通信の「合同説明会案内」でも紹介されたことと思うが、連休明けの5月12日(土)には、「Netty Land」主催の講演会『クリエイティブ・スクールを探せ!』シリーズの第1弾として、「私学独自の環境が生む“教育の質”とは?」と題した講演会が、聖学院中学校の講堂を会場に開催される。私学独自の「教育環境」について語られる、内容的には珍しい講演会である。

Seigakin02 今回は、会場校の聖学院(東京都北区・男子校)に加え、会の趣旨に賛同された市川(千葉県市川市・共学校)立教女学院(東京都杉並区・女子校)の先生方がゲストに招かれ、それぞれの個性的な教育環境についてお話しいただける機会だという。

また、今回は、特別ゲストとして、キリスト教関連の施設をはじめ、さまざまな名建築で有名なヴォーリズ建築事務所から、現会長の片桐郁夫氏も参加してくれるとのこと。ヴォーリズ建築事務所といえば、今回の会場校である聖学院をはじめ、女子学院、フェリス女学院、東洋英和女学院、横浜共立学園、明治学院、同志社、神戸女学院、西南学院、関西学院、宮城学院、遺愛女子、活水学院、等々の名だたるキリスト教系私学の校舎建築設計のほか、歴史に残る名建築を数々手がけてきたことで知られている。

今回の会場校である聖学院の建築設計に込められた想いと、これまでに手がけてきた私学の校舎建築のコンセプトや、心あたたまるエピソードの数々に期待したいところだ。私学の特徴のひとつである独自の教育環境と、そこで実践される良質の教育についてのお話が聞ける、希少な機会ということだ。

ヴォーリズ建築事務所については、ちょうどいま書店にて発売されている、月刊情報誌『進学レーダー』(みくに出版刊)でもP150~153に紹介されている。

ミッション系私学や教会建築に関心のある方にとっては、とても大きな存在といえるヴォーリズ建築事務所の建築思想と、その創立者ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(クリスチャン建築士。メンソレータムで有名な近江兄弟社の設立者でもある)の人柄やエピソードも聞けることと思う。

Ichikawa103 同時に、今回の参加校は、都心からも近い交通至便な地にヴォーリズ設計の校舎を整えた聖学院(男子校)、郊外型の私学として2003年に素晴らしい環境に生まれ変わった市川(共学校)、自然に恵まれた趣ある環境に新校舎も加えた立教女学院(女子校)の3校と、とてもカラフルな顔ぶれ。

そこに、キリスト教系私学の校舎建築の雄・ヴォーリズ建築事務所の片桐会長を加えたゲスト諸氏から、「私学の教育環境」に込められた工夫と、その背景にある生徒への“想い”を紹介していただける貴重な機会といえるだろう。

Rikkyojyogakuin102_1 私学の教育のさまざまな側面を、一人でも多くの方々に知っていただきたい。そんな想いから、この「Netty Land」主催の『クリエイティブ・スクールを探せ!』講演会シリーズはスタートしたものだ。

関心のある方は、どなたでも参加できる講演会である。詳しいご案内は、Webサイト「Netty Land」でご覧いただきたい。(北 一成)

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2007年4月 7日 (土)

07中学入試の結果R4分析(了)

07中学入試の結果R4分析(8)のつづきであり、本シリーズ最終セクション。最後に「全国中学入試センター」のスタッフに、女子選択校で【表1】の⑦の領域(R4が下降し、かつR4とR3の幅が拡大している領域)に入る中学入試について聞いた。この領域に入っている学校で、特に気になるところはどこか?

★「青山学院中等部、日本女子大附(2、跡見学園(3、大妻多摩(3、跡見学園(2、獨協埼玉(2、跡見学園(1が気になりますね。青山中等部女子はかつては2科目受験校の最高峰だったのですから。日本女子も、一回目の試験でさえ領域⑨に入っていて、心配ですね。跡見は三輪田や豊島岡女子と肩を並べるほどの教育の質を持っているし、イメージとしては3校の中で最も明るいし、海外での研修など国際教育にも積極的です。獨協埼玉は男子の場合と同じだと思います。」

★青山、日本女子は、中学受験の大衆化の波が押し寄せていると仮説を立てることも可能かもしれない。跡見はたしかに元気の良い学校だから、つまり開かれた学校だから、今学内で相当対策を議論していることだろう。

★「ということは大妻多摩ですね。1回目2回目は領域⑨ですから、日本女子と同じようなポジションにいるわけですが、中学受験の大衆化は関係なさそうです。教育の質もその成果も申し分ないでしょう。今年も東大の合格者は大妻より大妻多摩の方が多かったわけで、大学進学実績のよさを象徴的に表しています。」

★校舎もロケーションもたいへんよいんだがな。確かに多摩エリアの都市づくりは郊外型で、九段の大妻のほうが、地政学的には文化資本のアドバンテージが高い。しかし、大妻多摩のキャンパスに限れば、そのロケーションはアメリカ的雰囲気でよい、とUCLA卒の友人が訪れたときに感想を漏らしていたが。

★「多摩モノレールがあるので、立川から唐木田駅まで40分かからないので、意外と交通便もよいですね。ただ、そこから歩く距離があるというより、正門前からの長いスロープがきついです。」

★それは女子生徒には無縁。だいいち6年間あの散策はちょうど健康によい。それにほとんどの良質女子校は丘の上にある。こうして考えめぐらすと、どうやら広報戦略だけの問題のようだから、再び難しくなる可能性は十分ある。安心した。

★それにしても、今回ずっと話しに付き合ってくれて、そして詳細なデータ分析の結果について情報提供してくれ、助かった。中学受験の大衆化問題、男子上位校の新しい戦略の探究、地政学的特長をさらに把握する必要性、新しい教養教育としてのリベラルアーツとは何か、ハビトゥスをどう捉えていくか、≪私学の系譜≫の探究・・・など、調べることが尽きないことに気づく機会となった。心からありがとう。(本間 勇人)

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07中学入試の結果R4分析(8)

07中学入試の結果R4分析(7)のつづき。「全国中学入試センター」のスタッフに、今度は、男子選択校で【表1】の⑦の領域(R4が下降し、かつR4とR3の幅が拡大している領域)に入る中学入試について聞いた。この領域に入っている学校で、特に気になるところはどこか?

★「結果R4が2以上下がっているとか、幅が2以上拡大しているとかという意味で、気になるのは、世田谷学園(3、巣鴨(2、神奈川大学附属C、獨協埼玉(2、獨協埼玉(3ですね。」

★世田谷学園の三回目は難しくなりすぎたから、その反動、つまり隔年現象ということではないのだろうか。

★「たしかに三回目はそうだと思いますが、一回目、二回目は領域④にはいっていて、例年通りということなのでしょう。全体としてはどうなんでしょう。もっと上向きイメージなんですけどね。」

★新校舎の前に、ダイナミックな授業改革を果たしているから、教育の質もかなり学校選択者には伝わっているはず。まずまずのところに位置していると思うが、何かそれでは気に入らないの?

★「一回目の結果R4のポジションは20番以内にランクインしていますが、それでよいのでしょうか。改革の大きさや斬新さそしてその成果の上げ方から考えれば、もう少しアップしてもおかしくないと思うんですよね。」

★贅沢な望みといえばそれまでかもしれないが、何か「壁」があるというのだね。学校側に課題があるのか、学校選択者側に問題があるのか。

★「どちらかというわけではないでしょうし、にわかには回答できません。7月の志望校調査の結果を気にしておこうと思います。それより巣鴨はもっと気になります。一回目の入試は領域⑧に入っていますから。」

★一般のイメージはカリスマ性の強い私学。賛否両論あるけれど、あの強さの背景にある愛情を見抜く生徒や保護者にはたまらない心地良さがあるはずだが。

★「そういうレトリックが流行るかどうかという問題はあるでしょう。」

★そこは、中学入試の国語の素材文の文章の傾向が変わってきたことにもあてはまる。レトリックという表現法が変化してきているから、あの強さのイメージの背景を読み取るフィルターを学校選択者が身につけよとしていないかもしれない。

★「そこを見誤らないようにするのは学校側の課題なのか、流行らないけれどそのような表現方法を読み取るフィルターを学校選択者が身につけなければならないのか、そこは微妙ですね。」

★その点に関しては、世田谷学園とか獨協埼玉はどうなのだろう。

★「巣鴨とはかなり違うけれど、両校とも校長先生はカリスマ性を持っていると思いますが、前面に押し出されることはないと思います。むしろ両校ともあまりに特色ある教育活動あるいは授業を実践されているので、その一般性の問題のような気がしてきました。」

★中学受験の大衆化という問題・・・か。ある意味官尊民卑打破の波とも言えるが・・・。フラットな世界の津波が飲み込んでしまうものは何かということに配慮する必要はあるかもしれない。「教養」のセキュリティはいかにして可能か。リベラルアーツの現代性の問題・・・???(本間 勇人)

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2007年4月 6日 (金)

07中学入試の結果R4分析(7)

07中学入試の結果R4分析(6)のつづき。「全国中学入試センター」のスタッフに、女子選択校で【表1】の③の領域(R4があがり、かつR4とR3の幅が縮小している領域)に入る学校について聞いているが、この領域について最後に気になる入試はどこだったか尋ねた。

★「それは、三輪田学園(1、三輪田学園(2、八雲学園(1、八雲学園(4、八雲学園(3、中村(3、横浜富士見丘(2、横浜富士見丘(3、横浜富士見丘(4、中村(1、中村(2、横浜富士見丘1Bです。結果R4の高い順に並んでいますが、要するに三輪田、八雲、横浜富士見、中村の4校は注目すべきでしょう。」

★いずれも生徒応募者数をここ数年で大きく伸ばしたあるいは維持している学校ばかりだ。

★「しかも三輪田は、今年東大合格者も出しています。教育の質が大学進学実績を自ずから出していくという構造が見えつつありますね。」

★どちらにしても、4校の学校は、ますます難しくなっていく・・・。(本間 勇人)

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2007年4月 5日 (木)

07中学入試の結果R4分析(6)

07中学入試の結果R4分析(5)のつづき。「全国中学入試センター」のスタッフに、女子選択校で【表1】の③の領域(R4があがり、かつR4とR3の幅が縮小している領域)に入る学校について聞いているところ。今度は③の領域の中で結果R4が50以上60未満の中学入試はどこかについて尋ねた。

★「穎明館(1、光塩女子学院(2、神奈川大学附属B、淑徳与野(2、開智(2、実践女子学園(3、明大中野八王子2、帝京大学(1、山脇学園C、淑徳(特2、富士見(1、桐蔭女子部中等1、茗溪学園(1といったところです。」

★どこも大学進学実績に力をいれることを表明しているところばかりという理解でよいのだろうか。

★「それは表明せざるを得ない学校グループだと思います。ただ、光塩、淑徳与野、富士見はあまりその必要性は感じません。教育の質のよさは広く知れ渡っているからです。」

★そうだね、しかし実践女子や山脇などのほうが知名度的なものは高いのではないだろうか。

★「逆説的ですよね。高すぎて、他大学の進学実績のよさについて見過ごされているので、あえて強調せざるを得ないのではないでしょうか。」

★なるほど・・・。では桐蔭は逆に大学より、教育の中身を前面に出す必要があるということか。たしかに、最近の桐蔭の広報は、中身をよく表現している。

★「注目は帝京大学だと思います。大学進学実績といい、国際理解教育といい、芸術教育といい、トータルなリベラルアーツが充実していると思います。」

★たしかに東大に合格したT君のメッセージはそれを投影している。

≪自然豊かで閑静な場所にあるので、落ち着いて学習に臨むことができました。田舎ではありますが、スクールバスの路線も多く、通いやすい学校です。指導の面では、ベテランの先生が揃っていて、適度な緊張を持ちつつもくつろいで授業を受けられました。先生が生徒に何かを強制することも少なく、自主性を養うことができました。≫

★『田舎ではりますが』という表現に、何か純朴なユーモアというか適度なクリティカルシンキングの存在を感じるし、『先生が生徒に何かを強制することも少なく』というのは、学びの環境の良質さを示唆する表現である。(本間 勇人)

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2007年4月 3日 (火)

07中学入試の結果R4分析(5)

★前回の07中学入試の結果R4分析(4)のつづき。今度は「全国中学入試センター」のスタッフに、女子選択校で【表1】の③の領域(R4があがり、かつR4とR3の幅が縮小している領域)に入る学校を聞いた。まずは③の領域の中で結果R4が60を超えた中学入試は?

★「渋谷教育渋谷(2、公文国際学園(B、吉祥女子(3、市川(1です。渋渋は男子同様人気があるし、特に帰国生の多い雰囲気は女子には魅力でしょう。そういう意味では公文国際も同じようなことが言えると思います。」

★それはわかるような気がする。両方ともグローバルな学習観であることは間違いない。それは市川にも同じように言えると思うが。

★「そうですね。ただ、雰囲気のレベルで、渋渋ほど国際教育の積極的な活動はこれからだろうし、まだまだ本音の部分は東大志向だと思います。」

★吉祥女子は、今年は9人東大に合格したらしいけれど、東大志向というわけではない。このズレが魅力の1つなのだろう。

★「そうですね。芸術的な香りもあるし、それに海外研修も少しずつ積極的になっているようですよ。」

★しかし、それは教育の主軸ではないだろう。他の3校にはない日本文化をベースとした女子校の魅力をもっと豊かにしてくれるのを期待したい。渋渋、公文国際はグローバルな背景をベースにして日本文化を学ぶという感じ。この両者の違いが、学校選択者がいろいろ考えることにつながり、それが私立中高一貫校の文化を多元的、多層的に豊かにしていくことにつながる。みな同じでは、文化は衰退する。

★「市川はどうなんですか。どちらなのですか。」

★どちらでもないと思うけど。

★「ということは、ベースが日本文化でもグローバルでもないということですか?」

★そう思う。ベースは大学受験という進路指導ではないかな。その上に、あるいはその周りに、様々な教育活動が位置していると考えたほうがよいのではないだろうか。

★「学校文化としては、そのほうが最もわかりやすいし、シンプルな戦略だと思いますが、どうでしょう。」

★その評価は、学校選択者がすればよいのではないだろうか。なんでも「見える化」するのが好きな人と日本文化という奥ゆかしさが好きな人とグローバルな世界コミュニケーションが好きな人といろいろあっていいんじゃないかい。

★「ただし大学進学実績はある程度ないと・・・」

★それはそうなんだろうが、ある程度6年間の教育の質が高ければ、結果は自ずと出るので、そこはそうこだわるポイントではないと思う。ただ大学進学実績が爆発的に飛躍していない学校の場合、それはいずれ何とかなりそうだという期待を持てるかどうかの判断は、大事なポイントになると思う。(本間 勇人)

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2007年4月 1日 (日)

千代田女学園の改革

★今年千代田女学園の新校長に菅原俊軌先生が就任された。学内では菅原校長先生を中心に、非常に密にディスカッションをし、そしてそれを実行に移しているようである。学内の改革は迅速に進んでいるのである。

★ホームページを見れば、それは明らかである。菅原校長は、昨今の保護者は学校説明会に来るときなど、ホームページをまず見てから来ることを熟知されている。千代田女学園のブランドに出会うのは、学校に来て初めてではなく、サイトで最初に出会うのだということを。

★だから頻繁に更新するし、校長の理念や方針も就任してすぐにサイトにアップしている。戦略家であると同時に、実に木目細かい。ご自分の海外経験から、ニュージーランドに海外研修に行く準備をしている保護者や生徒に、役に立つ持ち物についてレクチャーまでされる。

★飛行機内は乾燥するから、小さなスプレーに水を入れて持っていくと便利だよと、実際に物を見せて説明する。テロの対策で、ペットボトルも持ち込めないが、これだと大丈夫だったよだとか、変圧器やプラグについて、ニュージーランド以外の海外に行ったときのために、全天候型の物を持っておけば一生ものだとか・・・。

★校長先生がなんて細かいことをと思うかもしれないが、これが他力本願の真骨頂なのだ。働きかけることを厭わない。互いに働きかけるという自立なのであろう。人は生かされている。サムシング・グレイトという何らかのものに。

★今年の春、私立中高一貫校の受験準備をせずに、公立中高一貫校の準備しかしていない生徒22人に対して、公立中高一貫校の適性検査と同趣旨の、教科横断型の入試の機会を設定した。これも互いに働きかけ、生かされるという理念の貫徹の反映である。

★林友三郎さんの「中学生時代」という文章を読んで、「勉強してみたいと思うとき」という題名で、あなた自身が見聞きしたことや体験したことの例をあげながら、自分の考えを500字以内で書く論述型の問題が出題された。

★勉強は人生の経験から切り離して行うことはできない。人生の経験の重さから、本物の勉強の意欲が湧いてくる。自分は1人で生きているのではなく、生かされるているということに気づいたら、自分を差し出していろいろ活動するだろう。その活動の1つに勉強があるのだ。千代田女学園の改革。もう一度、本物志向であることを期待したい。(本間 勇人)

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07中学入試の結果R4分析(4)

★前回の07中学入試の結果R4分析(3)のつづき。。「全国中学入試センター」のスタッフに、男子選択校【表1】の③の領域(R4があがり、かつR4とR3の幅が縮小している領域)に入る学校を聞いてきたが、前回までに話題に挙げられていない学校で気になる私学はないか尋ねてみた。

★「2校あります。1校は足立学園ですね。足立区の唯一の私立男子校だと思います。足立区は熱心な教育改革都市です。」

★賛否両論はあるけれども。

★「いやだからこそなんですよ。田園都市沿線には私学が多いですよね。それだけそのエリアの生活文化資本は高いはずです。それは自ずとエリアの教育の質にも影響を与えるはず。足立区の教育の質を牽引するリーダー校になって欲しいのです。それが足立学園の人気にも影響しているのだと思います。」

★そうはいっても荒川区など隣接区に行けば、開成があるなど、区民が足立区にこだわる必要はないのではないだろうか。もともとそれが私学のよさでもあるし。

★「もちろんそうですが、気概ですよ。この気概がなければ私学の存在理由がないでしょう。足立学園自身がそういう覚悟を持ってくれることを期待しているのです。」

★新校舎にもそういう理想が象徴されていると良いということだね。ところでもう1校は?

★「それは武相です。」

★足立学園とは違って、高い文化資本が蓄積されている丘の上の住宅街に位置しているし、すでに地域と相乗効果を生み出しているのではないかな。

★「その通りなのですが、意外とそのことについて広く知られているわけではないですよ。最近白州次郎さんが再び話題になっていますよね。戦後の日本を1人で救った市民的知識人として。」

★1人でと言うのは大げさだが。それにもともとお金持ちのご子息だからね。高い文化資本を持っていたのではないのかな。

★「だから私学らしいではないですか。ノーブレスオブリッジの象徴ですよね。それが武相にもある。そう本間さんも書いていましたよ。」

★その通り。だからこそもっと期待したい。浅野に挑むぐらいの心意気はあると思う。(本間 勇人)

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07中学入試の結果R4分析(3)

★前回の「07中学入試の結果R4分析(2)」の続き。「全国中学入試センター」のスタッフに、男子選択校【表1】の③の領域(R4があがり、かつR4とR3の幅が縮小している領域)で、前回までに話題に挙げられていない結果R4が48以上の中学入試はどこか聞いてみた。

★「リストとして挙げると次のようになります。市川(2、栄東(東大選2、都立小石川(一般、逗子開成(2、那須高原海城(特、東京農大第一(1、栄東C、逗子開成(1、法政大学(1、開智(2、開智(3、武蔵工業大学付4、桐光男子部(2、東京農大第一(3、武蔵工業大学付2、国学院久我山(1、高輪A、日本大学(2、明治大学付中野1、成城(1、大宮開成(1、芝浦工業大学(1、藤嶺学園藤沢2、かえつ有明特待。」

★千葉エリア、埼玉エリアの学校が2月に参入してくると、やはり難しくなるということなのか。「応募者数が少ないですからね。それに2月も2日以降がずいぶん難しかったという感覚がありますが、こうしてみるとそれは明らかですね。」

★そんな中で、都立小石川(一般、東京農大第一(1、逗子開成(1、法政大学(1、国学院久我山(1、高輪A、明治大学付中野1、成城(1、芝浦工業大学(1は2月に入ってからの一回目の入試。

★「小石川受験の30%は私学と公立中高一貫校の併願の生徒と推察できるので、やはり難しくなりますね。東京農大第一は入学時から理系というのが明確で、工学系というより化学系。バイオに代表されるように。どうしても人気がでるのはトレンドということではないでしょうか。逗子開成は幅広い学力をベースにしながら、東大も6人以上合格するようになっています。法政は共学校、新校舎・・・と今年の人気を呼ぶ多くの要素を備えていたと思います。」

★工学系でも芝浦工大の一回目の入試は難しかったのはなぜ?

★「芝浦工大は昔ながらの工学のイメージでは捉えられないと思います。ITやロボットなど、しかも人間の生活に近い領域で、アイディアを出していくので、ソフトなイメージですね。今後理系に必要とされているサバイバルスキル。つまりチームワーク能力、コミュニケーション力、リーダーシップ、メンターのスキルなどを育成できる学びの環境がありますから。」

★国学院久我山、高輪は学内で相当改革意識が高まっていると聞くが、明大中野や成城は?

★「明大中野は、来年明大明治が西調布に移転するので、東京都心の明治大学系のファンが中野にシフトしているのではないでしょうか。成城はとにかく大学進学実績だと思います。本郷、高輪、京華、目黒学院という男子校の中に、完全に割り込んだという形になっていると思います。」

★本郷は、人気としては、このグループからは抜けているのではないかな。

★「大学進学実績をベースにした人気という点ではそうでしょうが、教育力という観点からはどうでしょうか」

★エリート・スクールかクオリティ・スクールかという目に見えない境界線ということだね。そうは言っても、男子校は社会構成的には、大学進学実績はやはり重要。進学重視するのは避けられない。そこへいくと女子校は、東大でなくても良い。女子教育の充実が促進されるのは、21世紀の特色ということなのかもしれない。(本間 勇人)

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2007年3月31日 (土)

07中学入試の結果R4分析(2)

★前回の「07中学入試の結果R4分析(1)」のつづき。「全国中学入試センター」のスタッフに、男子選択校で、 【表1】の③の領域(R4があがり、かつR4とR3の幅が縮小している領域)について引き続き聞いてみた。

★「海城2回めに続くのは、早稲田(2、早稲田(1、渋谷教育渋谷(2、渋谷教育渋谷(特、本郷(3となりますか。特に渋谷教育渋谷は、今年の東大合格実績もすごいし、今年の中学入試応募者も大幅に増えましたからね。」

★早稲田や本郷も、渋渋ほどではないけれど東大合格者を出しているし、人気も高い。

★「早稲田も本郷も、学内で新しい変化が起きているということもあるでしょう。早稲田は大学の学部の改革がありますから、それに伴って推薦の枠組みも変わっているんです。」

★そしてそれに伴い推薦数も増えたということか。

★「そうです。もっともその推薦枠を全部使わないところが早稲田らしいのですが。」

保護者は使って欲しいんだろうが、教師は生徒の味方だからね

★「早稲田中高のレベルだと、自分の進路は自分で決めるのだから、親との葛藤はありますね。旧き良き時代の名門校の学生のスタイルが生きていて、個人的には好きです。」

★本郷も校長先生は攻玉社から、教頭先生は芝からと複数の名門校の文化が注入されている。

★「そうですね。良い意味で相乗効果があることを学校選択者は期待していると思います。」

★公立中高一貫校が「名門校」を中心に再構築されているわけだから、公立と私学の違いをはっきりと認識するためにも、それぞれの学校の文化遺伝子とか、ハビトゥスとか、目に見えないカリキュラムとか呼ばれている部分の確認は今後ますます重要になってくるということか。校風という雰囲気だけではなく、校風という質を生み出す形相というか構造というか・・・。(本間 勇人)

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千葉高校併設型中高一貫教育校開設準備本格化

★3月13日、教員・教育関係者対象に、千葉高校併設型中高一貫教育校開設に向けて説明会があったようだ。

★県千葉といえば、毎年東京大学の合格者が20人以上出る。明治に創設され、旧制中学を経て、伝統を保っている「名門校」。その名門校が、併設型中高一貫校になるとあって、来春の千葉県の中学入試が盛り上がることは必至と見られている。

★入試の手続きなどについては、4月以降同校のホームページで公開されるというので、そちらを参照してもらうことにして、ポイントだけ並べてみよう。

①07年12月16日一次適性検査→募集定員の「6倍程度」(480人前後)に絞る。

※「6倍程度」といっているのは、たくさん集まるだろうと当局が予想しているから。30倍(2400人)を超えると、まずは抽選、そして6倍程度にとなる。一次の発表(07年12月25日)まで採点準備期間は8日間ある。一次の適性検査の内容は、すでに東京の公立中高一貫校の行われているような内容だと予想できるので、2400人規模だと採点ができる期間だといえる。

②08年1月12日二次適性検査「等」→80名を決定する。

※「等」というのは面接と報告書も評価対象となるということだろう。

③学びの特長→「協同的学び」と「スパイアラル学習」

④伝統を生かした人間力育成→「学びのリテラシー」「ゼミ」「プロジェクト」

※「学びのリテラシー」は適性検査Ⅱに相当するだろう。「ゼミ」「プロジェクト」は適性検査Ⅰに相当するのではないか。基本的に入試問題は学校の顔というセオリーは、名門校であればあるほど当てはまる。適性検査も例外ではない。

⑤異文化学習→中3時の「英語圏疑似体験」「海外異文化学習(希望者)」

※師範学校の流れが多少あるので、学芸大国際中等教育学校の動向が気になるところか。

⑥コンセプト→「君が伝統だ」「千葉から、日本でそして世界で活躍する心豊かな次代のリーダーに」

※問題はこの「伝統」だ。時間が長いというだけではなく、学校の文化資本を再生産するハビトゥスを持続可能にすることを求めているわけだから、その県千葉の文化資本なるものが何か明らかでなければならない。ここの特長が私立中高一貫校のハビトゥスと決定的に違う。それぞれの選択にはある程度覚悟が必要になってくるはず。東京では県千葉ほど影響力のある公立中高一貫校がまだ出現していないので、そこはあまり意識されないできた。

★伝統というかハビトゥスというか、そういうものが昭和秀英、渋谷幕張、東邦大東邦、市川とどのように違うのか、今後調べていく必要があるが、県千葉の意義は、富裕層の師弟以外にも、優秀生に門戸が開かれているということ、高校からのリベンジグループにも門戸が開かれているということである。

★そうそう、もし県千葉の中高一貫校が成功すれば、伝統は新たな伝統にシフトする可能性がある。いろいろな意味で最強の公立中高一貫校ができるということを示唆している。いずれにしても、千葉県の私立中高一貫校に対するダメージは意外とすごいものがあるだろう。千葉県の私学は県千葉が「設定教科」として位置付けている「学びのリテラシー」を超える学習プログラムを持っているところがない。「ゼミ」や「プロジェクト」はなんらかの形で持っているのだが、この「学びのリテラシー」という新しい脳科学の発想を取り入れたプログラムは、千葉の私学を揺るがす決め手となるだろう。

★麻布や開成、武蔵、海城、芝浦工大、聖光、栄光、JG、湘南白百合、東京純心、女子聖、春日部共栄、かえつ有明、白梅学園清修、宝仙理数インターなどがもっている生徒の知性感性のトータルな成長の決定力。東大合格は結果でありその先にある人生の道プログラム。千葉県の私学もそこにチャレンジするときが来た。(本間 勇人)

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2007年3月29日 (木)

07中学入試の結果R4分析(1)

07r4 ★2007年中学入試の結果R4を、、「全国中学入試センター」が算出している。首都圏中学受験生が58,000人という、世の中の中学受験のダイナミックな変動に伴い、結果R4や結果R3の変化も大きい。

★【表1】~【表3】のような総論的分析は、すでにNTS教育研究所内のホンマノオトでまとめているので、そちらをご覧いただくことにして、本ブログでは、「全国中学入試センター」のスタッフにそれぞれの学校の結果R4の変動についてしばらく聞いていくことにする。

★まず男子選択校で、【表1】の③の領域について見ていきたい。R4があがり、かつR4とR3の幅が縮小している領域。今年この領域に当てはまる学校を受験した生徒は難しいと感じたはずである。男子選択校の③の領域でR4が最も高かった入試はどこだろう。

★「海城の2回目入試です。昨年の結果R4と結果R3は、64と60という幅だったと思いますが、今年の結果R4は1ポイント上がり、結果R3も3ポイントぐらいアップしているはずです。」

★単純にR4が高くなったというだけではなく、相当難しいという感覚だね。

★「もともと海城は、駒場東邦と肩を並べる学校だったし、今もそうなのですが、なぜか同格視されてこなかったという印象があります。」

★それがここにきて学校選択者が海城の教育の良さに気づいたということかな?

★「そうですね。東大合格者の数からいっても、それは明らかだし、中学入試問題も東大の入試を想定しているのか、骨太の思考力・表現力が必要です。しかも駒場東邦以上に、6年間の教科プログラムの幅広さについてきちんと広報されてもいます。JR山手線の新大久保駅から新校舎というかリフォームした部分というか、とにかく校舎も見ることができますからね。」

★R4に到達していなくても、根性でなんとかなるという受験は禁物ということか。入試問題や6年間の教育プログラムについてきちんと理解して、てねいに対策を講じないとということかな。来年もそうなると読んでいるの?

★「受験生の増加がさらに進めば、そうなるでしょう。だいたい、今年の東大合格者の数を見てくださいよ。首都圏の男子校では、開成、麻布の次が海城ですよ。」

★たしかにそうだが、それ以上に創立以来116年が経ているわけだから、海城の文化資本の再生力とその影響は絶大なはず。そういう学校の文化に対する価値の重要性に、世の中が気づいたということだと望ましいのだが。

★「それはあると思います。学園のホームページを見ると、校長先生からの発信や入試の結果速報などをきちんと公開していて、開かれた学校のイメージも定着してきたのではないでしょうか。」

★そう考えていくと、さらに難化していくという予想になるのだろうか・・・。(本間 勇人)

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2007年3月20日 (火)

2008埼玉エリアの私学の動向(2)

★前回の2008埼玉エリアの私学の動向(1)のつづき。埼玉エリアの共学校の志望者動向について、「全国中学入試センター」のスタッフに聞いた。

★「栄東の志望者は400名弱で、人気が高い。つづく西武文理中は360名を上回り、開智は300名を下回るが、埼玉の共学校では依然これらの学校が3強です。200名~250名の間に獨協埼玉春日部共栄が位置します。埼玉栄は50名強ですが、ここは栄東との関係が共同幻想として成り立っているので、心配はないでしょう。」

★栄東は、埼玉の1つの共同幻想の拠点となっている。今年多少東大合格が振るわなかったようだが、それは影響しないだろう。もう1つの極は春日部共栄だろう。今年は東大2名合格している。こっちの方は影響が大。栄東とは違う教育を実践しているという強烈な共同幻想が埼玉エリア居住の学校選択者にできあがるだろう。この2極をめぐって他校がどういう位置付けになっていくのか興味深い。

★「本間さんは、何だかんだといって、東大合格にこだわりますよね」

★だってわかりやすい指標だし、東大自体は、早慶上智以上に革新力やイノベーションのパワーを持っているわけだから、さしあたって日本の研究や教育の拠点であることに間違いはないだろう。東大が豊かに生まれ変われば、日本の未来も明るいだろうし。

★「本当にそんなこと考えていますか?」

★本当にそう思うよ。ただ、麻布や慶應の卒業生と仕事をしていて思うのは、東大やその他の大学にない革新力を個人として持っている人材は、意外とアウトサイダー的にいる。それが私立中高一貫校から輩出されているのも事実。だから東大だとかましてMARCHだとかにこだわるのは一方で大事だけれど、一方でつまらないとも思う。ただ、後者のように思う輩はアウトサイダーだからね。私もアウトサイダーの輩だけれど、ともあれ世の中に対する質の影響は最初は量なんだと思う。

★量を作れない質は、結局何もできない。圧倒的な量を形成する。そしてそこにジレンマや矛盾が生じる。そこを弁証法的に質にシフトする。その流れが埼玉の私立中高一貫校が東京の私学に迫る教育の質を作る。

★「千葉エリアでは、なぜそうした話がでなかったのですか?」県千葉の共同幻想は、現状の私学では打ち破れない。県千葉の中高一貫校化はその幻想をより強化する。それを嫌う学校選択者は、すぐに東京に出てしまう。千葉の私立学校でフンバル必要がないんだね。東京志向にしたのは日能研の影響も少なからずあるとは思うが。

★それに千葉エリアには、新しい女子教育をやろうとする強烈な女子校はない。埼玉エリアには浦和明の星や淑徳与野、大妻嵐山が、埼玉エリアの両極の弁証法を促進する媒介になる。

★「淑徳与野はわかるような気がしますが、浦和明の星は、とっても保守的なカトリック校のような気がするのですが、それに大妻中野は信念の部分でと本間さんも言っていたじゃないですか」

★浦和明の星は、生徒募集だ東大だで、大きな動きをするような学校ではないという点では、保守的だけれど、ベースはマザーテレサの愛に通じるから、ジレンマや矛盾に対してはめちゃくちゃ強いはず。プロテスタントと違い、現実と理想の多少のズレがあっても気にとめないが、理想の部分でジレンマが生じると、俄然動き出すはず。そこまでまだ埼玉エリアの状態は到ってないだけ。

★大妻嵐山は、大妻グループの諸関係の中で動かざるを得ない。しかも大妻全体の理事集団は、結構ラジカル。根源的発想をもった起業家的才能に溢れている集団でもある。かなり戦略的だ。淑徳与野はグローバルな倫理の拠点でもある。筋金入りだ。(本間 勇人)

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2008埼玉エリアの私学の動向(1)

★前回の2008千葉エリアの共学校の動向のつづき。今度は埼玉エリアの私立中高一貫校の志望者動向について、「全国中学入試センター」のスタッフに聞いた。

★「男子校では立教新座がダントツで450人強志望者を集めています。城北埼玉は次につづくのですが、200人強ですね。立教が人気なのは、ネームバリューだし、城北埼玉は強力な進路指導が人気の理由でしょう」

★たしかに立教新座のネームバリューは埼玉エリアの他の学校と比較すれば、あるという共同幻想はありそうだけれど、東大、早稲田、慶應の進路を中学段階であきらめはしないだろう。

★「埼玉の場合は、入試日の幅が広いので、受験はするということですよ。それに立教新座は東京居住地の学校選択者もいるでしょう。」

★なるほど、埼玉から豊島区になだれこむように、立教池袋は逆に東京からなだれ込むというわけか。これは文化の流通がおこる。わりと埼玉エリアは大学進学実績重視という学校選択者が多いから、東京エリアに進出してくることによって、そうではない価値観をプラスして埼玉に戻るというのはいいね。

★そして立教新座ではその逆・・・。といっても附属校だからもともと大学進学実績優先という価値観はないから、それほど影響はないだろうな。

★「それに豊島岡女子、巣鴨などは、豊かな情操教育も実践しているけれど、学校選択者の共同幻想は大学進学実績優先。開成もそうですよ、結局。ところで、本間さんは共同幻想なんて言葉、最近なぜ使い始めたのですか。私も今使ってみたんですが、どこか落ちつかなないんですけど」

★今年の雙葉の国語の中学入試で吉本隆明さんの文章が使われたので、時代の変化があるのかもしれないと思ったのが理由といえば理由かな。共同幻想の文脈を脱構築して使えるかなと感じただけ。最近日能研から筑駒→東大に進んだ東浩紀さんという若い哲学者の本を読んでね、そういう言葉をポストモダン的な文脈であえて使っているので、やっと中学受験組みが現代思想で教育や文化を語るようになってきておもしろいとも感じているというのもあるかな。中学受験は制度というより文化になったかなと思って。それにはファッショナブルな言説も使っていかなければね。

★「共同幻想がファッショナブルな言葉とは思わないですけど、私は年寄りですか?」君は、そういう団塊・断層の世代の言葉を拒否した新人類の世代だろう。新人類というには確かに少し老けたな。しかし、今の世代には共同幻想などの言葉を拒否する記憶がない。ハーバードのマネジメントの世界に弁証法という言葉が回帰しているぐらいなんだから。

★「文学の世界も現代思想の言説で語らねば、学部の存在理由がなくなるかもしれないという時代がありましたけど、中学受験もそういう時代に直面したということですね。文化として存在理由を脱構築しようというわけですね。気持ちはわかりますが。」

★それはそのうち世間やマスコミが決めることだから、ここで議論するのはこのへんにしよう。女子校はどんな感じですか。「浦和明の星が500名強集めていて圧倒しています。次につづく淑徳与野は230名を若干超えるぐらいですかね。大妻嵐山中は80名ですね。このコメントは私が。埼玉エリアの女子校の存在は意義がある。この3校は大学進学実績とリベラルアーツ的な教育のバランスがとれていて、特に浦和明の星や淑徳与野の2校は、信念があり、埼玉エリアの学校選択者の共同幻想を入学者に対しては徹底的に払拭する教育活動をしている。大妻嵐山は、その局面で少し迷いがあると、本間さんならコメントするわけですね。そういう新しい共同幻想を構築するために本間さんはこんなふうに言い続けているのでしょう?」

★ミエミエだったということか♪それにしてもよくできたと言いたいところだけれど、女子校はそれ以外に女性のリーダーシップという点を忘れてはいけない。20世紀的社会を構築してきた男性リーダーシップに替わる、新しいリーダーシップの概念を作り出そうとしている女子校がある。東京エリアの女子校はそういう意味では理解されているという共同幻想があるが、埼玉エリアでは、新しい女子教育を実践することは、相当な覚悟がいる。普通だったらやはり迷うよ。それに私が構築しようとしているのではない。そういう時代の要請があるから、それを映し出そうとしているだけ。私立学校側はそういう流れだし、保護者の中にもそう思っている人は多い。塾も変わろうとしている。ただし、新しい言葉がないから、相も変わらずというイメージしか投影できないんだね。

★ところが、最近、新しいことをやろうとしている学校は、今まで背景で使っていた言葉を前面に押し出して時代のキーワードとして使うところが多い。だから新しいことをやろうとしている学校を注目することで、そのキーワードを収集できる。宝仙理数インターからは「リベラルアーツ」、聖光学院の工藤校長からは、「クリエイティブ・スクール」、「クオリティ・スクール」はロサンゼルスで学校選択のリサーチをしているときにゲットした。麻布の氷上校長からは「二兎を追う」(進学も教養教育の質も)、「私学の系譜」は氷上校長の話を聞いているときに想起、中村の永井先生からは「キャリア・デザイン」、小林校長からは「授業は未完」、昭和秀英の先生方からは「組織力」、東京女子学園の實吉校長からは「ゆるやかな理念共同体」、八雲の横山先生からは「対話」、白梅学園清修の秋田校長からは「目配り・気配り」(ハイデッガー的な意味で)、柴田教頭からは「ラグビー的発想」、洗足の前田校長からは「私学の教育は日々新たなり」、かつて逗子開成の理事長徳間先生からは「これからは宇宙だよ」という言葉・・・数えていったら枚挙にいとまがないが、こういう言葉を私はつないでいるだけである。(本間 勇人)

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2007年3月19日 (月)

麹町学園女子2007年入試の飛躍

07_1 ★2007年の麹町学園女子の中学入試の総応募者数は大飛躍。過去3年間の中学入学者も、88名(05年)→108名(06年)→210名(07年)で、新中1は好スタートとなった。

★このような結果は、常に新しいチャレンジを続ける伸びゆく学校として、学校選択者が高く評価したからだろう。

★ ホンマノオト「今年も麹町学園女子の人気は上昇」で、「人気の理由は、『みらい科』という麹町学園女子独自のキャリア・デザイン・プログラムの実施、少人数制習熟度別授業・講習・総合学習などのサポート体制の充実、カウンセリング体制の完備、独自の道徳教育による『こうじまちスピリッツ』の育成、茶道・華道によるユニークな教養教育の環境設定・・・などが挙げられるだろう。 しかし、何より見逃してはならないことは、授業力、教科指導、生徒指導という総合的な教師力を鍛える教員研修を計画的に実行していることである」と書いたが、その通りとなった。

★また千代田区麹町は、地政学的によき場所である。交通の便、文化、歴史、経済、セキュリティ、学びの都市、大名庭園の地形、隣接エリアに有名私学が多いので切磋琢磨できる部活動のチャンス・・・などなど歩いているだけで、品性と知性が養われる場所である。特に大名庭園については、19世紀末日本の文化の代表として欧米に芸術的影響ばかりかユートピア都市の建設に影響を与えた。

★大名庭園に影響を受けたイギリスのロンドン近郊レッチワースの田園都市は、現在の環境都市の原点。今でも有名な理想郷として機能している。良き環境は、良き教育を生み、人の生活と心を豊かにする。このレッチワースという田園都市を逆輸入したのが田園調布。田園都市線沿線の都市群は、私学も多いし、生活の場として人気がある。この沿線は半蔵門線となって麹町に乗り入れる。

★麹町学園女子は生徒数を増やし、文化の流通も実行している。人気の背景はたっぷりあるのである。(本間 勇人)

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2007年3月18日 (日)

2008千葉エリアの共学校の動向

★前回の2008東京の共学校の志望者動向のつづき。今度は千葉エリアの共学校の志望者動向について、「全国中学入試センター」のスタッフに聞いた。

★「市川がダントツです。700人を超える志望者を集めています。渋谷幕張は600人弱で、やはり人気がありますね。東邦大東邦も450人弱で、千葉エリアの御三家はいつもどおりです。注目すべきは昭和秀英が現段階で300人以上志望者を集めているということ。」

★渋幕はさらに東大の合格者を増やし、昭和秀英も今年合格者を出した。一方市川、東邦大東邦は減らした。東大の数で云々ということはないが、この4校は、千葉エリアで教育力で拮抗していることは確かである。特に昭和秀英は、渋幕に真正面から挑んでいる。テレビや雑誌などのマスコミでもその動きが注目されている。

★独自の教育という内容とそれを広報する記号。渋幕は内容と記号の両方が明快。市川は近年記号の発信普及は浸透。東邦大東邦は内容も記号も見えにくい。昭和秀英は内容と記号の両方をオープンにし始めた。千葉エリアにおける中学入試の共同幻想に変化が生まれるのではないだろうか。

★「しかし、専修大松戸、芝浦工大柏の両校が250人前後の志望者を集めながら、4校に食い込まないでいます。江戸川取手は180人強で、麗澤は110人強。しかし、東大の合格者数は減っています。特に江戸取の激減は心配です。共同幻想が、結局本間さんのいう4校だけで変化するのなら千葉エリアは何も変わらないのでは?」

★もし渋幕、昭和秀英が勢いを増せば、市川はもっとダイナミックに動く。東邦大東邦は変わらないから、芝浦工大柏、麗澤、それに茗溪学園、常総学院という流れが続く可能性がある。千葉エリアで≪私学の系譜≫の保守本流の流れが見えてくる。「えっ、東邦大東邦などは、≪私学の系譜≫に属さないのですか?」

★私学の経営をしているからといって、≪私学の系譜≫とは限らない。そういう価値観を重要視するかどうかは、それぞれの私学の選択の問題。

★「本間さんは、よく私学のことを、東京女子学園の実吉理事長の言葉「ゆるやかな理念共同体」で表現していますが、≪私学の系譜≫のことを言い換えているのではないですか?そうすると≪私学の系譜≫の流れとそうではない私学の流れを設定するのはズレないですか?」

★私学は建学者の精神や教育理念を持っていることは否定しないが、その理念があるいは理念の背景は同じではないということを言っている。実吉理事長・校長が語る「ゆるやかな理念共同体」の理念の分類をさらに言っているだけ。

★「しかし、それは一般の学校選択者には分からないのでは。それで桜蔭とJGで≪私学の系譜≫の保守本流について書いていたのですね。しかし、それは難しいし、そこまで調べて学校選択者が学校を選んでいくことなどできるんでしょうか?」

★今のところ、母親の鋭い感覚で、見分けているというのが現状。だからこそ学校側の説明責任はあるかなと思っている。「それは・・・、悪いですがほとんどドン・キホーテ的な試みだと思います。」

★だからこそ私学人と対話をしつづけることが大事なんだと思う。

※≪ホンマノオト≫は私学人(過去・現在・未来を問わず)との対話が基本です。先覚者の書籍を読んだり、先生方のお話をお聞きして、感じたこと・考えたことを、独断と偏見の視点で書いています。叱責されることも激励されることもあります。どこまで書けるかはわかりませんが、挑戦は今のところ続いています。 ≪ホンマノオト≫のゲートから、新着情報を見ることができます。

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2007年3月15日 (木)

2008東京の男子校の志望者動向(2)

★前回の2008東京の男子校の志望者動向(1)のつづき。例によって、「全国中学入試センター」のスタッフに聞いてみた。

★「志望者数250人~350人のレンジには、攻玉社武蔵工大開成巣鴨駒場東邦立教池袋が入っています。今年の春の入試の応募者数では、攻玉社は少し減っていたのですが、やはり人気があるというので安心しました。開成や駒場東邦、立教池袋はいつもの通りという感じです。武蔵工大は、新校舎というポイントもありますが、やはり理数への意識が高まっているのではないでしょうか。巣鴨も今のところが人気がありますが、今年の東大の合格者数もかつての勢いがないので今後が心配ですね。」

★なるほど、理数への意識が高いとなると、芝浦工大あるいは東京農大も人気があるのだろうかと訊いてみた。すると「ありますよ。芝浦工大も現時点で100人は軽く超えています。それに東京農大は男女合わせると250人超えますからね」と。

★そういえば、昨年開成が東大の合格者数を減らしたのは、いつもより医学部へ進んだ生徒が多かったからだといわれた。今年はそれはなかったみたいだが、大事なことは医学部といっても医療という理数系的なテクノロジーと重なる部分も多いのではないかということだ。理数系の意識とは、バイオやナノテクノロジーと結びつくだろうから、かつてのようなイメージで理数だ医学だと明確に分けることは必ずしもいえまい。ここらへんはもう少し調べてみる必要がある。

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2007年3月12日 (月)

2008東京の男子校の志望者動向(1)

前回に引き続き、今度は、東京エリアの男子校について「全国中学入試センター」のスタッフに聞いてみた。

★「ベスト5は、早稲田本郷城北海城です。芝はひとり志望者550~600人のレンジに位置していて、ダントツですね。芝は、本間さんがいつも言っているように、あらゆる教育のバランスがよく、高い質を保ているのが、一目瞭然なので、やはり人気は高いですね。」

★芝はその質が教育空間の使い方の工夫にも現れている。教師の創意工夫度の高さを物語っている。本郷も、まだまだ全貌が明らかではないけれど、何か新しいことにチャレンジしようとしている。その雰囲気が伝わっているのだろう。

★「早稲田・城北・海城は、何といっても大学進学実績が魅力なのでしょう。ただ、そうは言っても、方法論が違いますが。早稲田の進学実績をつくるシステムが他校には全くないタイプです。城北の先生方は生徒ととのかかわりが密ですね。海城は教師1人ひとりの専門性が高いという感じなんですが」とスタッフは説明してくれた。

★なるほどそういう側面は強いだろう。さらに、早稲田と城北は、生徒の夢を大事にし、生徒の痛みをケアする教師と生徒のふだんのコミュニケーションの密度が高い。ここは見えないカリキュラムだから、その雰囲気を感じる高感度な学校選択者がいるということがポイント。

★海城の場合は、高い専門性を持った教師がさらに、プログラムという形で、教師と生徒のコミュニケーションを「見える化」している、つまり、学びのプロセスと実績をつなぐシステムが形になっているところが予見可能性大で魅力的なのではないだろうか。(本間 勇人)

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2007年3月11日 (日)

2008神奈川の男子校

前回に引き続き、今度は男子校について、「全国中学入試センター」のスタッフに聞いてみた。まずは神奈川エリア。男子校はそう多くないが、どうだろう。

★「神奈川エリアの男子校は、もちろん志望生徒数の多い少ないはありますが、今の時期からどの男子校も一定の評価を得ていると思います。そうはいっても、650から700人のレンジに位置するのは浅野でダントツですね。」

★毎年浅野は、実際の入試で2300人ほど応募者を集めるのだから、日能研生の志望者が30%ぐらい占めるのは当然ということか。今年は日能研生は572人受験しているから、現時点ではそれよりも多い。1年間で併願作戦を詰めていく過程を経て、さらに多くなるのか減少していくのか、学校選択者の問題なのか学校の問題なのかその動向は要チェックだ。

★「浅野の次は、逗子開成聖光学院中と続きますが、両校とも450人代です。もちろん、浅野同様に現段階では多いですよ。次に続くのは、350~400人のレンジに位置するサレジ学院鎌倉学園中です。」

★いずれにしても現段階で、すでに多くの志望者がいる。ただ、鎌倉学園については、もっと志望者がいてもおかしくない。逗子開成の大学進学実績はたしかに近年飛躍しているが、鎌倉学園も十分に実績を出している。たしかに逗子開成は、幅広い学問に近い教育を実施し、それを様々な教育空間で表現しているが、鎌倉学園も建長寺という、宗教的価値、建造物としての価値、日本文化としての価値、道としての価値、世界思想としての価値、逗子開成の誇る日本庭園以上の夢窓疎石が作庭されたという庭園発想のある教育空間を持っている。日本の庭園が、19世紀末以降のヨーロッパの哲学、芸術、環境都市デザインに大きな影響を与えたのであるから、それを探究する建長寺学は、鎌倉学園以外ではどこもできないのだが・・・。

★「そういう難しい話は受験生の親や塾関係者には伝わりにくいのではないでしょうか。とにかく両校とも視野が広く奥行きのある教育をやっているというのはなんとなくわかるので、条件はいっしょですよ。あとは実績の違いではないですか」と反論されてしまった。

★そのなんとなくという質というか品質の違いが今後重要になってくるということを言いたかったのだ。つまり、実績ではそんなに差がない(今あっても6年後には縮まっているはず)。あとは質の違いという逆の発想なのである。

★「たしかに、藤嶺藤沢横浜武相も一定の評価を確立してきているなと感じますから、クオリティを大事にしている学校選択者が多くなったといえるかもしれません。が、実績も質もですよ」と。

★究極的にはそうなのだろうけれど、学校も選択者も質にこだわっていないと、教育の世界に入り込んでいるグローバリゼーションのリソースを活用できないという状況がやってくる。やがて・・・たぶん2009年あたりに、それが明らかになると思う。それに1つ言えることは、ここに挙げられた男子校は、学内改革の速度や新しいことを導入するときの決断の速度が速い。(本間 勇人)

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2008東京の人気女子校(2)

2008東京の人気女子校(1)のつづき。 志望者が150~250人集まっている学校について、「全国中学入試センター」のスタッフに聞いてみた。

★「200~250人のレンジはナシですね。150人~200人のところに、桜蔭学習院女子山脇学園東洋英和雙葉中恵泉女学園東京女学館大妻多摩昭和女子大が位置しています」ということだ。

★山脇房子初代校長は、実践女子の下田歌子、共立女子の鳩山春子などと共に、常に婦人の地位向上に尽力した。これは大妻多摩や昭和女子、東京女学館の建学の精神にも強烈に一致する。そういう伝統が今日でも評価されているのがすごい。

★東洋英和、恵泉、鴎友学園女子はともにキリスト教主義だが、戦後復興の大思想の系譜を今も脈々と継承している。そして世に与える影響力は大きい。

★学習院女子は「華族女学校」のルーツだが、戦後は、安倍能成先生が長く院長であった。これは何を意味するのか?実は学習院女子は、恵泉や鴎友学園女子の≪私学の系譜≫の流れを少し受け入れていたことを意味するのである。

★≪私学の系譜≫といってもいろいろな流れがあるが、基本的には福澤諭吉、江原素六、新島襄、高橋是清、渋沢栄一、近藤真琴などのような幕末から明治にかけて、近代日本を官僚的な視点とは別の考え方で形作ろうとした第一世代私学人の精神を受け継ぐ流れのことを意味する。(本間 勇人)

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2007年3月10日 (土)

2008東京の人気女子校(1)

2008神奈川の人気女子校のつづき。東京の人気女子校について、 「全国中学入試センター」のスタッフに聞いてみた。

★「豊島岡女子共立女子はダントツで、志望者は500人を超えます。次に志望者が多い大妻鴎友学園は350から400人の間に位置しますから、改めてその人気のすごさに驚きます」と。もう少しレンジを広げてみて欲しいと頼むと、

★「頌栄実践女子中跡見学園吉祥女子が、次のレンジの300から350人に位置しますね。250~300人のレンジに位置するのは、田園調布普連土学園女子学院品川女学院です」と。

★次のレンジに桜蔭、雙葉が位置しているだろうから、上記の学校はやはりかなりの特色が学校選択者から評価されていることになる。いずれの学校も、伝統校でありながら、教育の条件を毎年改革している学校ばかりだ。

★そういえば洗足学園の前田校長先生が「私学は日々新たなりでいかなくてはダメなんですよ」と語っていたのを思い出した。もっとも、その隣で遠田教頭先生が、「私学は日々多忙なりってことだよ」と微笑んでいたが、要するに私学の教育の質は、その苦労の上に成り立っているということだろう。(本間 勇人)

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2008神奈川の人気女子校

★ 「2008年の人気校」のつづき。シングルスクールに人気があるのがわかったので、まずは神奈川エリアの女子校について、「全国中学入試センター」のスタッフに聞いてみた。

★「なんといっても鎌倉女学院洗足学園がダントツですね。400人以上の志望者数を集めています」と。たしかに、どちらも大学進学実績が毎年伸びている学校だし、幅広く骨太の学問を展開しているからか。それに洗足は武蔵小杉エリアと文教エリアとしてコラボレーションする教育都市づくりの拠点にもなるらしいし。

★「横浜共立カリタスは250人以上志望者が集まっていますよ。200人以上250人未満の間には、日本女子大フェリスが位置します」と。また、「横浜共立とフェリスの志望者の平均偏差値は、53.6と57という違いがありますが、高い偏差値を持っている生徒は横浜共立も負けていませんね。カリタスと日本女子では平均偏差値では両者50ぐらいですが、カリタスの方が高い偏差値を持った生徒が集まっています」ということだった。

★カリタスは、校舎からカリキュラムから挑戦的な転換を果たし、なおかつあらゆる教育活動が有機的につながるように組み立てられているから、そこが評価されたのだろう。横浜共立も内部改革の何かが進行していると聞き及ぶ。学校選択者のアンテナは高いようだ。

★「150人~200人の間には、横浜女学院清泉女学院大妻多摩が、100人から150人の間には、湘南白百合聖園神奈川学園横浜雙葉捜真が位置しています。聖園と神奈川学園の人気が定着したのではないでしょうか」とスタッフは指摘した。たしかに神奈川の女子校といえば、フェリス、横浜雙葉、横浜共立という時代は終わり、特色ある女子校が大健闘している時代が神奈川の特徴だろう。

★ところで、この時期はまだ多くの人数を集めていないかもしれないが、注目され始めている女子校はと質問すると、「横浜国際女学院翠陵鎌倉女子大じゃないかなと思います。まだ15人前後ですが、従来この時期はまだ動きがなかったように思いますから。そういう意味では、10人近くの生徒が横浜山手女子を志望しています。今後見逃せないのではないでしょうか」と分析してくれた。たしかに3校の広報の先生方は、ハイコンセプト!ハイタッチ!である。

★実は、神奈川エリアの女子校が全体的に勢いがよいのには理由がある。その1つに、神奈川の私立女子中高一貫校19校が集まって、私学の本来の教育力について各校が大いに語る会=私触会を開催していることが挙げられる。(本間 勇人)

※私触会については、次ぎのサイトを参照。

①2006「私」立女子中高一貫教育に「触」れる「会」(私触会)開催される

12の学校選択指標【16】 教育理念と説明会

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2007年3月 6日 (火)

2008年の人気校

前回の続き。センター模試のスタッフにもう少しだけ聞いてみた。男子と女子それぞれの学校選択で、ベスト5を教えて欲しいと。

★すると、ベスト5はいずれも男子校、女子校で占められ、共学校はなかったと。共学校は渋谷教育幕張が男子では10位。女子では渋谷教育渋谷が14位に登場するという。圧倒的にシングルスクールが人気ということか。

★男子の選択校ベスト5は、浅野、芝、早稲田、本郷、逗子開成。女子は、豊島岡女子、共立女子、浦和明の星、鎌倉女学院、洗足学園。

★それぞれのエリアの拠点校ということか。神奈川の受験生は西は逗子開成、鎌倉女学院に、東は浅野、洗足学園に集中するから、東京まで受験する動きが千葉、埼玉に比べ少なくなる。千葉の生徒は芝、早稲田、本郷、共立女子にまで遠征しているだろうし、埼玉の生徒は浦和明の星が人気だが、早稲田、本郷、豊島岡女子にまで遠征しているだろう。その様子が目に浮かぶ。東京の私学は神奈川の生徒の心をどのようにつかむかがポイントになるし、神奈川の私学はいかに多摩川を渡らせないかがポイントになる。

★教育の質の競争が激化するのだろう。共学校もシングルスクールに対し、どのような新しいコンセプトで競争をしかけるのであろうか。新しい共学校として「かえつ有明」の志望者数はすでに100名を超えているという。今年男女共学校になった法政大学中は、女子の志望者だけで160名を超えているらしい。少人数定員の宝仙理数インターも10名を超えているようだ。これに対し、2年前に女子校で中学を開設した宝仙理数インター同様少人数定員の白梅学園清修も10名を超えているという。

★歴史あるシングルスクールと新しい共学校、新しいシングルスクールの教育の質の競争。この状況は、東京女子学園の理事長・校長實吉幹夫先生のいう「ゆるやかな理念共同体」としての私学全体にとって最適な状況を創っていく過程だと信じたい。(本間 勇人)

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2008年公立中高一貫校の志望動向

★毎年日能研は、全国中学入試センター(センター模試事務局)と協力して、本格的な志望校調査を7月に実施している。これに先立って2月には、各教室で、いわばプレ志望校調査のようなリサーチをしている。内部向けのもので、外には公表していない。

★そこでセンター模試のスタッフにいくつかインタビューしてみた。東京都の公立中高一貫校の志望状況はどうなのだろうかという質問である。今年の中学受験生の30%は、私立学校にいけなかったほど、受験生の数は増えたといわれているのだから、公立中高一貫校の志望者数も増えているのではないかと思ったからだ。

★すると東京都の公立中高一貫校の志望者は総数で450名強いるということであった。どこが一番志望者が多いのかと尋ねると、小石川、両国、桜修館、白鴎、九段中等教育学校の順に多いという。

★小石川は予想通りだが、両国、桜修館と続くと聞いて、両国のエリアにある中村中やかえつ有明が勢いがあるし、桜修館の隣にある八雲学園も勢いがあるので、やはりシナジー効果があるのかもしれないという思いがよぎった。

★それはともかく、小石川は、東京の公立中高一貫校の志望者総数の約40%を占めており、両国は約20%占めているという話だった。名門小石川と新興エリアの教育熱を象徴する両国という公立中高一貫校の動向は今後も見逃せない。公立の威信の行方と未来の経済を背景とする教育の行方は、日本の教育を考える良きヒントだからである。まさに、教育の不易流行。(本間 勇人)

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2007年2月26日 (月)

2008年度中学入試はもう始まっている。

★2月24日(土)、中村中は、早くも2008年度入試第一回説明会を開催した。同校は昨年もこの時期に開催しているが、昨年比130%ほどの85組の 受験生の家族が来校されたという。

★2007年度の入試が終わったばかりなのに、早くも来春の入試の準備をしている。また来春の受験生もまだ5年生だというのに、敏速な反応。

★これは一体何を意味するのだろうか。今年の中学受験生数が過去最高と騒がれているから、受験生の家族の心構えもわかるような気がする。しかし、中村中は、順調に応募者数を増やし、手続きも十全。焦る必要はないのではないだろうか。

★ところが焦燥感が今の時期から説明会を開催させているのだ。応募者が増えるということは、中村中第一希望でも入試で不合格者をたくさん出さざるを得なくなる。だから十分に準備をしてもらうために、学び方の情報を提供しようという意図なのである。「入試問題」に集中した説明会にしたのもそういう理由からだ。

★第一志望であれば、教育の中身だけでなく、その顔である入試問題の問いの構造、つまり思考の方法もきちんと学んできてもらおうということなのであろう。厳しい要求ではある。たしかに、第一志望であるからには、よく学ばなければならない。しかし、それは塾で学んできてくださいというのではなく、中村中から学び方を丁寧に提示するのだ。

★1年かけての準備のためのコミュニケーション。この対話の質は、やりとりをしている間に、どんどん向上する。だから、その段階でいろいろな判断ができる。受験生の心構えもしっかりとしたものになる。

★ 受験が終わってからのケアだけでなく、受験の一年前からのケア。しかし、そのケアが行き届けば行き届くほど、中村中を第一志望にした生徒は、ますますその望みを堅固にする。中学入試は学校側の限りなきケアがあってはじめて成り立つ厳しい試練となるのだろうか。(本間 勇人)

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2007年2月22日 (木)

かえつ有明は生徒が増えても1人ひとりに目配り

★ 「かえつ有明中」は昨年に続き、今年も応募者がたくさん集まった。入学予定者はすでに定員を満たしている(というより多いかもしれない)そうだ。

★受験生がなぜ「かえつ有明」を選ぶのか。それは、

(1)大学進学は言うまでもなくそれを超えて自分の将来をつくることができるという期待。

(2)勉強だけではなくサッカーやマーチングバンドに象徴される豊かな教育活動を通して心身を豊かにできかつ友達ができるという確信。

(3)サイエンスや林間学校など勉強以外の活動でワクワクする知的好奇心と探究力を養えるという憧れ。(サイエンスの例は「中学1年サイエンス ~クローン技術についてのディベート授業①~」などを参照。)

★と答えるそうだ。そして何より保護者は、学校説明会などの折に授業見学をしたとき自分の子どもの未来のシーンを重ねるようだ。1期生たちの勉強に取り組む元気な姿に、マニフェスト通りだなと確信し、6年生に声をかける1期生の優しさに触れ、誇りを持っている姿を見て感動するということだろう。

★しかし、応募者が増えれば増えるほど、複数回数の入試を受けつづける受験生も増える。カフェテリアはそうした受験生1人ひとりに声をかけ、励ましている「かえつ有明」の先生方の目配りがあふれる。中学入試は選抜試験。一期一会ではある。大事なことは、チャレンジを避けるのではなく、チャレンジし続ける価値の燈を燃やしつづけてもらうこと。先生方は痛みを抱きかかえながら、そこに挑む。「かえつ有明」の面倒見のよさというのはそういう意味がある。(本間 勇人)

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2007年2月13日 (火)

「夢を育てる」国本女子の受験チャンス

2007年首都圏入試も、やがて一段落という時期になった。しかし、まだすべての入試が終了したわけではない。

この2007年入試は、前年より5~7%受験生総数が増え、未曾有の受験規模になるだろうと早くから予想されていた。しかし結果は予想をも上回り、史上最高の受験率、受験規模になったという。詳しくは追って日能研から発表されるだろう。

その結果、1月初旬からスタートした首都圏入試の前半戦から、各地で前年よりも応募者を増やす学校(入試)が続出。1月10日からの埼玉入試、20日からの千葉入試と続くヤマ場のなかでは、やはり厳しさを感じさせる入試状況が多々見られる結果となった。

この状況は、2月入試にも波紋を広げ、難関校はもとより、難度的には中堅~中堅下位に位置する学校の応募者増と、それによるボーダーラインのレベルアップの一因となった。

そうしたなかで、希望する学校の合格を得た受験生は、本当に立派だったと思う。しかし、なかにはまだ、こうした厳しい入試状況が生まれたゆえに、まだ十分な合格を得られていない受験生もいる。あきらめないでほしいと思う。

日能研のホームページでは、「これから出願可能な学校」の一覧を随時更新してご紹介している。まだ受験可能なチャンスがあれば、お子さんのより良い進路を見出そうとしている保護者の方々に参考にしていただきたい。入試も終盤となったこの時期、限られた学校数ではあるが、最後の最後に、「私学の教育とはどのようなものか」をあらためて見つめ直し、公立学校と比較したときの価値を、再認識できる機会になるのではないかと思う。

かつて、中学受験時には偏差値的にも高い成績ではなかったが、ある都内の女子校に進学した生徒が、その私学で学び、6年後に上智大学にみごと現役で合格したことがあった。その私学のオープンスクールのお手伝いをしていたその生徒(当時高3)に、たまたま『進学レーダー(当時は『合格レーダー』)の取材で、6年間を振り返っての感想や、大学受験対策などの話を聞ける機会があった。

その生徒は、真っ直ぐな輝く目で、これまでの学校生活や学習のこと、進学先(大学)を選んだ理由などを語ってくれた。その様子がとても印象的で、「いつかわが子も、こんなふうに自分の夢を話せるように育ってくれるといいな」と思ったことが記憶に残っている。その学校が、東京・世田谷区の国本女子だった。首都圏の数多い私学のなかでは決して目立たなくても、こうして「夢を育ててくれる」、温かな私学があることを、当時あらためて実感した。

その国本女子は、実は昨春2006年春から、意欲的に学校改革を進めている。新カリキュラムの導入、学校6日制の導入、高校ではアドバンスコースと総合進学コースに分かれる新コース制の導入などだ。同校のホームページには、2013年度には、国公立大・難関私立大に卒業生の9割合格をめざすという進学目標さえ掲げている。

多くの私立中高は、そうした改革に際して、自校の理想や目標に向けて、ていねいに生徒を育てる過程では、①種をまき、②芽を出させ、③花を咲かせる、ところまで見据えて日々の教育に取り組む。それを実践する先生方は、種をまき、芽が出た段階ですでに、やがて咲く花の美しさを思い描くことができるに違いない。

しかし、受験生や保護者、受験関係者は、まだ「種」や「芽」の段階では、その学校の教育価値や将来性に気づかないことがある。やがて華やかな成果が出る(=花が咲く)と、その学校への注目度や人気が急激にアップする。

国本女子中・高の改革も、まだそうした「種」や「芽」の段階なのかもしれない。それゆえか学校も、広報・宣伝活動は(他校に比べて)控えめなように思える。しかし、そうした私学の教育に期待できることは実は大きい。

直前ではあるが、国本女子では、明日14日(水)に追加募集の入試が行われる。出願は明日でも8時半までは可能だ。関心のある方は、問い合わせてみてはどうだろうか。

また、東京文化は明後日15日(木)に、小野学園女子は17日(土)に、まだ受験できる機会がある。これらの私学も、それぞれの学校の「教育姿勢と将来性」に目を向けると、共感を覚えるご家庭も多いのではないかと思う。 (北 一成)

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2007年2月11日 (日)

宝仙学園理数インターの夢が動き出す

★当ブログで以前書いた「宝仙学園理数インターの人気」の中で、今年の生徒応募者数が大ブレイクしていることについて述べたが、本日の入学者説明会参加者の集まりは、どうやら定員を十分に満たしたようだ。

★ダブルコーチングシステムの体制は1クラス20人を基本にするから、3クラス体制で出発できるということになる。

★日経新聞の特集「日本の教育」でもリベラルアーツが見直されている。日本の公教育再生は、ある意味成熟した日本社会でやっとリベラルアーツを欧米並みにやらねばならないという意識に到達したのかもしれない。

★がしかし、意識を実現するには幾つかの条件を満たさねばならない。

①創造的コミュニケーションのできる教師。

②教育活動と運営を組織化できる経営陣。

③教育の創意工夫を支援できるIT環境。

④教育の創意工夫と豊かな心身の支援ができる教育空間環境。

⑤自己への道を世界に通じる道にまで進められる気概のある生徒。

⑥世界の痛みを共感できる教養育成の環境。

⑦相互の意志や思いを共有できるクラス人数。

まだまだあるだろうが、この7つぐらいは最低必要な教育条件だろうが、すべてを満たすのは結構難しい。

★その点、宝仙学園理数インターは、今日まで開設準備を進めてくるなかで、すべての条件をクリアしたことになる。いよいよ夢を実現するために動き出す。宝仙学園理数インターの成功は、ひとり宝仙学園のためだけではなく、日本の教育再生のための実践的モデルとなる。いや世界のですよと先生方はおっしゃるかもしれない(微笑み)。(本間 勇人)

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鎌倉女子大の飛躍

◆今年の中学受験において「鎌倉女子大中等部」の総応募者数は255人で、前年対比210.7%。同中等部の教育の魅力がさらに認知されたのである。

◆昨年「湘南フェスタ2006」に参加していた鎌倉女子大中等部の在校生の演奏や説明会ブースを拝見していて、芸術感性の豊かさとそれが他教科にも知的刺激を与えているという印象を受けた。

◆時代はハイコンセプトでハイタッチなクリエイティブな人材を求めている。その準備としてリベラルアーツが充実しているというのはまさに時代の要請に対応している。20世紀産業は、ハイコンセプトもハイタッチも必要としてこなかった。上意下達のピラミッド型社会。文化的な素養はむしろ軽んじられてきた。

◆しかし21世紀は違う。タレント(才能)、テクノロジー(技術)、トレランス(寛容)という3T時代。特にテクノロジーは、政治、経済、産業以外に自己を配慮するテクノロジーが大事。他者がどうみているか、他者よりも優れているか、他者よりも金持ちかなどという自己認識ではなく、自分の魂を磨いていく倫理的な鏡を形成し、それに外れていないかどうか自己に目配りできる人間が必要とされている。もちろん、自己への配慮は他者に対する尊敬が前提であるというのが合理的な近代的な考え方だ。

◆楽器を演奏する鎌倉女子大中等部の生徒たちの姿は美しい。なぜか。風を音色に変換し音の造形を営むには、身体の構えが楽器とそして音と一体になる最強の構えになる必要があるからだ。その自然体の姿が美しくないわけはない。同中等部の教育の質が受け入れられる時代が今であり、その時代を創っていく人材を輩出するのは鎌倉女子大中等部の使命であろう。(本間 勇人)

※参照→『湘南私立中学フェスタ2006』の表現力

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女子聖学院の質のさらなる向上

★当ブログで以前「女子聖学院の行事の創造性」について書いた。今年の出願状況が好調な理由について述べたが、入試の結果は予想通りのものとなった。そして合格発表後の手続きも例年より速かったと聞き及ぶ。

★今年の傾向だと思うが、受験生・保護者の「学校選択」の目に磨きがかかり、ここがよいと思ったら(もちろん受験生の学力についても十分に考慮している。しかし受験生が多い場合不確実性は高まる)、そこに受験を集中させる流れになっている。それゆえ女子聖学院でも3回あるいは4回とも出願する数が多かったようだ。

★このことはやはり女子聖学院の先生方にはジレンマとなったようだ。受験生全員が学校の教育の質を信頼してくれている。しかし、全員が入れるわけではない。狭き門は、さらなる学校の教育の質を向上させるが、信頼の心に応えることができない。

★先生方のお気持ちは心からお察しするが、女子聖学院の存在を評価できる倫理観は、入学するしないにかかわらず、人生を歩むうえでの1つの基準になると思う。一期一会の出会いは、互いに別の道を歩む人たちの心の絆を生むはずである。その絆は生きる勇気の絆ともなる。

★新しい入学生を頼もしく迎えながらも、一期一会の出会いで別れねばならなかった生徒の人生の幸せを同時に祈っている先生方の姿が今から目に浮かぶ。(本間 勇人)

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2007年2月10日 (土)

自己の閉塞状況を破れる自由の森

「自由の森学園中学校」の教育の質を認識・評価できる学校選択者は、時代の風を感じている方である。自森を愛せる人は、自由な自己に配慮し、社会の壁に挑戦し、仮に打ちひしがれても、自分を癒す静かな森を内面に持ち続けることができる人だ。

◆だから、OB・OGは、卒業式の時の遠藤豊先生の言葉を今も思い出すという。「嬉しいことがあったとき、辛いことがあったとき、いつでもここに帰ってきてください。 自由の森は、いつでもあなたたちを待っています」 という言葉を。そして同時に、自森のある飯能の緑や空気の匂いが脳裏にサーッと広がるのではないだろうか。自森の風が吹くのだ。

◆現在、コンテンポラリーダンスのダンサーとして活躍するOGは、「自由の森の中学という期間は、踊りで言うなら準備体操とバーレッスンの期間。とにかく体をほぐして、血の巡りをよくして、あとで複雑な動きをする時でもきれいにまっすぐ立っていられるように余分な力を抜いてゆく、大切な準備期間だと思うのです。 この準備期間に、周りから、やれ足を開けとか、高く上げろなどとプレッ シャーがかると、どうしても体が曲がってきてしまう・・・」と語る。

◆このさりげない語りの中に、現代の公教育再生の本当の問題が現れている。教育の基本は、洋の東西を問わず、このテンポなのだ。このリズムなのだ。基礎学力の前に、「準備」こそ重要なのだ。欧米ではこの時期を「リベラルアーツ」と呼ぶのかもしれない。能の世界では、この教育のリズムを「序破急」と呼ぶのかもしれない。剣の道では「序破離」なのもしれない。

◆ヘルマン・ヘッセなら自己の道は自己の殻を破り世界に通じる道だと言っただろう。ソクラテスは最後の弁明で、彼を裁く人に「諸君は金儲けや評判とか地位とかばかりに気をつかい恥を知ることがない。思慮や真理を探究し、魂を優れたものにする自分自身のことを知ろうとしない」と言ったと記憶している。

◆ソクラテスの言葉は、今日の教育行政を推し進めている政府の方々や文部官僚にそのままあてはまるのかもしれない。そして自森の理念はソクラテスが死を持って守ったもののと同根であり、政府や文部科学省とは対極。

◆それゆえ、筑紫哲也さんは、「自由の森学園の生徒達の雰囲気は欧米の学校のような自由に意見を言えるものがある。卒業後の夢を持ち、はっきりとした意志を持っている若者が多いという印象を持った。今までの日本の高校生にはない、堂々と自分を語れる若者達が育っている学校だ」と語る(2000年2月17日「こころのスペシャル」放送後の感想)。

◆ある卒業生は、「私たちの高校の卒業式で、当時の松井教頭先生が『どこにいても、美しく立っている人になってください』と言っていたその言葉は、私がいつでも思い出す言葉です」と語ってくれた。

◆世界のあらゆる舞台で、「美しく立っている人」になる挑戦をしたい方は、2月17日にチャンスが待っている。問い合わせてみてはいかがだろうか。 (本間 勇人)

※参照→自由の森学園の普遍的でいつまでも新しい試み

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2007年2月 6日 (火)

宝仙学園理数インターの人気

★今年「宝仙学園中学 理数インター」が男女共学としてスタートした。初めての入試であるが、多くの生徒が集まった。今のところ、295名の受験生が受験し、127名の合格者 が認定されたという。

★この人気の理由については、もはや説明するまでもないが、簡単にまとめると3点ある。①知識の整理の時間の充実。②フィールドワークやチーム学習、プレゼンテーションという思考のプログラムの顕在化。③すべての教師がコーチング手法を活用と明言。

★別の言葉で言えば、①学力向上②教養育成③豊かな教師と生徒のコミュニケーションという時代の要請に応えることを明確に宣言したからだろう。そして入試説明会での体験学習が、その実現可能性大という期待感を抱かせたのだろう。

★もちろん、ダブル・コーチングシステムという東大生をサポートにつけるとか、最新のIT環境という支援環境に驚きもしただろう。

★そしてとにかく旺盛な発信力は、今回の結果を導いたに違いない。明日2月7日、最後の受験チャンスがある。柴田先生は「受験生の皆さんの中学受験最後の思い出として最高峰で、かつ面白い問題に取り組んでもらいたいと考えています。」と語る。チャレンジしてみてはいかがだろうか。(本間 勇人)

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受験の最中に併願校を東京女子学園に変更

◆今年興味深いというかダイナミックなというか、新たな受験のスタイルが「東京女子学園」で生まれた。それは1つの家族で起きたのではなく、複数の家族で起きたことだ。

◆「併願校の1つとして東京女子学園を受験した。そのとき教職員と在校生の心配りに感動し、予定していた他の併願校の受験をとりやめ、急遽可能な限り東京女子学園を受験することにした。」ということだ。

◆村田先生は「例年に比べて、学校の中身をよく調べて、この学校に入りたいという意志をもった受験生が増えている一方で、自己決定したと思っていたのですが、実は自分自身の基準で中身を吟味してこなかったことに気づく方もいらっしゃいますね。ですから、実際に学校の教育に触れて、ぎりぎりになって学校選択が固まるというケースもあるのです。いつ選択が固まるかは問題ではなく、自分の基準で選ぶことが大事だということに気づかれたことがよかったのではないかと思います。」と語られる。

◆英語教育や生徒1人ひとりの成長に合わせた進路指導の充実などが、応募者数増の大きな理由であろうが、先生方の気配りが、受験生や保護者に温かさと安心感を与えるというのが大きいのではないだろうか。明日2月7日、もう一度受験のチャンスがある。まだ出願は間に合う。問い合わせてみてはいかがだろう。(本間 勇人)

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知られざる東京女子学院の教育

◆「東京女子学院」の中学入試合格者の手続き者は昨年よりも増えた。確かに着実に毎年入学者は増えているが、まだまだ集まって欲しい。

◆もちろん、最高の教育の環境がゆえに、スモールサイズというのは、アメリカのプレップスクールのような感覚ではある。ロサンゼルスのパロスバーデスにあるローリング・ヒルズ・プレップという名門校はまさに1学年30人前後。ただし、年間の学費は200万ぐらいかかるだろう。

◆それに比較すると東京女子学院は、サイズは同じくらいなのに、学費は相当安い。今の在学生は、実はかなり贅沢な環境だといえる。

◆中学の英語はすべて英語による授業で、この成果はあがっているし、3年後には英語の改革時の1期生がその実力を見せてくれることは明らか。そういう期待もあって、英検準2級レベルの英語力のある生徒が20%は入学するようになってきている。

◆私立学校の教育の質は、地域の文化の質にも影響を与えるが、東京女子学院はグランドを地域に開放することも実施している。そしてまた、地域と学校で共に考えるなんらかの教育活動も企画しているようだ。地域とグローバリゼーションを結びつける小さくもダイナミックな学校。明日2月7日、受験のチャンスがある。(本間 勇人)

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2007年2月 4日 (日)

戸板中学の魅力

◆今年の「戸板中学」の中学入試応募者総数は、2月3日現在で515人。前年対比106.8%。ここ数年人気の上昇が続いている。

◆人気の秘密は、教師のコーディネート力。学内のみならず学外の人材リソースを実に有効活用している。たとえば、中学校3年生の土曜日の2時限目の進路学習で「職業講話」プログラムを実施する際、イタリア大使館の方や看護師の方とジョイントして実施したりするのである。

◆法政大学のキャリアデザイン学部の学生による大学生活の様子や自分達が中高生の頃の話を、戸板の在校生にするチャンスも作ったりする。「国際理解」の一環としては、李娜定(イ・ナジョン)先生による「韓国の文化」についての講演なども仕掛けている。

◆キャリア・デザイン・プログラムや国際理解プログラムを学外リソースをコーディネートしながら創意工夫していく教師陣のチームワークが、何といってもポイントだろう。

◆2月6日受験のチャンスがある。センスのある知性と感性を身につける教育をお探しの方は、ぜひ問い合わせてみてはいかがだろうか。(本間 勇人)

※参考① 戸板中学の教育→【1】【2】【3】

※参考② 戸板祭

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函嶺白百合受験チャンス

「函嶺白百合」に訪れた方は、強羅の美しくも壮大な自然の中にある学校にまず驚くだろう。そして校舎、庭園、聖堂、寮、宿泊研修施設などがかつての政財界人の別邸を思わせる雰囲気に品性を感じないではいられないだろう。

◆カリフォルニア州のいくつかのプレップスクールに訪れた方は、同質の匂いを感じるのではないだろうか。サッチャースクールや芸術ベースのハッピーバレースクールなどはやはり全寮制で、自然の中にある。

◆そしてスモールスクールであるがゆえに、木目細かい教育指導が行き届いているのに、思わずため息がでるだろう。

◆2月6日、募集定員は5名であるが、受験のチャンスがある。特別入試で、面談方式、要するに口頭試問型の入試。事前に「私ってどんな人」というテーマで作文を書いて提出する必要がある。早めに問い合わせるとよいだろう。(本間 勇人)

※参考① 函嶺白百合白百合の教育→【1】【2】【3】【4】

※参考② 函嶺白百合から「一流の国際人」が生まれる理由

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横浜中の真価を知ろう

◆今年の「横浜中」の2月3日までの中学入試の応募者の確定総数は589人で、前年対比は107%。まずまずの安定感である。2月7日にもう一度受験できるチャンスがある。

◆ぜひチャレンジしていただきたい。というのも横浜中の教育環境において、他校にあって横浜中にないものは一つもないが、他校になくて横浜中にあるものがあるからだ。

◆生徒が自立/律した人間に育つための教師陣の支援体制とIT支援システムの両面がきちんと組織化されているということが、それだ。

◆L.A.U.D.(ラウド)は横浜中が独自に開発した家庭学習支援システム。“Learning Assist Units based Database”の略であるが、1990年代後半にすでに試行錯誤して21世紀が始まるときにはすでに稼動していた。この先見性とその実効性について、まだまだ多くの学校選択者は気づいていないかもしれない。

◆今でこそ世間では、E-learningは当たり前かもしれないが、学校ではまだまだITは家庭学習と学校を結ぶ道具としてシステム化されていない。そのことを少し想い起こすだけで、横浜中の教師の創意工夫とそれに付いていく生徒たちの才能のすごさがわかるはずである。

◆基礎基本を家庭学習でしっかりトレーニングしておけば、学校の授業は深く広く思考する時間、応用力を鍛える時間として使える。だから大学進学実績も急激にアップしているのである。

◆しかし、何よりも重要なことは、この組織化を可能にする条件。それは教師と教師、教師と生徒、教師と保護者・・・など学校のステイクホルダー全体のコミュニケーションの充実。これがあるからこそ実現し、持続可能になっているのである。まだ横浜中の真価を知らない方は、これを機会に探究してはいかがだろうか。(本間 勇人)

※参考①L.A.U.D.の取り組みについて

         →「横浜市の調査季報№140」

※参考②横浜中の先見性の例→「横浜中の新しい試み」

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武相の応募者増の理由

◆今年の武相の中学入試の生徒募集は増加。2月3日現在で、その総数は495名。前年対比122.2%という激増である。

◆男子は中2から高1にかけて、精神的にも身体的にも大きく変化する。この変化のときに健全な肉体と精神を基礎とできるかは極めて重要。そのためには、机の上の勉強だけやっていてはダメで、たまには教室を出て、身体を大いに使って、つまり体験を通して、学ぶ必要がある。

◆多様な体験は、様々な新情報をインプット。インプットされたものは、試行錯誤という思考のアルゴリズムを通過して、アウトプットしたくなるのが青少年期というもの。このプロセスを生徒たちが通る体験プログラムをいろいろな切り口で創意工夫しているのが武相の教師。

◆そして、このようなダイナミックな体験を作り出す専用教育空間が用意されている。理科実験のためのホールが独立して建てられているし、パソコンや芸術、体育のためにも同様に別棟が用意されている。

◆このような教育の質は、学校が存在している閑静な住宅の質とも相乗効果を作り出している。生徒を中心にそれを取り巻く、人的、空間的、経営的、地政学的統一感が、武相の魅力。学校説明会に訪れた受験生や保護者は、理想郷の存在に驚くのである。2月7日ファイナルチャンスがある。(本間 勇人)

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2007年2月 3日 (土)

聖園女学院の勢い

◆今年の「聖園女学院」の中学入試の応募者数は激増。1回目の入試は応募者が184人で、前年対比146.0%。2回目は244人で、149.7%。3回目は311人で、189.6%。新設の4回目はまだ締め切っていないが、すでに133名(1月31日現在)集まっている。

◆当ブログのログを見てみると、1月4日~2月2日までの間で、聖園女学院の関連記事の訪問者は224人。ページビューだと396件となる。

◆聖園女学院を選択した保護者は、同学院の教育を理解しようと情報を熱心に収集する積極的な方々なのかもしれない。というのも、ネッティランドのフリーペーパー「かわら版1月号(2007)」でも特集したが、当サイト、当ブログは、大学進学実績や偏差値以外に、教育の質を基準にして、「クリエイティブ・スクール探し」をすることを目的としているからである。

◆今後も「クリエイティブ・スクール」の情報を、ネッティランドとそのフリーペーパー「かわら版」で情報を提供していきたい。(本間 勇人)

※フリーペーパー「かわら版1月号」は、ネッティランドのトップページ右上から見ることができる。

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明治学院の魅力

◆今年の「明治学院」の第1回目の中学入試の生徒募集は、昨年比では横ばいだが、2005年に比較とする125.3%。したがって、同学院の魅力に気づいた学校選択者が増えていると言える。

◆毎朝20分間の礼拝で始まるが、生徒が司会も賛美歌伴走も行う。聖書から世界の人々の痛みを感じる毎日の気づきこそ生徒の成長を促す泉である。

◆また世界の同世代の生徒と交流する機会も作っている。たとえば、高校1年生の英語の授業では、在学生3~4名にアメリカ人生徒1名が入ってインタビューをするというプログラムがある。規定のインタビュー項目が終了するや、フリートークになり、英語を駆使しながら話し合うようだ。

◆参加したアメリカの生徒は、明治学院の雰囲気について「とてもCLEANだ」と語ったという。掃除が行き届いているとか、校舎がきれいということもあるのだろうが、明治学院の教師や生徒の清々しい心根のことを言っているのだろう。

◆まだまだ明治学院は自らの魅力を多くの学校選択者に伝えていない。今後に大いに期待したい。(本間 勇人)

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藤嶺学園藤沢中学受験生集まる

「藤嶺学園藤沢」の今年の1回目入試(2月1日)の生徒応募者数は、昨年比113.2%。同学園の魅力が年々評価されている。

◆剣道と茶道というまさに文武両道、知行合一という理想的な人間形成の道が藤嶺学園藤沢の学びの環境である。まさに世界が希求する武士道を身につけ、大学に社会に飛翔できる学校なのである。

◆そしてまた1つ私は同学園の魅力を発見した。武士道はある意味「美学」である。その「美学的判断力」を、「藤沢市高等学校美術展」に出展された同学園の生徒の作品の中に見つけた。

◆その作品は紙の彫刻で、テーマは「蜘蛛の巣にかかった蝶」。その生徒によると「この作品は情報世界をイメージし、巣にかかった悪い情報(ここでは蝶をあらわす)を襲って食う蜘蛛を描いています。情報伝達手段の象徴英字新聞を使っています」ということだ。

◆友人の経営コンサルタントにその話をしたら、「まさにWebの情報セキュリティのデザインだね」と想像をたくましくしていた。たしかに、いろいろなイメージを喚起する高感度な作品。テーマもわざわざ漢字を多用し、英語とのコントラストがおもしろい。一方は表意文字、他方は表音文字。前者は抽象性の中に意味を隠している。虫へんの漢字が3つさりげなく並んでいるけれど、「知」「朱(血)」「葉」が隠されている。葉は表現、朱(血)は内容、知は判断。それを英字新聞で具体的な形にデザインしている。言葉と内容の一致・不一致を判断するシステムの世界がそこにはあるのである。

◆まだまだ日本の教育界では、21世紀が「美学的判断力」の時代であることは知られていない。しかし、グローバリゼーションは、知のデザインの時代、知識や情報の再構築の時代、クリエイティブ・クラスの時代を象徴しているというのは世界の常識。藤嶺学園藤沢は世界のコモンセンスを前提にした学校なのである。(本間 勇人)

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2007年2月 1日 (木)

八雲学園は量も質も

八雲学園の2月1日4科目受験生は大幅に増えた。これによって量と質の両方がアップしたことになる。

◆ここ数年、量が増え続け、2科目より4科目受験生が多くなっている。教育の魅力と大学実績に相関が生まれているからである。

◆実際に、今年もすでにAO入試と公募推薦入試で、早稲田大学と上智大学に合格した在校生がでている。生徒の質、教育の質、進学の結果。すべてに期待がかかる。(本間 勇人)

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京北は量から質へ転換か

京北の2月1日の生徒募集は、手続き初日からしばらくやや苦戦。しかし、締め切り直前に昨年の応募者数を若干超えた。しかし、欠席者は昨年よりかなり少なく、実質受験生は昨年より多くなった。

★進学者の数は例年並か、やや増だが、先生方は授業の質の向上に意欲を燃やしていた。授業や学びの基礎は対話・コミュニケーション。互いに切り口の違う対話をしているうちに、そのズレが新しい発見を創出する。

★コミュニケーションや対話は、おしゃべりの瞬間に現れる。しかしたいていは、おしゃべりは押さえつけられる。そこに発見の大ヒントがあるにもかかわらず。

★京北は、そこを見逃さない。この視点のないコミュニケーションは、形式的で互いに何かを共にすることができない。共感や同感の生まれないコミュニケーションは好奇心が生まれない。もし共感や同感が起これば、好奇心が生まれる。好奇心は探究心への第一歩である。

★京北の授業はその第一歩の体験から始まるのだ。これが6年後の大飛躍につながるのである。(本間 勇人)

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淑徳巣鴨の大志

◆東京の私立中学受験が始まった。早朝、淑徳巣鴨の先生方は、正門から校舎にかけて列を作って、受験生をもてなす態勢をとった。同校の受験生は、昨年よりも多い。

◆受験生が増えるということは、合格者の質も向上する。もともと「特進選抜Jコース」・「特進Jコース」という2コースで募集しているところからもわかるように、特進以上の学びのプログラムにチャレンジする資質のある生徒が求められている。

◆したがって、年々生徒の質はアップし、麻布学園の「論集」に匹敵する探究心と論文力を有した生徒が出てきているという。やがては、生徒全員がそのような才能を開花してほしい。そのために受験勉強を超える学問的に幅広い特別プログラムを用意していると、先生方は、受験生を迎え入れながら大志を抱かれていた。

◆その特別プログラムの一端を少し語ってくださったが、現段階では全貌は企業秘密。新入生のためにその話はとっておきたいということだ。(本間 勇人)

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今日から東京・神奈川の中学受験始まります。

◆今日から東京・神奈川の中学受験が始まる。毎日新聞(2007年1月31日)によると「<中学受験>5万人超え過去最高 首都圏1都3県」だそうである。

◆身近なところでは、「ゆとり教育」の失敗やそれによる子どもたちの「学力低下」、「いじめ問題」などに対する不安が、学校選択を真剣に考える家庭層を増やしたということになるのだろう。

◆しかし、本当のところは、この「不安」の背景に、なんとなくではあるが、受験生の親が鋭く感じているグローバリゼーションに対する未来への気遣いや配慮が、子どもの可能性を広げようと促しているのだと思う。そういう意味で、今年の私立・国立・公立の中学受験は、本格的な「学校選択への意志」の現れということになるだろう。

◆目の前の「不安」は、実は未来への期待の予感である。各学校や日能研の応援メッセージ「がんばれ中学受験生」は、子どもたちの未来の扉を開く支援の声である。(本間 勇人)

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2007年1月31日 (水)

中堅校に目立つ入学者数の増加

2007年首都圏中学入試は間違いなく規模拡大へ!

首都圏における私立中高一貫校の在籍生徒数を、この2006年春の日能研によるアンケート調査(個々の学校データは「日能研学校情報Web」に掲載)の結果から、いくつか抜粋して下に紹介した。

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あくまで30数校の例をご覧いただいているに過ぎないが、それでもここ1~2年で、首都圏のいわゆる中堅の私学への入学者数が増加している傾向が感じ取れることと思う。

全国中学入試センター模試の、11月版『センター模試ニュース』では、来春2007年の首都圏中学入試の受験生総数は、「今春よりも5%以上増えるだろう」とお伝えしているが、こうした私学への入学者の増加傾向を見ると、その予想はまだ「控えめなもの」にさえ思えてくる。

もちろん、ここに紹介した私学のほとんどは、近年、受験生と保護者から将来性を期待される傾向が目立つ学校である。だからこそ応募者が増え、その結果として入学者も増えてくるのだ。そして、この他にも入学者が増加しそうな勢いのある私学は数多いので、関心のある方は「学校情報Web」で個々の状況を確認してほしい。

いずれにしても、2007年入試の受験規模が、かつてない大きさになることは間違いない。気持ちを引き締めて挑んでほしいと思う。

[初出:NettyLandかわら版12月号]
(北一成)

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2007年1月26日 (金)

次に注目される小野学園女子の教育

★まだ多くの学校選択者に気づかれていない私立中高一貫校で、次に注目されるのは「小野学園女子」。なぜなら、独自の高度で広い視野を身につけるプログラムを創意工夫しているからである。創造的な教師の存在が、クリエイティブ・スクールの最終的な条件である。

★たとえば、15大学16分野の大学教授を招き、4~5年生(高1・高2)が大学教授による模擬授業を受けるプログラムを作っている。「企業の人材育成」「心理学って何するの!」「生物にとってDNAはなぜ重要なのか」など、大学生と同じ講義を受けることになる。実際、このような知的刺激のある環境は、生徒のモチベーションをアップし、「偏差値が20以上アップする生徒」をたくさん生み出しているという。

★また、小野学園は幼稚園から高等学校までの総合学園で、中高生は園児や児童とともに生活するチャンスが多い。ボランティア活動や梅祭(学園全体の文化祭)の運営などで、コラボレーションすることになるのだろう。優しい心根が育成されるのである。

★この2つの例を見ただけで、Talent、Technology、Tolerance(寛容)というクリエイティブスクールの条件3Tを満たしているというのがわかる。

★新年を迎えるにあたり、茶道部では初釜を行ったそうである。日本文化の「道」の精神は、「もてなし」の心も育てるが、これもまたToleranceに通じる。3Tとは時代の要請であり、それに応える創意工夫が小野学園女子では行われているのであり、注目を浴びるようになるのは時間の問題である。(本間 勇人)

※参照→小野学園から届いた「かわいいおもてなし」

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2007年1月23日 (火)

ファイナル学校選択

★1月から中学入試が始まっている。灘中はすでに合格発表を終えている。国府台女子学院も第1回入学試験が終了している。869名の応募は、昨年より増加している。

★一方東京エリアの私立中高一貫校の出願は20日に始まったばかり、今月末にならなければ動向の全貌は見えない。

★倍率速報を見えても、窓口で手続きをする方法と郵送手続きをしているものが混在しているので、実際のところはまだまだわからない部分があるからだ。

★また、田園調布学園のように、初日の昨年同日出願の対比が好調(昨年213名→今年223名)でも、倍率速報の昨年の数字は最終数字だから、それがわからないので、今現在で比較してもあまり意味がない。

★そうは言っても、刻一刻と昨年の数字に近づいている、あるいはすでに超えているという勢いは、毎日眺めていると感じとることができよう。

★さて、現在あともう一校の学校選択で迷っているという方もいらっしゃるだろう。そういう場合、今年は応募者の増え方が急ではないが、着実に教育の質は向上し、先生方の創意工夫も積極的であるという6年後に有望な学校を選択するという意思決定のあり方も考えてみてはいかがだろうか。

★どうやって調べるのか?それは言うまでもなく、当サイト「ネッティリポート」が大いに役立つと確信している。(本間 勇人)

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2007年1月21日 (日)

中村中は応募者が増える学校の1つの型

★昨日(1月20日)東京エリアの私立中学の出願が始まった。開始直前に中村中の梅沢先生から生徒1人ひとりを丁寧にもてなしたいという意気込みのメールを頂いたので、このブログで紹介(「中村中の最終学校説明会」)させてもらった。

★そして成功を祈っていたところ、夕刻、再び梅沢先生から初日の出願集計のお知らせをいただいた。応募者が増える私学の特徴をあらわしている典型例が理解でき、今後の学校選択に役立つので、その一部を紹介しよう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2/1 一般   75
    特待  142
2/2 一般  147
    特待  164
2/3 一般  201

初日から223名の方が出願という経験は今までありませんでした。 お一人お一人に「湯島天神の合格祈願えんぴつ」を差し上げて、 寒い中出願に来てくださった方々が少しでもホットになっていただけたらと願いました。堅い表情でいらした方も「湯島天神の合格祈願えんぴつです。一本お嬢様にお持ち帰りください」と声をかけると、和やかなお顔になってくださいました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★このような生徒と保護者に対するおもてなしの心と行いは、出願のときだけのことではなく、年間を通して生徒募集活動の際に行われてきた。このもてなしの持続が可能なのは、相手に対する目配りと高感度な共感性を備えていないとできない。もちろんこれは他者を愛する心につながる。このことは何を意味しているのかというと、中村中の教育精神が教職員1人ひとりに長い間染み渡ってきたことを意味する。(つまりこれから時代が要請すると言われている「ハイコンセプト」と「ハイタッチ」の実現!)

★中村中の教育精神は、フェニックス。しかしこのフェニックスの本当の意味はキリスト教の「復活」に通じるのである。これは麻布と同じような教育精神の表現の構造を持っている。麻布の氷上校長先生は、建学者江原素六の論語とキリスト教が染み付いた精神を宗教活動を通さずにいかに継承するかが、ミッション校でない麻布の背負った課題であると語られる。二兎を追わねばならない。優秀な生徒を育成する道と宗教性ベースの徳を身につけた生徒を育成する道の両方をと。

★中村中の深層に存在するカトリシズム。それは他者への奉仕である。これが「おもてなし」という表現で継承されている。そしてカトリック精神を望郷する表現が、「フェニックス」だったのではないか。ここは私の憶測にすぎないが、「復活」はキリスト教文化の重要なテーマ。もっと永劫回帰はアジアの宗教のテーマでもあるが。

★ともあれ、応募者が増える学校の典型例のポイントは、二兎を追うということであり、ミッションスクールでなくても、人間教育の背景に宗教的素養を有している学校ということではないだろうか。私はそのような学校を、「クリエイティブスクール」と呼んでいる。クリエイティブである3つの条件は、Talent, Technology, Tolerance。タレントとトレランス(寛容)がまさに宗教的素養であり、テクノロジーが近代を象徴する言葉。

★私学と官学の違いは、ここではっきりする。宗教的素養ある近代化路線なのか宗教的素養なき近代化路線なのかということ。グローバルな世界を生き抜くには、宗教的素養は重要なはずであるが・・・。中村中の生徒募集の成功の背景は、実はこのような込み入った文脈がある。このような文脈を自覚している学校かどうかが「クリエイティブスクール」であるか否かの試金石でもあろう。

※参照「中村学園を通して女子私立中高一貫校を考える(6)

※参照「私立中高一貫校がグローバル・スタンダードを内包している理由」    (本間 勇人)

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2007年1月20日 (土)

中村中の最終学校説明会

不死鳥のごとき中村中の出願が本日20日から始まっている。中村の教育力については、昨年の春の大人気をきっかけに、AERAや他紙・誌で広く取り上げられてきた。おそらく本日もその様相は変わらない、いやもっと拍車がかかっているのではないだろうか。

★出願直前開始の今朝、入学対策委員長の梅沢辰也先生から、「いよいよ本日から出願が始まりますが、お一人お一人と心の通い合う入試ができるように最高の状態でお迎えします。」とメールが届いた。

★中村の特徴である茶室的かつ日本庭園的なおもてなしの気持ちとクリエイティブ・スクールとしての気迫と気概が伝わってくる。

★最終学校説明会(1月13日)の参加者は、275組(約600名)で600席以上準備した体育館がほぼ満員だったと梅沢先生。これは過去最高というから、やはりブレイクした昨年をさらに超えるという予想は的中するのではないだろうか。

★梅沢先生によると、「この1年間の説明会などでコンタクトをとってくださった6年生は、1157名で、やはり昨年の 960名を超えます」ということである。埼玉や千葉の出願状況では、説明会の参加者が増えている学校はやはり出願数も増えている。

★今日の倍率速報を開いたとき、予想通りになっていることをお祈りしている。

※参照→フェニックス中村中     (本間 勇人)

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2007年1月18日 (木)

「志望者が増える」理由はどこに?

センター模試の志望状況から考える

6年生を対象にした「合格判定テスト」では毎回、各校の志望者が集計され、そのデータが翌年入試の難易度を予測する材料となる。

下の表は、今年9月度のセンター模試における志望状況を、昨年同月のデータと比較して、男女各入試日ごとに「志望者増加率」が高い順に、なおかつ平均偏差値が「0・2以上アップ」している学校(入試回)の上位ベスト3を抜粋して紹介したものだ。

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Hot0611_13_2

入試全体からすると、ほんの一部の例を見ているに過ぎないのかもしれないが、ここに抜粋された学校のほとんどには、それぞれ「志望者が増えた理由」を推測することができる。

それは、その学校の入試改革によるものや、新設したコースや特別クラスへの期待、新校舎人気、あるいは人気が競合する他校との関係で志望者が増える構造的なものであったりと、理由は多岐にわたる。大学進学実績の向上などは、最も人気増加に反映しやすい。また、ひとつの学校に複数の人気増加要因が重なっていることも当然ある。

いずれにしても、こうして「志望者が増え」、「平均偏差値もアップ」している学校には、何らかの「受験生にとって喜ばしい」要因があり、それが保護者に認知されたことが人気増加の理由であることは間違いない。また、こうした各学校の人気のベクトルは、その学校と在籍する生徒の将来の成長とも重なることがある。

そんな視点で、こういったデータをていねいに見直してみると、お子さんの受験校選びの参考になると思う。

[初出:NettyLandかわら版11月号]
(北 一成)

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麹町学園女子の人気

◆1月13日の「麹町学園女子」学校説明会に500人の参加者が集まった。これについては<ホンマノオト2007年1月16日>で報告したが、1つ大事なことをお知らせするのを忘れていた。

◆同学園のサイトでしか公表されていないが、受験生の保護者からの要請もあって、1月19日に「ミニ説明会」を開催することになったそうだ。

◆最後の最後まで学校選択に対し集中している方は参加してみてはいかがだろうか。生徒の小さな変化を見守り、サポートする高感度なセンサーを有している教師を見つけに。(本間 勇人)

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知られざる静岡聖光学院の教育の質

◆中学受験のフィールドで「静岡聖光学院」の教育の質は、まだまだ知られていない。リベラルアーツをベースに、生徒1人ひとり<の/が>キャリアデザインを組み立てていく土台ができているということが理解されていないような気がする。

◆このリベラルアーツは、言うまでもなく結果的に大学進学実績にも結びついている。しかし、この成果が必ずしも正当に評価されているわけではない。それはスモールサイズの学校である宿命なのかもしれないが、量ではなく率で見ていくと、驚くべき事実が浮かび上がってくる。というのも、卒業生数に対する東大・早・慶・上智の現役合格率は、高輪、森村、香蘭、三輪田と変わらないのである。首都圏の私立中高一貫校の中では、上位から数えて3分の1のゾーンにはいっている。

◆ということは偏差値的には45~50のレンジの学校の中に入っているはずである。しかも教育の質でいけば、寮制学校の良さが加わるために、そのクオリティはそのレンジの学校を超えている可能性もある。

◆ところが現状では偏差値は40ぐらいである。これは評価が正当ではないからではなく、模擬試験を受けた生徒の集団から算出されたものに過ぎないから、結果的にそうなっているのである。静岡聖光学院の受験生全員が首都圏の中学受験界と同じように勉強をして、模擬試験を受けたなら、おそらく偏差値50ぐらいになるだろう。

◆要するに、条件が違うということを考慮しなければならない。静岡聖光学院のリベラルアーツとしての学びの秘密については、また別の機会にまとめようと思っているが、とにかく気になる保護者の方々は、一度訪れた方がよい。寮生は在校生の3分の1。神奈川、東京からでも進学できるのである。2月10日、東京で受験ができる。学校選択の視野に入れてみてはいかがだろうか。(本間 勇人)

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2007年1月15日 (月)

横浜国際女学院翠陵中学校の最終学校説明会

★1月13日、横浜国際女学院翠陵中学校最終学校説明会が開催された。神奈川の私立中学の出願手続きはすでに始まっている。同校もすでに始まっているが、今回の説明会に参加したおよそ50組からも、当日手続きをした受験生の家族も多かったのではないだろうか。

★同校の国際教育は通り一遍の英語教育ではない。OGの中には、こういう卒業生もいる。米国で英語を使って仕事をしているうちに、グローバリゼーションの世界にあって、国境は地理的な境界線ではなく、言語が理解できるかどうかが境界線を広めも縮めもしていることに気づいたという。それゆえ英語だけではなく中国語も学ばなければ、グローバルな人間関係を作れないし、孤立してしまうと考えているという。

★日本の社会は、いつのまにか文明の孤立という事態を招きかねない。そんな話が最終学校説明会で話されたようだ。21世紀の女性、つまり今の中学受験生が本当に取り組まねばならない仕事や生き方について熱く語られたに違いない。参加した友人の話では、かなり意識の高いご家庭が参加していたということだ。

★説明会が終わった時点で、出願者が全部で65名増えた。やはりプレゼンテーションの効果があったということだろう。80名定員のところ、全応募者は267名で3.3倍。自分の娘が受ける学校の人気があるということは良いことである。その中で切磋琢磨できるようにまずは受験をがんばっていただきたい。(本間 勇人)

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2007年1月14日 (日)

最終学校説明会で出合う学校ブランド

◆年が改まり2007年になって、すでに入試が始まっている。そんな中で東京神奈川エリアでは、最終学校説明会が130件以上ギリギリまで開催されている。

◆この時期の説明会だから、第一志望の受験生とその保護者ばかりだろうと思うかもしれないが、いろいろ聞いてみるとどこも20%は初めて訪れるという保護者がいらっしゃるという。そして願書を申し込んでいく割合も高いというのである。

◆その理由には、1月になって新しい学校を回る保護者の気合というものがある。いろいろ迷った結果、どうしても選択しきれず、最後に回った学校にかけるという究極の選択を真剣に考えているのである。

◆そしてもう1つは、学校側の最高のもてなしの気持ちの高まりである。最終説明会をきちんととり行い、入試を迎えるという凛としたすがすがしい雰囲気作りがされている。1年間互いに協力してきた先生方と生徒、在校生の保護者の一体感が最高潮に達する時でもあるのである。この時期に説明会を開催する学校は、教職員、生徒、保護者が一丸となっている場合が多い。

◆そうなると、説明会をとり行いながら、走馬灯のように1年間みんなでやってきたことが1つひとつ実現していく姿を思い出していく。80%の受験生やその保護者は何回も足を運んでいる。教職員、在校生、在校生の保護者、受験生、その保護者のなんともいえない心地良い連帯の絆が生まれてもいる。その絆に、初めて訪れて触れた場合、そのインパクトは想像を絶するだろう。

◆これはその学校の本当の姿であり、ブランドのエッセンスである。潜在的な学校の教育力が顕在化する瞬間である。学校のおもてなしは、学校に訪れたとき、学校のサイトに訪れたとき、学校のポスターなどの広報媒体に出合ったときに表現されている。そしてそれはその学校のブランドのエッセンスである。その集積が最終学校説明会なのである。(本間 勇人)

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2007年1月 8日 (月)

2007年「帰国子女入試」ラッシュが始まった

年が明け、いよいよ昨日7日から、茨城エリアの入試を皮切りに、2007年の首都圏中学入試がスタートした。

本日8日(月)には、土佐塾、西大和学園、函館ラ・サール、佐久長聖、那須高原海城、長崎日大など、地方の「寮のある私学」の東京(首都圏)会場入試が各地で行われた。

このあとにスタートする埼玉入試や千葉入試、そして2月1日からの東京・神奈川入試の前哨戦(=力試し)として、これらの入試に今日チャレンジしてきた受験生も多いことだろう。

そうした1月初旬、首都圏では、「もうひとつの中学入試」ともいえる、一般入試とは別枠の「帰国生入試」が本格的なシーズンを迎えた。すでにこうした「帰国生入試」は、早いところでは昨年11~12月から開始されているが、ピークを迎えるのはこの1月8日以降で、いわば「帰国生入試ラッシュ」をこれから迎える。

この2007年の「帰国子女入試」の入試要項や詳しい状況は、日能研が運営する「海外子女のための中学進学情報(=通称:NGSサイト)」のコンテンツのひとつ、「海外帰国子女入試要項〈入試カレンダー〉」をご覧いただくとよい。最新の帰国子女入試情報が、そこには紹介されている。

その「入試カレンダー」に紹介されているように、たとえば今日8日(月)には、聖学院中学校(東京都北区・男子校)の「帰国子女入試」が行われた。算数と英語、各50分・100点づつの入試と、受験生のみの面接で実施される同校の帰国子女入試には、果たして何名の受験生がチャレンジしただろうか。

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今日の帰国子女入試の結果は、やがて明らかになるので、NGSサイトで詳細をご覧いただきたい。ところで、こうした「帰国子女入試」を行う一方、この聖学院では、一般入試のスタート日である2月1日に、帰国子女でなくても「英語が得意な小学生」が受験できる、「英語選抜」入試を実施することをご存知だろうか。

この「英語選抜」の出願資格は、「英検3級以上」とされている。たとえ帰国子女のお子さんのように海外在住体験がなくても、「英語が好き」とか、「英語が得意」で、すでに「英検3級以上」を取得している受験生には、ぜひチャレンジしてほしい入試の機会だ。

とくに、男子進学校のなかでは出色の英語教育のノウハウを持つ聖学院だけに、この「英語選抜」入試に注目したいと思う。そうした長所を持つ子どもたちを受け入れ、まず「英語力を自信に」中学生活をスタートさせ、やがては他教科も含めて、バランスよく総合的な学力を高めてくれる期待が持てる。

そんな側面も合わせて、各私学の個性的な「入試のあり方」を見てみることで、中学入試に現れるそれぞれの私学教育の特徴や、合格へのチャンスが、もっとよく見えてくると思う。(北 一成)

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2006年11月25日 (土)

「未来への期待・学校の熱意」で選ばれる学校

2006年7月「志望校調査」に見る保護者の受け止め方。これらの学校以外にも、とくにまだ「発展途上=成長過程」にある私学にこそ、各校の「期待度と意欲」を、保護者が自ら感じ取ってほしい。

日能研が7月に6年生を対象に実施した「志望校調査」の結果を、今回は各学校の「期待度と熱意」という面から見直してみた。1万1千439名の6年生によって、のべ6万8千75件登録された志望校から、その学校を選んだ志望理由の上位3番目までに「未来への期待・学校の熱意(=表中では『期待度と熱意』と表記)」の項目が入っていた学校(入試)を、男女各12校ずつ抜粋して下の表に紹介した。

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※表は2006年7月の全国中学入試センター試験「志望校調査レポート」より

志望理由として設けられた29の選択項目のうち、他の項目にもこの「期待度と熱意」という意味が含まれているとは思うが、ここではひとまず、直接この項目が上位に選ばれた学校に焦点をあてた。

ここに抜粋した各校を見ると、私たち進学塾の関係者から見ても、いずれも学校の姿勢が前向きで、教職員の意欲が強く感じられる学校が多い。

なかには熱心な指導姿勢を一貫して保ち続けてきた伝統校や、すでに成果を目立って伸ばしてきた学校もあるが、一方で、今後の成長への意欲を前面に出している新進気鋭の学校も含まれている。千葉・埼玉の新しい私学が目立つのは、やはり「これからに期待が寄せられている」学校だからだろう。

ひとつ付け加えておきたいのは、ここで抜粋して紹介したのは、全国中学入試センター模試事務局がまとめた「集計レポート」〈東日本版〉に個々の集計グラフが掲載された学校のみであり、なおかつ、この調査の7月時点で「志望者が20名未満」の学校は含まれていないということである。

実際にはこの「期待度と熱意」によって、来春1~2月の入試本番で受験生と保護者に選ばれる学校は、むしろ、ここに紹介はされていない中堅の私学、なかでも、まだ良い意味での「発展途上(=成長過程)にある」私学のほうが数多いということを意識してほしい。

10月、11月は、説明会や見学会、オープンキャンパスや授業体験など、学校を見学でき、雰囲気を肌で感じられる機会が年間で最も多く開催される時期である。

この時期に学校を見学したり説明を聞いたりする際には、ぜひこうした「発展途上(=成長過程)にある」私学にこそ、「未来への期待・学校の熱意」を感じ取っていただきたいと思う。

(北 一成)
[初出:NettyLandかわら版10月号]

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2006年11月16日 (木)

公立中高一貫校の人気の意味

◆読売新聞(2006年11月16日)によると、来年4月に開校する青森の県立三本木高付属中学校(十和田市)の応募状況は、80人の定員に対し、志願者は225人で、倍率3.1倍となったという。「併設型中高一貫校」の開設準備室は、「高校入試を経験せず、6年後の大学入試に備えることができるなど、将来をみすえた継続的な学習ができることが評価されたのではないか」と話しているそうだ。

◆ 首都圏の学校選択者にとって、今春開校した東京都立の中高一貫校3校の志願倍率(一般枠)が10倍前後になっていたわけだから、3倍で人気があるかどうかピンとこないかもしれないが、秋田県の私立中高一貫校は2校という状況であるから、3倍というのは大変なことなのだ。

◆要するに各地で、公立中高一貫校の人気が続くという社会・教育現象が生じているのであり、その理由は、共通して高校入試が無いという点が挙げられる。別の言い方をすれば、高校入試はやはり中3という思春期の時期には、好きなことができない状況を作るわけだから、大変不快なのだ。

◆そしてその不快を解消するあり方が、必ずしも忍耐して受験勉強をがんばるという方法が選択されなくなり、毎日のように紙面を埋める多くの悲惨な社会問題が生まれている。公立中高一貫校の人気の本音はこの不安から回避したいということであろう。

◆だから3倍とか10倍という人気になるのだが、この動向は公立の学校間で、学力格差だけではなく、動機付け格差が生まれることも示唆する。公立学校の教育制度の混乱がこれから続くということになる。教育基本法改正問題、教育再生会議の百家争鳴状態、履修漏れ問題は、その一端、氷山の一角に過ぎない。

◆学校選択者は、学校情報のみならず、教育情報、政治経済情報をも複眼的に見ていかねばなるまい。(本間 勇人)

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2006年11月13日 (月)

教育&学校選択の基準

◆文藝春秋12月号は「教育特集」を掲載。毎日あまりに悲惨な教育事件が報道されているので、特集記事のテーマは相当挑発的・扇動的。

◆しかし、残念ながら、二極化、経済格差と学力格差のギャップを乗り越えたり、未来の人材育成のための教育論は語られていない。

◆このような状況を東大総長の小宮山宏氏は「教育の話は誰でもできるだけに、一歩間違うと床屋政談になりかねない。教育の現場を知らない人が集まっても、具体策は難しいと思います。競争原理を導入すれば教育が良くなるなんて、そんな単純なものであるはずが無いじゃないですか。本質は、教師の質をどう上げるかの議論にあると思います」と鼎談の中で語っている。

◆まさしく、今回の特集に限らず、マスメディアの教育問題の扱い方、解決方法は「床屋政談」だし、「競争原理」について真剣に議論していないし、「教師の質」がなんであるか検証されていない。

◆「床屋政談」を脱するには、教育や学校を見る枠組み、フィルター、あるいは基準を、学校選択者側で作っていくことが肝要。だれかに与えられた基準ではなく、自分で作っていくことをお薦めする。そのときのポイントが実は「競争原理」をどう考えるか、「教師の質」をどのように見切るかにかかっている。

◆かといって、自分ひとりで作るのも難しい。そこで、説明会に参加したり、進学情報誌を読んだり、ウェブの掲示板でやりとりしたりという方法が重要となってくる。私どものNetty Landや紙媒体の「かわら版」も教育や学校の質を考える情報として大いに役立つと思う。(本間 勇人)

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2006年11月 1日 (水)

2007首都圏中学入試~学校選択理由の傾向

7月の段階では、多くの受験生とその保護者が、教育の中身について情報を集めて学
校選択をしているとはいうものの、教育理念や校風という雰囲気や交通の便が中心。
9月以降の学校説明会では、もっと具体的な視点で選択決定がされていくことだろう。

今年7月、日能研志望校調査では、志望理由29項目にわたり、109,255件の項目数の集計を行った。その膨大なデータをここで扱うことはできないので、Netty編集部では、29項目をまず大きく「生徒募集情報」「教育活動情報」「大学進学情報」というように3つに分けた。そしてさらに、「教育活動情報」を「学校文化」「交通の便」「教師力」「学習」「教育空間」の5つに中分類した。「交通の便」は単純に時間や距離の問題ではなく、学校の延長空間であり、友人との対話空間であったり、読書空間であったり、健康調整のための身体空間だったりするので「教育活動情報」の中に組み入れた。

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一般に中学受験における学校選択というと「大学進学実績」が最大の指標のようにイメージされるが、実際はそうではないことが日能研志望校調査によって了解できる。7月の段階では、まだ教師や学習の中身の情報は入手していないため、選択理由としてはそれほど大きくはないが、9月以降の学校説明会では、受験生や保護者の「学校選択眼」はより鋭くなっているので、最終的には「教師力」と「学習の中身」が重要になってくるのではないだろうか。

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(本間勇人)
[初出:NettyLandかわら版9月号]

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2006年10月28日 (土)

湘南白百合のオープンスクールは在校生が活躍!

◆10月28日午前中、「湘南白百合」ではオープンスクールが開催された。11箇所の学習空間で、小学校4年生から6年生までの生徒たちが体験授業を真剣にそして楽しく受けている間、保護者の方々は、マリアホールで入試説明会に参加していた。

◆500人を超える参加者に、湘南白百合の人気の高さが現れているが、その秘密は、オープンスクールで行われていた授業そのものの質にある。拝見させていただいたが、どの授業にも一貫した要素が染み込んでいた。それは、

(1)教師の授業準備が緻密。

(2)講義と実験や制作などの変化に富んだプログラム。

(3)地球儀やビーズによるDNAモデル、多面体など成果物を持ち帰ることができる達成感。

(4)在校生はチューターあるいは助手の役割を積極的に遂行。

(5)緊張感と集中力と楽しさのバランスの良さ。

◆前日までは中間テスト、そのすぐ前は聖ポーロ祭(文化祭)。学内の行事や学習で先生方も在校生も多忙な中、受験生たちをもてなす心と趣向にも手を抜くことはない。この創意工夫のエネルギーこそ湘南白百合の教育力であり、同時にこのエネルギーは、先生方と在校生のコラボレーションによってさらに強くなる。

◆学園全体で一丸となって、あらゆる行事や勉強に情熱を燃やすことができるのは、湘南白百合のアイデンティティが豊かな証拠であるが、その共に有している精神は、水原校長先生がいつも語られる「あなたがたのうちでいちばん偉い人は、仕える者になりなさい」というキリストの精神そのものである。

◆80人もの在校生がボランティアで、オープンスクールを支援しているのだから、生徒たちがいかに自分たちの学園に誇りを持っているかがわかる。それにしても、この時期に高校3年生までが参加しているという事実には驚愕せざるを得ない。この余裕が、受験勉強への集中力を生み出し、高い大学進学実績につながるのだろう。

※関連記事→「湘南白百合の生徒が「内在的価値」に気づく理由

                                                                     (本間 勇人)

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2006年10月20日 (金)

多摩大学目黒の特待生入試

◆「多摩大学目黒」の特待生入試の志望者数が昨年に比べ増加している。10月のセンター模試の結果では、女子の前年対比360%、男子は900%という結果。

◆国公立大学・早稲田・慶應・上智・ICU・東京理科・立教・中央・明治・学習院・青山学院・法政の合格者の数は毎年増えている。2001年3月に初の六年一貫生が卒業して以来、近年は特に伸び率が上昇している。

◆理科の実験や世界史のグループディスカッション形式の授業など、知的好奇心を生み出す授業がある。あざみ野のセミナーハウスで行われる勉強合宿は、多摩大学目黒のアイデンティティを養いながら、高い学力を身につけることができる。このセミナーハウスは、外から見たら学校と思えるほど大規模で、体育館も設置されていて、グランドも広い。中間試験が終わると、ここで生徒は球技大会を企画するようだ。

◆朝の読書も、読書世界へ誘う環境。中3で体験するオーストラリア修学旅行は、グローバルな視点を実感できるだろう。高1のオペラ教室というのもおもしろい。総合芸術と欧米の教養や文化を学ぶチャンス。

◆学校長田村嘉浩先生は、今年45歳。ご自身、筑駒という中高一貫教育を体験して、東京大学法学部へ。卒業後は、通商産業省(現在の経済産業省)に勤務。貿易、地域振興、宇宙産業育成、特許行政、資源エネルギー政策、スタンフォード大学アジア太平洋研究所(米国)及びモスクワ国際関係大学(露)への海外留学、長崎県庁での地方勤務などを経験し、2003年年7月に、在ロシア日本国大使館での海外勤務から帰国。

◆日本社会や産業界を覆う停滞感に対し新興諸国の活力溢れる姿を目の当たりにして、今、日本にとって教育・人材育成が重要であることを痛感し、多摩大学目黒の常務理事として学校運営に携わるとともに、2004年に、多摩大学目黒中学・高等学校長に就任した。

◆その経歴からいって、明快なビジョンとプラグマチックな経営手腕を持ち、国内外で活躍する人材を育成すると期待をかけられるだろう。子どもに何が必要なのかを日頃から考えている保護者なら、同学園の教育の質とビジョンに共鳴するはずだ。(本間 勇人)

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2006年10月12日 (木)

とっておきの私立中学校2007年度版

◆「とっておきの私立中学校 2007年度版」が8月に発刊されていた。朝日小学生新聞を購読している世帯を中心に、配布されているので、入手するのに時間がかかってしまった。この企画は、受験体験をしている保護者、都内の中高一貴校の私学の先生や著名な教育評論家がコラボレートしてつくっている「6年一貫教育を考える会」が実施しているらしい。奥付には、編集アドバイザーは株式会社広宣社「とっておきの私立中学校」編集部とある。

◆付属のアンケートによって調査を行い、愛読者である保護者から様々な意見・感想を収集し、「学校選択基準」を探る企画がなかなか良い。それに朝日小学生新聞購読者宅(1都3県)約10万世帯に配布しているというのもよい。偏差値や大学進学実績だけではない「学校選択基準」の重要性を啓蒙する雑誌で、Netty編集部が今年7月から発刊している「ネッティランド かわら版」フリーペーパーと方向性はかなり近い。

◆もっとも私たちの「ネッティランド かわら版」は「学校選択」というよりも、あらゆる私立学校が持っているクオリティ(意外と学外に表現されていない教育の質の部分)を紹介する雑誌なので、掲載校を絞らないところが大きな違いか。そういう意味では「とっておきの私立中学校 2007年度版」の方は、保護者のものの見方を汲み上げているだけに、掲載されている学校は選択されており、興味深い情報といえよう。

◆2007年度版は、次の43校が掲載されている。

桜美林中学校

鴎友学園女子中学校

小野学園女子中学校

学習院中等科

学習院女子中等科

カリタス女子中学校

関東学院中学校

共立女子中学校

国本女子中学校

攻玉社中学校

駒場東邦中学校

埼玉栄中学校

栄東中学校

渋谷教育学園渋谷中学校

淑徳巣鴨中学校

聖徳学園中学校

女子聖学院中学校

成蹊中学校

成城学園中学校

西武学園文理中学校

青稜中学校

洗足学園中学校

多摩大学附属聖ヶ丘中学校

土浦日本大学中学校

田園調布学園中等部

戸板中学校

東京電機大学中学校

東京農業大学第一高等学校

桐光学園中学校

東横学園中学校

豊島岡女子学園中学校

獨協中学校

日本女子大学附属中学校

富士見中学校

富士見丘中学校(東京)

富士見丘中学校(神奈川県)

文京学院大学女子中学校

武蔵工業大学付属中学校

武蔵野女子学院中学校

明治大学付属明治中学校

八雲学園中学校

横浜中学校

立正中学校         (本間 勇人)

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2006年10月 9日 (月)

名古屋国際中でセンター模試開催される

◆2006年10月8日、名古屋国際中全国中学入試センター模擬試験(以降「センター模試」)が開催された。今回、同模試を受験した生徒数全体は、16,000人を超え、全国中学受験生のおよそ20%。今年の愛知県の中学受験生は4,047人(河合塾小学グリーンコース調べ)で、今回の愛知県のセンター模試受験生は約1,200人。愛知県の中学受験生全体に対し30%となった。これは愛知県の私立中学を選択する保護者の熱の高さを示している。

◆一方、県を支える経済も、有効求人倍率全国1位、失業率の少なさも全国1位という堅調ぶり。10月12日は、名古屋市の商業中心部の栄に、日本初のロボット博物館が開業されるが、これも名古屋が新市場拡大の拠点になる兆しか。愛知県における私立中高一貫校の勢いと経済の勢いは、この地から卓越した人材が輩出されることを予感させる。

◆ところで、名古屋国際中の母体には名古屋商科大学がある。中高と大学を経営しているのは学校法人栗本学園。

◆栗本学園の戦略は、名古屋商科大学と名古屋商科大学大学院のビジネスプログラムに、大学評価機関として世界的な権威であるAACSB International(The Association to Advance Collegiate Schools of Business(以下、「AACSB」))の認証を受けさせるほどの手腕(日本の大学では慶応義塾大学大学院経営管理研究科に次いで2番目の認証となる)。

◆また、大学のランキングは2007年版(朝日新聞社)「高校からの評価ランキング」の総合評価において、全国の大学中28位、中部地区5位、また愛知県内においては全国16位の名古屋大学についで第2位(私学では1位)という評価を受けるほどである。

◆その栗本学園の経営陣が、2003年に、名古屋国際中学校を設立し、中高一貫教育を開始した。中高一貫部の卒業生がでるのは3年後だが、アメリカから校長ジョージ プルイト先生(ハーバード大学古典学部卒、エール大学ロースクール卒)を招いて新しい教育をプランするほどの熱のいれよう。アメリカのスーパープレップスクールのようにするのが目的のようだ。大いに期待がもてる。

◆このような栗本学園の動き以外にも、南山女子の新校舎建築、東海中の新校舎と定員増など目白押し。今後の愛知県勢を支える新たな動きに私立中高一貫教育も連動しているということだろう。今後も目が話せない。

※名古屋エリアの私立中高一貫校の特集が10月15日発売の「進学レーダー」11月号で組まれている。参照して頂きたい。(本間 勇人)

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2006年10月 6日 (金)

サレジオ学院の魅力

サレジオ学院と言えば、いわゆる東大・早・慶・上智・MARCHの合格者数の卒業生数に対する割合が100%を超える卓越した進学校。今年の7月の志望校調査(全国中学入試情報センター模試集計)でも人気が高かったし、9月のセンター模試の1回目の入試の志望校登録者数も前年対比104%で堅調。

◆しかしながら、その魅力は結果としての進学実績にあるのではなく、それを生み出す6年間の教育の過程にある。同学院のサイトを開けばそれはわかる。生徒や保護者の「声」を丁寧に載せているし、サレジオの1つひとつの行事の様子についても発信している。

◆そして、毎週月曜、水曜、金曜の朝礼時の神父田沢幸夫校長の「朝の話」が毎回アップされており、サレジオ学院の教育の質を感じることができる。その話はもちろんキリスト教的な愛や倫理が中心だが、校長先生の読書体験や世の中の事件と結びつけられている。その話を聞きながら、生徒たちは、理念と現実のループを見つけるために思考を展開させるはずである。

◆サレジオ学院は「他者への関心を深める教育」をめざしているはずだが、この「関心」というのは、何気ないものや小さなものに真理を関係づけられる知と愛の行いである。「アッシステンツァ」。この言葉は、「そばにいる」「共にいる」という意味のイタリア語のようだ。青少年と「共にいる」という姿勢で教育事業を始めたサレジオ修道会の創立者、聖ドン・ボスコの精神である。

◆この精神を受け継いだ1つの活動がOBによって行われる。2006年11月12日(日) サレジオ学院22回卒業 鈴木健史さんによるチャリティーコンサートがカトリック鷺沼教会聖堂にて開催予定。このコンサートの収益はすべてタイ北部辺境の地にすむ山岳民族カレン族の部落に”学習集会所のある教会”を建設する資金として寄贈されるという。詳しくは、サレジオ学院のサイトの「新着情報」を。(本間 勇人)

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2006年10月 5日 (木)

宝仙理数インターの斬新な説明会

◆「宝仙学園」は来春、「理数インター」を開設する。そのための説明会が10月14日に行われるが、すでに10回目になる。毎回参加者が増え、7月以降は100名を超えているそうだ。

◆毎回ワークショップが説明会と並行して行われていて、受験生は「理数インター」の教育ビジョンを全身で受けとめることができる。この「理数インター」のビジョンは3つのキーワードで表現されている。「インター」「理数」「宇宙人格」がそれである。国際人として活躍する理数系の学力と世界の人々の痛みをシェアし、救済できる慈愛の育成を表現しているのだろう。空海の生き様がベースの学園の特徴が表れているのではないだろうか。

◆さて、斬新なワークショップ型の説明会は10回目がファイナル。最終回は、「理数インター」のSLA(スキルラーンニングアクティビティ)の説明とワークショップが行われる。このSLAは「多芸に親しみ一芸に秀でる」才能を育てることを目的としているようだ。

◆「多芸に親しむ」ためにオールラウンドSLAとして乗馬・シーカヤック・茶道・華道などを準備し、「一芸に秀でる」ためにスポーツSLAとしてサッカー(フットサル)・野球(ソフトボール)などを準備しているようだ。また、ミュージックSLAとして全員で取り組む40人吹奏楽団を用意しているという。

◆今回の説明会では、スポーツSLAとミュージックSLAのワークショップを体験できる。東京ヴェルディのプロコーチと選手も来校するようだ。心身を豊かにするためにも参加してみるとよいのではないだろうか。

※10月14日(土)説明会→「情報

※理数インター→「学園の革命」      (本間 勇人)

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2006年10月 4日 (水)

学内広報誌で学校を味わう

◆各学校では、クラス通信、学年通信、学園通信など学内で様々な情報発信がされている。教師と生徒、学校と家庭をつなぐメッセージ集であるため、学校の様子が細かくわかる。

◆たとえば、「横浜山手女子」の「学校通信」を読むと、先生方がいかに生徒を大切に見守っているかその眼差しが伝わってくる。中世イギリスの都市さながらのブリティッシュヒルズ(英語研修所)で学ぶ生徒たちの様子とその成長ぶりを、ワクワク、ハラハラしながら伝えている。

◆また「チューター制度」についても紹介されているが、「進学チューター」と「留学チューター」の2つのタイプがある。欧米の多くの私立学校では、進路、カリキュラム、カウンセリングなど多様な角度から生徒をケアする制度が行き届いているが、同じように横浜山手女子も、生徒のケアを1人の先生がすべて抱え込むのではなく、チームでケアできる体制をつくっていることがわかる。

◆「目黒学院」の「学年通信」も、1つひとつの行事で生徒たちがどんなに真剣に活躍したかを丁寧に伝えている。たとえば、生徒たちの定期考査の取り組みについて、細かく振り返っている。朝講習の参加の態度や質問の様子、授業の集中力、放課後の互いに教え合う生徒たちの様子など、木目細かくチェックし、励ましている。教師と生徒の関係が良好であることがわかる。

◆このように、学内の広報誌には、学園生活の様子や教師と生徒のコミュニケーション状況がストレートに映し出されている。サイトで公開している学校も多いので、説明会に行くだけではなく、学内の発信物も味わってみてはいかがだろうか。

※参照→「NTS教育研究所」サイトに、「学内広報がダウンロードできるサイト」というページがある。            (本間 勇人)

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2006年10月 2日 (月)

注目!小野学園女子の理科実験入試

◆来春2月6日、小野学園女子は「理科実験入試」を実施する。同学園は、建学当初から女子の理数教育を目的としていた。その理念を入試にも反映したもの。理数という学問は、今まで男子の専売特許のように思われてきたが、最近では実験における忍耐力と協調性が求められ、女子の資質が要求される。

◆まさに小野学園女子の教育にとっては不易流行というわけである。試験の内容は、

 ①実験器具の使い方に関する試験

 ②実験の再現性試験

 ③テーマ実験試験。

◆正確性、積極性、計画性、説明力が評価の主要ポイント。より詳しく知りたい方は、学校説明会に参加することをお薦めする。今月は、14日土曜日、26日木曜日に開催される。

※小野学園女子のサイト→「説明会日程」 (本間 勇人)

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マスメディア、学校の見方に変化?

◆ここのところ「中高一貫教育」がマスメディアによって注目され、毎週のように関連ニュースが流されている。従来は、偏差値や有名大学進学率などを基準に学校を紹介するものが多かったが、最近のマスメディアは違うようだ。

◆読売ウィークリーの連載記事「最高の授業」や「学歴社会の楽しみ方」(講談社2006年9月25日)、AERAの「目的で選ぶ中高一貫校」(2006年10月9日)などは、授業の質、教師の質などに基準を求め始めている。

◆たとえば、AERAの「目的で選ぶ中高一貫校①」では、受験英語としてではない「外国語力伸ばす全国34校」のリストが次のように挙げられていた。

◆函館白百合学園、立命館慶祥、茗渓学園、渋谷教育学園幕張、伊奈学園(県立)、立教新座、暁星学園、都立小石川中等教育学校、穎明館、晃華学園、慶應義塾中等部、啓明学園、獨協、聖心女子学院、渋谷教育学園渋谷、成蹊、桜美林、武蔵、横浜女学院、栄光学園、鎌倉女学院、慶應義塾湘南藤沢、金城学院、滝、南山(男子)、南山(女子)、同志社国際、立命館宇治、大阪女学院、大阪薫英女学院、関西学院、甲陽学院、西南女学院、ラ・サール。

◆なるほどと思う学校が並んでいるが、受験英語を乗り越え現地校でも耐えられる英語力を身につけられる学校は、まだまだある。洗足学園、八雲学園、東京女子学園、東京女子学院、芝浦工大、芝浦工大柏、春日部共栄、東京学芸大学附属国際中等教育学校・・・。これからも多くの本物の教育を実践している学校が紹介されることを期待したい。

※各学校の情報はここを参照!→「ネッティリポート」         (本間勇人)

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大学合格実績と学校選択

大学合格実績は学校選択を決定する重要なファクターだが、その実績の背景にある教育力への期待がポイント。

今春の私立中高一貫校の大学合格実績の傾向を、「サンデー毎日(2006年4月23日号)」の「史上初2000高校主要大学合格者数」のデータに基づいて表にしてみた。

大学の抽出は、多くのマスコミや多くの学校選択者が注目する一般的な傾向にしたがった。卒業生数より多くなっているのは1人の生徒が複数の大学に合格していることを意味している。100%を超える学校は、それだけ大学進学に強い傾向を示しているといえよう。

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この大学合格実績は、学校選択を決定するとき大きな要因とされているが、果たしてそうだろうか。たしかに決定の要素として大きな影響力を持っているのは否めない。しかし、それは実績それ自体ではなく、優れた大学合格実績の背景にある教育力に期待しているのであり、合格実績順に学校選択をしているのではない。

今春日能研が実施した志望校予備調査の結果を見ればそれは明らかだ。

女子が選ぶ女子校・共学校の人気の高い順に15校並べてみると、
大妻、豊島岡女子、共立女子、鎌倉女学院、女子学院、横浜共立、鷗友学園女子、洗足学園、浦和明の星、フェリス、跡見学園、吉祥女子、日本女子大、実践女子、頌栄。

男子が選ぶ男子校・共学校を同じように列挙すると、
早稲田、浅野、海城、芝、駒場東邦、聖光学院、開成、サレジオ学院、逗子開成、麻布、城北、攻玉社、早稲田実業、市川、慶應普通部。

これによると、共学校が高い大学合格実績を出しているにもかかわらず、女子も男子もシングルスクールに強い関心を持っている。また大学合格実績の強さと学校選択の強さが必ずしも一致しないことも了解できる。このことは、学校選択者側の教育力のイメージを大学合格実績というスコアが反映していないことを示唆している。

大学合格実績と学校選択の関係については小野学園の保護者の考え方が参考になる。「ここ数年の進学実績の伸びを見ていると学園全体をよりよくしていこうという取り組みの成果が現れてきていると思います。子供の成長が楽しめる学園に入学して本当に良かったと思います。」とある。進学実績の「伸び」と「学園全体の取り組む姿勢」と「子供の成長が楽しめる」という要素全体が学校選択の決め手になっていることを語っているのである。

[初出:NettyLandかわら版7月号]

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